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2025年05月04日 イイね!

インリフト時の荷重変化のお勉強

インリフト時の荷重変化のお勉強先日,「BICライブラリ」へ行って一番知りたかった「アップスイープ」のお勉強をした訳なのですが,その過程でインリフトの効果に関して新しい知見が得られたので,こちらに関しても纏めておこうと思います.

「インリフト」というのは,タイトル画像の通りコーナリング中に内側(イン側)のタイヤが浮く(リフトする)現象の事です.FF車だとリアタイヤで起こる事が多いですね.


見た目が派手なのでよく注目されますが,FF車は基本アンダーステア傾向なので,多少リアが浮いたところでどうという事もなく,「無視すればいい」なんて言う人もいるくらいです.実際,私のEF8みたいにリアのブレーキがロックし易いと,リフトする/しないで動きがかなり変わるので手を焼きますが,ロックしなれば気になりませんでした.



「インリフト」で良く言われるデメリットは,「タイヤ2個で支えている荷重が,リフトするとタイヤ1個に減る訳なのだから,トータルのグリップとしては落ちる(=遅い)」という説ですね.これはその通りだと思うので,私も出来る事ならインリフトはさせたくないです(特に高速コーナーでは).

その一方で,積極的にインリフトさせたい時もあります.例えば,ジムカーナでの180°ターンのように短時間で一気に向きを変えたい時(↓).



その場でクルッとクルマを回したいので,意図的にインリフトさせてリアを破綻させ,スピンモードに持ち込む事でこれを実現したりもします.こんな風に「リアの限界を下げるため」にインリフトを用いるのだと私は理解していたのですが,今回調べて知ったのは,インリフトさせる事で「フロントの限界を上げる」というお話.

どういうメカニズムか?というと,まずインリフトしていない場合,タイヤに掛かっている力(≒後軸の車重)は路面が支えており,ダンパーにも下方向に力が加わっています(↓).



ここからクルマがロールしてタイヤを持ち上げる力が働いた時,インリフトしなければ,タイヤに掛かっている力は変わらず路面が支えてくれるので,ダンパーだけが引っ張られるような形で上方向に力が生じます(↓).



この状態から更にロールして,タイヤが完全に路面から離れて宙に浮くと,タイヤ(≒後軸の車重)を支えていてくれた力がなくなるので,ダンパーに掛かる力は反転し,下方向に力が生じる事になります(↓).



そうするとどうなるか?というと,



リアのイン側はロールして伸びようとしていたものが途中で止められて,逆にロールを元に戻そうとする力が生じる事になります.すると,対角となるフロントのアウト側に掛かっている荷重が減る事になるのだそうです.つまり,コーナリング中にインリフトさせる事で,フロントの荷重が減って限界が上がる訳です.

言われてみればなるほどなぁ~と思いますが,今までインリフトは「リアの引っ掛かりをなくすもの」という認識だったので,「(テールスライドしない限り)フロントには影響しない」と思い込んでいたので目から鱗でした.
(プロが「インリフトさせてフロントの負担を減らす」と言っていた意味はこういう意味だったのか・・・)

なるほど,この理屈であれば,以前日光の6コーナーで経験した左フロントのバウンシングもそりゃ起きるよなぁ~と納得しました(↓).



  ①右のリアタイヤが浮くまでは左フロントは沈み込む
  ↓
  ②右リアが浮いた瞬間,右リアを下げる力が生じて左フロントが持ち上げられる
  ↓
  ③左フロントが持ち上げられたため,右リアが再び接地する
  ↓
  ④右リアが接地したため,再び左フロントが沈み込もうとする
  ↓
  以下繰り返し・・・

当時は左フロントが持ち上げられるのは,スプリングの反発力が強いせいだと思っていたのですが,コース形状のせいでもなく,物理的に起こるべくして起きていた現象だったのですね・・・.


話を戻して,インリフトする事で「フロントの限界が上がる」のだとすると,リバウンドストロークを増やしてインリフトを抑制すると,逆にフロントの限界が下がる事になります.このため,狙ったポイントでリフトするようにテザーを使ってリバウンドストロークを規制するクルマもあったそうです.テザーで規制するなんて聞いた事がなかったので,どういう代物なんだ?と写真を探してみたのですが,海外のレーシングカーという事もあり,残念ながら見つけられませんでした・・・.

いずれにせよ,やはりインリフトするギリギリのところを上手くコントロールして使う事が,速いコーナリングを実現する上で大事なんだなぁ~と改めて思った訳なのですが,



先述の「フロントの限界を上げる」要素として出てくる「バネ下の重さ」を見て,コレ,リアホイールの重さを変えて調整出来たりしないかな~?とも思いました.



しかし,以前調べた「非駆動輪を軽くしても無意味?」のブログを見返して,即座に「意味ないな・・・」と撤回しました(笑).ダンパーを自重で引っ張るためには数kg単位で重くしないとダメで,仮に重くする事でジャイロ効果が得られるとしても,キロ単位となるとデメリットの方が大きくなりそうです・・・.


以上,インリフト時の荷重変化のお勉強でした.

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「インマニガスケットのお勉強 http://cvw.jp/b/1684331/48579488/
何シテル?   08/03 15:42
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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