
2016年最初の
アップデートを行ったので,その結果を
スペック概略に反映しました.
今回,この反映に合わせて,記載する項目をREVSPEEDを参考に変えてみたのですが,この中に「最高出力」という項目がありました.
今までパワーチェックなどやった事がないので,取りあえずB16Aのカタログスペックを記載したのですが,「きっと,こんな数値出てないよなぁ・・・」と違和感を覚え,実測値が欲しくなり,GPSのデータから計算出来ないか調べてみたところ,色々なデータをかき集めれば出来そうだったので,やってみる事にしました.
まず,使用するデータですが,ギヤ比の影響を最小限に抑えるために,最も直結(1.000)に近いギヤ(EF8だと4速:1.107)でレブ近辺まで回しているデータが良いです.
しかし,TC2000でも4速での最高回転数は6700rpm程度であったため,昨年の
鈴鹿のデータを使う事にしました.
鈴鹿では,メインストレート(下り坂)と西ストレート(上り坂)の2箇所で5速(=4速全開)を使用しましたが,外的要因の少ないメインストレート側のデータを使用する事にしました.
次に,出力を計算するためには,トルクと回転数の情報が必要になります.
トルクの計算は次式で求められます.
トルク [Nm] = 車重 [kg] × 加速度 [m/s^2] × タイヤ半径 [m]
車重は,
EF8(981[kg]) + ドライバー(56[kg]) = 1037 [kg]
加速度は,
4速の最大加速G(0.24) × 重力加速度(9.81 [m/s^2]) = 2.354 [m/s^2]
タイヤ半径は,
215/45R16(外径:600[mm]) / 2 = 300 [mm] = 0.300 [m]
以上より,
1037 [kg] × 2.354 [m/s2^2] × 0.300 [m] = 732.2 [Nm]
但し,これは車軸のトルクなので,エンジントルクに直すためにギヤ比で割ります.
ギヤ比は,
4速(1.107) × ファイナル(4.400) = 4.871
エンジントルクは,
732.2 [Nm] / 4.871 = 150.3 [Nm] = 15.3 [kgf・m]
回転数は以下の通り.
4速最大加速時における車速は,
168.5 [km/h] = 2808 [m/min]
タイヤ1回転の距離は,
2π × 215/45R16(外径:600[mm]) / 2 = 1884 [mm] = 1.884 [m]
回転数は,
2808 [m/min] / 1.884 [m] = 1490 [rev/min]
但し,これは車軸の回転数なので,エンジン回転数に直すためにギヤ比を掛けます.
1490 [rev/min] × 4.871 = 7257[rev/min]
更に出力計算用に単位変換をして,
7257 [rev/min] × 2π [1/rev] / 60 = 759.6 [1/s]
以上より,出力は以下の通り.
15.3 [kgf・m] × 759.6 [1/s] = 11621 [kgf・m/s] = 154.9 [PS]
という事で,現在のEF8は以下と推定されました.
最高出力 155PS/7300rpm 最大トルク 15.3kgf・m/7300rpm
ちなみに,カタログスペックが以下です.
最高出力 160PS/7600rpm 最大トルク 15.5kgf・m/7000rpm
使ったGPSデータが下り坂である点,タイヤの動半径を考慮していない点,空気抵抗や駆動系の抵抗が含まれている点を踏まえると,なかなか良い数値なのではないでしょうか.
また,この推定値より,7300rpmより回しても加速しない事が分かりましたので,ドライビングの面では,レブリミット(7800rpm)まで引っ張るのではなく,少し手前でシフトアップするようにし,チューニングの面では,安易なレブの引き上げではなく,きちんとセッティングを出してもらったECUに変更しないと意味がない事がよく分かりました.
Posted at 2016/02/20 20:56:58 | |
トラックバック(0) |
セッティング(エンジン) | 日記