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OX3832のブログ一覧

2020年11月11日 イイね!

86 Racingのサスペンション考察(後編)

86 Racingのサスペンション考察(後編)では,後編です(前編はコチラ).

タイトル画像は,まだ序盤で攻め込んでいない時のものだと思いますが,これでも結構ロールしてますねぇ~.3キロ・5キロの柔らかいスプリングに,車検対応の車高(90mm)じゃ仕方ないのだと思いますが,このロールを上手く制さないと,このクルマの扱いは難しそうです.

それではサスペンションのセットアップを順々に考えていきます.



まず最初に決めるのは,車高.

とにかく重心を下げたいので,まずは規定ギリギリまで下げて,サスペンションやタイヤがどこかに干渉しないか? 干渉するようであれば当たらないレベルにまで上げまる形.レーシングカーであればシャシー下面の底突き等も気にしますが,車検対応でこれは起こらないでしょうね.前後のバランスに関しては,まずは水平(フラット)を基準にして,調整するとしてもリアだけ.フロントは固定にしたいところです.

なぜ,フロントを固定にするか?というと,マクファーソンストラットという形式に起因します.



マクファーソンストラットは,CR-Xのダブルウィッシュボーンと異なり,サスペンションがストロークした時にキャンバーとトレッドが変化するという特徴があります(以下↓の動画がよく分かると思います).



コーナリング性能を考えたら,フロントのトレッドは広ければ広い方が良い訳ですが,マクファーソンストラットの場合,最大トレッドになるのロアアームが水平になった時で,その位置より上に行っても,下に行ってもトレッドは減少します.トレッドが減少するという事は限界が下がるという事ですし,何よりコーナリング中(サスペンションがストロークしている過程)で限界が常に変化するという事になります.操っているドライバーにしてみると,これはなかなか厄介だと思います.

ドライバーとしては,サスペンションがストロークしていければいく程,限界が上がってくれる方が操り易いですから,そう考えるとフルストロークした時にアームが水平になるような車高が良いのではないでしょうか? 言い方を変えると,静止状態ではロアアームは右下・左下を向いている形ですね.間違ってもバンザイ状態(右上・左上を向いている)のは止めた方が良い気がします・・・.


なお,リアに関しては,



マルチリンクですので,キャンバー・トレッドの変化に特異な点はありません.但し,FFハッチバック(インプレッサ)用のアーム配置をコピーしているため,絶対的なストローク量が足りないそうです.そう考えると,なるべく車高は上げる方向に持って行きたいところですね・・・.


次は,キャンバー.

基本的には付けられるだけ付ける形ですね.レギュレーション上,フロントは-2.0°,リアは-3.0°までだそうなので,違反にならないように多少マージンは取るにしても基本的には,この値のままでしょうね.


更に,トー.

フロントは,キャンバーによって発生する内向きの力をキャンセルする程度にOUT側に設定.リアは,前述の通りストローク優先で車高が調整出来ないとすると,バランスはここで取るのかなぁ・・・(噂ではトーアウトにする人もいるそうです).


そして,減衰.

指定品でバネレートは変えられないので,前後のバランスは減衰で調整するしかないですね.ただ,先にプリロードを決めた状態で使わないと混乱するのが注意点でしょうか.セットアップの進め方としては,前後共にフルハードで始めて,縁石の乗り降りで跳ねるようなら緩めていく感じ? FRの場合はなるべくリアのトラクションを確保したいので,リアは柔らかめ,フロントは荷重をキープしたいので固めにしたいところですが,あまり前後差をつけない方が良い気がします.

前後差をつけたくない理由が,2コーナーで感じた「リアタイヤがフロントタイヤを追い越そうとする動き」.



コレ,恐らく前後のロールスピードの違いによって,そう感じた気がします.こればっかりは経験則なので,言葉にするのが難しいのですが,前後の値を揃えた上で一度試してみたいですね.


以上から,76号車の変えたい部分は以下です.

①リアの車高を上げたい
恐らく現状は10mmくらいのリア下がりだと思いますが,なるべくリアのストロークを確保したいので,水平くらいに戻したいです.プリロードの設定によっては単に車高を上げても意味がないかもしれませんが,リアを早めに動かして向きを変えたいので,そちらの意味合いでも効果はあると思います.

②減衰を前後揃えたい
現状はフロントが最強寄り,リアが最弱寄りだったかと思いますが,前後のバランスは恐らく減衰ではなく,他のパラメータで調整した方が良い気がします.とにかく,このクルマはロールの絶対量が大きいので,前後のロールスピードが異なると,差も大きくなって動きを先読みづらいです.フロントの荷重をキープしたい(出口のアンダーを消したい)なら前後固め,立ち上がりのトラクション重視なら前後柔らかめという感じでしょうか.但し,柔らかめにした場合,ブレーキング時にフロント荷重が乗り過ぎる可能性もあるので,ABSの作動タイミングを確認しながら調整したいところです.

・・・という感じでセット変えたら,ボンバー86さん,また乗せて下さいね!?(笑)

Posted at 2020/11/12 00:11:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記
2020年11月10日 イイね!

86 Racingのサスペンション考察(前編)

86 Racingのサスペンション考察(前編)先日,TC1000で初めて86 Racingに乗った訳なのですが,FR初心者で乗り方が分かってないとはいえ,どうもクルマの挙動が予測しづらい気がしました.

同じ個所(最終コーナー)で3回もスピンし,「クルマの挙動が全く分かっていない」「ドライバーのセンサー感度が低い」事が露呈した訳ですが(汗),それにしてもスピンした時としなかった時の違いが分からず,腑に落ちなかったので,その後,何度も繰返し動画を見ました.





走行中は「ステアリングを残しているのがダメなのかな?」「アクセルONが早いのかな?」と少しづつドライビングを変えていったのですが,それに合わせてスピンするタイミングも少しづつ奥になっている事に気づき,これでようやく理解出来ました.

スピンするのは,イン側のリアタイヤを縁石に引っ掛けた時 ですね・・・.


「イン側のリアタイヤが縁石に乗る時」という事は,クルマがアウト側に傾くので,アウト側のタイヤのキャンバー角がポジティブ方向に振れる事になります.従って,リアタイヤのキャンバーが十分ないとタイヤが外側に倒れ込む形となり,限界が下がります.

加えて,イン側のタイヤは縁石に乗る過程で上下動する(一時的に路面から離れる)訳ですから,リアのストローク量が十分ないと,縁石に乗り上げたタイミングで弾き飛ばされて,タイヤが浮いている時間が長くなり,クルマの姿勢は更にアウト側へ傾くので,余計にアウト側のタイヤの負担が増える事になると思われます.

つまり,今回のスピンの原因には,リアのイン側のサスペンションの動きに問題があるのではないか?と思いました.

・・・という事で,今回は86 Racingのサスペンションセッティングに関して考察してみます.


まず初めに,セッティングの方向性ですが,今回は以下の図(↓)の③を目指そうと思います.


(EmD Engineering:セットアップとはより)

現状が④(ステアリングバランスが悪い)である場合,本来,レースに出るようなクルマなら④→②を目指すべきだと思うのですが,ワンメイクレースのような接戦の場合は「限界領域でクルマを信頼出来る事」だ最優先だと思うので④→③を考えます.


次に,コーナリング中のどのポイントをターゲットにするか?ですが,今回はリアタイヤが縁石に乗るようなシーンですので,以下の図(↓)の④に焦点を当てます.


(EmD Engineering:セットアップ講座の前に Part⑤(最終)より)

リンク先にも書かれていますが,コーナー出口の挙動を修正していくためには,まず先にコーナー入口の挙動を決めないといけません.乗った時の感触としては,②で結構アンダーが強かったので,②~③の区間でもっと向きを変えて,④では舵角を減らせる方向性が良いのかな?と思います.


これで方向性が決まったので,次に制約条件の確認.


(TOYOTA GAZOO RACING 86/BRZ Race 2020 REGULATIONSより)

キャンバーの数値範囲が指定されいますが,それ以外はT.R.A.(Toyota cars Race Association)認定部品の方を調べないとダメそうですね.

という事で,TRDのサイトへ.



減衰調整機構は40段との事ですが,調べてみたところ「上5段は動きが渋く,下10段は不安定で使えない」というコメントを見つけました.この原因は,ショック側なのか? スプリング側なのか?気になったので,続けてスプリングの仕様に関して調べてみます.

サイトの公称値ではバネレートは,F:34.7Nm/mm(3.5キロ) R:57.3Nm/mm(5.8キロ).

結構柔らかいですね・・・.86 Racingは前後でサスペンション構造が異なりますが,レバー比(ストラット:1.0 マルチリンク:1.1)を考慮しても,全体的に柔らかめという印象です.

・・・で,そのスプリングの製造メーカーですが,品番から当たってみると,どうもKYBっぽいので,KYBのサイトで相当品を調べてみます.



86 RacingのIDがいくつなのか分かりませんが,当然,3.5キロなんて柔らかい代物はありません.5.8キロも見当たらないので「特注なのかなぁ~?」と思いつつ眺めていると6.0キロがかなり近い値である事に気づき,それと「40段調整の両端は使えない」というコメントを組み合わせて,ハッとしました.

「このスプリング,ひょっとしてプログレッシブなのか?」

プログレッシブスプリングというのは,レートが全長で一定ではなく,「縮み始めは柔らかく,縮み切るところが固くなる」という特徴を持っています(以下の他社製品みたいな感じ↓).


HYPERCOのメリット:「リニア」なレート特性!より)

 縮み始めが柔らかい = 下10段は不安定で使えない
 縮み切ると固くなる  = 上5段は渋くて使えない

という事なので,どうやら先述のコメントはスプリングに起因しているようですね・・・.
そうなると,この"リニアでない領域"を使わないようにしないとダメですね.


一番良いのはスプリング交換なのですが,レギュレーション上,それは出来ないので,どうやらプリロードを使いこなさないとダメそうです・・・.


(Motor Fan illusrated Vol.98 ばね下完全理解より)

プリロードというのは,スプリングに予め力を加えて,全長を縮めた状態で使う事です.これによって縮み始めの柔らかい領域を使わないように出来ます.ただ,スプリングの全長を縮めて使うので,リバウンドストロークが減るというデメリットがあるので,ここが厄介そうですね・・・.


(Motor Fan illusrated Vol.98 ばね下完全理解より)

なお,縮み切ると固い領域に関しては,バンプラバーを使って回避出来る気がしますが,レギュレーション上,バンプラバーの交換って認められているんですかね? ちょっと分からなかったので,今回はバンプラバーは考慮せず,なるべくストロークを稼いで,この領域に踏み込ませない方向で考えたいと思います.


これでようやく下準備が完了.後編へ続きます.
Posted at 2020/11/11 17:39:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記
2020年11月09日 イイね!

RE-71RSのトリック

RE-71RSのトリック何とか根性で自己ベストを更新し,早々と走行を終了した日光ですが,今回はEF8の先輩もオレさまFD2もいなくて寂しかったので(笑),BB6のAT使いと会話しながら過ごしてました.

前々回のTC1000では,新品投入したRE-71RSが今一つの感触だったとの事でしたが,ここ日光ではTC1000よりもマッチしたようで,まずまずのタイムが出ていたようです.


ただ,やっぱり"まずまず"のレベル止まりで,RE-71Rのタイムを更新するところまで行けないのが納得出来ないご様子.「次は71RS止めてA052かなぁ~?」とか,「ホイールを新調するか」とか言ってましたが,やはりRE-71RSは一筋縄ではいかない難しいタイヤなんだなぁ~と思い,その日は終わりました.


さて,その後ネットで調べ物をしていたら,とある方がネット上に先日の走行会の写真を上げられていたので,それを眺めていたらBB6が結構映ってました.









おおっ! かっちょええ写真だー!!

と感動しつつ,2枚目・3枚目の写真で「あ~,BB6でもインリフトするんだなぁ・・・」と眺めていたら,



ん?



んん!?

と,ある事に気づきました.

「もしかして,71RSはタイヤが完全に接地するまでの時間が,71Rよりも長くならないか?」と.


早速,お絵かきをして頭の中を整理してみます.



上が71R,下が71RSのOUT側のタイヤのイメージです.

通常,車体がロールするとタイヤが外側へ倒れ込むので(上段右図),倒れ込んだ時にタイヤが全面接地するように,予めキャンバーを付けます(上段左図).このセッティングのまま,タイヤを71RSに交換すると,タイヤのショルダーが丸くなっているので,見た目上はキャンバーがもっとつくような形になるのですが(下段左図).これって「路面とタイヤの間隔が広がる」という事も意味しています.

という事は,71Rと同じ面積分タイヤを接地させるためには,その分だけロールさせないといけない事になり(下段右図),仮に71Rと同じ接地面積になった時がロールが収まると仮定すると,71RSはロールの絶対量が大きい訳ですから,ロールが収まるまでの時間も長いという事になります(減衰・バネレート・旋回Gが同じだった場合).

この場合,ドライバーからすると「これくらいのタイミングでロールが終わって,グリップが立ち上がるはず・・・」と思ってアクセルを踏もうとしているのに,実はそのタイミングではまだロールが収まっておらず,「アレッ? なんだかフラフラするなぁ~」「立ち上がりでグリップ感がなかなか来ないなぁ~」「コーナーの出口で曲がらないなぁ~」と感じるのではないでしょうか?


更に,IN側のタイヤに関しても・・・,



先程と同様に,上が71R,下が71RSのイメージです.

IN側のタイヤの場合は,キャンバーがついて倒れ込んでいるタイヤが更に倒れ込む事になるのですが,71Rのようなショルダーがそこそこ角張っているタイヤの場合,接地しているタイヤの角を更に捻じ込むような形になるものの(上段右図),この過程では頂点に掛かる負荷が大きくなるだけで,接地面積自体はそれほど変化しません.

ところが,71RSの場合は,ショルダーが斜めになっている事から最初から全面接地しており,そこから更に倒れ込んでいくので,内側のショルダー角以上にロールすると,接地面積が常に変化していく事になります.つまり,ロールするとIN側のタイヤのグリップは不安定になるという事です.


これらの考察を纏めると,71Rと同じセッティングで71RSを使った場合,ロールスピードを上げないとグリップを引き出せない(=71Rと同じ走らせ方では,71Rよりグリップしない)という仮説が思い浮かびました.

71R→71RSに履き替えて,ポンとタイムが出るクルマは,元々ロールをさせない仕様(バネがハイレートな仕様)か,逆にロールを即座にさせ切って,常時バンプラバーに当てて走るような仕様のクルマなのではないでしょうか? だとすると,71RSを使いこなすためには「キャンバーを起こすと良い」のではなく,「キャンバーを起こさないとマトモに走れない」という事が真実なような気がしてきました.


裏取りしてみます.



BS公式によるRE-71RSのアドバイス動画です(コースはTC1000).


順番に見ていきます.



「71RSの方がブレーキがよく効く」「舵角が増やせる」と言ってますが,コレ,セッティング変更後(キャンバーを減らした後)であるならば,そりゃブレーキの効きは良くなるでしょうし,ステアリングレスポンスも良くなるので舵角も増やせますよね.




「インフィールドでイン側に寄れる」と言ってますが,これも実はロールスピードを上げた方が(小回りした方が)タイヤのグリップを使い切れるから,「インに寄った方が速い」という事ではないですかね?




しきりに「キャンバーを起こす(純正に近づける)」事を訴えているのは納得として,この画面下側のタイヤの接地面積の絵が意味深です・・・.




71RSはロールすると接地面積の変化が大きくなるから,安定したグリップを引き出すためには「ロールを減らせ!」と訴えているように見えます.




そして,再三再四出てくる「キャンバーは起こせ!」のメッセージと,






「サスペンション剛性」という単語を使って「足を動かすな!」「姿勢を変化させるな!」というメッセージ.






最後に「ロール剛性」という単語も引っ張り出して,「ロールさせるな!」「インリフトさせるな!」と訴えています.

単に「タイヤのグリップが上げたら,足回りは固くする」というセオリーを言っているだけのようにも思えますが,その一方で何となく仮説が当たっているような気もしてきました・・・.


以上を纏めると,足の柔らかいクルマ・ロールを使ってコーナリングさせるクルマは71RSとの相性が最悪に思えます.反対に足回りをガチガチに固めて姿勢を全く変化させないクルマには合うような気がします.そう考えると,71RSがソフトコンパウンドを採用した点にも納得が出来て,足回りがガチガチで衝撃を吸収出来ない欠点を,タイヤで補うコンセプトなのでしょうね.

これでようやく疑問に思っていた事が解けました.ただ,出てきた答えは「相性最悪」なので,正直困ったなぁ~という感じです.71RSじゃないと手に入らないサイズを使って現状抱えている問題を解決しようと思っていたのですが,どうやらそれどころではないようですし,何か他の策を探さないとダメそうですね・・・.
Posted at 2020/11/09 23:08:19 | コメント(4) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2020年11月08日 イイね!

気合と努力と根性と

気合と努力と根性とさて,それでは本編です(追走劇編はコチラ).

果たしてテクニカルコースの日光で,ナロートレッド化した前後バランスは通用するのか?というお話です.過去の経験則から言えば,TC1000でちょうど良いバランスは日光ではオーバーステア,日光でちょうど良いバランスはTC1000でアンダーステアという気がしているので少々不安でしたが,結局のところはやってみなけりゃ分かんない!という事で走ってみました.

まず,当日のコンディションですが,残念ながら気圧が992hPaとかなり低め.一日曇り空という予報でしたが,途中から日射しが出てきて少し汗ばむ陽気.11ヵ月前に比べたらエンジンパワー的には,かなり厳しい条件となりました.

「こりゃ,自己ベストは難しいかなぁ~?」と思いつつ,同じクラスをに速そうなフィット軍団(GD3)がいるので,彼らのタイムを目標にして走る事にしました.




それでは,1本目.

久方振りの日光なので,まずは様子見.同じ枠の出走は10台とそこそこ多いので,周囲のペースを確認.1台突出して速い人(おだてのまつさん)がいますが,それ以外は概ね41~42秒台といった感じ.きちんとスペースを見つけてアタックすれば,引っ掛かる事は少なそうです.

FD2を追っかけつつ,肩慣らしが終わったところで1LAPを纏めに行った結果 41.765 で6番手のタイムでした.トップはまつさんのDC5,2番手にカワイさん,3番手にKoheiさん,4番手に復帰戦のMさんとFD2勢が並び,私の1個上にやはりGD3が来ていました.私の方の感触はというと・・・,

「無茶苦茶難しい!」

やはりナロートレッド化によってリアのスタビリティが下がっているので,全体的にオーバーステア傾向.それもオーバーになるのはターンインの時のみで,逆にターンアウト(立ち上がり)の時はアンダー.一番難しいのが6コーナーで,ブレーキングするとイン側にノーズが切り込んで行き,そこでブレーキをリリースすると今度は荷重が抜けてアウト側に膨らんでいく・・・.オーバーとアンダーのちょうど良いバランス点をブレーキの踏力で探りましたが,絶対的な制動力が高過ぎるせいでコントロール出来る幅が非常に狭い! その狭い領域に何とか当て嵌めようと暴れるクルマをねじ伏せるので,ステアリング操作が忙しくて仕方ありません.結局,この日は1日中,ステアリングと格闘する羽目になりました・・・.


続けて,2本目.

「参ったなぁ~」と思いつつ,クルマのセットを何か変えようかと思いましたが,ナロートレッド化を試すために来ているので,セットは何も変えず,まずはドライバーの 努力 で何とかしてみる事にします.

8コーナーの進入がなかなか決まらなかったり(ここも予想より早くイン側にクルマが寄る),10コーナーのブレーキングでロックして冷や汗かいたり,と色々ありましたが,丁寧に1LAPを纏める事に専念して出したタイムは・・・,



41.517.今日のコンディションでは,これ以上のタイムは出る気がしませんでした.順位表を見ると,相変わらず,まつさんが40.1秒でズバ抜けてトップ.そこから1秒遅れてカワイさんのFD2,その後ろは僅か0.5秒の間に7台というせめぎ合いでした(私はDC2とGD3のもう1台に抜かれて8位).


午前最後の3本目.

このままだとジリ貧なので,「少しオーバードライブになってもいいから,ねじ伏せて走るか!」と,気合 を入れ直します.

ところが,こんな事(↓)が起きたり,



あんな事(↓)が起きたり,



と気合が空回りして,危険がアブない・・・.

どちらも前方の車両を視界の隅に捉えてはいるのですが,接近する角度・タイミングが悪くて,相対速度の判断が遅れ,「えっ!? スローダウン??」→「この速度で突っ込むのはヤバイ!」→フルブレーキング→タイヤがロック→リアが流れる→カウンター当てる→「お願い! 戻ってぇ~!!」と心の中で叫びながら立て直してました.
(このカメラだと距離があるように見えますが,実際はもっと近いです)

まぁ,「前方に車両が居る事に気づいた時点で諦めて引けよ・・・」という話なのですが,ちゃんと後ろを見てくれている人達なので,つい「上手く避けてくれるかも?」と淡い期待をしてアクセルを緩めませんでした.間違った方向に気合を入れてしまった点は反省します・・・.

さて,そんな状態でしたが,持てる技術を全て使って叩き出したタイムは,



2本目の1/1000秒落ち(41.518).6コーナーでカウンターを当てながら旋回したり,高速の8~9コーナーをボトム100km/hで旋回したりしたのですが,タイムは全く変わりませんでした・・・.


「丁寧に走ろうが,気合を入れて走ろうが,1/1000秒しか変わらないのであれば,今日はココが限界だな・・・」と思いつつ,お昼休みの間に,昨年のベストラップと比較してみると(緑:昨年 青:今回),



苦戦している6コーナーのボトムスピード(2つ目の赤丸)が,今年(青)は5km/h近く遅いのが目立つくらいで,あとは大差なし.1コーナーの進入(1つ目の赤丸)とバックストレートエンド(3つ目の赤丸)で若干,昨年(緑)の方が最高速が高いですが,これは気象条件の差からくるエンジンパワーの差でしょう.6コーナー含めて,これらの差は僅か0.05秒単位程度ですし,やはり出来る事はやり切っているようです.

「よ~し,今日は終わり.片付けでもするかぁ~」

と思って,お昼のお弁当を片付けてクルマに戻ると,空が曇ってきて,急に肌寒くなります.コースを見れば清掃が入っていて,コンディション的には良化方向.

「アレッ? もしかしてコンディションが良くなってきちゃった??」
「もう1回だけチャレンジしてみる!?」

と,私と同様に片付けモードに入りかけていた,まつさんと顔を見合わせます.


これで最後の4本目.

気合努力 を使って限界が見えたので,残るは 根性 のみ(笑).

最終枠は,1.5秒以上も速い,まつさんの後ろにつけて引っ張ってもらう事にしました.



引っ張ってぇー!



引っぱ~



ひ・・・


なんだか秒でDC5が点になったような気もしますが(苦笑),必死についていった結果,41.354 をマークし,何とか自己ベストを更新する事が出来ました!

さすがに,これ以上は本当にもう無理!という事で,残り2本は走らずに終了.残念ながらフィット軍団には手が届きませんでしたが,まぁ,気合と努力と根性の全てを使ってやれる事はやり切ったので,今回はこれで良しとします.


最後に,勝手にチャンピオンシップ2020の途中経過.



最終戦のTC2000を残すのみとなりましたが,ドライバーズランキングは開催された6戦中4戦でポイントを挙げたkiyoseさんが68Pでトップ.2位は今回の日光で一番時計だった,43Pのおだてのまつさん.その差は25Pなので,最終戦でまつさんが1位,kiyoseさんが11位以下(ノーポイント)だった場合のみ逆転.反対にkiyoseさんは10位以内に入り,1点でも取ればチャンピオンとなります(何も景品は出ませんけど・・・笑).

EF8の先輩と私は30Pで並び,最終戦の結果次第.ここ2戦欠場中でポイントが伸びないオレさまFD2の弟子Tさんに手が届くか?という状況です(6位以上が条件).


なお,車種別ランキングの方は,ご覧の通り.



こちらは毎回安定した台数が出走しているFD2が圧勝.最終戦でDC5が大量エントリー&上位独占しない限り逆転は厳しそう.あとはほぼ孤軍奮闘といった状態ですが,今回のGD3のように2台上位に来ると順位の変動は起こり得そうです.

最終戦は来月.皆さん,仕事が忙しかったり,参戦資金が枯渇したりで出走する事すら大変そうですが,どんな面子が集まるのか楽しみです.
Posted at 2020/11/09 01:22:30 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記
2020年11月07日 イイね!

日光追走劇(2020年版)

日光追走劇(2020年版)前後バランスを変えるためにナロートレッド化を思いつき,ガーニーフラップが外れるおまけ付きで国際コースでチェックしても問題なく,ホームコースで試してみれば筑波の主に0.008秒差と,順調に結果が出てきたので,最後の総仕上げに日光サーキットへ行って来ました.

事前の読みでは,日光だとややピーキーな動きになるのではないか?と思っており,ここは失敗すると痛い目に遭うコースなので,ちょっと気後れしていた部分もあったのですが,走ってみない事には確認も出来ないので,挑んでみました.


日光はかつてのホームコースなので,コースの勘所は身体が覚えているとはいえ,そこは11ヵ月振りの走行.序盤は感覚を取り戻すべく,色んなクルマを追いかけて,ひたすら走りまくりました.

・・・という事で,今回はその追いかけ走行中の車載を紹介します.

ちなみに,この動画は他人を盗み撮りするために狙って後ろを走ったのではなく,全長1kmのショートコースに10台という混雑状態でアタックしなければなかったため,スペースを見つけるには,速いクルマの後ろにつくしかなかった・・・というだけの単なる偶然の産物です(笑).


まずは,FD2(白).



ようやく修理が終わって久方振りの復帰戦.しかもコースイン直後という事もあって,やや様子見のペースだったようです.私の方も感覚を取り戻す事を優先しているので,高速の8~9コーナーはやや温めです.


続けて,別のFD2(銀).



日光の走行会ではよくお見掛けするシルバーのFD2.さすがの速さですね.なお,私の方はこの辺りから11コーナーで起こるテールスライドに手を焼いています・・・.


そして,珍しいGD3.



今回は3台のGD3がエントリーされていました.こちらはその中の1台.どうやらターボ仕様のようですね.私の方は6コーナーのリズムが掴めず,悪戦苦闘の真っ最中です・・・.


こちらは,常連さんのDC2.



合わないタイヤの呪縛から解き放たれ,RE-71RSを投入して,いよいよ本領発揮か!?といったところですが,結果はどうだったのでしょう?(まだ総合のリザルトを見てない) なお,こちらは10コーナーのブレーキングでフルロック!! 一瞬ヒヤリとしましたが,何とかロックを解除出来たので事なきを得ました・・・.


こちらも,常連さんのスーパーチャージャー仕様のAP2.



さすがトルクがモリモリのようで,スタート~バックストレートまでの間を3速固定で走れるそうです.1~6コーナーの忙しい区間をシフトチェンジしなくて良いのは羨ましいですね.私の方は,この辺りまで来るとようやく1周を上手く纏められるようになってきたのですが,そこからAP2に追いつこうと熱くなると(2周目)とっ散らかっているのがよく分かりますね・・・.


最後,どこかで見た事がある気がする黒いDC5.



恐らく今回の一番時計.11ヵ月前のタイムと比較するとやや苦戦したようですが,それでも一応の結果を出す辺りはさすがです! 最終ヒートでは,引っ張って頂き有難う御座いました.<(_ _)>


以上,追っかけ動画でした.

いつものTC1000の車載に比べると,ステアリング操作が忙しいのがよく分かると思います.おかげで両腕が現在筋肉痛でキーボードを打つのも辛い(苦笑).ナロートレッド化のフィーリングに関しては,また別の機会に.

当日,お会いした皆様,お疲れ様でした.
Posted at 2020/11/08 07:03:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記

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「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
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