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2022年11月07日 イイね!

TPMSのテスト結果

TPMSのテスト結果それでは,続きです.

タイヤの温度計測用ツールとして「TPMS(Tire Pressure Monitoring System)」を導入する事を決断し,FOBOの「TIRE 2」を手配,ファミ走前日に何とか届いた,というのが前回までのお話でした.

この製品は「スマホと連携して計測データを残せる」という特長があるので,これを使って「TPMS」の計測結果を分析してみます.

分析に使うのは午後のP4枠(14:00~)の走行データ(タイヤはA052).残念ながらこの日の筑波は気温・気圧ボードが撮影出来ない日だったので,正確な路面温度は分かりませんが,恐らく30℃前後くらいだと思います.気温自体は17℃くらいでしたが,やや日射しが強く,そのせいで若干高くなっていたかと思います.

計測したデータはスマホ上でも見れるのですが,あまり見やすいグラフではなかったので,今回はデータをcsv形式で吐き出させて,表計算ソフトで処理し,1周毎の変化推移に直して分析してみる事にします.


まず,この「TIRE 2」のサンプリング周期ですが,10~30秒間とマチマチでした.センサー側は1回計測したデータを1秒間隔で2回連続で送信し,それを8~10秒間隔で行っているようなのですが,レシーバー側が時々データを取り損ねるらしく,最長30秒間くらい更新されない場合もありました.ただ,30秒以上の取り損ねはなく,TC1000であればラップタイムは最速でも41秒くらいなので1周のうちに最低1回は必ずデータが更新される計算になりそうです.

では,最初に「内圧」の分析結果です(右:青 左:赤).

【フロントタイヤの内圧】


【リアタイヤの内圧】


この時は温間でフロント:230kPa,リア:235kPaがターゲットだったのですが,フロントがそれに到達するのは17周目,リアは12周目と結構遅い事が分かります.スタート時点(冷間)の内圧は前後・左右でほぼ想定通りの値なので,意外と内圧の上昇って遅いんだなぁ~と思いました.このデータを見る前までは,アタックを1~2回すれば一気に内圧がターゲット値まで上がって,その後は平衡状態になる(サチる)と思っていたのですが,全然違いますね(汗).

TC1000は右回りのコースなので,右側(赤)がIN側になるのでタイヤの負荷が低く,内圧が上がりにくい特性となるのですが,私はこれを補うためにスタート時の内圧を右側だけ5~10kPa上げた状態にセットしています.この左右のズレもアタックを1~2回もすれば揃うんだろうなぁ~と思っていたのですが,今回計測したデータを見ると,左右が揃うのは9周目辺りで,こちらもかなり遅いようです.「これじゃあ,ブレーキロックもするよなぁ~」と思いつつ,タイヤのウォームアップのさせ方は改善しないとダメですね・・・.

ちなみに,手持ちのエアゲージとの誤差も確認してみましたが,5kPa未満とほとんど差がなく,計測精度としては十分だと思いました.


続けて,今度は「温度」のデータです(右:青 左:赤).

【フロントタイヤの内温】


【リアタイヤの内温】


間接式のTPMSはバルブの上端にセンサーを取り付ける形となるので(↓),



センサー本体が走行風で冷やされたり,逆にブレーキの輻射熱にさらされて熱くなったりと,正しい温度計測は出来ないだろうと思っています.例えば,上記の計測結果でもスタート時の計測結果が,左側(赤)に比べて右側(青)が3℃くらい高い値を示しているのですが,これは車体の右側が太陽の日射しに照らされてセンサー本体が温められてしまったためではないかな?と思いました.

なので,「内圧」の計測結果と比較して,相関性が見れればラッキー~♪くらいのつもりでいたのですが,左側(赤)はともかく,右側(青)はほとんど変化していないので,やっぱり使えなそうですね・・・.タイヤのウォームアップを見るという意味では「内圧」よりも「温度」を指標とした方が正しいと思うのですが,これだけ感度がないとタイヤのグリップを推し量るのには使えなそうです.



もっとも,この「TIRE 2」の画面表示は,「内圧」に比べて「温度」の文字が極端に小さく,走行中に画面をチラ見するくらいでは,ほとんど見えませんでした(1秒以上凝視してようやく読み取れる感じ),そういう意味でも「使えないなぁ~」と思いましたので,ま,参考程度の扱いですね.


なお,今回はただ漫然と計測しても感度が分からないので,走らせ方を色々変えてテストしてみました.
ラップタイムの推移で示すと以下(↓)のような感じなのです.



 ① ・・・ 1アタック&1クールの繰返し
 ② ・・・ ピットイン&2分停車
 ③ ・・・ 再度1アタック&1クール
 ④ ・・・ クーリングせず,耐久ペースで連続周回


これと前述のデータを比較して見てみると,以下の事が分かります.

 ・ファーストアタック(計測1)では,フロント/リア共に冷間時の内圧のまま
 ・アタックを2回終了した時点で,フロントは15kPa内圧が上昇(リアはその半分:7kPa)
 ・フロント/リア共に,左に比べて右は内圧の上昇が遅い(約1周分)
 ・アタック3回までは,ほぼ内圧は変わらない
 ・走行中は風で冷えるのか? 停車している方が内圧の上昇は速い
 ・アタックラップの4秒落ちペースであれば,連続周回してもほとんど内圧は変わらない
 ・負荷の大きい左側(青)の方が内圧の上昇度合は大きいが,上がるタイミングは左右で大きく違わない
 ・内圧⇔温度の相関はなさそう
 ・気温20℃未満の環境下で最高温度は40℃.これなら夏場でもセンサーの使用限界(85℃)には到達しない??


以上,TPMSのテスト結果でした.

今回は路面温度が分からなかったですし,そこそこ気温も暖かかった(ウォームアップに苦しむほどではなかった)ので,もう少しデータを集めないと指標は見い出せなさそうです.それでも,内圧の上昇傾向は掴めましたし,計測1は実は結構低い内圧でアタックしていた事も分かったので,状況理解が深まって良かったです.

それにしても,TC1000だと右リアってホント温まらないんですね・・・.18周しても上がった内圧は,たったの「7kPa」ですからね(温度はなんと1℃も変わらず).TC1000で一番負荷の高い左フロントは「40kPa」も上がっているんですから,その約1/5の上昇速度.そりゃ,真冬で15分掛けても温まらない訳だよなぁ~とまざまざと思い知らされました.
Posted at 2022/11/08 07:37:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(ツール) | 日記

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