11/25にBSが「"ナナイチ"最終章」と銘打ったティザームービーを公開しました.
"最終章"というくらいなので"終わり"を意味しているんだと思いますが,これはRE-71RSの"終売"を意味するのか? RE-71Rシリーズの"最終形(Z)"を意味するのか?とっても気になるムービーですね(笑).最後に「Dec. 2025」と出たので,あと1週間 or 1ヵ月後に何らかの発表がありそうなので,期待して待ちたいところです.
ムービーの構成からも"ストリート"を訴えている事は明らかなので,次期RE-71RZも所謂ところのPN規定を満足したタイヤで出て来そうで,そちらの面では安心材料が1つ増えました.
さて,そんな"終わり"の匂わせが始まったRE-71RSですが,こちらは今から"始まり"です(笑).
フロントタイヤをA052→RE-71RSへとスイッチしてTC1000へ行って来ました.
プロから指摘頂いた「大舵で曲がらない」の原因を考察した結果,
原因はタイヤにあるのでは?という仮説 に辿り着いたので,それを検証するためにA052→RE-71RSへスイッチしてみました.
サイズは従来通り「
205/50R15 」.事前の予想では,フィーリングとしては改善方向に行くが,タイムとしては悪化する・・・と読んだのですが,さてどうなりますか?
今回はA052と比較するために,同じリム幅:7.5インチのホイールに組んだのですが,ショルダー部分がほぼ垂直に立っており剛性は高そう.逆に言うと,A052よりも引っ張られているという事なので,そういう意味ではRE-71RSの方が実際の接地面積は狭いのかもしれません.剛性の向上分が接地面積の減少を補えるか?がポイントとなってきそうです.
さて,当日のファミ走は午後枠だったので,9時半まで家で仕事をした後に出発.平日なので当然首都高は混雑している訳なのですが,港北JCTが経験した事ない程の混みっぷりで参りました.ここで渋滞にハマると橋の上なせいか路面が揺れるので気持ち悪いんですよね・・・.そんな気持ち悪さに耐えつつ何とか12前に筑波サーキットに辿り着くと,午前中は走行会なのでパドックはいっぱい.奥まで進んでクルマを止めると,見慣れないスイフトが止まっていました.
クルマから人間をやめたようなオーラがヒシヒシと伝わってきたので,おっかなびっくり遠くから「RE-71RSの内圧ってどうすると良いですか・・・?」と小声で聞いてみたところ,「上げた方が良いよ」「エアボリュームが大事だよ」と丁寧なアドバイスが返ってきました.どうやらドライバーの方は人間をやめていなかったようで安心しました.
そんなやりとりの後,早速1本目(P2枠:13:20~).
平日の午後だというのに結構な台数です.あんまり見た事ないクルマが多いのでイヤ~な予感がしつつも前後のスペースを探ります.路面温度は23℃を超えていたのでリアタイヤのウォームアップは必要なさそうですが,新品タイヤなので1周皮むきに使った後に計測1へ.
VIDEO
結局この計測1が当日のベストラップ(41.645)となった訳なのですが,すみません,コーナー1個で思っちゃいました.
「このタイヤ,喰わねぇ!」
初めて使うタイヤの,初めてのコーナーなので,当然ほんの少しだけマージンをとってアタックしている訳なのですが,マージンがあるにも関わらず,明らかにクルマが曲がってない.特に酷いのが2コーナーで(↓),
クリップにつけないどころか,あまりにも曲がらなさ過ぎてステアリングが戻せませんでした・・・.
これを感じた瞬間,「あ,ダメだ.このタイヤ」ともうここで思っちゃいましたが,勿論以降もアタックは継続.
ヘアピンは予想よりもフロントの反応が早かったので,「おっ!? 荷重を掛けるとイイ感じになるのかな??」と思いましたが,続くインフィールドでステアリングとブレーキをオーバーラップさせると,
「止まらないし,曲がらないー!」 捩じられる操作に強いんじゃなかったのかよ~と思いましたが,曲がらないもんは曲がらない.
一番困ったのは洗濯板を下りた後で,クルマがユッサユッサと左右に振られて姿勢が安定しない.「足回りは一切変更していないのに,なんだこの揺れは?」と思いながら立ち上がり,結果は41.6秒.タイムボードを見た瞬間,
「そりゃ,そうだろうね」
と納得のタイムでした(泣).確かに気温は17℃と先週のTC2000に比べれば汗ばむくらい暑いので,まぁ,良くて41.3秒くらいだろうとは思っていましたが,その予想を下回る納得の遅さでした.
勿論,タイヤの特性を全く掴めていない状態でのタイムなので,以降もこのタイヤの良い部分を引き出そうと色々探ってみたのですが,
1コーナーの縁石にリアタイヤを乗せたらスピン挙動が出るし(こんなの初めて),何だか前後のロールバランスがおかしい.さっきのユサユサもこれが原因じゃないか?と思いながら計測2,計測3とアタックしてみますが,いずれも42秒フラット止まり.どうやら新品の一撃で41.6秒.平均のタイムとしては42.0秒といったところのようです.A052の新品効果は0.2秒くらいなので,それと比べればRE-71RSは0.4秒と差が大きいですが,絶対値が低いのであまり嬉しさはないですね.ただ,その一方で20分枠の終盤になっても42秒フラットを叩き出せる辺り,タレないタイヤ(連続周回に強い)とは言えそうです.
続く2本目(P5枠:14:20~).新品効果も終わり,タイヤが落ち着いたところで,この状態で冷やして確認したいなぁ~と早々にアタックに入ろうとしたのですが,
最終のアタックラインから全開で立ち上がると,ピットからクルマが出てくる・・・というパターンを2回連続でやられて萎えてしまいまいた.その後もアタックになかなか入れず,結局計測1は5周目.結果も 42.210 とさっきより遅い.「う~ん・・・全然喰わないなぁ~」「このタイヤ,なんだかA052がオーバーヒートした時のような感触なんだよなぁ~」と思い・・・,
Σ( ゚д゚) ハッ!!
「もしかして,内圧が高過ぎ!?」と思い,急ぎパドックへ.
パドックの一番奥なので遠かったですが,エアゲージを掴み取って内圧を10kPa下げた後,再びコースイン.
これでどうだー!?とアタックしてみると,
2コーナーのアンダーステアがちょっと和らぎました.タイムも 41.981 と42秒を切れたので,どうやらこっちの方向のようです.「あとは何だろうなー?」と考えて,BSは斜めに使うのはダメだから,縦と横を分けてみるか!と1コーナーのアプローチを変更.
通常だと白いラインのように1コーナーのエイペックスに向けて徐々に寄せていくのですが,そうではなく,真っ直ぐ止めて,一気にガバッとステアリングを右に切る赤いラインを試してみました.
感触としては悪くありませんでしたが,やっぱり2コーナーのアンダーステアが消えず,タイムも 42.001 と微妙に落ちました.
本日最後の3本目(P8枠:15:20~).
ここまで良いトコなしなので,何か策がないか?と頭を捻っていたところ,先程のスイフトの方が「RE-71RSは潰した方が良いよ~」とアドバイスをくれたので,それをトライ.
先程は,縦と横を分けるために早めにブレーキングを終えて,その後ステアリングを切る操作をしていた(ブレーキとステアリングの操作を分離した)のですが,今度は逆に1コーナーのエイペックスまでブレーキを残し,その状態でステアリングを切り続ける方法をトライしてみました.感触的には「こっちの方が曲が・・・る!?」といった感じで悪くはなかったのですが,タイムは 42.038 とイマイチ伸びず.
「ダメだな,こりゃ.何をやっても変わらん」とドライビングで修正する手立てを失ったので,残る手段は~とピットへ飛び込み,
フロントの内圧を更に10kPa下げ.せめてこれでどっちの方向か見極める材料を得てから帰ろうと試してみた結果,
41.990 でセッションベスト.やっぱり下げた方が良いのかなぁ~?と思いながら走行を終えてタイヤを外してみると,
うっわ,酷いグレイニング・・・.全然熱が入ってないじゃん.
FFのフロントタイヤなのに,センターライン付近に1周カスがこびり付いてるし,この部分が全く路面に接してないってコトだよなぁ~.そりゃ,喰わないよなぁ・・・と意気消沈しながら後片付けをしました.
この日はお昼ご飯抜きで走っていたので,近くで早々に晩御飯を取ろうと前々から気になっていた石下の「餃子の王様」へ("王将"ではなく"王様").
「エビ玉子炒飯」と「肉餃子」を頂きつつ,RE-71RSの感触を振り返ってみると,
・グリップはA052より明らかに劣る
・RE-71RSを"ラジアル"とするなら,A052が"Sタイヤ"と見なされるのも納得するくらいの差
・(要確認だが)恐らくSタイヤハンデを背負ってでもA052の方が速いと思えるくらいの差だった
・両者の一番の違いは荷重が低い時のグリップ(TC1000だと2コーナー).ここが明確にRE-71RSは劣る
・低荷重がダメなら,高荷重はRE-71RSの方が良いのか?というと微妙な差
・確かに,A052と比べるとRE-71RSの方が素直な動き
・A052のようなたわむ動きはなく,RE-71RSはしっかりと支えてくれている感触がある
・ただ,支えてくれている分だけクルマが前に進むか?(曲がるか?)というと微妙
・過大な荷重に対しては結局RE-71RSも曲がらないので,旋回速度に違いはないのでは?(後日確認)
・ちなみに,「RE-71RSは攻め込むと途中で裏切る」と聞いたが,そんな印象は受けなかった
・「ここら辺が限界ですよ~」と教えてくれるし,限界を超えてもそれなりに持ちこたえてくれる
・強いて言えば,限界を超えても曲がるのがA052,限界を超えたら真っ直ぐ行くのがRE-71RSといった感じ
・横のYH,縦のBSというのが個人的なイメージだが,RE-71RSは特別縦が強い印象はなかった
・ブレーキング時の制動距離も,A052と変わらないのでは?(後日確認)
・加速も両者に違いがあるようには感じなかった
現時点では,上記は全て私の感覚論なので,事実と異なる部分が多々あるかもしれません.
後程ロガーデータを分析して裏取りしてみたいと思います.
以上,"ナナイチ最終章"と言われて期待が膨らむかと思いきや,こちらはまだまだ"ナナイチ序章"な感じのテスト結果でした.
ちなみに,筑波からの帰り道,「RE-71RSの感触って何かに似ている気がするんだよなー」と考えながら走っていたのですが,守谷SAの辺りまで来てようやく思い当たりました.
そうだ,CR-Sだ! RE-71RSはCR-Sのv2と同じ感触だったんだ.A052とほぼ同等なんだけど,ちょっとだけ足りない感じがCR-Sにそっくり.一部の界隈ではCR-Sの事を「ジェネリック052」とか呼んでましたが,これからは「ジェネリックRS」と呼ぶべきですね(笑).