
今年のサーキット走行は,比較的大きなサーキットを走ろうとすると雨が降る・・・という感じで,4月の
袖ヶ浦,6月の
TC2000,9月の
富士と,雨に祟られてきました.
このため,万が一にも富士の走行がウエットになった時に対応出来るよう
EF8のテストを進めている訳ですが,それと並行してドライバー側も雨の鍛錬を積まなければなりません.
とはいえ,外装パーツの出ないEF8で,万が一にもクラッシュなんてしたら目も当てられないので,鍛錬はカートで行う事にしました.向かった先は,ここ(↓)です.
2年半前に耐久レースで走って以来の2回目の走行となります.
さて,天気予報が雨だと言っているのに,走ろうとする物好きな人間(?)は私以外に6人も集まり,休日限定のグループパックCプラン(予選:10周 決勝:15周)を申し込む事となりました.
それでは,練習走行を兼ねた予選セッションの開始です.
ちなみに,路面コンディションは走行開始直前に,雨音が聞こえるくらいの大雨が降りで,こんな状況でした・・・.
コースインすると,案の定,水溜りだらけ.コース半周でびっしょりと下着まで濡れました・・・.
特にS字の辺りが酷く,水を掻き分けて走っているような状態です.
ウエット時に気をつけなければならないのは,とにかくリアタイヤがすぐにロックする事.アクセル全開から強めのブレーキをかける第1ヘアピンは,ロックさせずに,いかに上手く速度を殺せるか?がカギとなります.このため,丁寧にブレーキングしつつ,車体を安定させる練習としては非常に良い機会でした.
周回を重ね,何度かスピンも経験しつつも気をつけるべきポイントが大体掴めたので,こういうレースの場には必ずいる会社の同僚のカーターを追走してみる事にしました.
第1コーナー~第1ヘアピンにかけては,こちらの方が速く,差が一気に詰まります.
S字コーナーは,組み立て方が異なり,やや突っ込み重視のカーターに対して,立ち上がり重視の私.バランスを維持出来るならカーターの方が速いですが,少しでもスライドすれば,こちらの方が速いです.
第5コーナーは,私は手前から流してアプローチするのでボトムスピードの差で私の方が速いのですが,失敗すると即スピン!でややリスクが高いです(これが,後に決勝での勝敗を分けます・・・).
第7コーナーは,私が思った通りのテールスライドを出せずに苦戦.
しかし,第2ヘアピンのブレーキングでは,こちらの方が速く,差は詰まります.
最終コーナーは,第7コーナー同様,上手くリアを流せない私に対し,アクセル全開で駆け抜けるカーターの方が速い,という感じでした.
そして,予選が終了.
タイムは,42.512で,カーターを抑えてポールポジションをゲットしました.
続けて決勝.
フォーメーションラップを終えてグリッドに着くと,何とコースのイン側(レコードラインではない).当然,皆が走っていない箇所なので水溜りが多く,ちょうどリアタイヤが水に沈んでます・・・.
「こりゃ,スタートダッシュは無理だな・・・」と半分諦めモードでしたが,ブラックアウトから無難なスタートを決め,第1ヘアピンまでイン側キープし,抑え気味にブレーキング.「アウトから並ばれるかな・・・?」とも思っていましたが,そんな事はなく,トップをキープしたまま,45.186 でトップのままオープニングラップを獲れました.
予選の観察から,ミスさえしなければ,こちらの方が速いのは分かっていたので,後ろを振返らずに前方に集中!
早速,2周目に 41.919 のファステストラップを叩き出すと,そのまま攻めの姿勢を維持.
ところが,攻め過ぎてテールスライドが多くなり,3周目:43.771,4周目:44.517とペースダウン.これでカーターに追いつかれ,5周目に 42.813 とペースを戻したものの,6周目の第2ヘアピンでスピン!
これで首位陥落.カーターを追いかける立場となりますが,ここで以下の事実に気付きます.
アクセル全開の状態からリアが暴れない(ロックしない)ようにブレーキをコントロールすると,どうしてもフロントに荷重が掛からない.この状態でステアを切ってもカートは反応せず,アンダーステアでコースのアウト側へ・・・.
しかし,ここで,向きが変わっていなくても,構わずアクセルを踏み込むと,一気にリアがブレイクして流れ出す.この流れた状態を使ってクリップにつき,カウンターステアを当てて姿勢を維持しながらコーナーを立ち上がると,速く・小さくコーナーを回れる!
カウンター量さえ適切であれば,滑りやすい雨の中でも,このやり方であれば走行ラインを自分の意思で自由自在に決められ,まさにカートを振り回して乗りこなしている感じがして,非常に楽しい~♪
その楽しんでいる間のタイムは,
07周目 ・・・ 42.291
08周目 ・・・ 41.788 ← このレースの全体ベスト(ファステストラップ)
09周目 ・・・ 41.814
10周目 ・・・ 42.413
そして,11周目.第1ヘアピンで止まり切れなかったカーターのインを,アクセルONからのテールスライドで突いてオーバーテイク!
首位を奪還し,逃げ切りに入ろうとした矢先のS字コーナー.オーバーテイクでリズムが狂ったのか,ブレーキングポイントがズレ,少し突っ込み過ぎ.スピンこそしなかったもののタイムをロスしたため,これをリカバーしようと焦ったのか,第5コーナーの立ち上がりでアクセル操作がラフになります.
この結果,予想以上にリアが流れて,カウンターが足りない!
無理やりアクセルを踏み込み,姿勢を維持しようとしますが,カートは明後日の方向を向いてます.「こりゃ,立て直せないわ・・・」と諦めてブレーキを踏んで車速を殺し,スピンの量を最小限に抑える方向へ.
すぐにリカバーしましたが,カーターがこの隙を逃すはずがなく,2位に落ちます.
この頃になると,カートを振り回す方が楽しくて,順位に拘りがなくなっていましたが,それでもカーターを追走.
12周目 ・・・ 42.381
13周目 ・・・ 42.065
14周目 ・・・ 42.618
右コーナーでステアを左に切って,カートが横向いたまま駆け抜けていくような走りをしてまで追走しましたが,さすがは百戦錬磨のカーター.要所要所を上手く抑えられ,飛び込む事が出来ません・・・.
そして,ファイナルラップ.第1ヘアピンで,またもカーターは止まりきれず,開いたインに飛び込み,サイド・バイ・サイドの状態に.続く第3コーナーで,こちらがアウトになりますが,コース外まで使ってアクセルベタ踏みで並走します.
その先のS字は並走は無理なので,早めにブレーキングして一旦引き,立ち上がりで仕掛ける準備.S字の立ち上がりでカーターのテールが流れ,トラクションがかからない隙に再び並びかけ,並走したまま第5コーナーへ.
インに飛び込めそうですが,1/4車身くらいカーターの方が前で,彼はきっと引かない・・・.
「こりゃ,当たるな」と,自らブレーキを踏んで引きました.
そのままの順位でゴールし,0.365秒差の2位で終わりました.
雨の鍛錬のつもりで来たのですが,やってみると,限界が低いのでカートを自由自在に振り回せて,楽しくて仕方ありません.走行終了後,「雨の日こそ,カートだ!」なんて思ったくらいですが,メットがこんな感じ(↓)になるような有様だけは頂けませんでした.
一方,鍛錬としては,カートを横向けたまま立ち上がれるくらい,コントロールのコツは掴みましたが,「これは立て直せない・・・」と思うくらいのスピンもいくつか経験し,コントロールの精度という意味では,まだまだです.
特に,テールスライド状態から立て直す際に,アクセルを踏んで立て直そうとする癖(FFの癖)が,どうしても咄嗟の瞬間に出てしまうため,身体と頭の訓練は,まだまだ必要そうです.