
タイヤの値上がり前の駆込み需要からなのか? いつも使っているA052が「納期未定・当面製造なし」との回答で入手出来ず,「じゃあ,RE-71RSかな?」と当たってもらったらこちらもNG.「なら試した事ないタイヤでもいいや」とZⅢやSタイヤも当たってもらったのですが,なんとこれらもNGとの事・・・.
遂にはショップから「急ぎなら自分で手配して!」とまで言われてしまったので,人生初(笑)のタイヤを通販で手配する事になりました.
最初はどこで何を買えばいいのか分からず戸惑っていたのですが,「ショップ以外で買うなら,ショップじゃ手配出来ないタイヤにするか!」と方針を決め,AUTOWAY専売のNANGKANG「CR-S」に狙いを絞りました.
早速サイズを調べてみると,「245/40R15」「225/45R15」の2種類が設定されている模様.「245/40R15」はホイールがないので除外するとして,「225/45R15」は魅力的.「225幅にしたいけど50扁平で外径が大き過ぎる・・・」と悩んでいたところだったので,これはイイ!と思いつつ,念のため他のメーカーにも同じサイズってあるのかな?と調べていたら,なんとその間に売り切れ(↓).
Σ(゚口゚;
「しまった! やっちまった・・・」と思いつつ,諦めきれずそこから数日間AUTOWAYのサイトにアクセスしていると,最初はリストに書かれていなかった「205/50R15」が後から追加されました.
これだ! m9⊃゜∀゜)!!
間髪入れずポチリ.3日後,無事届きました.

(到着時のレビューは
コチラ)
翌日,タイヤを組み替えるべくお昼休みに会社を抜け出し,ショップへタイヤを持ち込み.タイヤとホイールを手渡し,トンボ返りで会社に戻って仕事を片付け,その後再びショップへ行ってタイヤを引き上げ,家に帰ってそのままタイヤ交換.そして,翌日TC1000へGO!となりました.
そして当日.この日はフォーミュラ枠&8時枠がある日なのでピットは早々にスルーしてパドックへ.準備をテキパキと進めていると,kame@109kgさんがいらっしゃり,ドリンクを頂きました.

(kameさん,有難う御座います!)
準備を終え,サーキットアドバイザーのミーティングに向かうと,迷彩服の怪しい集団が・・・.
ヤバそうなので目を合わさないようにしつつ(笑),アドバイザーの話に耳を傾けると,今日は「限界突破」のお話.
ふ~む.そろそろ,もう1回広場トレーニングに参加すべき時期かな?と思いました.
(nori@夢がーぬさん,ホントすみません・・・)
さて,「そんな話はいいから早くCR-Sの話をしろ!!」とそろそろ怒られそうな気がするので,A2枠(9:20~)でインプレッション開始.コンディションとしては気温は17.5℃と完全に春の陽気.気圧は1018hPaとなかなか良いですが,路面温度が30℃を超え,何よりタイヤカスが非常に多い・・・.まともなタイムが出る状況ではないので「事前の情報を色々加味すると,42.1秒辺りかなぁ~?」とターゲットタイムを設定してコースに入りました.
まずは,130km/h台からのブレーキング(1コーナー進入).
「おおっ! よく止まる」
同じ205/50R15のA052からの履き替えになりますが,減速度はCR-Sの方が大きい印象.縦のグリップはなかなかありそうです.
続けて,フロント荷重を掛けた状態から,アクセルONで斜めのグリップを確認.
「アレッ? 喰わないな・・・」
高車速からのブレーキングでタイヤを潰し,そこからステアリングを切って,縦→斜めに移行させると,手応えがない.A052だったらタイヤのOUT側が接地した辺りでクルマを支える手応えがあり,そこからステアリングを切った分だけノーズが入っていくのですが,CR-Sは入らない.「A052より横がないのかな?」と思いました.
お次は,アクセル全開でコーナリングする高負荷のシーン(2コーナー).
「あらら,アンダー強くてイン側の縁石に寄せられないよ・・・」
純粋なタイヤのグリップが一番分かり易いのが,この100km/h旋回の高速コーナーなのですが,1コーナーで感じたのと同様.A052に比べると横のグリップがない感じですね.同じラインで走っているのにイン側の縁石に寄れず,ノーズが外へ外へと流れていくのでステアリングを戻せず,完全にアンダーステアです.
更に,車速を落としての低負荷シーン(ヘアピン).
「おっ!? 低負荷は大丈夫そうだな」
ここのブレーキングでもよく止まります.ABSのないEF8でもロックする感触もないので「やっぱり縦のグリップはA052と同等(or むしろCR-Sの方が少し上)かな?」と思いつつ,そこからタイヤを100%横に使ってみたところ,手応えとしては悪くありません.A052とは違う「ゴゴゴ・・・」といったスキール音がしますが(BS系のタイヤと似た音),ステアリングを切った分だけ反応するので,A052と比べても遜色ないですね.
今度は右と左を入替えて,同じ低負荷のシーン(インフィールド).
「うん.低負荷時のグリップは悪くない」
ヘアピンと同じ印象.旋回ブレーキでリアがフラフラするセクションですが,A052と比べて前後バランスは変わらず,アンダーステアもオーバーステアも感じませんでした.
最後にもう一度,高負荷のシーン(最終複合).
「やっぱり高負荷は曲がんないなー」
洗濯板でのブレーキングでは,やっぱりよく止まる.そこからアクセルもブレーキも踏まず,ステアリングだけで姿勢を作るような場面では向きの変わりがA052よりも遅い(ノーズがイン側を向かない).そこで更にアクセルを入れるとアンダーステアを強く感じました.
これを1周流してみると,こんな感じです(↓).
外撮りのクルマの動きはこんな感じ(↓).
(kameさん,こもりん.さん有難う御座います)
タイムとしては想定通り,
42.100 (1/1000秒まで狙い通り・・・笑).
領域別でグリップを比較すると,
縦 ・・・ A052 < CR-S
横 ・・・ A052 ≒ CR-S? (低負荷時は互角.高負荷時でCR-Sが劣る)
斜め ・・・ A052 > CR-S
という感じでした.横のグリップに関しては,低負荷時は互角なのに,高負荷時で負けているのは変だなぁ~?と思い,走行後のタイヤの状態を調べてみると,内圧が上がり過ぎていました(冷間:200kPa→260kPa).表面温度も70℃オーバーとなっており,完全にタイヤが負荷に負けている感じです.CR-Sを最初に手で触った時の印象として「トレッド面は固いが,サイドウォールは柔らかい」と感じたのですが,どうやらその通りの結果だったようです.
この結果なら,高負荷時でA052に負けるのは十分納得出来るのですが,その一方でアンダーステアが強かった要因として「内圧の上がり過ぎ」も可能性もあるので(なんせ路面温度が30℃超えてましたし・・・),温間の内圧をA052と同じ値にまで下げて,もう1本走ってみました.
A8枠(11:20~).
すると,高負荷時のアンダーステアが消え,A052と同等のフィーリングを得る事ができ,1本目を上回る
42.063 をマークする事が出来ました.
なお,1本目とのコンディションの違いは以下の通り.
気温 ・・・ 17.5℃ → 19.7℃ (+2.2℃)
路温 ・・・ 30.4℃ → 39.6℃ (+9.2℃)
気圧 ・・・ 1018.9hPa → 1017.1hPa (-1.8hPa)
コンディション的には悪化傾向ですし,2本目はタイヤカスが更に酷くなり,周囲とのペースも合わずアタックの機会に恵まれなかった点も踏まえると,実質的には0.1秒くらいはゲインがあったかな?と思います.
以上,CR-Sを履いたCR-Xでのインプレッションでした.
感覚的には,朝一のコンディションが良い時に走ればCR-Sでも41.8秒くらいは出たかな?という気がするので,これを踏まえた総評としては,
・A052を上回る事はないが,互角くらいのタイムなら狙える
・縦のグリップはA052より上
・斜めのグリップはA052より確実に下(これはA052が良過ぎるので仕方ない)
という感じです.これは個人的な感覚論になりますが,ミニサーキットにおけるタイヤの序列としてはRE-71RSくらいの位置付けになるんじゃないかなぁ~と思いました(タイム的にも,タイヤの特性的にもそれくらいの位置関係).ちなみに,2本走った後の減りはこんな感じ(↓)でした.
今回はA052が手に入らず,やむなくCR-Sを使った事情があるので,個人的には「A052が手に入るならA052を使う」と思いますが,A052を使った事がない人であればCR-Sは不満は全く出ないんじゃないかと思いました.
なお,今回は全て感覚論で語っているので,数字に基づく比較・分析は後日行いたいと思います.