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2020年06月24日 イイね!

フェードとロックの対策案

フェードとロックの対策案2ヵ月我慢してテストしたブレーキパッドは,計測1周目からNGだという事が分かり,残念な結果に終わりました.

「じゃあ,次はどうするのか?」というと,現在使っているProject μから別の銘柄に変更してみるのが手っ取り早いですが,同一メーカーであればカタログスペックで比較出来るものの,別メーカーとなるとそうはいかないので,いったい何を基準にして探せば良いのか分かりません・・・.

「困ったなぁ~」と思いつつ,何か良い策がないかとアレコレ調べている中で,このブログを思い出しました.


ホイールのインチアップの有効性の話なのですが,この中で触れられている「ブレーキのためにホイールのサイズを上げる」という話を読んで,自粛中に読み漁ったRacing onのバックナンバーに書かれていた記事を思い出しました.

なぜ,JTCCのアコードが19インチなんてとんでもないサイズの(とてつもなくタイヤのハイトが薄くなる)ホイールを履いているのか? それはブレーキ容量を拡大するためだったという話.



Racing on No.506 JTCC PARTⅢ 「未知なるハコ・スプリント、研鑽の実像」の中にこんな一文があります.

コーナリングを速くするため,ブレーキに求められる性能はどんどん高くなり,96年の段階でフロントブレーキの限界を感じたホンダが,ブレンボに400mm径のブレーキディスクを要求したところ「そんな径は(格上の)DTM(ドイツツーリングカー選手権)でもやってない」と相手にされなかったという.

ちなみに,鈴鹿を2分5秒台で周回するようなDTMマシン(450PS/1040kg)のフロントローター径は380mm.それよりもパワーが小さく・軽いはずのアコード(300PS/975kg)が,DTMを上回る400mmを欲しがったというのですからローターサイズの重要性がよく分かりますね・・・.

おっと,少し脱線しましたが,言いたかったのは,

そのホイールに入る最大サイズのローターを入れないと意味がない!

という事です.果たして,私のEF8はホイールに入る最大サイズのローターを使っているのか・・・?




早速,ホンダ車の15インチクラスのローター径を調べてみると以下の事が分かりました.

 EG6 ・・・ 外径:262mm  厚み:21mm   ※私のEF8はEG6と同等です.
 EK9 ・・・ 外径:282mm  厚み:23mm

EK9の方が20mm大きい!


ローターのサイズを上げるという事は,制動力の絶対値以外にも,熱容量を増やして耐フェード性を上げるという効果もあります.そして,耐フェード性が上がるという事は,パッドを元の「RACING-N1」に戻す事が出来る!という可能性が浮上します.

しかし,ビッグローター化によって上がった制動力によって「RACING-N1」でもロックするようになってしまっては本末転倒です.そこで,ビッグローター×RACING-N1の組合せ時の制動力が,どんなイメージになるのかを試算してみる事にしました.




ブレーキの力学の本によると,制動力は以下のような式になるのだそうです.

 [制動力] = [パッドの摩擦係数] × [パッドの押付力] × [ローター径] / [タイヤ径]

例えば,制動力を上げたい場合,この式に則ると以下が選択肢となります.

 ①パッドの摩擦係数を上げる.
 ②パッドの押付力(ブレーキ踏力)を上げる.
 ③ローター径を上げる.
 ④タイヤ径を下げる.

制動力を下げたい場合はこの逆ですね.ちなみに,この式を見ていて気付いたのですが,パッドの面積は制動力に影響しないんですね.ローター径を上げると必然的にキャリパーサイズ(=パッド面積)も大きくなるのですが,それで制動力が変わる事はないという事です.パッドの面積が広がったり,キャリパーのピストン数が増えたりすると,つい制動力が増えるようなイメージを持ちますが,それと制動力は無関係である事がこの式から読み取れます(まぁ,面圧で考えれば気づける事ではあるのですが).

話を戻して,今回の場合はタイヤ径は固定(15インチ)なので④は除外.ビッグローター化によって③が上がるので,その上がった分だけ①を下げてバランスを取ろうという事ですね.但し,もし制動力が上がった場合は,ロックすると困るので「RACING-N+」のケースを上限に設定したいと思います.

次に,各パッドの摩擦係数はカタログより以下の通り.

 RACING-N1 ・・・ 0.33~0.44
 RACING-N+ ・・・ 0.39~0.48

本当は,この係数変化のプロフィールが分かると良いのですが,Project μは公開していないので,ここでは「RACING-N1」と「RACING-N+」で同様の傾向があると仮定します.

そして,ビッグローター分の制動力増加量を係数化すると以下の通り.

 282mm / 262mm = 1.07

これらの結果を図式化して纏めると以下のようなイメージ.



「RACING-N1(黒線)」をビッグローター化すると(青線),一律1.07倍の制動力になりますが,摩擦係数が小さくなる領域(≒温度が低い領域?)では「RACING-N+(赤線)」の値を下回るので問題なさそうです.一方で,摩擦係数が大きくなる領域(≒温度が高い領域?)では,「RACING-N+(赤線)」を超えてしまう可能性がありそうです.実際はこんな一律の線形ではないと思うので,「RACING-N1」をビッグローター化しても「RACING-N+」には届かない可能性がありますが,なかなか微妙な感じで,ブレーキロックの可能性を考えると悩ましいですね・・・.


ビッグローター化によるフェード対策が出来ないとなると,他に取れる策としてはスリットローターの採用でしょうか?



パッドの摩耗量は増えるものの,ガスが抜けるので効果はありそうですね.ただ,DIXCELの謳い文句をそのまま信用すると,プレーンタイプより摩擦係数が20%も上がるそうです.20%(1.20)となるとビッグローター以上の効果になるので,ブレーキロックの確率が上がりそうですね・・・.


う~ん・・・難しい.
これはまず足回りの方で対策して,様子を見つつ,パッドの調査を進めていくしかないですかねぇ~?
2020年06月21日 イイね!

移動制限解除! いざ筑波へ!!

移動制限解除! いざ筑波へ!!ようやく都外への脱出が可能になったので,2ヵ月振りにTC1000に行ってきました.

緊急事態宣言解除後に行かなかったら,一部で自粛警察呼ばわりされましたが,外装パーツの出ないクルマにとっては,その警察の取締りが本当に怖いので,涙を飲んで我慢してました(笑).

自粛の間は,この機会にシミュレーター環境でも整えようかと色々調べてみたのですが,プロのレーシングドライバーのコメントや各種バーチャルGPの映像等を見て,「これは止めた方が良いな・・・」と判断し,ひたすら家に籠って何も買わず,支出を抑える事に専念しました.

この2ヵ月間で1度も会社に行かないくらい徹底した籠りのおかげで,次のアップデートを行えるだけの資金は貯まったので,TC1000でテストして方向性を見出していこうと思っています.


さて,その2ヵ月振りのTC1000ですが,日曜&フォーミュラの日なので,ピットは取れないだろうなぁ・・・と思ってきたら,門前GPは案の定な台数.



「こりゃダメだな・・・」と思っていたらギリギリ10番目で端のピットが取れました.
ラッキー!と思ったのも束の間,早速アクシデントが!



不注意で,折角作ってもらったフェンダーフラップを壊してしまいました・・・(泣).自粛期間中にフェンダーフラップの効果を確認して確信が持てたのに,「やっぱり2ヵ月の籠り生活で,頭はボケてるし,身体も鈍っているな」と戒めさせられました.

そんな事がありつつ,お馴染みの皆さんへの挨拶も済ませ,筑波サーキットの感染症対策のお作法も無事学んだので,早速,走行へと移ります.


さて,今回の目的は,鈍った人間の勘を取り戻す・・・事もあるのですが,多分それは10周も走れば大丈夫だと思うので,積んだまま放置していた夏の課題を1つ1つこなしていきたいと思います.


1つ目はブレーキ.

自粛前はProject μの「RACING-N1」を使っていたのですが,春先の気温で2周連続でアタックするとフェードしたのかグニャッとした嫌な感触があったので,耐フェード性の高い「RACING-N+」に戻しました.これで連続周回は大丈夫だと思うのですが,今度は「初期制動力」の懸念が・・・.

そもそも「RACING-N1」→「RACING-N+」に変更した理由が,初期制動力が強過ぎて荷重がコントロール出来ない点にあったので,それも再び戻ってくる事になります.ただ,今回は当時よりもフロントのバネレートが2キロ高いので,「これでバランスが取れてくれれば・・・」と思いつつ走ってみると,



はい! ロック~.



もいっちょ,ロック~.

ダメだ,こりゃ・・・.┐(´ー`)┌

車内が焦げ臭くなるし,全くダメですね.一応,今回はA052より縦のグリップが強いRE-71Rを履いてきたのですが,その71Rをもってしてもロックを止められないのでは,使い物にならない.しょうがないのでブレーキをそぉ~っと踏んで,何とか1LAP纏めてみると・・・,



43秒を切るのが精一杯.あやうくハンデ戦どころか生タイムでも,こもりんさんに負けるところでした(汗).


2つ目は足回り.

自粛前,最後にTC1000を走った時にあの手この手とワザを駆使して41秒フラットのタイムを出したのですが,その際のデータを分析していて「やっぱりストレートスピードが重要だな・・・」と実感しました.これは単に「パワーが出る(=直線でタイムが稼げる)」という意味ではなく,コーナーへの進入速度が高い分,ブレーキング時のフロントへの荷重移動量を大きくする事ができ,その分だけタイヤのグリップを引き出してコーナリングスピードを稼げる,という意味です.

これを裏付けているのが,EF8の先輩との初戦の結果.クルマのコンディションは何も変わっていないのに,全くタイムが出なかった原因は実はコレだったのではないかと.ストレートが遅い→ブレーキング時の荷重移動量が小さい→フロントタイヤのグリップを引き出せない→コーナリングスピードが落ちる,という因果関係ですね.

そこから思い至ったのが・・・,

冬のストレートスピード(荷重移動量)に合わせて足回りを仕上げてしまっていないか?

という点です.つまり「足が固過ぎなのでは?」と.「ストレートが遅くて荷重がかけられないなら,その分,足を柔らかくして移動量を増やしてあげないとダメなのでは?」と考えました.


そこでまず,この仮説を確認するための荒療法として,ブレーキパッドを先述の「RACING-N+」に変更しました.

ストレートスピードが遅くて,勢いをつけてフロントのバネを縮められないなら,効きの強いパッドにして無理やりつんのめる姿勢を作ってみたらどうだ?という事です.1ヘアは上述の通り散々な結果に終わりましたが,実は1コーナーやインフィールドでは,これによってステアリングレスポンスが大幅に向上しました.ブレーキングを開始した瞬間からフロントが切り込んでクルマの向きが変わり始めるまでの待ち時間が,明らかに短くなっているのが感じ取れました(フロントタイヤが食っている感触).

これで「バネが固過ぎてフロントタイヤを潰せてない」という仮説に確信が持てたので,次に「1コーナーではフロントタイヤがロックしないけど,1ヘアのブレーキングではロックする」という事実から,今回悩まされたブレーキロックも「原因はパッドの効きの強さもあるが,フロントへの荷重移動量が少ないせいでもあるのでは?」と考えました.フロントタイヤに荷重が載り切る前にブレーキを掴んでしまうからロックするんじゃないか?と.

そこで,2本目はフロントの減衰を2段階落とし,疑似的にバネレートを下げて走ってみる事にしました.結果は・・・,

正解!m9(・∀・)ビシッ!!

1ヘアでもブレーキロックしづらくなりました(ロック自体は僅かにしますが).

「なるほど,このコンディションだと少なくとも減衰は弱めないとダメか・・・」
「だったら,バネレートは冬場の荷重移動量に合わせて,コンディションの差は減衰で合わせ込むか?」

・・・と考えていたら,こんな挙動が(↓).



分かりますかね?

インフィールドが一番分かり易いですが,左コーナーなのに私,ステアリングは右に切っているんですよ.恐らくフロントの減衰を下げた事+初期制動の強いパッドによってリアが浮いてスピンモードに入ってしまっています.ヘルパースプリングのおかげで何とかコントロールは出来てますが,このバランスはダメですね.

なぜダメか?というと,この挙動は1コーナー進入時にも出ているからです.以下の画像を見ると,ストレートエンドでブレーキングした時にステアリングをほんの僅かに左に切っているのが分かると思います.

【ブレーキング前】


【ブレーキング後】



当日ベストの動画と見比べるとよく分かりますが,このラップは1コーナーの進入に対してステアリングの切込みがワンテンポ遅いように見えるはずです.そのワンテンポの遅れは,ドライバーの勘が鈍っているわけではなく(笑),ムズムズしているお尻の挙動が落ち着くのを待っているせいです.

高車速からのブレーキングでこの挙動は危なくて乗れません.車高を下げてフロントの沈み込み絶対量を減らさないとダメですね.


そして,3つ目は・・・って長くなったので,今回はここまで.


一先ず,2ヵ月間おあずけになっていたブレーキと足回りの課題は方向性が見えてきました.

少なくとも「RACING-N+」はやっぱり合わないのでブレーキは何か変えないとダメですね.出来れば「RACING-N1」と「RACING-N+」のちょうど中間の効きのパッドがあると良いのですが,そんなのはラインナップにないので,他の銘柄に行かないとダメですかね・・・.

また,足回りのバランスを見直す事も必要そうです.フロントのバネレートは下げないとスィートスポットが狭過ぎですね.更に安易にバネレート下げるだけでは,リアの挙動がナーバスになってしまうので車高や前後バランスも見直さないといけないです.また足回りとブレーキは因果関係がある事を今回確認出来たので,ブレーキングでどういう姿勢を作りたいのか?を考えて,そこから逆算で妥協点を見出さないとダメそうです.

いやはや,まさしくトライ&エラーの世界ですね.「こういうものこそ何度も気軽に繰り返し試せるシミュレーターでやるべき!」なんて思った,そんな週末でした(お会いした皆さん,お疲れ様でした!).

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「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
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