先月走ったTC2000で,1ヘアにアプローチする際のブレーキングで「止まらないなー」と思う事がありました.
ブレーキの踏み始めでイメージしている程の減速感がなく,スゥ~っと前に流れるような感じで,最初かなりビビりました・・・.走り出して初っ端の方だったので,身体の感覚がTC2000の速度域に追いついてないのかな?と思い,徐々に慣らしつつ,「大丈夫!大丈夫!」と自己暗示をかけていったところ,途中から気にならなくなりました.
走行後の分析結果でも,2本目のデータは1年前のものと大きな違いがなかったので,その後はスルーしていたのですが,AUTOSPORT No.1578の「ドライビング達人を目指すヒント」という記事を読んでいた時に,少し引っ掛かる一文がありました.
「ブレーキングを最短時間で完了するためには,タイヤのグリップを全て減速に使う必要があるので,直線で終えるのが基本.その上で,最大減速Gを出来るだけ早く立ち上げて,それを一定に保ちたい.クルマの重量配分や重心高等によって違いはあるものの瞬時に最大踏力に持って行くよりも,少し荷重移動を促してから最大踏力を保つ方が安定してブレーキング出来る」
フロントのスプリングレートを下げてから,ブレーキングを追い込んでいくとフロントタイヤがややロックするようになったのですが,これはまさに「荷重移動の促し」が足りてないせいかな?と気づかされました・・・って,気になったのはココではなく,次の一文(↓).
「G一定での減速をすると速度は距離に比例しては減速していかない.エネルギーは速度の二乗に比例するからだ.最初は減速せず,止まれないのでは・・・と不安になるが速度が落ちてくると一気に減速していく.だからこそ,この感覚を『尺』として刷り込む必要がある」
ああ,やっぱり感覚の問題だったのか! 先日のTC2000でも知らず知らずのうちに「G一定の減速」をやっていたんですかね・・・? やっぱりドライバーの感覚合わせが足りていなかったのかぁ~と思い知らされました.
ちなみに,この記事では最後以下のように纏められているのですが(↓),
「難易度が一気に上がるのは大きなダウンフォースが掛かっているF1を筆頭としたレーシングカーだ.200km/h超で車重を超えるようなダウンフォースが発生するレーシングカーの場合にはG一定では減速出来ない.大きなダウンフォースが掛かっている高速時には大きなGが発生するが,速度低下と共にダウンフォースも減少するからだ」
「操作としては最大踏力でブレーキを開始した後,減速に合わせてブレーキを抜いていく作業が必要となる.80km/h以下まで落ちるとほぼタイヤのグリップ力だけに頼ることになる.ツーリングカーとは比べ物にならない難易度がそこにある」
・・・との事.ちなみに私のEF8が発生しているダウンフォース量は,ちょうど1年前に
試算した事があって,「120km/hで発生するダウンフォース量は車重の約1/4程度」でした.なのでレーシングカーのようなダウンフォースが全く出ておらず,ブレーキングの難易度が低い事も間違いないですね(当たり前!・・・笑).
さて,上の記事を読んで「じゃあ,あの時は減速G一定のブレーキングだったんだな~」と,当時のロガーデータを引っ張り出して確認してみたところ,
ア,アレッ!? Σ(゚д゚;)
青が1本目(止まらないなーと感じた時),赤が2本目(何も違和感がなかった時)なのですが,1ヘアの減速Gの形が違いますね・・・.2本目(赤)の方は1ヘアに迫るほど減速Gが大きくなっているので(赤いボールが上にどんどん進んでいくので),不安なくブレーキングが出来ている感じですが,1本目(青)の方は1.1Gの最大減速Gを出した後,次の瞬間には0.8Gまで一気に落っこちてます(青いボールが一番上に上がった後,カクン!と下に折れてる).しかもこの『落っこち』は130km/hくらいの速度域で起きている現象なので,ちょうどブレーキングを開始した後,「止まらないなー」と感じる部分ですね・・・(汗).
なんじゃこりゃ?? 折角記事を読んで納得しようと思ったのに,これじゃ,自分の感覚の方が正しかったという答えになっちゃうじゃないか!(苦笑)
えぇ~っ,本当に何だよコレ? 2本目は違和感なくスムースにブレーキング出来たデータになっているから,クルマの問題じゃないよなぁ~? だとするとブレーキの踏み方の問題か?? 1本目の車載はもう消しちゃったから,当時どんな操作してたのかもう確認出来ないし,いやはや参ったな・・・.
以上,ヒントを見つけたと思ったら,余計深みにハマったブレーキングの小話でした.
(あの止まらない感覚は怖いので,ちゃんと原因は究明したい・・・)
Posted at 2022/12/05 04:22:19 | |
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