
SNSを見ていたらエンジンのミニチュアの画像(タイトル画像参照)が流れてきたので,「確かに精工そうだなぁ~」と思いつつ,よく見たらチューンドエンジンばかり.個人作製かな?と思って調べてみたらフリマサイトがいっぱい引っ掛かるので,輸入物だな~と元ネタを調べてみたら
予想通りでした.3Dプリントで作られた1/4スケールモデルのようですが,B16Aノーマルがあれば興味を惹かれたのに・・・とちょっと思ったOXです.
さて,
前回の続き「コイル」のお勉強の最後おまけ編です.
「点火を強くする」ための方法③に触れてなかったので,そこから.
③「1次コイルの巻き数」を減らす
さすがに「1次コイルの巻き数」なんて情報は公開されていないので,どの「イグニッションコイル」を使ったら減るのか?なんて分かりませんが,古の時代にはエンジンの高回転化に対応する手法としてあったようですね.
高回転になると,当たり前ですが1回転当たりの時間が短くなるので,「1次コイル」に流せる時間も短くなります.通電時間が短くなるという事はそのまま「電流」が減るという事になるので,最終的に失火に繋がります.じゃあどうするの?というと,前回のオームの法則(↓).

(atenai:
オームの法則ってどんな法則?より)
「電流が減るなら,抵抗を減らせばいいじゃない」という事で,「1次コイルの巻き数」を減らしたそうです.ただ,単純に減らすと今度は低回転時に電流が流れ過ぎる事になるので,「1次コイル」の上流に追加の抵抗を加えて帳尻を合わせたのだそうです.
ようは,「電流の絶対値は下がるけど,その分レスポンスは上がるよ!」って事です.
前回のK20A用イグニッションコイルの話に通じるものがありますね.
という事で,「イグニッションコイル」本体だけでなく,その上流の抵抗値も点火に影響する事がここから分かります.
じゃあ,その上流の抵抗値って何?というと,ハーネスでしょうね.具体的にはココ(↓)かな?
私のEF8の場合,ここは30年物のハーネスですから相当劣化しているんでしょうね・・・.どのくらい劣化したら,どのくらい抵抗値が増えるのか?というのは定量化出来ませんが,新品時よりは確実に電流が流れにくくはなっているのは間違いないでしょう(間に挟まっている60Aのヒューズにも同じ事が言えますね).
抵抗を増やす要因と言えば,もう1つ「熱」もありますね.
物体に電流を流すと発熱するのですが,発熱すると抵抗が増えて電流が減るという特性もあります.ここで厄介なのが「熱」というと環境温度(吸気温とか水温とか)だけを指しているのではなく,ハーネス自身の発熱を指している事でしょうか.どんなに吸気温・水温が高くても,電流があまり流れない運転(例:低回転)であればハーネス自体の温度が低いので電流は別に減らないでしょうが,反対にどんなに吸気温・水温が低くても,電流を大量に流す運転(例:高回転)ばかりであればハーネスの温度がどんどん上がっていくでしょう.この場合,高回転→低回転に戻ったとしても,ハーネスの温度が急に下がらないのであれば,電流は減ったままかもしれませんね.
もしかしたら,コースイン時は温度が低いので何も問題は起きなかったが,周回を続けて温度が上がってくると途端にトラブルが起こり出す.そして,1度トラブルが発生すると再び温度が下がってくるまで何をしても復旧しない癖に,暫く時間を置いて温度が下がった頃に試すと何も問題が起こらない.そんな事があるのかもしれません.
こんな話をすると,「いやいや,ハーネスの発熱なんてたかが知れてるでしょ.多少は電流が変化するかもしれないが,エンジンの具合が変わるほどではないでしょ~」と言われるかもしれませんが,仮に通常時の点火が既に火のつくギリギリの状態であったらどうでしょう? 例えば気温が低い状態で負荷が掛かると失火するようなレベル.元々ギリギリで余裕がない状態であれば,僅かな変化でも目に見える形で現れるかもしれません・・・.
最後に,ハーネスの抵抗が大きい場合,どうやって下げれば良いか?というと3つ選択肢があると思います.
①ハーネスを新品にする(引き直して接触抵抗を減らす)
②ハーネスの長さを短くする
③ハーネスの太さを太くする
また,EF8純正(ディストリビュータ)時の「イグニッションコイル」はこのスペックだそうです(↓).
K20A用のスペックもサービスマニュアルに載っているようであれば,確認してみたいと思います.
以上,コイルのお勉強でした.
Posted at 2023/03/17 12:42:12 | |
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