アップデートの確認も終わったので,お次は問題のタイヤに関する考察です.
前回はCR-Sの225/45R15を履いて自己ベストをマークしたのですが,今回はA052の205/50R15に戻しての自己ベストに再チャレンジでした.日光のコースレイアウトを考えるとタイヤ幅が絶対な気がするので厳しいチャレンジだろうなぁ~とは思っていたのですが,予想以上にいっぱいいっぱいの状況でした(苦笑).
まずはタイヤスペックのおさらい.
【タイヤサイズ】
CR-S ・・・ 225/45R15 (外径:583mm タイヤ幅:225mm 重量:?.?kg)
A052 ・・・ 205/50R15 (外径:587mm タイヤ幅:214mm 重量:8.5kg)
外径はほぼ同等で,A052の方が純粋に幅が10mm細い感じですね.
異サイズでの銘柄比較も以前行ったのですが,その時には「タイヤを持ち上げた時に体感でCR-Sの方が重い」と評したのですが,
マイナーチェンジしたと思われるA052と比べた場合は,重量は同等という印象でした.
次に,公式タイムの比較.
CR-S ・・・ 41.184 (S1:9.474 S2:18.085 S3:13.625)
A052 ・・・ 41.242 (S1:9.613 S2:18.075 S3:13.554)
A052の方がS1で0.14秒遅く,S3で0.07秒速い感じですね(S2は互角).ちなみにコンディションはイーブンです.
【CR-S】
【A052】
ではロガーデータを見てみましょう(緑:CR-S 青:A052).
ざっくりで見ていくと,A052がS1で遅かった理由は1~2コーナー間の減速領域が原因(左側の赤丸)で0.15秒失っています.逆にS3が速かった理由は11コーナーのエイペックスを過ぎた後の加速が良かったため(右側の赤丸)で,こちらは0.07秒ゲインしています.あと互角のS2ですが,よーく見てみると6コーナーの立ち上がりで0.1秒失っているようです.ただ,それを6~8コーナー間の加速で取り返して互角に持ち込んでいるみたいですね.
細かく見ていきましょう.まずは1コーナー~2コーナー間の減速領域.
CR-S(緑)の方はブレーキングを開始して85km/hを下回った辺りから再加速出来ていますが,A052(青)の方はそれよりも10km/h低い75km/h付近まで落とさないと再加速に移れませんでした.
横Gのグラフを見てみると(↓),
ほぼ満遍なくCR-S(緑)の方が高いので,縦のグリップと横のグリップを合わせたタイヤの絶対的な限界値が10mm太い分,高かったようです.
次に6コーナーの立ち上がり.
ここはなかなか面白い結果になっています.6コーナーの手前,5コーナーのアプローチでCR-S(緑)は僅かに失速しているのですが(左側の赤丸),A052(青)は全く失速せず,スムースに加速しています.この結果,ほんの僅かですがA052(青)の方が6コーナーに向かって高い速度で進入出来ています.これは先程の1~2コーナー間の再加速の結果とは真逆ですね.
「CR-SはA052に比べて斜めのグリップがない」というのが私の印象だったのですが,もしかしたら単純にそういう話ではないのかもしれません.1~2コーナー間のようにタイヤに荷重をしっかりと掛けて潰すような使い方をすれば,CR-SもA052と同じくらいの斜めのグリップを引き出せるが,加速時のFFみたいなフロントの荷重が抜けるようなシーンではタイヤを潰し切れず,「斜めのグリップがない」といった印象を受けるのかもしれません.そういえば,CR-SはA052よりもサイドウォールが固い印象でしたし,重量級のクルマでは「A052と同等かそれ以上」という評価を聞きますし,単純に軽量級のFFと相性が悪かったという事なのかもしれませんね.
話を戻します.
6コーナーの進入で速度が高かったせいだと思いますが,A052(青)の方がブレーキングのタイミングが早く・ボトムも低いです(右側の赤丸).ここは先程の1~2コーナー間に通じるものがあるので,やはりCR-S(緑)の方が10mm太い事が効いているのでしょう.ただ,6コーナーのエイペックスを抜けた先,7コーナー付近からの加速領域では,A052(青)の方がスムースに加速している点が面白いですね.やっぱり低荷重はA052,高荷重ではCR-Sという図式なのかもしれません.
最後に,11コーナーの立ち上がり.
ここも6コーナーと似た図式ですね.10コーナーからのブレーキング領域ではやはりCR-S(緑)の方が速いのですが(左側の赤丸),11コーナーのエイペックスを抜けた先(右側の赤丸)からはA052(青)の方が速いです.ただ,今回は前日のドリフト走行のせいか? 11コーナーが大分スリッピーだったので,クルマの向きを変え易く苦労しなかった点がクルマを前に進めるのが容易だった,という可能性もありそうです.
ちなみに余談ですが,こういったリアタイヤを滑らせて曲げるコーナリングをする時は,やっぱりもう少しLSDの効きが欲しいところですね.
車載を見ても分かると思いますが,リアのスライドに合わせてフロントも横に流れてしまっているので,ターンイン時のステアリング操作のタイミングがなかなかにシビアで,ちょっとでも切り遅れるとクルマが前に進まず,ズダダダ!と滑っている音がします.1.5wayや2wayのLSDであればここでデフのロックが抜けないので,もう少し楽に操作出来るんだろうなぁ~と思いました(まぁ,加速側でデフが効くのは好みじゃないので変更はしませんが).
以上,A052 vs CR-S再び!でした.
纏めると,高荷重領域では10mm太い分単純にCR-Sの方が有利だが,低荷重領域では10mm細くともA052の方が速いという事のようです.低荷重領域で10mm細い方が速い理由は恐らくタイヤの特性(構造)によるもので,もし仮に減速時と同じ荷重を加速時のFFのフロントタイヤに掛けられるのであれば,CR-Sの方が速い!という結論になるんじゃないかな?と思いました.ただ,それは物理的に無理な話なので,やっぱり純粋に「日光はタイヤが太い方が有利」という事で良いんじゃないかな,と思いました.
205幅のキャパ的にはこれが限界である事が分かったので,日光でベスト更新を狙うなら,次回は225/50R15のA052を用意しようと思います!
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( ´・д・) ン?
「加速時のFFのフロントタイヤに荷重をかけるのは物理的に無理」と言ったけど,フロントのオーバーハングの重量を増やせば物理的には可能だよな.B18Cに載せ替えれば自然とフロントの重量は増えるし,パワーも増すし,一石二鳥なのか・・・?(笑)
Posted at 2023/10/14 23:41:31 | |
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