
少し前に提供頂いた
(大)@みやう軍団さんの日光の走行データを見ていて,ふと「私は減速→加速へ移行する際の”我慢”が少し足りていないのかも?」と思いました.
具体的には,コーナリング中に「減速完了」と判断して,アクセルを開け始めるタイミングが少し早く,まだタイヤのグリップを縦と横両方使っている(≒斜めに使っている)のに,アクセルを開けにいってしまい,アンダーを引き起こしているのでは・・・?という仮説.
例えば,TC1000だと未だに最終の複合で「向きの変わり方が今一つ・・・」と感じているのですが,その原因がこの「我慢不足」にあるんじゃないかなぁ~?と気になりました.
このため,TC1000の最終コーナー手前で,意図的にアクセルを開けるのをワンテンポ遅らせたらどうなるんだろう?と試してみました(↓).
アクセルを開けるのをワンテンポ我慢した結果,体感的な違いとしては,
・向きの変わりが良くなった
・ターンインが始まった後のアクセルコントロール量が少なくなった(早く全開に出来る)
・立ち上がりでアウト側に流れようになった(ちょっとラインが苦しい)
・・・という感じでした.フィーリング的には曲がるようになった感はあるのですが,その一方で"待ち"の時間が長いので,タイム的には遅いようにも感じました.
こういう時の感覚はアテにならないので,簡易的にロガーで確認しようと思い,洗濯板手前のブレーキング~ゴールラインでセクターを適当に区切って比較してみたのですが,
「我慢した方(青)の方が0.17秒速い」という結果が出てきてしまいました.
ええ~っ!? ホントにぃ~?? (´-ω-`)
ラップタイム的には0.35秒も遅いのに,ここで0.17秒もゲインしていたら,他で0.5秒ロスしている事になるため,この結果は怪しいと感じ,解析ソフトを変えて再度確認してみたところ,
今度は一転して,「我慢した方(青)の方が0.008秒遅い」という結果が出てきました.
これなら合ってるかも!? (゚∇゚)
念のため,同じように洗濯板手前のブレーキング開始に時間軸を合わせて,車載映像でも比較してみたところ,
ほとんど差がない(ワンフレーム差)ので,どうやら「0.008秒差」が正しそうです.
となると,この「0.008秒差」をどう捉えるか?が難しい.
単純にこの結果を捉えると「アクセルを我慢しようが,我慢しまいがタイムはほとんど変わらない」となるのですが,タイヤの状態に差があるので「新品のグリップMAXなタイヤと同じ速さを,100km走行して摩耗したタイヤでも出せた」と解釈すると,我慢した方が速い可能性も出てくる.
数値に目を向けて見ると,我慢した方が走行距離が4m短く,これが恐らくタイムが変わらない直接の理由だと思うのですが,その一方で,ゴールライン通過時点の車速は我慢した方が0.6km/h上がっており,立ち上がりの速度の伸びが良くなった要因もありそう・・・.
ただ,唯一我慢した方で気になるのが,ターンイン時の舵角で(↓),
画像の地点で,新品時(上)は最大舵角までステアリングを切り込めているのに,100km走行後(下)の方は切り込めていない(これ以上切っても曲がらない事を体感的に分かっているので,ドライバーが意図的に切り込む事を止めている).
しかし,その後,減速時間を長くとって(我慢して)向きを変えた後(↑)は,両者同じ舵角になっている.
・・・という事は,「今回,意図的に我慢したつもりでいるけど,実際のところはタイヤのグリップ(≒当日の路面コンディション)に合わせて走ってるだけで,それに故に自然と我慢する形になっただけの事」というのが案外オチなのかも.操作の違いはあれど「両者共にタイヤのグリップの限界で走らせているからタイム差がつかない」と言われたら,それはそれで納得出来てしまいますね.
そんな事を頭の中で考えていたら,思考が堂々巡りしてしまい,気がつけば今週が終わっていた・・・というお話でした(苦笑).
Posted at 2022/11/11 21:01:23 | |
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筑波サーキット・コース1000 | 日記