
なかなか走らない師匠を尻目に,オレさまFD2のお弟子さん達はアタックシーズンで精力的に走りこんでいるようです.
今回の日光でも門下生のTさんとKさんが参加されていました.この2人,履いているタイヤの違いこそあれ,タイム的にはほぼ互角.プライベートの意見は合わないようですが(笑),コース上では良いライバル関係を築けているようなので,共に切磋琢磨して師匠に早く追いついて欲しいところですね.
さて,今回もまたアドバイスが欲しいと動画を渡されたので,私なりに感じた事を述べてみたいと思います.
まずは,車載のチェック.
1年前に比べれば1秒近くタイムアップしているので,格段の進歩を遂げているように思うのですが,確かにところどころ惜しいポイントがいくつかありますね.
続けて,LAP+で師匠と比較してみます(緑:師匠 青:Tさん).
1コーナー進入(1つ目の赤丸)
進入速度が5.7km/hも弟子の方が遅いですね.ストレートエンドの車速が遅いという事は,ストレートの始まり(=12コーナー立ち上がり)が遅いのだろうと思って,そちらを見てみると「アレッ・・・? 師匠と互角だ」.
12コーナーの立ち上がりで互角なのに,1コーナーの進入速度が低いという事は,「ホームストレートのスピードが遅い」という事になる訳ですが,同じK20A搭載車でそこまで差がつくはずがない.「何でだろう?」と思って動画を見返してみたところ,12コーナー立ち上がりの舵角に目がいきました.
ステアリングを90度近く切ってますね・・・.12コーナーを抜けてから,かなり時間が経っているのに,こんな舵角をつけてたら,抵抗になって加速しません.エンジン音を聞くと,抵抗で回転がドロップしているのが明白ですし,もっと舵角を減らせるようなライン取りやセッティングを見つけ出したいところですね.
1コーナー~2コーナー(2つ目の赤丸)
1コーナー進入でブレーキングを開始した後,最初は師匠(緑)の方が車速が高いのに(上なのに),途中から逆転して,Tさん(青)の方が上に来ているのが分かります.
これが何を示しているか?というと,Tさんの1コーナー進入時のブレーキングが強過ぎという事.ブレーキが強いので速度が早く落ちてしまい,早く速度が落ちた結果,ブレーキが余る形となり,止むを得ずブレーキを早く緩める事となり,緩めた結果,途中から速度の低下が鈍くなる(=師匠に逆転されている)という構図です.
ブレーキを緩めても,フロント荷重をキープしてクルマの向きを変えられているのであれば問題ないですが,ホイールベースの長いFD2の回頭性がそんなに良いはずもなく,結果,2コーナーでインに寄り過ぎ,寄り過ぎた結果,向きを変える事が出来ず,3コーナーで更に角度が悪くなってアクセルを踏めない(ボトムが師匠より5km/hも遅い)という悪循環に陥っています.
本来,2コーナーは,こんな感じで(↓)縁石にのるコーナーではないです.

(縁石にのって,車体が傾いているのが分かりますでしょうか?)
1~4コーナーは日光で一番難しいセクションとはいえ,もう少し苦しくないラインを考えた走りをしたいところですね.なお,この3コーナー通過時点で師匠(緑)からは0.4秒も遅れています.
4~6コーナー(3つ目の赤丸)
1~3コーナーはTさんの悪い点が目立ちましたが,反対に4~6コーナーの区間の処理はTさんも上手いです.師匠(緑)の方は,4コーナーを抜けた後,車速が上下に波打ちながら6コーナーに向かっていくのに対し,Tさん(青)の方はキレイに一直線に車速が伸びています.このキレイな線は
プロと同レベルですね.
また,6コーナーの進入でも師匠(緑)より車速が高い時間が長く,ブレーキング後のアクセルONのタイミングもTさん(青)の方が早いので,この区間に限っては師匠(緑)よりも上手いのかもしれませんね.
8コーナー(4つ目の赤丸)
一転,こちらでは師匠(緑)に対して大幅に劣っていますね.進入の速度が師匠(緑)より低いのは仕方がないにしても,進入のブレーキングが強過ぎです.また,ブレーキング後の再アクセルONのタイミングも遅く,師匠(緑)に対してかなり遅れをとっています.
9コーナー(5つ目の赤丸)
ここも立ち上がりでアクセルを踏むタイミングは悪くないのですが,アクセルを踏んだ直後にブレーキを踏んでいますね.率直に言って9コーナーでブレーキを踏むなんて有り得ないです.そんな事をしたら,その後のバックストレートを丸々捨てているようなもんです.
案の定,師匠(緑)と比べると,8コーナー進入~バックストレートエンドの高速区間だけで1秒も引き離されています.もう少し車速をのせるライン取りというものを研究した方が良いのではないでしょうか?
11コーナー(最後の赤丸)
バックストレートで車速を伸ばせていないので,タイム的にはどんどん差が広がっていますが,一番速度を落す11コーナーの立ち上がりは師匠(緑)よりも上手いですね.師匠(緑)よりアクセルを早く踏めています.
それだけに12コーナーを抜けた後の失速(前述の舵角多過ぎ)が勿体無いですね・・・.
以上を纏めますと,全体的にライン取りが残念な感じです.もっと楽にコーナーを抜けられる,もっと楽にアクセルを踏める,そんなライン取りを考えて欲しいところですね.特に高速コーナーなんかは全体的に小回りし過ぎなので,もっとコース幅を広く使う意識を持って欲しいです.
目指すべきなのは,所謂ところの「立ち上がり重視」のライン取り.Tさんはコーナーの進入でインに寄り過ぎる気配があるので,エイペックス(クリップ)を奥にとって,外から回り込むようなイメージのライン取りを身につけたいところです.
アクセルワークなんかは所々で師匠(緑)を上回る部分が見られるので,「クルマが曲がる」「アクセルが踏める」ライン取りを身につければ,タイムはポンと上がる気がします.ポテンシャルは十分感じるので,反復練習して,自分が怖くない,尚且つ タイムが速いラインを頑張って見つけ出して下さい.
Posted at 2019/12/18 01:28:50 | |
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