TC3000ネタのラスト.CR-Sのv1⇔v2比較です.
約3年越しの比較となるので足回りその他色々違っていますが,まぁその辺りは大目に見て頂いて,興味半分のネタと思って頂ければと思います.まず,v1⇔v2の違いですが,ざっくり纏めると以下の通り.
・v2のコンパウンドは熱耐性が強化され,熱ダレが少なくなっている
・v2は「wearing(摩耗)」が向上している
・v2は「tread hardness(トレッド面の硬さ)」が向上している
端的に言えば,「v2はハード化している」といった感じでしょうか.
お次はサンプルデータ.
【v1(41.533)】
気圧:1016.5hPa 気温:13.7℃
【v2(41.800)】
気圧:1019.4hPa 気温:6.9℃
コンディション的には今回の方が完全に上回っているのに,タイムが・・・(泣).
では,
前回と同様フリクションサークルによる比較です(赤:v1 青:v2).
今回の比較はあまり正確性がないので,ざっくりで見ていくと,加速領域(図の下半分)はv2(青)の方が上回っていますが,これはコンディションの差の影響かと.最高速も1.6km/h,v2(青)の方が高くそれを裏付けています.このため,このデータから「v2はトラクション性能が上がっている!」とは言いづらいかなぁ~.
左右の旋回領域(図の左右端)は,v1(赤)の方が高く,v2(青)で性能が低下したかのような印象を与えますが,
乗っていた時の印象としては「フロントはまだまだグリップするんだけど,リアの限界が低いので,これ以上は横Gを掛けられない・・・」という感じでした.なのでタイヤがどうこうというより,3年前に比べてこれだけクルマの限界が下がっているという事なんじゃないか?と思いました.orz
減速領域(図の上半分)に関しては,v2(青)の方が上回っているようです.ここも何かしらの言い訳があるかなぁ~?と思いましたが,斜めのグリップの部分は明確にv2(青)の方が秀でており,これはTC2000の分析結果と一致する傾向なので,ここは素直に受け入れようと思います.ただ,そう考えると,
v1(赤)に比べてv2(青)は「高い速度でコーナーに進入するのが得意」とも言えて,乗っていた時は「TC2000を走った直後で恐怖心が薄れているため,オーバースピード気味にコーナーに飛び込めたんだろう~」と思っていましたが,実はv2の強化された構造が,フロントタイヤの限界を掴み取るのに良い影響を与えていて,「タイヤの手応えがしっかりと掴めた(=安心感があった)ため,オーバースピード気味に飛び込めた」という可能性もありそうだなぁ~と思いました.
なお,熱ダレの部分に関しては,v2でベストタイム(41.8秒)をマークした後,5分近くピットの日陰で止まって,タイヤの温度が下がるのを待ってみたのですが(↓),
路面温度が16℃程度だった割には,ほとんどフィーリングは変わらず(恐らくさほど冷えてない),41.9~42.0秒とほぼ変わらないタイムとなりました.この結果から,v2は熱ダレに対して強くなっているのかもしれませんが,逆に一度熱が入ると抜けにくくもなっていて,1発のタイムは狙いにくいタイヤなのかなぁ~とも思いました.
以上,CR-Sのv1⇔v2比較でした.纏めると,
・v1⇔v2で横のグリップは同等
・縦のグリップは,v2の方が良い(コンディション差の可能性もアリ)
・特に横と縦が合わさった斜めのグリップは明確にv2の方が高い
・これはv2でタイヤの剛性が高くなっており,そのおかげで限界を掴み取り易いからかも?
・熱ダレに関しては,v1の頃も私は不満はなかったのでさほど違いは感じない
・ただ,v2はタイヤが冷えにくい特性はあるかも?
・その特性から,連続周回してひたすらアタックを続けるスタイルの方が向いてそう
・そういう意味でv2はやはりレースタイヤ.1発のタイムを狙う予選タイヤ的な使い方は向いてないかも?
といった感じでした.TC2000に続き,TC1000でも大きな不満は感じなかったので,CR-Sはv2になってより良いタイヤになった気がします.TC2000の時にも言いましたが「もうこれで十分なんじゃないかな?」という感じです.ウォームアップの部分だけ目を瞑れば,値段を考えてもホント素晴らしいタイヤだと思います.
Posted at 2025/02/26 05:14:00 | |
トラックバック(0) |
セッティング(タイヤ) | 日記