EF8の先輩との対決第3戦は勝利に終わりましたが,前回のブログの中でも触れた通り,2本目・3本目は途中で減衰設定のテストに切替えてました.
これを行った背景としては,
前回のアップデートで「アンダーパネル」を装着したのですが,TC1000レベル(MAX:130km/h)でもダウンフォースが出ているのか,ステアリングフィールが従来と変わってしまい,ドライバーがこれに合わせ切れていないと思ったためです.
具体的には,1コーナーの進入で,これまで限界まで突っ込んでブレーキをドン!と踏むとリアがインリフトして巻き込む動きをしていたのですが,これが全く起こらなくなりました.
インリフトを全くしないとなると,通常はステアバランスはアンダー傾向になり,今までの感覚からすると「そこからステアリングを切り込んでもフロントタイヤは反応しない」と思うのですが,アンパネ装着後は反応するんですよね・・・.そして,ここで難しいのが,フロントタイヤが反応するからといって,それを信じてステアリングを切り込んでいくと,今度は曲がらないという癖がある事です.ステアリングから伝わってくる感覚と,実際のタイヤのグリップのバランスがとれてない感じで,この違和感が物凄いです.
この要因の1つとして,現在フロントにCR-Sを履いている事により前後バランスがややリア寄りになっている点もあるとは思うのですが,別のテストで当面の間は周回数を稼がないといけないので,A052の投入はもう少し待ちたいところです.
従って,CR-Sのままステアフィールを改善したいのですが,試しにリアのリバウンドスピードを遅くして(減衰力を上げて)積極的にインリフトを誘発させてみてはどうか?とトライしてみました.
結果は,冬場だったらコントロール不能に陥るレベルまで減衰を上げても,インリフトは生じず,この方向性では対処が難しい事が分かりました.
次に,「この違和感の原因は,本当にアンダーパネルが原因なのか?」をもう一度確認するため,1コーナーの進入速度を色々変えてフロントの反応を窺ってみました.
結果は,リアの動きは全く変わらないのに,進入速度を抑えるとフロントの反応が鈍くなり,進入速度を上げるとフロントの反応が良くなる事が分かりました.姿勢が変わらず,進入速度によって反応が変わるとなると,やはり空力の影響があるんじゃないか?と思っています.
さて,アンパネが原因で,リアの調整では対処出来ないとなると,今度はフロントで調整するしかありません.試しに3本目はフロントの減衰を下げて走ってみました.
結果はフロントのノーズダイブ量が増えた事で,姿勢変化を起こし易くなり,特に低速コーナーが楽になりました.高速コーナーでのネガも特に感じず,「全体のバランスとしては,こっちの方向性かなぁ~」と思いました.
前回の冬の感触から,205幅のA052にバネレート14キロの組合せは,タイヤのグリップに対してややダンパーが勝ち過ぎる印象を持っていたのですが(少し突っ張ってる),高速コーナーのゲインが大きいのでそのままにしていました.ただ,アンパネを装着した事で高速コーナーの旋回性能が底上げされている事から,レートを少し落としても良いかな~?と思いつつあります.
一方,先月走った日光では,路面のグリップにダンパーが負けているのか,コーナリング中に車体が左右に揺れる(バウンシングする)現象が起きました.
このバウンシングの原因が当初分からなかったので,ショップの意見を聞いてみたところ「ダンパーの減衰力不足では?」との見解でした.これはTC1000で減衰が強過ぎると感じて大分緩めに設定して日光に持ち込んだ結果,日光では弱過ぎとなってしまったようです.
これらの情報を踏まえて,現状取れる選択肢としては以下の3つかな?と思っています.
①ダンパー・スプリングを変えず,フロントタイヤを225幅にする.
②ダンパーを仕様変更して減衰力を下げる.
③ダンパーはそのままでバネレートを下げる.
①は15インチをキープするとなると,225/50R15では外径が上がってしまうため,225/45R15の探すしかありません.国産でこのサイズ設定はないので,海外製に目を向けるしかないのですが,そもそも輸入タイヤは15インチの設定自体が少ないので,CR-Sか,V730に限られそうです.
②と③に関しては,ようは「高バネレート×弱減衰 と 弱バネレート×高減衰のどちらが好みか?」という問題だと捉えています.
さて,こんな感じでテストを終えてどの方向性に進むか思案していたところ,とあるDC2乗りの方から「オレのクルマ,ちょっとそこら辺乗ってきてみ」と言われました.
なんでもこのDC2はフロント:20キロ,リア:16キロのハイレート仕様だが,それを感じない乗り心地だとか.「ああ,これが噂に聞くアレか・・・」と思いつつ,「高バネレート×弱減衰」を体験するのにちょうど良い機会だったので,お借りしてTC1000のパドックの奥の方でグルグル回らせてもらいました.
乗らせてもらった印象としては,なるほど,確かに20キロが入っているとは思えない乗り心地です.路面の小さなギャップを拾わず,軽くいなしてくれる感じ.私のEF8だと減衰を最弱設定にしてもギャップを乗り越える際,サスペンションのストロークが遅く,突き上げられて車体が傾くのですが(故に乗り心地が悪い),このDC2はそんな感じがありません.「ダンパーの微低速領域の減衰特性って,こういう事か.なるほどなぁ~」と思いました.
ただ,この動きだと最大ロールさせた時がどうなのか? 気になりますね.ハイレートなので,スプリングが支えてくれて腰砕けみたいな動きにはならないでしょうが,タイヤに安定して荷重を掛かるのか疑問です.クルマを返す時に軽くお話を伺いましたが,この方はタイヤのエアボリュームを気にされていましたし,繊細なペダルコントロールをされる方でもあるので,「この仕様だったら,そういうドライビングになるんだろうなぁ・・・」と思いました.
・・・とそんな感じでダンパーにも惹かれたのですが,それよりもこのDC2のシートが!!
RECAROの「PRO RACER RMS」だったのですよ.このシート,市販前に
オートサロンで初めて座った時はそのフィット感に感動して「絶対買おう!」と思っていたですが,その後,製品版を座らせてもらったら,「なんだ,コレ・・・」とガッカリな感じでした.
試作品→製品版でこんなに落ちるのか・・・と,興味を失っていたのですが,後にこのシートを購入したこもりん.さんに私の感想を伝えたら,「それってオプションのパッドだったんじゃないですか?」と言われ,その時初めてオプションのパッドは厚みが違う事を知りました.
そして,このDC2に装着されている「RMS」は,オプションパッドが付いていたのですよ!
シートに座った瞬間・・・,
「そう! コレだよ,コレ!!」 (*゚∀゚*) イイネ!
と一番最初にオートサロンで味わった感動が蘇ってきました.この腰回りのフィット感が実に素晴らしい! 足回りより先にコッチ買わないとだな!と思いました(笑).DC2乗りの方,試乗させて頂き有難う御座いました.<(_ _)>
以上,組合せで悩む,走行終了後のお話でした.