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2020年11月06日 イイね!

86 Racing オーナー vs ビギナー比較

86 Racing オーナー vs ビギナー比較86 Racingに乗った時に,EF8の時と比べて自分のドライビングがどれくらいのレベルなのか?が分かったところで,この86 Racingのオーナーとの比較です.

解析ネタも3連発で来ていて,そろそろ疲れてきたので,今回はサクサクいきたいと思います.まずは公式タイムの比較.

 オーナー    ・・・ 42.469
 ビギナー(私) ・・・ 42.936 (+0.467)



FR初心者とはいえ,約0.5秒も差をつけられたのは悔しいですね・・・.


次に,ライン取り(赤:オーナー 青:私).



ザッとオーナー(赤)との違いを挙げると・・・,

 ・1コーナー出口で,私はアウト側に膨らんでいる
 ・1ヘア進入で,私はインに寄るのが早い
 ・インフィールドで,オーナーはイン-イン-インのライン
 ・洗濯板通過後に,アウト側へ膨らむのはオーナーも一緒
 ・最終コーナーで,私はエイペックス(縁石)に寄せ切れていない

といったところでしょうか.


続けて,車速とタイム差(上に行くほどオーナーが速い)を見てみると・・・(緑:オーナー 青:私),



 ・1コーナー進入で,私はABSが作動(軽くロック)している
 ・1コーナーのボトムは,私の方が7km/h近く高い
 ・2コーナーで,私がアクセルを踏めない時,オーナーの車速はもっと低い
 ・1ヘアのブレーキング開始は,私の方が早い
 ・1ヘアのボトムは,私の方が1km/h高い
 ・1ヘアの立ち上がりも,私の方が早くアクセルを踏めている
 ・インフィールド進入は,オーナーの方が奥まで突っ込めている(ブレーキングの開始が遅い)
 ・インフィールド立ち上がりのアクセルONは,私の方が早いが,その後緩めている
 ・バックストレッチの2→3速へのシフトアップで,私はシフトミスをしている
 ・洗濯板進入までの車速の伸びが,私の方が2.8km/h遅い(=インフィールドの立ち上がりが遅い)
 ・洗濯板通過後,80km/h付近で私はブレーキを緩めている
 ・その後のアクセルONは私の方が早いが,その後,アクセルを戻してしまっている

といったところです.


これらを纏めて,私のドライビングを評価すると,

 ・1コーナーの進入は悪くないが,出口でアンダーを出している
 ・アンダーが出ているのは,恐らくボトムが高いせい
 ・2コーナーでリアタイヤがフロントを追い越そうとする動きは,このボトムの高さに起因していると思われる
  (=タイヤの限界に達している?)
 ・クルマ的にもうちょっとフロントが入ってくれれば,オーナーと同じラインが取れたはず
 ・そうすれば,1~2コーナーは全域オーナーに勝てたかも

 ・1ヘアのアプローチは私の方が正解だと思う
 ・オーナーの1ヘアは,V字コーナリングではなく,レ点コーナリングになっている
 ・レ点コーナリングは立ち上がりが速いと思いきや,実は単なる遠回りという事が多い
  (私はこれを広場トレーニングで指摘され,修正しました)
 ・その証拠に,インフィールドまでのスピードの伸び,タイムは私の方が勝っている(証拠映像↓)




 ・インフィールドは慣れないクルマだったので,イン-イン-インで攻めれば良かったかも
  (オーナーのアプローチが正解)
 ・インフィールドの立ち上がりで,アクセルONが早かったのに,その後失速しているのはオーバーが出たから
 ・そのオーバーに耐えて,立ち上がれればバックストレッチの伸びでオーナーに負けなかったはず
 ・インフィールド進入時点では私の方が速かったのに,バックストレッチだけで0.4秒引き離されている

 ・洗濯板進入のブレーキングで0.1秒オーナーから引き離されている
 ・その先で曲がらない手応えなので,私はここまで突っ込めない(オーナー天晴!)
 ・その後は互角だが,最終コーナーでスピンを警戒して,私はアクセルを戻している
 ・縁石に乗らなければスピンしないようなので,ここで踏み抜ければ,私は0.1秒稼げたかも

といった感じです.


インフィールド進入までの前半セクションまでは,私の方が速かったのに,その後のテクニカルセクションでオーバーステアを過剰に警戒し過ぎて0.5秒失った構図のようです.この0.5秒中0.4秒はバックストレッチで失っており,その原因はインフィールド出口のオーバーステアにある訳ですから,オーナーと同様にイン-イン-インのラインで小回りして,オーバーステアの出しようがない走らせ方をすれば,もしかしたらオーナーの0.1秒落ちくらいまでは迫れていたのかもしれません・・・.

リアが滑るのを楽しんで,はしゃがず,冷静にタイムを削り取りに行けば良かったのかもしれませんが,乗っている時の心理状況からすると,まぁ,それは無理ですね(苦笑).

なお,一応補足しておくと,インフィールドでイン-イン-インを選ばなかった事にも考えがあって,事前に集めた86 Racingの足回りの特徴を考慮すると,なるべくバンプタッチを避ける走らせ方の方が有効そうだと思い,ロールスピードを抑える意味で大回りのライン取りを選択しています.この辺りの考察に関しては,長くなりそうなので,また別の機会に行いたいと思います.


以上,対決結果でした.

やっぱり,ポンと乗ってオーナーに勝つって難しいですね.プロドライバーやオーナー殺しを生業としているかのようなドライバーの腕前って凄いんだなぁ~と改めて思いました.

負けは負けなのですが,もう一工夫すればオーナーに届きそうだったのに,それが出来なかった事がやっぱり悔しい!! 足回りのセット変えて,もう1回チャレンジさせてもらえないかなぁ~と思う分析結果でした.

2020年11月05日 イイね!

ZN6 vs EF8 その②

ZN6 vs EF8 その②先日,生まれて初めてFR車両をサーキットで走らせた訳ですが,色々と思い通りにコントロール出来なくてスピン連発でした・・・.

後輪駆動車を初めて走らせるのですから,勝手が分からないのは当然ではあるのですが,それにしても色々感じるところがあったので,一体86 Racing(ZN6)のポテンシャルをどれくらい引き出せたのか気になるところです.


・・・という事で,今回は史上初(笑),同一ドライバーによる異車種比較をやってみます.

なお,EF8の方は当日のベストタイムだとコンディションが違い過ぎるので,当日ZN6と追いかけっこしたO枠のセッションベストを用います.ただ,なぜか「O枠のみトランスポンダーの計測が出来なかった」との事で公式リザルトが貰えなかったため,GPSロガーの計測値を用います.

 【GPSロガー計測値】
  EF8 ・・・ 41.720
  ZN6 ・・・ 42.909 (+1.209)


では,LAP+による比較結果です(緑:EF8 青:ZN6).




1コーナー(1つ目の赤丸)
ホームストレートの速度推移を見る限り,加速力は両者互角という感じですね.1コーナー進入のブレーキングは,ZN6(青)の方が慣れ切っていないので少しマージンを取って早め.この結果,EF8(緑)の方が1.5km/h車速が高いですが,恐らくZN6(青)も同じポイントまでブレーキを我慢していれば同等の速度で進入は出来ていたと思われます.

なお,ZN6(青)の制動力には特に不足を感じませんでしたが,ABSなのか? VDCなのか?分かりませんが,進入で切り込んで行くとステアリングが重くなるので,少しイメージとズレたラインになってしまいました.走行の後半でこれに気づいたのでラインを修正したのですが,このベストタイム時はまだ未修正で,立ち上がりは結構アウト側まで膨らんでしまい,これでZN6(青)の方が0.2秒遅れます.その一方で,EF8だとブレーキングで突っ込み過ぎるとオーバーステアと格闘する事になるのですが,ZN6ではそんな気配は微塵もありませんでした.この点からもブレーキング時のスタビリティはかなり高いように感じました.


2コーナー(2つ目の赤丸)
ZN6(青)でココが一番辛いポイントでした.リアタイヤがフロントを追い越そうするかのような動きでクルマが左右に振られて,アクセルを全開に出来ません.これがFRの難しさなのか? このクルマ特有の問題なのか?は分かりませんが,ストレスフルなのは間違いなし(笑).最終的に1ヘアの進入速度はEF8(緑)と 変わらない点を踏まえると,ここはクルマ側で改善したいところですね.なお,このコーナーだけでZN6は更に0.2秒遅れています.


1ヘア(3つ目の赤丸)
両者のブレーキングポイントはほぼ同じ.ライン取りを見てもほぼ変わらないのですが,最後の最後,エイペックス付近でZN6(青)はノーズが入らないんですよねぇ・・・.「何でかなぁ~?」と思って波形を見たら,これABSが作動しているんですね.ABSの作動によってブレーキが強制解除されているので,フロント荷重が抜けてしまっているようです.この辺りはドライバーの経験不足が如実に表れた感じです(これで0.05秒,ZN6は更に遅れます).


インフィールド進入(4つ目の赤丸)
1ヘアでエイペックスにしっかりと付けていないのですが,それでもさすがは後輪駆動.EF8(緑)に比べるとトラクションがしっかりと掛かりますね.ラフにアクセルを開けると,さすがに若干のテールスライドを起こしてロスしてしまいますが,ベストラップ時はまずまずのアクセルワークだったようです.ここからインフィールド進入までの区間が,唯一ZN6(青)がEF8(緑)を上回っている部分ですね(0.1秒短縮).なお,インフィールド進入のブレーキングはEF8(緑)に比べると若干甘いですが,不慣れなFRでどこまで攻めて良いのか探っている状態なので,これくらいでご勘弁して下さい(笑).


インフィールド出口(5つ目の赤丸)
ここもZN6(青)の方は完全に動きを探っているような感じです.リアが出て欲しいタイミングでなかなか出ず,「出ないから大丈夫」と思ってアクセルを開けていくと,リアがズルッと来る感じ.ズルッと来ないようにゆっくりアクセルを開けたり,ワンテンポタイミングをズラして踏んだりしてみましたが,そうするとクルマの向きが変わるのが遅く,出口でアクセルを踏み切れないので,もっと手前から向きを変えようと,タイミングを早めたり,ラフにアクセルを開けてみたりしましたが,その時にはズルッと来ず.「ヨーが抜けて完全に加速態勢に入った」と思ったタイミングでズルッと来るので,どこから滑るのか全く分からない・・・.そんなおっかなびっくり感(迷い)が波形からも読み取れます(ZN6は0.1秒遅い).


洗濯板進入(6つ目の赤丸)
あれだけインフィールドの立ち上がりが遅かったのに,バックストレッチを抜けて洗濯板に到達してみれば,進入速度はEF8(緑)と一緒.EF8(緑)の3速での伸び不足が改めて浮き彫りとなりました.ただ,ZN6(青)は2速域で遅れているので,タイム差的にはトータル0.75秒まで遅れが拡大しています.


最終の複合(最後の赤丸)
走っていて,ここが一番納得のいかないセクションでした.洗濯板への進入~ブレーキング~ブレーキリリース~ステアリング切込みまでの流れは良いのですが,そこから先でZN6(青)はクルマが曲がらないんですよねぇ・・・.

ライン取りを見るとこれが明らかです(赤:EF8 青:ZN6).



前後Gを見ると,ずっとブレーキを踏んで減速しているのは間違いないですし,1ヘアの感触から考えても,これでオーバースピードだとは思えないのですが,とにかく曲がらない・・・.曲がらないからブレーキを離せず,そこに操舵抵抗が加わるもんだから更に失速する.かろうじて前半部分をクリア出来たと思い,アクセルを開け始めれば,リアがフラッとし始めるので,それを使って最終コーナーの進入角度を合わせつつ,アクセルを全開にしていきたいところなのですが,スピンが頭を過ぎるので,少し手加減しつつ様子を見ながら立ち上がる・・・というような感じでした.

このセクションだけでZN6(青)は0.4秒も遅れているので,もうちょっと何とか出来なかったのかなぁ~?と悔やまれます.スピンの原因さえ掴めれば,もうちょっと踏める気もしますが,スピンするくらいリアがフラついている原因は,洗濯板通過後に曲がらない事が原因な気がするので,まずはココを直すべきかなぁ~?と思いました.


以上,FRとFFの比較でした.

まぁ,端的に言えばFRの姿勢の作り方に関して経験不足である事が遅れの原因ではあるのですが,1コーナー・1ヘア・洗濯板通過後等,恐らく電子制御が介入しているようなシーンで上手くコントロール出来ていない事も原因の1つに思えます.電子制御と上手く折合いをつけながら走る事が,近代のクルマをサーキットで走らせる際に求められるスキルなのだと,改めて実感しました.

Posted at 2020/11/06 11:53:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | XXX vs EF8 | 日記
2020年11月04日 イイね!

届いたメッセージ その② (おまけ編)

届いたメッセージ その② (おまけ編)昨晩,眠い目を擦ってレポートを上げたのに,翌朝になったら「中途半端な仕事してんじゃねぇ.渡したデータはきっちり全部使い切れや!」と怒られてしまったので(苦笑),追加のおまけ編です.

オーダーは「タイトル画像のタイヤがどれだけダメだったのか証明せよ」だそうです.空力のアップデート効果と新品タイヤの効果をきっちり見分けるのには良さそうなので,やってみます(泣).


最初にこのタイヤの時のベストラップが,コレ(↓)です.



新品タイヤ時から約1.1秒の遅れですが,気象条件の差を考慮すると,タイヤの差は0.6秒といったところでしょうか.


おまけなので,サクサク行きます.
新品(赤)とユーズド(青)を比較した結果が以下です.



全体的にユーズド(青)の方が無理が効かず,失速している部分が多いようです.
気になるポイントを見てみると・・・,


1~2コーナー(1つ目の緑丸)


新品(赤)の方が最終コーナーの立ち上がりが良いので,ストレートで0.07秒,ブレーキングで0.23秒,ユーズド(青)の方が遅れています.ユーズド(青)は新品に比べてラインが外に膨らんでいないにも関わらず遅いんですから,ヒドイもんです.


1ヘア(2つ目の緑丸)


新品(赤)に比べてユーズド(青)は,20mも手前でブレーキングしており,これで遅れはトータル0.7秒まで拡大するのですが,ここはユーズド(青)が酷いというより,「新品(赤)の時に頑張った!」という気がします.


インフィールド進入(3つ目の緑丸)


ユーズド(青)の方が若干失速していますが,失速の原因はタイヤのせいとして,それより新品(赤)の方が真っ直ぐインフィールドに向かう事で「操舵抵抗を減らしている」と言えそうです(ただ,差はほとんど変わらないですが).


バックストレッチ(4つ目の緑丸)
2→3速へのシフトアップ時に,ユーズド(青)の方が再加速が遅れています.やっぱりトラクションが掛からないのですかねぇ~? なお,タイム差的にはインフィールドの立ち上がりから,そもそも新品(赤)にジリジリ引き離されている状態なので,特に致命傷という訳ではありません.


最終コーナー(最後の緑丸)


新品(赤)の方が手前からインに寄せられていますね.それだけクルマの向きを変えられているという事なので,立ち上がりでも差が開き,これでトータル1.1秒となります.


以上,ダメタイヤの分析でした.

雑に見ても ダメさ加減がよく分かるので,こりゃタイム出ませんわなぁ・・・.その一方で新品時の頑張り具合もよく分かるので,ベスト更新は空力デバイスではなく,ドライバーの腕のおかげなんじゃないでしょうか!


追伸:
 こもりん.さん,ハンデは3.8秒くらいにしちゃって良いと思います(笑).
Posted at 2020/11/04 12:10:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記
2020年11月03日 イイね!

届いたメッセージ その②

届いたメッセージ その②人生初のFR走行を楽しみ,「その時の走行データでも解析してみよう~♪」とPCを開いたら,メッセージのアイコンが光ってます.

「ん? なんだコレ??」と思って開いてみると,件名は「ブツ」.

「こ,これは・・・.ま,まさか!?」とゴクリと唾を飲み込み,震える右手を左手で抑えつつ中を開けてみると,そこにはこんなメッセージが!

 「例のブツだ.使い方は任せる」
 「君なら有効に使ってくれると信じている・・・」

なんという事でしょう.彼はとんでもないモノを送り付けてきました.こんなモノは私にはとても扱えない.巧妙に加工されたファイルは通常の手順では開けず,驚くべき事にエラー画面すらも表示されない.「dtb」や「nmea」といった拡張子のファイルも添付されていますが,一体これで何をしろというのか・・・?

そこから顎に手をやり,黙考する事10分・・・.次の瞬間,瞼の上の辺りでフレクサトーンの音が鳴り響きます.

カッ!と目を見切らき,即座に2つのソフトを同時に立ち上げ,マウスを右へ左へ走らせつつ,素早くキーボードでコマンドを打ち込んだ先に見えたものは・・・!?



はい.そろそろ飽きてきたので元の文体に戻します(笑).

タイトル画像からお察しの通り,某黒のDC5乗りから「デジスパイスのデータが上手く読み込めねーから,うっかりベストの要因分析が出来ねえんだよ.そっちでよろしくやっとけや!」とブラック企業顔負けの無茶振り指令が来たので,DC5のアップデートの効果検証をやってみます.


最初に,某黒のDC5乗りのこれまでのベストはコチラ(↓).

【2019.12.22 タイム:39.289】


そして,今回更新したベストがコチラ(↓).

【2020.11.01 タイム:39.072】


先週投入したアップデートと新品のA052の組合せで,0.2秒タイムを短縮していました.


さて,その投入されたアップデートはコチラ(↓)です.







「ええっと・・・Attack!にでも出るんですか?」と言いたくなるくらいのエゲツないカナードです.このカナードに合わせて新設されたフロントバンパーの下にはアンダーパネルも装着されており,フロントタイヤ前端部もディフューザー形状となっているため,相当効きそうな気配です.

今回縮まった0.2秒が,この空力デバイスによるものなのか? それとも新品タイヤの効果なのか? それを調べろ!というのが今回のオーダーになります.


では,早速,昨年12月(青)と今回(緑)の比較をしてみます.



ホームストレートエンド
トップスピードは140km/hで完全に互角.つまり,今回の空力デバイスは全くドラッグ(空気抵抗)が増えていないという事が分かります.


1コーナー(1つ目の赤丸)
ブレーキングの開始もほぼ同じ.ですが,ボトムスピードには大きな差が出ます(上:昨年 下:今回).




驚きの4km/hアップ! これが空力の効果なのか? 新品タイヤの効果なのか?は切り分けが難しいところですが,ブレーキング直後ですし,ここはタイヤという事にしておきましょう.


2コーナー(2つ目の赤丸)
今回(緑)の方が,105km/h付近でグイッと車速が伸びています.このポイントを車載で確認してみると,



ちょうど2コーナーのイン側の縁石に乗った辺り.今まではここでタイヤが限界を迎えて,アクセルを戻してアンダーを消すか,アンダー覚悟で失速するかしていたのが,何の苦もなく真っ直ぐ加速していっています.車載の映像も気持ちステアリングを戻せているようにも見えますから,これは間違いなく空力の効果ですね.


1ヘア進入(3つ目の赤丸)
ブレーキング開始時の車速を見てみると(上:去年 下:今回),




こちらも驚きの130km/h台に到達.2コーナーで失速しなければ,これだけのスピードが出せるという事ですね.空力デバイス恐るべし!


1ヘア立ち上がり(4つ目の赤丸)
ブレーキングからアクセルONに切り替わるボトムスピードを見てみると(上:昨年 下:今回),




4km/hも車速が高いのに,ブレーキングの開始ポイントが一緒なので,さすがに止め切れなかったのか? 今回(緑)の方は途中でブレーキを緩める事も出来ず,波形も乱れているので若干ロックしているように見受けられます.

それでもタイヤの力を使って無理やり(?)曲げて,強引の加速態勢に持ち込みますが,さすがは新品のA052.これに応えて昨年(青)よりも早くクルマを前に進ませています.


インフィールド進入(5つ目の赤丸)
今回(緑)の方が1ヘアの立ち上がり加速が良いので,インフィールド進入時の速度にも差が表れます.
(上:昨年 下:今回)




今回(緑)の方が2km/h進入速度が高いのですが,車載の映像で音を聞くとレブに当たっているのかどうかが判別出来ない感じ.昨年(青)の方は明らかにレブが3発くらい入っているので,「アクセルを少し戻してコントロールしたのか?」と思いましたが,本人曰く「レブは1発当ててる」との事.不思議だなぁ~?と思ってライン取りを確認したら,僅かに今回(緑)の方が進入でイン側に寄っていました.


インフィールド立ち上がり(6つ目の赤丸)
今回(緑)の方が進入でイン側に寄っているのであれば,その分曲げるのが苦しいはずなので,ボトムは低いのだろうと見てみると(上:昨年 下:今回),




なんと,3km/hも今回(緑)の方がボトムが高い! 気持ちステアリングの舵角も減っている気がするので,これも空力の効果なのでしょうね.


バックストレッチ~洗濯板進入
インフィールドを高い速度で駆け抜けたので,今回(緑)の方がグングン引き離していくのですが,2→3速へシフトアップした際にほんの僅かに失速.手の動きはスムーズなので,ちょっとラフにクラッチを繋いでしまったのでしょうか? この失速で洗濯板への進入速度は昨年(青)と同等に留まりました.


最終の複合進入(7つ目の赤丸)
洗濯板への進入速度はほぼ同等なのに,今回(緑)の方はブレーキを緩める事なく,ガッツリとボトムを落としています.なぜ?と思い,車載を見てみると,この位置(↓)からクルマをイン側に寄せていっていました.



一体何を狙っているのか?と思いライン取りを見てみたところ,どうやら20Rのエイペックス(赤矢印の部分)を取りに行っているようです.



アドバイザーからヒントを貰ったのか? 自ら独自に見つけ出したのか? 分かりませんが,これで距離をガッツリ縮めてタイムを稼ぎ出しています.これはかなり驚きのラインです.


最終コーナー(最後の赤丸)
なぜ20Rのエイペックスを狙うのが驚きなのかというと,そんなところを通ったら,最終コーナーの進入角度がキツくなって,アクセルを全く踏めなくなるからです.

ところが,この黒いDC5は,何とこんな位置(↓)からアクセルを開け始め,一切失速する事なく最終コーナーをクリアしていきます.



ちなみに,昨年の同コーナーでアクセルを開ける位置はココ(↓)です.



正面のピットの位置を見てもらえば分かりますが,今回(緑)の方がとんでもなく手前からアクセルを開けていっている事が分かると思います.この位置から曲げいける事も驚きですが,それ以上に,強引とも思える曲げ方をしても一切失速せずに加速し続けている事の方が驚異です.車載を見ると,タイヤはほとんど鳴っていませんし,これは新品効果で曲げているのではなく,空力を使って曲げているのではないでしょうか? いやはや恐るべしです・・・.


以上を纏めると,新品タイヤによるグリップの向上も勿論あるのですが,それ以上にフロントのダウンフォースが増えた事で減速→加速への切替え時間が短くなり,ボトムスピードの引き上げに貢献しているようです.空力の効果は2コーナーのような高速コーナーではっきりと差が表れおり,また,低速コーナーでもフロントのレスポンス向上という形で効果が出ているため,全体的に今まで不可能と思われたライン取りも実現出来ているようです.

今回縮まった0.2秒の要因は,間違いなく最終の複合部分にあり,これまで不可能と思われたライン取りによる距離的な短縮と,距離を縮めつつも旋回速度を落とさないというボトムスピードの底上げによって実現されたものと思われます.アベレージスピードの低いミニサーキットでこれだけの効果が得られるのですから,TC2000以上のコースでは,どれだけの差を生み出すのか想像するだけで恐ろしくなります.「見た目通りの恩恵は間違いなく得られた」と言ったところでしょうか.

・・・という感じです.おだてのまつさん,ご満足頂けましたでしょうか?


おまけ編はコチラ
Posted at 2020/11/03 23:51:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記
2020年11月02日 イイね!

難しい.だからこそ面白い!

難しい.だからこそ面白い!先日のもてぎでの走行会における86 Racingとの違いをブログに書いたら,オーナーから「だったら,このクルマ乗ってみなよ」と言われたので,クルマをお借りしてファミ走で走ってみる事になりました.

私はサーキット走り始めてから9年経ちますが,そのほとんどが自分のEF8で,唯一の例外は某FD2を日光で2回走らせただけ.つまりはサーキットでは100% FFしか走らせた事がなく,生まれて初めて後輪駆動のクルマを走らせる事になります.


一応,ゲームの世界ではFRのクルマを走らせた事がありますが,いつも「ステアリングを切ってもフロントが入んないし,立ち上がりでアクセル踏めばリアが流れるし,ライントレースが大変なクルマ」という印象しかなく,後輪駆動車なら,もっぱらMRの方を選んでました(RRはFR以上にコントロールが大変なので最初から除外・・・笑).

そんな感じでFRは苦手意識が強く,「乗るの嫌だなぁ~」という気持ちと「でも,1回くらい乗ってみたいなぁ~」という気持ちが半々でせめぎ合っていたので,まずは86 Racingがどんな動きをするのか,コース上でじっくり観察してみる事にしました.




後ろからみた感じ,スタビリティは高そうでテールスライドはほとんどしません.パワーも2速全開ならEF8と同じくらい(並走出来たし・・・笑).3速域ではZN6の方が伸びるかな?という感じです.「これならFRド素人が乗っても,危なくはないかな・・・」と思いつつも,まだ躊躇していると,

「だったら,まずは公道で乗ってみたら?」

とオーナーが仰るので,お言葉に甘えてフィーリングチェックをさせてもらいました.


実は3年前に,BRZの方は借りて乗った事があって(↓),



その時はフィーリングが全く合わなかったのですが,86 Racingは全く異なる印象でした.違いをザッと挙げるとこんな感じです.

 ・シートに座った印象としてはバスタブ(バケットシートが低いせい).
 ・バスタブなので視界はあんまり良くない.フロントの先端,サイドの寄せ具合が掴みづらい.
 ・特に最悪なのがAピラー.視線を先に送れない.
 ・シートが低いので,ステアリングコラムももっと下げたいが,ちょっと足りない(腕が疲れそう).
 ・ステアリングは思いの外,重い.微調整はし易いが非力な私ではカウンターが間に合うか?
 ・スロットルレスポンスは普通.やっぱりノーマルエンジン!って感じ.
 ・ブレーキは極々初期のタッチがちょっと強いが,コントロール出来る範囲.
 ・クラッチストロークは長い・・・(私のEF8が短過ぎなだけ).
 ・シフトフィーリングは最高! 何コレ!? 手首だけでコクコク入って素晴らしい!!
 ・LSDは存在感がない.助手席に乗ると,ちゃんとチャタ音してますが運転席では聞こえない.
 ・LSDはアクセルOFF→ブレーキ足載せのタイミングでカツン!という音.2wayなのでカムの切り替わり?
 ・足回りは上手く動いてない感じ.特にリアが酷い.路面の追従性が悪い.
 ・ボディはさすが剛性感がある.その一方でタイヤからのインフォメーションが掴みにくい.

・・・という感じで,当たり前ですがEF8とは別物でした(笑).
色々違い過ぎて違和感の塊ですが,感覚を遮断して乗れば,まぁ走らせられそうです.


そして,再びTC1000に戻り,O枠のチケットを購入して,いよいよコースインです!
なお,タイヤはβ02.86/BRZレース用なのでサイズは205/55R16.



目標タイムは以前行ったシミュレーション結果から,43.0秒に設定しました.


そこそこ台数がいるので後方をよく確認しつつ,計測1周目は47.7秒,2周目で46.0秒,3周目で45.9秒.まずは3速固定で様子見してみましたが,タイヤが既に温まっている事もあって挙動は安定しており,アクセルをラフに扱っても,ステアリングも雑に切ってもリアが滑る素振りがありません.

「なら,行ってみますか!」

と後続のEF9を先に行かせて,最終コーナー手前から踏んでいくと・・・,



あっさり スピン!

その時の外撮り映像がコチラ(↓).




借り物のクルマなので,最初からリアが滑ったら無理に立て直さず,即座にブレーキ!というつもりで走ってましたが,それにしても予想外のところから滑り始めました.

「おおっ! これがFRか.アクセル開けていったら,こんなトコで滑るんだ」なんて思いつつ,「アクセル操作がちょっとラフだったのかな?」「何だろ? 何が悪かったんだろ?」と段々テンションが上がってきます(笑).何が原因で滑り始めるのか知りたくなったので,そこからブレーキ,アクセル,ステアリングを追い込んでいきますが,全く破綻する素振りがなく,タイムは43.8秒まで来ました.

「何だ.全然大丈夫じゃん!」

と思った瞬間・・・,




「えっ? 何?? 何でここで滑るの!?」と,またも予想外のタイミングでスピン!
そして,クルマを元に戻して思ったのが・・・,

「何コレ,面白い!」 ≧▽≦)ノ

と更にテンションが上がります(笑).どうやったらスピンさせずに走らせられるのか,この時点ではさっぱり分かってないのですが,そのワケの分からなさが面白くて仕方がない.何を,どうしたらリアが滑るのか,知りたくてしょうがない.更にブレーキ,アクセル,ステアリングの操作を追い込みつつ,クルマの動きに神経を研ぎ澄ませていくと・・・,



目標だった43秒を切る,42.936 をマークする事が出来ました.


これで少し冷静になり,ここから更にタイムを縮める方法を考え始めます.

 ・相変わらず,スピンした原因は分からない.
 ・アクセルを丁寧に開けても,ラフに開けてもクルマの動きに差はない.

 ・但し,ターンアウトでステアリングが残った状態でアクセルを開けると,リアがズルッと滑る時がある.
 ・場所は1ヘアとインフィールド.
 ・滑るけど,全然コントロール出来る範囲.スピンの時とは挙動が違う.

 ・滑らないようにするには,ステアリングを早く戻すか?
 ・いや,位置的に無理.
 ・ステアリングが戻せないのはアンダーだから?
 ・だったら,アクセルを開けるポイントを少しズラすか?
 ・(記憶を探って)開けるポイントを一呼吸遅らせた時は・・・明らかに遅かった.
 ・違う.ポイントは間違っていない.

 ・あのポイントでアクセルを開けるには,もっと手前からリアが流れてくれないと.
 ・でも,リアは動いてくれない・・・.
 ・アクセル使っても滑らせられない.
 ・これは足回りの仕様が私に合ってない.
 ・これ以上,立ち上がりで稼ぐのは無理.

 ・ブレーキは余裕がある.まだ詰められる.
 ・ABSが介入するとステアリングが重くなるので,どこが限界かは掴み取れる.
 ・~というか,ABSがあると進入はこんなに楽なの?
 ・1ヘアの進入がすっごい簡単.みんなズルいよ~(笑).

 ・コーナリングスピードはまだ上げられそう.
 ・でも,インフォメーションが少なく限界は掴みづらい.
 ・ボディ剛性が高いと,外部からの情報って,こんなに減るもんなの?
 ・EF8に比べたら,1コーナーの進入で全く怖く感じない.
 ・気がついたらブレーキングポイントを過ぎちゃってたりもするし.
 ・最新のクルマって安心感があるんだなぁ~.やっぱりみんなズルい(笑).

 ・インフォメーションと言えば,2コーナーは露骨に警告が来る.
 ・アクセルを踏んでいくとリアタイヤがフロントを追い越そうとするような動き.
 ・完全に追い越した時は,恐らくスピンするな・・・.
 ・2コーナーでスピンしたら一発でアウト!
 ・借り物のクルマだし,ここは無理せず,アクセルコントロールに徹しよう.

 ・ちなみに,この追い越そうとする動きの原因はフロントの入りが悪いから?
 ・フロントが引っ掛かって,リアがつんのめってるような印象.
 ・という事は,やはり,この足回りの仕様は,基本アンダー傾向なのか・・・.
 ・それじゃ,意図してリアは出せない.1ヘアはやっぱり諦めるしかない.

 ・逆にアンダー寄りのセッティングなら,舵角が小さい時は確実にアンダーで立ち上がれるよなぁ~.
 ・でも,最終コーナーでスピンしたんだよな? 何でなんだろ?? 分からない.

 ・あと,アンダーと言えば,洗濯板通過後にイン側に寄れない原因も分からない.
 ・ブレーキ踏んでるのに,何で外に膨らむ?
 ・これさえなければ,最終コーナーのライン取りも色々選択肢があるのに!
 ・ラインが選べれば,スピンしないラインも分かるはず・・・.
 ・よし,ここを頑張るか!

というような自問自答をやって,考えがまとまったところでアタック再開!


・・・がしかし,ここで午前中の「3速に入れられない病」が再発してシフトミスを連発.EF8は経験値でリカバー出来ましたが,ZN6はどうすりゃいいのか分からず,

「3速どこぉー!?」 ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ

と混乱状態.これのせいで0.3秒近く失っているのが分かるので,タイムも43.3秒辺りをウロウロして少しずつ焦ってきます.



結果,待っていたのは,またもスピン!

「うわっ,全然わかんねー」 (´▽`)アハハハ

と結局,スピンした原因が分からないまま20分の走行が終了.


1周をちゃんと纏め切れなかったのが非常に悔しいですが,クルマをコントロールする楽しさを十二分に味わえたので,降りた瞬間に,

「難しかったー.でも,楽しかったー!!」

と叫んでました(笑).


いやぁ~,FRって難しいですね.こんなんで39秒出す人達が神様に思えます.でも,乗ってて純粋に楽しい.滑らさないように走るのは難しいけど,だからこそ面白い! 「機会があれば,また乗ってみたいなぁ~」と,ほんの少しだけ思っちゃいました.

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「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
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