
さて,それでは本編です(追走劇編は
コチラ).
果たしてテクニカルコースの日光で,ナロートレッド化した前後バランスは通用するのか?というお話です.過去の経験則から言えば,TC1000でちょうど良いバランスは日光ではオーバーステア,日光でちょうど良いバランスはTC1000でアンダーステアという気がしているので少々不安でしたが,結局のところはやってみなけりゃ分かんない!という事で走ってみました.
まず,当日のコンディションですが,残念ながら気圧が992hPaとかなり低め.一日曇り空という予報でしたが,途中から日射しが出てきて少し汗ばむ陽気.
11ヵ月前に比べたらエンジンパワー的には,かなり厳しい条件となりました.
「こりゃ,自己ベストは難しいかなぁ~?」と思いつつ,同じクラスをに速そうなフィット軍団(GD3)がいるので,彼らのタイムを目標にして走る事にしました.
それでは,1本目.
久方振りの日光なので,まずは様子見.同じ枠の出走は10台とそこそこ多いので,周囲のペースを確認.1台突出して速い人(おだてのまつさん)がいますが,それ以外は概ね41~42秒台といった感じ.きちんとスペースを見つけてアタックすれば,引っ掛かる事は少なそうです.
FD2を追っかけつつ,肩慣らしが終わったところで1LAPを纏めに行った結果 41.765 で6番手のタイムでした.トップはまつさんのDC5,2番手にカワイさん,3番手にKoheiさん,4番手に復帰戦のMさんとFD2勢が並び,私の1個上にやはりGD3が来ていました.私の方の感触はというと・・・,
「無茶苦茶難しい!」
やはりナロートレッド化によってリアのスタビリティが下がっているので,全体的にオーバーステア傾向.それもオーバーになるのはターンインの時のみで,逆にターンアウト(立ち上がり)の時はアンダー.一番難しいのが6コーナーで,ブレーキングするとイン側にノーズが切り込んで行き,そこでブレーキをリリースすると今度は荷重が抜けてアウト側に膨らんでいく・・・.オーバーとアンダーのちょうど良いバランス点をブレーキの踏力で探りましたが,絶対的な制動力が高過ぎるせいでコントロール出来る幅が非常に狭い! その狭い領域に何とか当て嵌めようと暴れるクルマをねじ伏せるので,ステアリング操作が忙しくて仕方ありません.結局,この日は1日中,ステアリングと格闘する羽目になりました・・・.
続けて,2本目.
「参ったなぁ~」と思いつつ,クルマのセットを何か変えようかと思いましたが,ナロートレッド化を試すために来ているので,セットは何も変えず,まずはドライバーの
努力 で何とかしてみる事にします.
8コーナーの進入がなかなか決まらなかったり(ここも予想より早くイン側にクルマが寄る),10コーナーのブレーキングでロックして冷や汗かいたり,と色々ありましたが,丁寧に1LAPを纏める事に専念して出したタイムは・・・,
41.517.今日のコンディションでは,これ以上のタイムは出る気がしませんでした.順位表を見ると,相変わらず,まつさんが40.1秒でズバ抜けてトップ.そこから1秒遅れてカワイさんのFD2,その後ろは僅か0.5秒の間に7台というせめぎ合いでした(私はDC2とGD3のもう1台に抜かれて8位).
午前最後の3本目.
このままだとジリ貧なので,「少しオーバードライブになってもいいから,ねじ伏せて走るか!」と,
気合 を入れ直します.
ところが,こんな事(↓)が起きたり,
あんな事(↓)が起きたり,
と気合が空回りして,危険がアブない・・・.
どちらも前方の車両を視界の隅に捉えてはいるのですが,接近する角度・タイミングが悪くて,相対速度の判断が遅れ,「えっ!? スローダウン??」→「この速度で突っ込むのはヤバイ!」→フルブレーキング→タイヤがロック→リアが流れる→カウンター当てる→「お願い! 戻ってぇ~!!」と心の中で叫びながら立て直してました.
(このカメラだと距離があるように見えますが,実際はもっと近いです)
まぁ,「前方に車両が居る事に気づいた時点で諦めて引けよ・・・」という話なのですが,ちゃんと後ろを見てくれている人達なので,つい「上手く避けてくれるかも?」と淡い期待をしてアクセルを緩めませんでした.間違った方向に気合を入れてしまった点は反省します・・・.
さて,そんな状態でしたが,持てる技術を全て使って叩き出したタイムは,
2本目の1/1000秒落ち(41.518).6コーナーでカウンターを当てながら旋回したり,高速の8~9コーナーをボトム100km/hで旋回したりしたのですが,タイムは全く変わりませんでした・・・.
「丁寧に走ろうが,気合を入れて走ろうが,1/1000秒しか変わらないのであれば,今日はココが限界だな・・・」と思いつつ,お昼休みの間に,昨年のベストラップと比較してみると(緑:昨年 青:今回),
苦戦している6コーナーのボトムスピード(2つ目の赤丸)が,今年(青)は5km/h近く遅いのが目立つくらいで,あとは大差なし.1コーナーの進入(1つ目の赤丸)とバックストレートエンド(3つ目の赤丸)で若干,昨年(緑)の方が最高速が高いですが,これは気象条件の差からくるエンジンパワーの差でしょう.6コーナー含めて,これらの差は僅か0.05秒単位程度ですし,やはり出来る事はやり切っているようです.
「よ~し,今日は終わり.片付けでもするかぁ~」
と思って,お昼のお弁当を片付けてクルマに戻ると,空が曇ってきて,急に肌寒くなります.コースを見れば清掃が入っていて,コンディション的には良化方向.
「アレッ? もしかしてコンディションが良くなってきちゃった??」
「もう1回だけチャレンジしてみる!?」
と,私と同様に片付けモードに入りかけていた,まつさんと顔を見合わせます.
これで最後の4本目.
気合 と
努力 を使って限界が見えたので,残るは
根性 のみ(笑).
最終枠は,1.5秒以上も速い,まつさんの後ろにつけて引っ張ってもらう事にしました.
引っ張ってぇー!
引っぱ~
ひ・・・
なんだか秒でDC5が点になったような気もしますが(苦笑),必死についていった結果,
41.354 をマークし,何とか自己ベストを更新する事が出来ました!
さすがに,これ以上は本当にもう無理!という事で,残り2本は走らずに終了.残念ながらフィット軍団には手が届きませんでしたが,まぁ,気合と努力と根性の全てを使ってやれる事はやり切ったので,今回はこれで良しとします.
最後に,勝手にチャンピオンシップ2020の途中経過.
最終戦のTC2000を残すのみとなりましたが,ドライバーズランキングは開催された6戦中4戦でポイントを挙げたkiyoseさんが68Pでトップ.2位は今回の日光で一番時計だった,43Pのおだてのまつさん.その差は25Pなので,最終戦でまつさんが1位,kiyoseさんが11位以下(ノーポイント)だった場合のみ逆転.反対にkiyoseさんは10位以内に入り,1点でも取ればチャンピオンとなります(何も景品は出ませんけど・・・笑).
EF8の先輩と私は30Pで並び,最終戦の結果次第.ここ2戦欠場中でポイントが伸びないオレさまFD2の弟子Tさんに手が届くか?という状況です(6位以上が条件).
なお,車種別ランキングの方は,ご覧の通り.
こちらは毎回安定した台数が出走しているFD2が圧勝.最終戦でDC5が大量エントリー&上位独占しない限り逆転は厳しそう.あとはほぼ孤軍奮闘といった状態ですが,今回のGD3のように2台上位に来ると順位の変動は起こり得そうです.
最終戦は来月.皆さん,仕事が忙しかったり,参戦資金が枯渇したりで出走する事すら大変そうですが,どんな面子が集まるのか楽しみです.