
まだまだ続く日光ネタ.今回とあともう1つネタやって終わりになると思いますので,もう少しだけお付き合いを(笑).
先日の日光では,当初の予定通り3本目までは真面目に走り,最後の1本(4本目)はタイム狙いは諦めてテストに専念するつもりだったのですが,その直前にBB6にベストを更新されたのが気になって,結局なんだかんだで必死に走ってしまいました・・・.
(それでコチラは更新出来ないんだから世話ない)
さて,そのテストメニューが何か?というと,コレです(↓).
まぁ,コレだけ見ても分からないと思いますが,2年前に取り付けた「
プロポーショニングバルブ」です.純正のバルブがダメになって社外のバルブを付ける事となり,「だったらブレーキバランサーの機能も付けちゃえ!」って事で,調整式のバルブにしてもらいました.
このバルブはリアの油圧を下げる(=リアのブレーキの効きを弱める)方向にしか調整出来ないのですが,当時は「フロントの効きを上げたい!」と思っていたので,実はこの2年間全く触っていませんでした・・・(汗).
そこから時は流れ,
先日TC1000を走った際にこんなスピン(↓)をやらかしてしまったのですが,
この原因を調べていったところ,どうやら3→2速へのダウンシフトでヒール&トゥ時のアクセル煽り量が足りず,シフトロック状態となってスピンしてしまった事が分かりました.
まぁ,シフトロック自体は「下手くそ!」の一言で済む話なんですが(汗),その一方で「いやいや以前はここまでシビアじゃなかったでしょ~」「多少回転合わせをミスったって,これまではスピンまではしなかったよ~」とも思い,何かクルマ側にも原因があるんじゃないか?と考え始めました.
そうしたら,
ブレーキブースターを変更してからオーバーステア挙動が出るようになった事を思い出し,
Σ( ゚д゚) ハッ!
「もしかして,ブレーキブースターの変更で前後バランスが変わってる!?」
と思い,「シフトロックという事はバランスがリア寄りになっているのでは?」という考えに至り,前述の「プロポーショニングバルブ」の登場となりました.
前フリが大分長くなりましたが,そういう訳でテスト結果です.
今回は前後バランスを何も変えなかったノーマルの2本目と,リアの効きを最も下げた4本目で比較してみます.
ノーマル ・・・ 41.242 (S1:9.613 S2:18.075 S3:13.554)
リア下げ ・・・ 41.288 (S1:9.600 S2:18.130 S3:13.558)
まず,乗った時の印象ですが,
「リア下げ」の方が,僅かながらブレーキング時のコントロールがし易かったです.ブレーキの効き方自体(=減速度)は特に変わった印象はなく,「クルマが止まらなくなった!」みたいな事もありません.ただ,ブレーキを一度踏んで,抜いていくような領域で,クルマの挙動変化が穏やかになったため,より繊細にコントロールが出来るようになりました.
「あとちょっとだけノーズを入れたい!」「あとちょっとだけリアを流したい!」と思った時に,ノーマル状態だとクルマが大きく動いて,ステアリングでカウンターを当てにいかないとダメだったのが,狙い通りにクルマが反応してくれるので修正舵も最小限で済む・・・といった感じですね.
「えっ!? ホントにそんなに変わる??」と思われる方もいると思うので,ロガーデータで見てみましょうか.
(緑:ノーマル 青:リア下げ)
注目して頂きたいのは,減速が終わる部分(赤丸の部分)の波形です.「ノーマル(緑)」の方は段付きになっていたり,速度が一定になるような領域があったりして,U字状のボトムになっていると思います.それに対し,「リア下げ(青)」の方はキレイなV字を描いています.
U字になっている方は,「ここまでブレーキを残したい!」と思った時にリアが暴れだしたり,逆に「ここでアクセルを開けたい!」と思った時にフロントの荷重が足りなくてタイヤが横滑りしたり・・・といった感じで,タイヤの限界にクルマの姿勢をピッタリと合わせ切れず,狙いからズレた分がU字状の停滞領域となって現れているのだと思います.
これに対し,「リア下げ」の方は「ここまでブレーキを残したい!」と思った時にリアが暴れないので前傾姿勢を維持出来ますし,「ここでアクセルを開けたい!」と思った時にフロントの荷重が狙い通り乗っかっているので,アクセルを開けてもフロントが逃げず,一直線に立ち上がれているのだと思います.
残念ながら「リア下げ」は,気温・路面温度共に上がった4本目にやったので,フロントタイヤは既にタレており,2本目のタイムを上回る事は出来ませんでしたが,同じコンディションであれば「リア下げ」の方が速かったんじゃないかと思います.
以上,ブレーキバランサーの効果でした.
今回のテスト結果から,ブレーキブースター変更後に起きているオーバーステア挙動の原因は,ブレーキの前後バランスが変わったためと思われます.恐らくフロント側のアシスト量が減って,相対的にリアの効きが強くなり,ロックし易くなったのでしょう(恐らくペダル踏力の絶対値は上がっているのでしょうね).
今回はブレーキバランサーを使ってリアの効きを下げてバランスが取りましたが,純粋な制動力を考えた場合は,逆にフロントの効きを強める方が良いのでしょうね.パッと思いつくのは,ブレーキパッドを以前使った事があるProjectμの「
RACING-N+」に変更する事ですが(↓),
コレ,効きが強過ぎてコントロールの幅が狭いんですよね.微妙だなぁ~.
まぁ,しょせんはアシスト量(ブースト量)の問題なので,ドライバー側が足りない分だけブレーキを強く踏めば同じ制動力は出せますし,アシスト量が少ないという事はそれだけ「ドライバー側でコントロール出来る幅が増える」という事で,レーシングカーなんかはそもそもノーアシスト(ブースターなんか付いてない)ですし,「ブレーキの踏む量が増える=ヒール&トゥがやり易くなる」という事もあるし,このままでも良いのかなぁ~?
う~ん・・・.ホームコースであるTC1000で確認してから判断ですかね??
Posted at 2023/10/15 23:26:57 | |
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セッティング(ブレーキ) | 日記