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2020年12月13日 イイね!

FF系走法と左足ブレーキ

FF系走法と左足ブレーキ今年最後の走行会を終え,あとはホームコースでの自己ベスト更新に専念するのみとなりました.

それに向けてセットアップを詰めるべく,翌日ショップを訪れたわけなのですが,ちょうどタイミング良く,今回の走行会に参加されていたFN2乗りの方がゲストドライバーの車載映像を持って来られていたので,じっくりと見せて頂きました.


「あ~,やっぱりこういう走らせ方か・・・」と映し出される映像を見て,感想を述べたのですが,その場にいたオレさまFD2が突如噛みついてきて,あ~でもない,こ~でもない,と議論が始まりました(笑).

議論のポイントになったのは,TC2000のダンロップコーナーへの進入の部分.DVDのスロー再生機能を使いながら,ステアリングの切り込み方と,その後の操作の問題点を私が指摘すると,オレさまFD2は,

「だから,それはクルマが合ってないせいだろ.足回りのセッティングを変えるんだよ!」

と『クルマを直せ!』の主張.対して,私の方は,

「いや,クルマがこう反応するんだから,それにドライバーが合わせるんだろ!」

と『ドライバーが直せ!』の主張.そこから何度も映像を再生しつつ,10分以上議論しましたが,互いに譲らず,議論は平行線で終わりました(苦笑).


議論の最後,オレさまFD2が捨てセリフで「何か理屈があるのかもしんねーけど,お前の言ってる事は分かんねぇんだよ.オレに分かるように説明しろ!」と言われたので,今回は文献を引用してその説明をする事にします(笑).

引用する文献はコチラ(↓).



AUTOSPORT No.1376:トップドライバーの「仕事」を解剖する最新ドライビングテクニック特集より,「トシ新井のWRC最新ドライビング『FF走法』解説」です.

この記事の内容は「近年のWRCの勝者は,『北欧系』の滑らせて向きを変えるスタイルではなく,『FF系』の切り込んで向きを変えるスタイルだ」というお話です.いずれも4WDのクルマの話ではあるのですが,ライン取りや向きの作り方に共通する部分が多いので,これを用います.
(ちなみに,北欧系=オレさまの主張,FF系=私の主張 の図式です)


まず,『北欧系走法』と『FF系走法』の違いはこうです(↓).


(AUTOSPORT No.1369より)

新井敏弘氏の言葉を借りると,

「ターンインの姿勢作りは両者ともそれ程変わらない.みな,角度を結構付けてテールスライド気味に進入している.違いはそこから先.『FF系』はクリップ付近でヨーがなくなっており,少しステアリングをインに切り込みながら縦方向に立ち上がっていく.対して『北欧系』はクリップを過ぎても横方向への力が残ったまま.リアのスライドを維持して回し込もうとしたり,カウンターを当てたりするため,タイヤのグリップを縦方向に上手く使えない」


(AUTOSPORT No.1369より)


「『北欧系』はマシンの向きやトラクションよりも高い速度を維持するスタイル.マシンの向きをスパンと変え,テールスライドしてでも進入速度が高ければタイムロスにはならないと思っている.Rの大きい高速コーナーであれば,確かにこれは有効だ.しかし,このスタイルの場合,回り込んだコーナーで無駄なくじっくりトラクションをかけていくような繊細なドライビングが身につかない.一方,『FF系』はクリップ後に無駄なヨーが残らないよう,適切なスピードに進入速度を合わせていくスタイル.そのためには完璧なスピードコントロールが要求される」

「このスピードコントロールの要となるブレーキングも『北欧系』と『FF系』では異なる.『FF系』では基本的に直線で短時間にブレーキングを終わらせ,ブレーキペダルを離した状態でターンインする.対する『北欧系』は長めのブレーキングでターンイン時まで残し,姿勢コントロールに繋げる傾向が強い.ターンイン時までブレーキングが残っていると,タイヤの横方向のグリップを有効活用出来ない.効率的なのはやはり『FF系』で,路面のグリップが高くなる程,特に大きな差が出る」


上記を要約すると,「テールスライドで向きを作る走らせ方(オレさまの走らせ方)だと,コーナーの出口でトラクションが得られないので,スライドさせない走らせ方(私の走らせ方)より遅い」という事です.

常時トラクションが掛かっているような高速コーナーであれば,確かにオレさまの方が速いのだと思いますが,TC2000のダンロップコーナーがそういった類のコーナーだとは,私は思いません.
(だって,ダンロップコーナーのRって,たったの「35」しかありませんよ?)

最終的に,オレさまの言い分は「トラクションが掛けられる姿勢をクルマ側が作れ!」という事なんだと思いますが,私は「どんな姿勢であれ,ドライバーが操作してトラクションを生み出すんだろ!」って思ってます.FFなんて,クルマの中で一番トラクションが掛かりにくい構造なんですから,タイヤと相談しながら,ドライバー側でアジャストしないでどうすんだ?と思うのですが,きっと,これだけ示しても納得はしないんだろうなぁ~(苦笑).


ちなみに,「オレはFFの話をしているんだよ! 4WDの話をしてんじゃねぇよ!!」と言われないために補足しておくと,この走らせ方はその名の通り,FFに起因しています.



90年代にシトロエンがFFのキットカーで,WRCの4WD勢を打ち負かした話は有名ですが,この時に前輪のトラクションを重視したハンドリング,強大なパワーを前輪だけで路面に伝える技術(ダンパーとタイヤ)をエンジニアが学び,4WDでも後輪の駆動は補助的にしか使わないという手法を取り入れた結果,上記のようなスタイルが評価されるようになったそうです.つまり,FFにおいても同じ走らせ方をする,という事ですね.


最後におまけで『左足ブレーキの話』.先述の新井氏はこんな事も仰っています.

「ブレーキングに関しては,『北欧系』は姿勢制御に左足ブレーキを多用している.しかし,左足ブレーキは修正操作であり,本来は無駄な入力.また,左足ブレーキの癖が染みつくと,特にターマックラリーではマイナスに作用する事が多い」

「ターマック(舗装路)では,加速状態から急激な減速操作を行うと,荷重が一気にフロントタイヤに掛かってロックしやすくなる.アクセルペダルを離して,荷重を後ろから少しだけ前に戻す『間』を取り,そこからブレーキングした方が前輪がロックしにくく,制動距離も縮まる.左足ブレーキだと踏み替えの操作がないため,『間』が一切なく,一瞬でフルブレーキングを行いがち.自分も基本は左足ブレーキだが,サーキットでは,あえて『間』を作るために右足で踏むようにしている」


そして,この記事の中では,この『北欧系』のドライバーとして以下を挙げていました.



・・・で,この中の一人,ミッコ・ヒルボネン氏がFFの走らせ方を解説している動画を見つけました(↓).



動画の2:20辺りから,コーナリングの実演が始まりますが,



見事に左足ブレーキですね.



そして,「オーバーステア状態になるのは好都合.そこからアクセルワークでコントロールするんだ~」と解説しています(ちなみに,このクルマはFFだそうです).3:30辺りからヒルボネン氏が逆同乗でコーナリングを指導しているのですが,こちらの方が足元がはっきり見えるので,左足ブレーキを学ぶには良い動画かもしれませんね.
Posted at 2020/12/15 00:46:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライビング理論 | 日記
2020年12月12日 イイね!

EF8 vs EF8 2020 最終戦 筑波

EF8 vs EF8 2020 最終戦 筑波12月も中盤に入り,いよいよ今年も締め括りの時期となってきました.先輩との対決最終戦となります.

今年はCOVID-19による混乱もあって,僅か3戦の戦い.来年はもう少し数を増やしたいところですが,どうなんでしょうかね??

さて,今回のハンデ設定ですが,先輩の方から「1年半振りのTC2000だし,245のバランス分かんないから!」と迫られてしまったので,なんとノーハンデ戦となりました.どうやら,去年FD2を下した事で相当警戒されてしまっているようです・・・.

互いに前戦からアップデートはないですし,私の方もタイヤの状態が良くないので,あんまりレベルの高い競り合いは出来ない気がしますが,いつもの通り,気合と努力と根性で挑んでみたいと思います(笑).


まずは当日の朝.

去年に引続き,今年もこの走行会は「8時のアタック枠で走行開始!」という事で,筑波には早朝6時に集合.去年,到着したら真っ暗で困った記憶があるので「なんで集合時間がこんなに早いんだよ.嫌だなぁ~」と思ったら,



アレッ? 一応クルマが見える明るさだ.「なぜ?」と思ってコース側を見ると,



今年は照明が点いています.どうやら8時枠の我々よりも更に早く,7時台でZummyのEVレースが行われていたようです.EVなんで(近隣への騒音抑制という意味でも)早朝から走行してもOKって事なんですかね? 準備中にコースインの曲が流れた時はちょっと驚きましたが,我々としては助かりました.


多少は明かりがあるので去年よりはマシ,とはいえ,やっぱりよく見えないので作業効率が低下し,時間ギリギリまで準備でドタバタしてましたが,何とか指定の時間でコースイン.この走行会はいつも最初は完熟走行を行うのですが,これがやたらめったらハイペース!


(写真はコチラからお借りしました)

今回のゲスト(先頭のS660のドライバー)が張り切っちゃったのか? タイヤやブレーキを温める暇がなく,そこそこ真面目なペースで走らないと置いていかれます.「おいおい,FFはリアタイヤがまだ温まってないんだよ.こんなペースで飛ばすなよー」と思いつつ,気がつけば,写真に写っている最速の3台以外は,皆置いていかれてしまいました・・・(苦笑).


そんな感じで完熟走行中にタイヤを温める事が全く出来ず,そこから3周かけてウォームアップした後,徐々にペースアップ.アタック1回目の結果は,

 先輩 ・・・ 1'10.711
 私   ・・・ 1'10.829 (+0.118)

まだ肩慣らしの状態ですが,どうやらまたも僅差の闘いとなりそうな気配です.

こちらの感触的には,タイヤが擦り減っているせいで,ちょっとブレーキの効きが足りない.「こりゃ,ブレーキ頑張るとロックするかもなぁ~」という感じだったので,進入で頑張らず,立ち上がりで稼ぐ事を心がけて,1本目ベストの 1'09.478 をマーク.


(写真はコチラからお借りしました)


対する先輩は,前後バランスがオーバーステア寄りらしく若干苦戦気味.「なかなかアタックしないなぁ~.これなら1本目はこちらが先取かな?」と思って抜いて行ったら,



その後,私の背後について,じっくりと観察した後,「そんなモンか.じゃあ,これで十分だな」と,最終周にきっちりと仕留められました(泣).

 先輩 ・・・ 1'08.789
 私   ・・・ 1'09.478 (+0.689)


1本目終了後,「何ですかー.あっさり8秒台に入れてるじゃないですか!」と先輩に抗議したところ,「いや,前後バランスが良くないから(これ以上は出ないよ)」とあしらわれ,抗議を無視されてしまいました.まぁ,8秒台後半なら今日のタイヤでも手が届かない事はないと思ったので引き下がりましたが,ふと横目に先輩のクルマを見ると,カナードを外してバランス修正をやってます.やっぱり,このヒト,抜け目がない・・・.


そして,2本目.

タイヤが十分に温まっているので,今度は気合を入れて序盤からアタック.1周目に 1'08.995 をマークして,まずは8秒台入り.続けてアタックしますが,2周目はSec1をミスって 1'09.212.油温的にはまだいけそうなので,更にアタックを続けて3周目・・・,



1'08.444 をマークして,先輩を逆転!(-0.345秒)


「おしっ! これでどうだ!!」と先輩の様子を窺うと,


(写真はコチラからお借りしました)

カナード外しが逆効果だったのか? 9秒台前半に留まっていたようです.当然そんな事は分からない私は,周囲を見渡しながら先輩の姿を探します.「どこだ,どこにいるんだ・・・?」とペースを落としながらキョロキョロしていると,



「んっ? ダブルイエロー??」




「あっ! いた!!」


この時,先輩に何が起きていたかというと,こんな事があったようです(↓).



スピンはともかく,エンストした後,キーを捻ってもスタータが回らないのは焦りますね.メーターのランプは点灯しているのでバッテリー切れではないと思いますが,一体なんだったのでしょう・・・?


一方,これを見た私は,「ヨシッ! あれなら再アタックまで時間が掛かるな.残り時間は少ないし,今回こそ頂いたかー!?」と内心では小踊り状態.ところが,あんなトラブルがあってもメゲない先輩は,リスタート直後に 1'08.947 をマークして再び8秒台に復帰すると,次のアタックで・・・,



1'08.282 をマークし,再度逆転!(+0.162秒)


当然,そんな事を走行中の私は知らない訳なのですが,これまでの経験から油断しているとやられるのは,よく分かっているので,こちらも最後までアタックを完遂!



先程のラップと比較すると,

        先程のラップ  今回のラップ
 Sec1 ・・・  28.324      28.265   (-0.059)
 Sec2 ・・・  28.081      28.078   (-0.003)

とベスト-ベストで繋いだのですが,最終コーナーで「前のAP1に追いついちゃうかも・・・」とブレーキングを遅らせる事に,ほんの僅かに躊躇した結果,

 Sec3 ・・・  28.039      28.128   (+0.089)

タイムダウンしてしまい,再々の逆転ならず・・・.
今回も僅かに届かず,今シーズンの対決は3連敗で終了となりました.


そして,更に更に悔しい事に,今回TC2000の総合順位が,

 先輩 ・・・ 総合10位
 私   ・・・ 総合11位

という事で,最終戦で先輩は10位:1ポイントを獲得.これにより年間のポイントランキングでは,先輩:31ポイント,私:30ポイントとなってしまい,前戦の日光で折角並んだのに,こちらも僅差で涙を飲む結果となりました・・・.誰か1台,先輩のタイムを上回ってくれれば,先輩もノーポイントだったのに,こういうギリギリのところで抜け目がないんだからなぁ~.やっぱり手強い.

それにしても,あの最後のアタック,「最終コーナーでヒヨらず,ブレーキングをきっちり遅らせていれば・・・」と悔やんでも悔やみきれません.こういう勝負弱さが私のダメなところなんでしょうね.根性が足りていないという事だと思うので,来年までに精神面を鍛え直してきます.

先輩,今年も1年間有難う御座いました.来年も宜しくお願いします!
Posted at 2020/12/14 12:19:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | EF8 vs EF8 | 日記

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