
たかが洗濯板手前のブレーキング1つを比較しただけで,
前回は長々としたブログとなってしまったので,今回は触れられなかった他の部分の続きです.
前回の話を要約すると,高速コーナーでEF8の方が横Gが凄いが,それはロール量が大きいせいなんじゃないの?というお話でした.これでも大分姿勢変化は少なくなってきたはずなんですが,やっぱり上には上がいるという事で,まだまだ甘いって事なんでしょうね・・・.
さて,前回も述べましたが,GK5から遅れている部分は主に減速領域です.洗濯板手前の差に関しては前回たっぷりと触れたので,今回はそれ以外の減速領域に関して見てみたいと思います(緑:GK5 青:EF8).
ボトムスピードの観点で見てみると,こんな感じとなっています(↓).
1コーナー ・・・ GK5:90.0km/h EF8:86.8km/h (-3.2km/h)
ヘアピン ・・・ GK5:45.7km/h EF8:46.4km/h (+0.7km/h)
インフィールド ・・・ GK5:54.8km/h EF8:52.0km/h (-2.8km/h)
最終コーナー ・・・ GK5:63.8km/h EF8:65.9km/h (+1.1km/h)
但し,ボトムスピードは,その手前のコーナーの進入速度の逆となる関係性があるので,そちらも見てみると(↓),
1コーナー ・・・ GK5:130.9km/h EF8:132.2km/h (+1.3km/h)
ヘアピン ・・・ GK5:118.7km/h EF8:117.2km/h (-1.5km/h)
インフィールド ・・・ GK5:93.0km/h? EF8:94.0km/h? (+1.0km/h)
最終コーナー ・・・ GK5:117.4km/h EF8:113.5km/h (-3.9km/h)
キレイにプラス・マイナスが入れ替わっていますね.進入速度が高ければ,その分ボトムを落とさないと曲がり切れないという理屈がちゃんと見てとれます.なので,ここの絶対値そのものを追い掛けてもあまり意味がなく,重要となるのは「ボトムを落とした分だけ,その後スムースに加速が出来ているか?」でしょうか.
そういう観点で再度データを見てみると,
1コーナーの立ち上がりではGK5(緑)に対して遅れをとりましたが,2コーナーでは追いついています.つまり,ほぼほぼ同等の旋回速度を出せているという事で,GK5よりも19mmも細いタイヤを履いている割には健闘した方なんじゃないでしょうか?
ただ,ライン取りと横Gを見てみると(↓),
EF8(青)の方が外側に膨らんでいて苦しいライン取りになっています(無理やりコース内に留めた感じ).横GもEF8(青)の方は+0.3Gと,タイヤに負担を掛けて無理くり食い下がっている様子が窺えます.やはり高速コーナーに限って考えるならレートアップした方が良い,という事なんでしょうね.
続けて,ヘアピン.ここはボトムがほぼ同等で,立ち上がりも同等・・・と思いたいところなのですが,
エイペックス(コーナーの頂点)を抜けた先,ブレーキングを完全に終えてアクセルを開けていく領域で,EF8(青)の方が負けているのが分かります.ほぼ同等のボトムスピードで曲がれているので「ブレーキの残しが足りない」といった事はなく,単純に立ち上がりの踏ん張りが足りないんでしょうね・・・.
一応,ヘアピンを完全に抜けた辺り(=ステアリングを戻し切った辺り)では,GK5(赤)のラインに戻っているので,大舵を入れた後の立ち上がり,アクセルを踏み始めた一瞬の部分だけGK5(赤)に負けているんだと思いますが,その一瞬がこの先で車速:4km/hの差を生むので,ここを何とかしたいところです.
一番効果的なのはやはりキャンバー角を増やす事だと思われますが,それは出来ないので,トー角を広げる方向で補えるかなぁ~? それとも人間トラクションコントロールをやらないとダメか? う~ん・・・.
更に続けて,インフィールド.
ここはGK5(赤)より1km/h高い速度で進入したにも関わらず,進入のラインは完全に同じで,立ち上がりではGK5(赤)よりもIN側に寄れている(=クルマをしっかりと曲げられている)ので合格かな.車速のデータを見た時は立ち上がりで若干GK5(赤)に対して遅れをとっているか?とも思ったのですが,横Gの値はEF8(青)の方が小さいですし,その先のバックストレッチで2→3速へシフトアップするポイントではGK5(赤)に追いついていますし,ここは上回っているという事にしておいて下さい(笑).
最後,最終コーナー.
ライン取りを見ると,洗濯板から先の曲げるポイントがGK5(赤)と比べると若干早かったかなぁ~? ここは乗っている時も想定以上に向きが変わり始めるポイントが手前に来たので,アクセルを開けて意図的にアンダーを出し,位置合わせを試みていたのですが(進入で青線が外側に膨らんでいるのはそのせい),それでもまだ早かったようですね・・・.フリクションサークルを見ると,最終コーナーの縁石を降りた辺りの縦方向の加速力がGK5(赤)に対して劣っていますし,立ち上がりのラインも微妙に外に膨らんでいるので,ドライビングで調整する余地はまだ残っていそうです.
以上,GK5 vs EF8の比較でした.
総じて見れば,今後の改善点としては「ロールを抑える事」と「立ち上がりの限界を上げる事」ですかね.タイヤの幅を225にすれば,立ち上がりで無理が利くので,やっぱり効果的かな?と思えてきました.ただ,225幅だと外径が大きくなっちゃうので,その分加速が鈍ってストレートで追いつけない可能性も出てきます.現状ですら100cc少ないはずのL15BでB16Aと同じ加速力を生み出されているので,コーナーは速くとも・ストレートは遅い,みたいなメリット・デメリットが相殺されてタイム差は変わらない気もするなーと思いました.
あと,今回の比較で「やっぱり小さい事の積み重ねが大事なんだなぁ~」と改めて思いました.「神は細部に宿る」じゃないですが,ほんのちょっとのラインの差,ほんのちょっとのアクセルの踏み加減,ほんのちょっとのロールの違い,そういったものが積み重なって,コンマ数秒というタイム差に繋がるんだと思わされました.
(「それがドライバーの腕の差だ!」と言われてしまえばその通りなのですが・・・笑)
takaさん,こもりん.さん,今回は有難う御座いました!