• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

OX3832のブログ一覧

2024年06月18日 イイね!

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る その②

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る その②アタックシーズンを終えた3月頃から「なんだかブレーキのフィーリングが良くないなぁ~」と思い,ローター&パッドを交換してリフレッシュしたのですが,それでもフィーリングは改善せず,「対向キャリパーに変えようかなぁ~?」なんて色々調べていました.

それから月日が経って4月に入った頃,フィーリングが更に悪くなって,駐車場で車庫入れをするような極低速のシチュエーションで,ブレーキペダルをソォ~ッと踏むとペダルタッチが物凄く柔らかく,ストロークの半分くらいまで行くようになりました.

「アレレッ? この感触は,まさかアレじゃないだろうな・・・」と10ヵ月前の記憶が蘇り,ショップでメカニックさんに相談してみたところ,

「それ,マスターシリンダーでしょ!」

とのご回答.うぇぇ~,交換してからまだ1年も経ってないのに,もうマスターシリンダー終わったのかよ・・・.orz

私のマスターシリンダーはNSX用に交換しているので,NSX用ってそんなにヤワなのか?と調べてみたら,サーキット走行を繰返すと摩耗が早く進むので,後期型のNSX-R(NA2R)に替えるのが定番メニューなんだとか.「確かにType-R仕様じゃないけどさぁ~.それでも一応スポーツカーでしょ~,いくらなんでも短命過ぎない?」と不満思いつつも,しょうがないのでオーバーホールキットを注文したのですが,純正部品のくせに,なぜか6月中旬まで入荷しないとの事で作業は延び延びに・・・.


その間,騙し騙し走らせていたのですが,



先月のTC1000の頃には,いよいよブレーキペダルが奥にスコッ!と入る末期症状になってきたので,さすがにこれは危険だという事で以降,走行休止にしていました.


そして,先週末ようやく部品が揃ったのでショップへEF8を預け,作業完了の連絡を待っていたら「オーバーホールしても直んなかったみたいです・・・」と営業さんから電話が.「ああ,やっぱりなぁ~」という気持ちと「うわぁ~,参ったな・・・」という気持ちが入り混じった状態で一度電話を切ると,その2時間後に「原因分かりました.ダンパーフォークです!」と入電.

( ˙꒳​˙ ) ハイ??

口頭で一所懸命説明してくれたのですが,何が起こっているのか全くイメージが湧かないので,「分かりました.今からそっち見に行きます」と仕事を抜け出してショップへ.


降水量10mmというザーザーの雨の中,靴の中まで水浸しになりつつショップに到着してEF8を見せてもらうと,以下のような顛末でした.

まず,私のEF8はダンパーストロークを稼ぐために,フロントにDC2用のショートダンパーフォークを使っています(↓の左側).



ご覧の通り,このダンパーフォークは純正(右)より大分ゴツいので,ダンパーフォークとブレーキキャリパーの間隔が純正よりも狭くなっています.



更に私のEF8のフロントキャリパーは,ビッグローター対応でEK9用に変更しているため(↓),



純正よりも位置が上がって,更にダンパーフォークに近づいています.
この状況で,私は4月にダンパーフォークブッシュのピロ化を行った結果(↓),



ダンパーフォーク本体が左右にスムースに首振り(↓)出来るようになりました.



この首振り量を実際に現場で見せてもらったのですが,「えっ!? そんなに動くのー??」と驚くほどの振れ幅で,この首振りはダンパーがストロークしてスプリングに力が加わると,スプリングがダンパーフォークを捩じるように力を加えるため,スプリングの巻き方から左フロントのダンパーフォークはキャリパーの方に向く形となります.

この状況でステアリングを右に切って,キャリパーをダンパーフォークに近づけると(↓),



この両者が当たっちゃう訳なんですねぇ・・・.orz


確かにダンパーフォーク側を見ると当たっている痕跡がありました(↓)



でも,単に当たるだけなら物理的にロックされて,ブレーキペダルのタッチは硬い感じとなり,スコッ!と入るような柔らかい感触にはならないのでは・・・?と思っていると,工場長がメカニズムを説明してくれました.

まず,先程も述べましたが私のEF8にはEK9用のキャリパーが入っていますが,如何に天下のType-Rと言えど,テンロククラスは片押しのフローティング(浮動型)キャリパーです.


(ADVICS:ブレーキ雑学講座 ふたつのキャリパー その1より)

フローティングキャリパーの"フローティング"はその名の通り,本体が浮いた状態で左右に動く訳なのですが,ブレーキを踏んで油圧が掛かり,ピストンがキャリパー本体を押しつけて動こうとした先にダンパーフォークがいるため,キャリパー本体は動きません.キャリパー本体が動かない(動けない)という事は,ブレーキパッドがディスクに当たらないため,勿論ブレーキは効かず,ブレーキペダルを踏んでいるのにクルマは止まらない・・・という恐怖状態に陥る事になる訳なのですが,この時に,私が使っているNA1用のマスターシリンダーが思わぬ動きをします.


私の使っているNA1用のマスターシリンダーは「ALB(ABS)仕様」です.「ABS(Anti-lock Brake System)」は皆さんご存知の通り,ブレーキペダルを強く踏んだ時に,ロックを解除するシステムですが(↓),


(ADVICS:ブレーキ雑学講座 ABS入門 その3より)

このロックを解除する際,ブレーキキャリパーに掛かっている油圧を抜く必要があります.このため,ABS車用のマスターシリンダーは,想定以上の圧力が掛かった時に油圧を抜くための「センターバルブ」という機構を持ったものがあるそうです(↓).



キャリパー本体が物理的に固定されて,油圧の逃げ場がない状態で,ブレーキペダルを更に奥まで踏み込んで圧力を上げたら,そりゃ想定以上の油圧になる訳で,そうなった時に「センターバルブ」が開いて油圧を一気にリザーバーへ油圧を逃がしてしまうため,ブレーキペダルが奥にスコッ!と入るような感触になるのだと思われます・・・.orz


以上,ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る,2024年バージョンでした(泣).

纏めると,以下の部品を組み合わせたクルマで,

  ・DC2用のダンパーフォーク
  ・EK9用のキャリパー
  ・NA1用のマスターシリンダー
  ・EF8用のダンパーフォークピロブッシュ

以下のようなシチュエーションになると,

  ・下り坂 or ブレーキングでフロント荷重になった後
  ・右にフル転舵

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入るようです.流用・流用でクルマを組み上げるとこういう事にハマるという,見事な組合せ問題でした(泣).こんなケースにハマる人はそうそういないとは思いますが,皆様お気をつけ下さい・・・.
(謎を解き明かしてくれた工場長,本当に有難う御座いました!<(_ _)>)
Posted at 2024/06/18 21:40:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/6 >>

      1
2345 678
9101112131415
1617 1819202122
23242526272829
30      

リンク・クリップ

[ホンダ シビックタイプR]SPOON ツインブロックキャリパー 
カテゴリ:参考
2025/04/28 00:41:13
練習会のお供に 
カテゴリ:参考
2023/08/05 17:04:28
運動不足? 
カテゴリ:参考
2022/03/08 22:53:47

愛車一覧

ホンダ CR-X ホンダ CR-X
中古で入手し,コツコツ直し続けて20年. 一通りのメンテナンスが終了し,2014年よりサ ...
プジョー 208 プジョー 208
実家でお買い物カーとして活躍していた208が廃車となってしまったため,代替えとして新しく ...
プジョー 208 プジョー 208
20年走ってくれたティグラに代わって実家にやってきた新車(なんと21世紀を迎えてから初め ...
オペル ティグラ オペル ティグラ
アンドロストロフィーのティグラの活躍に一目惚れし,母が乗り換えを検討した際に猛プッシュし ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2004年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2003年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2002年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2001年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation