
苦戦を強いられた
先日の日光でしたが,「なんで今回はこんなに苦戦したのかなぁ~?」と過去のブログを色々見返してみたところ,毎回「気合」と「努力」と「根性」で41.3秒を出していたようです(苦笑).
「やっぱり,走行前に日光を舐め過ぎていたんだな・・・」と反省し,現状の私の実力が41.3秒レベルという事を再認識したのですが,その一方で,クルマの仕様やコンディションが色々変わっているのに,毎回41.3秒で頭打ちというのも不思議なので,何かヒントがないか?と色んなデータを比較してみたいと思います.
まずは,41.3秒近辺のタイムを集めてみると,
'20/11月 ・・・ 41.354 (S1:9.654 S2:18.238 S3:13.462)
'22/04月 ・・・ 41.331 (S1:9.653 S2:18.202 S3:13.476)
'22/07月 ・・・ 41.451 (S1:9.607 S2:18.189 S3:13.655)
'22/10月 ・・・ 41.349 (S1:9.504 S2:18.208 S3:13.637)
一番最初に41.3秒を出したのが2020年だったようで,2021年は何をやっていたんだ?とブログを見返してみたところ,ミッションブローでの不出走やウェットでタイムが出せず,といった事情があったみたいです.タイムの推移を見てみると,S1が少しずつ速くなっている一方,S3は0.15秒くらい遅くなっているようですね.
次に,クルマの仕様を振り返ってみると,
'20/11月 ・・・ フロントタイヤ:A052
'22/04月 ・・・ フロントタイヤ:CR-S,ギヤ比変更,LSD変更,車高調変更,点火DI化
'22/07月 ・・・ フロントタイヤ:A052,アンダーパネル装着
'22/10月 ・・・ フロントタイヤ:A052,フロントバネレートダウン
うわっ! 今気づきましたが現在の自己ベストはCR-Sが持っているんですね(う~ん・・・).タイムと仕様の変化点の相関をとってみると,'22/04月はエンジン+駆動系のアップデート分がタイヤのグリップダウンで相殺されている感じなのかな? '22/07月と10月でS3が遅いのはアンダーパネル装着による重量増(約5kg)の影響かもしれませんね.低速セクションは車重の影響が大きいので11~12コーナー辺りが遅くなっているのかも?
続けて,現地のコンディション比較.
'20/11月 ・・・ 気圧: 991hPa 気温:不明 路面改修前
'22/04月 ・・・ 気圧: 998hPa 気温:17℃ 路面改修後2ヵ月経過
'22/07月 ・・・ 気圧: 981hPa 気温:30℃ 路面改修後5ヵ月経過
'22/10月 ・・・ 気圧:1002hPa 気温:22℃ 路面改修後8ヵ月経過
こうして見ると,今回は比較的'22/04月のコンディションに近かったみたいですね.ただ,'22/04月と大きく異なるのは路面改修直後か否かといった部分でしょうか.さすがに8ヵ月も経った後では'22/04月に走った時ほどの感動はありませんでしたね(単純に慣れちゃっただけかもしれませんが).また,見方を変えるとA052⇔CR-S間のグリップ差を'22/04月は日光の路面が補ってくれていた可能性がありそうです.
最後に,今回の'22/10月を基点としてロガーデータを比較してみます.
【'22/10月(青) vs '20/11月(緑)】
上段が車速,下段がタイム差です(下に行くほど今回の方が速い).公式の計時では今回(青)の方がS1は0.15秒速くなっているのですが,どうやらこれは3~6コーナーの区間で稼ぎ出しているみたいです.足回りのセッティングとしては今回(青)の方が良かったという事なのでしょう.6コーナーで多少の行き来はあるものの,その後は10コーナーまで全くタイム差が変わらず,高速区間では何も変化がなかったようです.
(折角アンパネ付けたのに,この結果は少し悲しいですね・・・)
'20/11月(緑)の方が圧倒的に速いのは,10~11コーナー間で瞬間的には0.5秒も上回っています.ブレーキングポイントはさほど変わらないように見えるのに,この差は一体どこからくるのでしょう? 最後の11~12コーナーは今回(緑)の方が速い事からS3の0.17秒の遅れの原因は,10コーナーのブレーキングにあるようです.あと,先述のS1の稼ぎ所と同様に,11~12コーナーのS字の切返しも今回の方が速かったようですね.切返しのステアリングレスポンスは決して良くないのですが,縁石の走破性やトラクションの掛かりは今回の足回りの方が良いという事なのでしょうか・・・?
【'22/10月(青)vs '22/04月(緑)】
近いコンディションでのA052(青)vs CR-S(緑)比較とも言えます.2・6・8コーナーを見てみると,ドライビングの違いが読み取れ,CR-S(緑)の方が全体的にダラダラ減速してアクセルONも遅いのですが,アクセルを踏んだ後の加速力は良く,各コーナーの終端速度で比較するとほぼ同じです.'22/04月(緑)は路面の改修から間もないので,それで蹴り出しが良かった可能性もありますが,'22/10月(青)の方が車重は増えているので,それで加速が鈍り,相対的に良いように見えている可能性はあります.
また,今回(青)の方がS1で0.15秒速いのは,1~2コーナー間のドライビングの違いが要因になっているようですが,S3の0.16秒の遅れは原因がよく分かりませんね.'20/11月は明確に10コーナーのブレーキングに問題であったようですが,ここではそれほど差がないようにも見えます.
【'22/10月(青)vs '22/07月(緑)】
コンディションは違いますが,フロントのバネレート比較とも言えます(青:12キロ 緑:14キロ).減速はやはり12キロ(青)の方が早い事が読み取れますが,ここでも3~6コーナーは今回(青)の方が速く,足回りのセッティングはやはりこちらの方がベターなようです.6コーナーの立ち上がりでは'22/07月(緑)に遅れをとっていますが,波形を見るとアクセルの踏み始め自体は早いのに,その後で失速しているようなので,今回(青)の方がフロントタイヤがタレていたんだろうなぁ~と思いました(なんせ,このタイム22周目に出してますし).見方を変えると,フロントタイヤがタレる前にこの走りが出来れば,0.15秒は稼ぎ出せた,と言えるのかもしれません.
その後は計測誤差レベルの違いしかないので,10℃の気温差は20hPaの気圧差で吸収されたようですね.ここから推測するに,'22/07月の時点で既に路面の改修効果は失われていたんだろうなぁ~と思いました.
以上を纏めると,タイヤがタレていなければ(もう少し早いタイミングで同じは走りが出来れば),あと0.15秒は縮められそうです.
足回りのセッティング的には今回の方が日光に合っていて,ステアリングレスポンスは悪いのに,縁石の走破性とトラクションの掛かりの良さがそれを上回る結果を生んでいるようです.'20/11月の時のスプリングはHYPERCOの10キロでしたから,それより高いバネレートであるにも関わらず,走破性が良くなっているのは,HALスプリングの特徴なんでしょうね.
今回の結果から,改めてHYPERCOよりもHALの中反発の方が私の好みに合っていそうだなぁ~と思いました.現状のフロント:HAL,リア:HYPERCOだと若干前後の動きにチグハグ感があったので(これが1本目で思ったほどタイムが出なかった理由の1つでもある),リアもHALスプリングに揃えてみようかなぁ~?と思いました.
あとは,10コーナーに謎の詰め代が0.25秒くらい残っているようなので,どうすればこれを刈り取れるか?はまだ分かりませんが,タイヤのタレ分の0.15秒と合わせれば,理論値的には40秒台に手が届きそうである事が分かりました.
恐らく今年の日光は今回で最後なので,来シーズンまでには詰め代を見出して,それをきちんと刈り取れるように腕を鍛えておきたいと思います.