同じ条件下で比較を行いたかったリアホイール比較ですが,
先日のTC1000 では残念ながら雨に阻まれ,それが叶いませんでした.
仕方がないので前回のTC1000のデータと比較しようと思い,今回のデータを見返していたら,当日のベストラップとロガーデータを照らし合わせて見ると,車載の動きとデータが合わない.「アレ? 変だな??」と思い,細かく見てみたら車載側のベストラップを間違えていました・・・.
ここのところ,周回すればするほどタイムが落ちていく事が多かったので,大体ベストラップは初回のアタックラップとなる事が多かったのですが,今回は路面の汚さに心が折れてしまい,枠の後半で41.6秒を3回マークする事になってしまったので,ベストラップを1アタック分勘違いしてました(泣).
・・・という事で,動画も作り直して(↓),再度映像を確認してみると,
VIDEO
こちらのラップではブレーキングの合わせ込みが出来ていたせいか,1~2コーナー間は意外とアンダーステアが出てませんでした.途中ヘアピンでGK5に追いつきそうになって,進入~立ち上がりの区間で集中力を欠いてしまいましたが,それを差し引くと前回のタイムと同等くらいにはなってました.
「アレレ?? 意外と15インチも悪くない!?」
(゚^ ゚) ウーン
と思い直し,だったらいっそ16インチのBest of Bestである
フロントに新品を投入した時 と比較してみるかーという事でやってみました.
まずはそれぞれのコンディション.
16インチ ・・・ タイム:41.142 気温:21.0℃ 路面温度:29.9℃ 気圧:1017.9hPa
15インチ ・・・ タイム:41.620 気温:10.0℃ 路面温度:12.6℃ 気圧:1017.6hPa
気圧は同等ですが,気温が10℃違います.16インチの方はフロントが新品なので,これのゲインを0.2秒と見積もると,ちょうど気温差分を相殺出来るくらいでしょうか.約0.5秒をどこで失っているのか?がポイントですね.
続けてロガーデータですが,今回はLAP+で比較してみます(緑:16インチ 青:15インチ).
上が車速,下がタイム差です.前述の通り,両者のタイム差が広がっている(下段で緑線が上に行っている)ポイントに絞って見てみます.
1コーナー立ち上がり(1つ目の赤丸)
15インチ(青)の方は1コーナーの立ち上がりで0.1秒失っているので,「やっぱり新品のグリップには敵わないよなぁ~」と一瞬思いましたが,データをよーく見てみると,15インチ(青)の方がアクセルを開け始めるポイントが僅かに早い.これによって1コーナーの縁石付近の旋回速度は15インチ(青)の方が高くなっています.進入速度が高ければ,その先でアンダーが待ち構えているのは当然な訳で,この高い進入速度が0.1秒のロスの直接の原因のようです.
では,なぜ進入速度が上がったのか?というと,リアが安定していたからでしょうね.1コーナーは,3速固定のままブレーキング時のフロント荷重で曲げて突っ込んでいくコーナーなので,当然クルマはオーバーステア傾向になり易く,アクセルを開けられるポイントはリアのスタビリティで決まります.リアがフラフラしていれば落ち着くまで待たないといけませんし,反対にリアがドッシリとしていれば自分の好きなタイミングで踏めます.
15インチ(青)の方は,リアタイヤ自体が新品であるため or 6mmリアのトレッドが広がったため or リアの車高が3mm下がったため,の3つの要因のいずれか(あるいは3つ全て)のおかげでリアが安定し,ドライビングの自由度が増したのでアクセルを早く開けられたんだと思われます.従って,これを上手く活かすべきなのですが,問題はその先に待ち構えるアンダーステア.
車載で確認してみると(↓),
ほんのちょっとなのですが,上段→下段で僅かにステアリングを切り足しているんですよね・・・.この切り足しが操舵抵抗となって失速を招き,0.1秒のロスに繋がっているので,ここは一定の舵角で曲がれるようにしたいところです.
立ち上がりでアンダーステアを消すための策としては,まんま進入の逆になるので,リアタイヤを中古にする or リアのトレッドを狭める or リアの車高が上げる,といった点が挙げられます.タイヤは今回使った事で自然と「中古」状態になっているので,それで1度確認した後,車高調整,ホイールの再選定という流れで検討でしょうか? あるいは単純にフロントに新品タイヤを投入すれば片付く問題なのかもしれません.
いずれにせよ,ここは15インチ化しても±ゼロに持って行けそうです.
ヘアピン立ち上がり(2つ目の赤丸)
ほんのちょっとなのですが,15インチ(青)の方が立ち上がりで遅れています.これは恐らく,
立ち上がる先にGK5の姿が見えて(↑),「どうしようかなぁ~」と一瞬躊躇したからでしょうね.ご覧の通り,そこそこ距離はあるので気にせずアクセルを踏み抜けばいいんだと思いますが,そもそも先に心が折れているので(笑),こういうところでドライバーの集中力の差が表れちゃいますね.
ちなみに,この躊躇で失った0.05秒は,その後の全開加速で取り戻せています.これがリアホイールの軽量化によるものだと嬉しいですが,多分気温差10℃の影響でしょうね・・・.
インフィールド立ち上がり(3つ目の赤丸)
ロガーデータを見た時,63km/h付近から緑線と青線が乖離していくので,「ああ,15インチ(青)はここで何か起きたのかなぁ~?」と思ったのですが,よーく見てみると,差が生じているのはその線が乖離する手前の部分.
へっ!? σ(・ω・,,`)?
と思い,車載を見返してみると・・・,
VIDEO
ああ,また起きてますよ,首カックンが! 失火してますね・・・勘弁して欲しいなぁ~.
これは今回の変更に関係ないので,ノーカウントです.
バックストレッチのシフトアップポイント(4つ目の赤丸)
ここは2→3速へのシフトチェンジ後の再加速が何だか異様に遅いですね・・・.「シフトミスでもしたか?」と思い,車載を見返してみるとこのラップはミスしてなさそう(この前の周ではミスりましたが).特に不審な点がないので「もしや・・・」と思い,LINK ECUのログを確認してみると,案の定,こちらも失火してました・・・.
どうも4000~6000rpmのVTEC切替ポイント周辺の燃調が合ってないなぁ~と思いつつ,こちらもノーカウントです.
最終コーナー(最後の赤丸)
ここはひたすら「曲がらん!」と思っていたので,ま,案の定な結果ですかね.
ここは新品と中古品でグリップ差が顕著に出る部分だと思うので,0.07秒差であれば健闘した方かな? リアのトレッドが6mm拡大した事で余計に曲がりづらくなっているとは思いますが,ここはホイールの影響云々より,根本的に足回りの方で問題を抱えていると思っているので,「15インチ化して良い方向に行かなかった!」くらいに留めておきましょう.
以上,リアホイール15インチ化の影響でした.
纏めると,走行前に危惧していた程15インチ化のデメリットはなさそう.ただ,それと同時にメリットもない(苦笑).何とも困った結果ですね.この後,ウェット路面で確認した印象だは,15インチはインフィールドでのスタビリティがかなり高かったので,0.1~0.2秒くらいは遅くなりそうな皮算用ってトコでしょうか.フロントタイヤが同じ条件なら0.5秒も差はつかないと思われます.
さて次はどうするか?
足回りのセットを変更してデメリットを打ち消す帳尻を合わせを行うか? 無駄な足掻きはせず,きっぱりと諦めて16インチに戻すか? う~ん・・・悩ましいので,もう1回テストしてから判断ですかね.