1コーナーのブレーキング比較を行った際,参考データとしてスタートラインの通過速度も比較してみたのですが,1つだけ飛び抜けて速度が高いデータがありました.
平均的なデータ ・・・ 104km/h
高いデータ ・・・ 107km/h
春先に速度を落とす要因を考えたりした事もあって,ちょっと気になったので,ロガーデータを見てみました.
赤線が通過速度が高いデータ,青線が平均的なデータです.最終的に1コーナーに向かってブレーキングする時の速度に大きな差はないので,これで0.04秒程度しか違わないのですが,「ただストレートを真っ直ぐ走っているだけで0.04秒も失う」と考えると,やっぱり勿体ないかな?と.
スタートラインの通過速度が変わる要因は,アタックラインのライン取り・アクセルの踏み始めしかないので,まずはラインの方をチェック.
赤(速度が高い)の方が,ほんの少しだけ最終コーナー立ち上がりで外へ膨らむ量が少ないですね.それが出来た要因としては,ほんの少しだけアタック開始時にコースの外に落とす量が多く,角度が浅かったせいなんでしょうか?
車速のデータを見てみると,それよりもアタックライン進入のスピードの方が要因が大きそうです.
青(平均的なデータ)は,洗濯板手前からスローダウンし,ゆっくり回って狙いのポイントに来たらアクセルを踏んでますが,一方の赤(高いデータ)の方は,後続の邪魔をしないようにそこそこの速度で洗濯板に進入,アクセルを踏み始める手前のポイントで一度アクセルを抜いて,角度を合わせてから再度踏み込んだようです.
この比較結果を見て,アタックラインへは「助走(そこそこの速度で進入)した方が良いのかな?」とも思いましたが,どちらかというとアクセルを開け始める直前で一度減速し,ノーズを沈ませてから加速を開始した効果の方が大きかったのかな?とも思いました.
フリクションサークルを見ると,赤(高いデータ)の方が横Gが大きいにも関わらず,加速Gは青(平均的なデータ)と同等なので,縦のグリップは目減りしていないようです.
ちなみに,アタックラインで立ち上がって,最終コーナーの縁石を踏むかどうか?も気になっていたのですが(踏まない方がトラクションの掛かりが良いのでは?と思った),
あんまり関係ないようですね.それよりは縁石をカットする事で立ち上がりの角度を浅く出来る事の方が効果的のようです.
以上,TC1000におけるアタックラインの使い方でした.
助走の有効性は以前から調べていたのですが,今一つ良し悪しが分からず試行錯誤していたのですが,「速度の差は,助走ではなくノーズダイブの量の差」と考えると納得出来る部分もあるので,次回からはその点を意識してみようと思います.
Posted at 2022/12/30 15:06:45 | |
筑波サーキット・コース1000 | 日記