先日のTC2000の2本目では早々にタイヤがタレてしまったので,残りの周回はドライビングでの詰め代がないか? 色々トライしていました.
正直走行中は,最終コーナー以外は詰め代があるような手応えを全く感じなかったのですが,色々試して,後からデータを見た時に何か見つかればラッキー!くらいのつもりでした.
・・・という事で,その"何か"を見つけるために,またまた分析をやってみようと思います.
まずは2本目の走行の全体分析結果.
LAP+のセクターで見ると,やはり計測1(青枠)がベストに近いタイムを持って行っているのですが,SCT.2,SCT.3,SCT.6では上位3つに入らないタイムだったようです.ここに詰め代が残っていそうなので細かく見てみます.
まずはSCT.2&SCT.3.
LAP+のセクターは以下(↓)のように分けられているのですが,SCT.2とSCT.3は一括りに「第1ヘアピン」と言えそうなので,そういう見方をしてみます.
ロガーデータで比較してみると(↓),
第1ヘアピン進入(左側の赤丸)で,セクターベスト(緑)の方が少しブレーキングを遅らせられたようですね.それでSCT.2で0.07秒程度稼げたようです.そして,そこからのブレーキング(右側の赤丸)で更に0.11秒稼ぎ出すのですが,ここはボトムが6.6km/hも高かった事が理由のようです.ブレーキングを遅らせて突っ込んだのに,ボトムが高いというのはなかなか面白い結果なので,車載で比較してみます.
違いがまるで分かりませんね・・・(汗).分からないでは困るので今度はライン取りを見てみます.
色が変わって青がベストラップ,赤がセクターベストです.これを見るとどうやらセクターベスト(赤)の方が早くインに寄って最短距離を走っていたようですね・・・.
ふむ.どうやらV字のコーナリング(回り込む事)を意識し過ぎて,ヘアピンでクルマを止める事に集中する余り,フロントタイヤに荷重を残す事が疎かになって,ボトムスピードが稼げていなかったようですね.恐らくフロントタイヤのグリップがもう少しあればV字のコーナリングでもタイトに立ち上がる事が出来て,タイムを稼げたんだと思いますが,今回の擦り減ったタイヤではどうせ立ち上がりでアンダーが出るので,トラクションを得るために進入でタイヤに余力を残しておいても仕方なかったという事なんでしょうね.それをするくらいだったら,進入~旋回でグリップを全部使い切ってしまった方が,今回の場合は結果的に速かったという事のようです.
多分,走っている最中にそれに気づいて2本目の途中でアジャストしたため,後半にかけてタイムが縮まっているんだと思いますが,これを1本目の走行中に気づいて,2本目の計測1までにアジャストさせていればもっと良いタイムが出せた訳で,こういう部分のフィードバック能力がまだまだ足りていませんね・・・.orz
次はSCT.6.課題の最終コーナー(Sec3)です.
ここはボトムを9km/h上げる術を途中で見つけた出したようですね.車載を見てみましょう.
ここも僅かな違いなので分かりにくいですが,セクターベスト(右)の方がブレーキ→アクセルを再度踏み込むまでのタイムラグが短いのが読み取れます.こちらは走っている時に気づいて意図的に操作を変えたので,よく覚えています.
操作を変えるきっかけとなったのは,まさに計測1のアタックの最中で,たまたま前を走っていたDC5のブレーキランプの点いている時間が非常に短い事に気づいた事からでした.
後ろを走っていて「ブレーキランプが点くポイントは私とそれほど変わりがないのに,点いた後に消えるポイントが随分と手前だなぁ~」と思ったからです.アレだと,ほとんどチョンブレ状態(ブレーキを踏んですぐ離す)なんじゃないか?と思い,そうやってボトムを稼ぐ方法もアリか・・・と思って,その後試してみたのですが,どうやらコッチが正解だったみたいですね.
ブレーキ→アクセルの踏み替えの時間を短くすると,車体の前後方向(ピッチング)の動きが激しくなるので,その動きを治める時間が必要な事から,最終コーナーへの進入速度(実質的な最高速)は2.5km/hも遅いのですが,その後のボトムを9km/hも上げられるのであれば十分元が取れますね.
う~ん・・・.先程の第1ヘアピンと言い,私はどうもボトムを上げる意識が足りていないようですね.何度も何度もプロに「突っ込み過ぎるな!」「ボトムはしっかり落とせ!」「タイヤを縦に使え!」と言われているうちに,意識がそちらに行き過ぎてタイヤの横の使い方が下手になってしまったのかなぁ~?
多分,TC2000のダンロップとか,日光の8~9コーナーとか,アクセルを踏みながら抜けていくような高速コーナーはちゃんと横を使い切れているんだと思いますが,ブレーキを踏みつつ高い速度で回り込んでいくようなコーナーで使い切れていない気がしますね・・・.
でもなー,TC2000の1コーナーとか,TC1000のインフィールドとかはちゃんと使い切れている気がするんだよなーと思いつつ,確かに日光の1~2コーナーとかは苦手なんですよねぇ.だとすると「横Gが掛かった状態でシフトダウン操作が入る場合」に限定されるのかな? 確かにココは苦手意識がありますし,何かしらの鍛錬を積まないとダメそうですね・・・.
なんってな事を実は走行中にも思っていて,「シフトダウン操作が入るとダメなら,ナシで飛び込んでみればいんじゃね?」と思って,実は2本目の最後にやってみたのですが(↓).
エンブレが効かないので思いっきりアンダーが出て,危うくコースアウトするトコでした(汗).動画上は何の変哲もないように見えるかと思いますが,内心では「止まれー!」「曲がれー!」と叫んでいて,結構心臓がバクバクでした(苦笑).
ちなみに,この際の車速の推移はこんな感じ(↓)なのですが,

(赤:4→3速にシフトダウン 青:4速固定)
こういう減速のさせ方だと私のクルマでは曲がらない事がよく分かりました.
(やっぱり
はやぶさんは凄いなぁ~)
以上,TC2000でのトライ結果でした.
やっぱり日頃走っているコースと車速域が違うと,色々ドライビングの課題も見えてきますね.鍛錬の仕方はこれから考えないとダメですが,今回見えてきた課題の対策をしつつ,来年のTC2000に備えたいと思います.