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OX3832のブログ一覧

2024年07月31日 イイね!

LSDクラッチプレートのお勉強

LSDクラッチプレートのお勉強引続きLSDに関するお勉強です.

CUSCOのType-RSの 「F」と「FG」の違いがスプリング本数である事が分かり,スプリングの本数を変えるとどうなるか?も何となーく見えてきたので,お次はクラッチプレートに関して調べてみます.

まず,CUSCO LSDのクラッチプレートは「MZプレート」という商標のようなのですが,これには「内ヅメ」と「外ヅメ」の2種類があるようです(↓).



「内ヅメ」「外ヅメ」の由来は,その名の通りプレートに付いている爪の部分が内側を向いているか? 外側を向いているか?の違いで,「内ヅメ」はLSD内部のサイドギヤ側面に切られている溝(↓)に引っ掛かるようになっており,



一方,「外ヅメ」はLSD外部のケース内部に切られている溝(↓)に引っ掛かるようになっているようです.



この「内ヅメ」と「外ヅメ」は互い違いに組み合わされており,これが多板クラッチのような役目を果たしているようです.極端なイメージで言うと,LSDのアウターケース(≒外ヅメ)が右側のタイヤ,LSDのインナー(≒内ヅメ)が左側のタイヤに繋がっているような感じで(↓),



「内ヅメ」⇔「外ヅメ」間に力が加わっていなければ,まるでクラッチを切ったかのように「内ヅメ」「外ヅメ」はそれぞれ勝手に動くので,左右のタイヤで回転差が生じます.一方,「内ヅメ」⇔「外ヅメ」間に力が加わり,まるでクラッチが繋がったかのように両者が一体となって回転数するようになると,左右のタイヤが直結されたような形となり,LSDが作動する,というメカニズムのようです.


「内ヅメ」「外ヅメ」の役割が分かったところで,今度はCUSCOのLSDの取扱説明書を確認してみます(↓).



説明書によると,先述の「内ヅメ」「外ヅメ」は正式には以下の名称のようです(↓).

  内ヅメ ・・・ フリクションディスク
  外ヅメ ・・・ フリクションプレート

また,このディスク/プレートの組合せの方によって,両者の間に生じる摩擦力を変えられる事も記載されていました(↓).



DC2用のType-RSの場合,「フリクションディスク(内ヅメ)」と「フリクションプレート(外ヅメ)」は片側各4枚の合計8枚となっており,この両者を重ねる順番を変える事で接触面積が変わり,摩擦力(≒ロック率)も変えられるようです.例えばこんな感じですね(↓).

  内 ⇔ 外 ⇔ 内 ⇔ 外 ⇔ 内 ⇔ 外 ⇔ 内 ⇔ 外 の組合せ ・・・ 接触面積:100%
  内 - 内 ⇔ 外 - 外 ⇔ 内 ⇔ 外 ⇔ 内 ⇔ 外 の組合せ ・・・ 接触面積: 80%
  内 - 内 ⇔ 外 - 外 ⇔ 内 - 内 ⇔ 外 - 外 の組合せ ・・・ 接触面積: 60%

内・外同じ方向の爪同士を重ねると,重ねた2枚は一緒に動く事になるため,その2枚の間では摩擦力が生じず,その結果,LSDをロックする力が弱まるという事のようです.


接触面積の話が出てきたので,ここでDC2用の「フリクションディスク」「フリクションプレート」のサイズを確認してみます.

サイズは「C」となっており(↓),



これは「6.7インチ」のようでした(↓).



ちなみに,以前EG6用も使っていたので,そちらのサイズも確認してみたところ(↓),



同じサイズ「C」でした.EG6用→DC2用で若干アウターケースのサイズが大きくなっていた印象だったのですが,違っていたのは外側だけで中身のディスク/プレートは同じサイズだったようですね.
(となると,やはりEDC2用への変更時に感じたフィーリングの違いはスプリングに起因しているのか・・・?)


ついでに,上記にはサイズと合わせてディスク/プレートの厚みに関する情報も出ていたのでそちらも見ておくと,「フリクションディスク(内ヅメ)」の方は「1.6mm」のみですが,「フリクションプレート(外ヅメ)」の方は「1.5mm」「1.6mm」「1.8mm」の3つの選択肢があるようです.

DC2用のオーバーホールキットを見てみると(↓),



「1.6mm」が主で,「1.5mm」or「1.8mm」で調整する感じでしょうか.限られたケースサイズの中に,厚めのプレートを入れれば摩擦力(=ロック率)が上がる訳で,やり過ぎると摩擦力が上がり過ぎてデフロック状態に陥るそうです.


ここまでで「フリクションプレート(外ヅメ)」がセッティング要素となっている事は理解出来ましたが,「フリクションプレート(内ヅメ)」の方にはそういった要素がないのか?と調べてみると,ありました(↓).



所謂ところの「Spec F」と呼ばれているもので,通常「フリクションプレート(内ヅメ)」には潤滑油が通る溝が切られているのですが,この溝がない真っ平らなプレート「FFD:Flat Friction Disk」を用いた製品だそうです.溝がないと接触面積が増えて,摩擦力が上がるようにも思えるのですが,謳い文句的には効き味を弱める方向の事が書かれているので,イニシャルトルクとしては下がる方向なんでしょうか・・・?
(溝がない分だけ油膜が厚くなって,潤滑性が増して,効きが弱まるのかなぁ~??)


なお,これと似たような効果を得る方法として,ディスク/プレートをWPC処理する,というものもあるそうです.


(不二製作所:WPC処理より)

「WPC(Wide Peening and Cleaning)処理」とは,圧縮空気の力で極小の粒子を金属面に衝突させ,特性を変える表面処理の事です.LSDのディスク/プレートにおいては,粒子が衝突した際に出来る「ディンプル(窪み)」に潤滑油が溜まるようになるため,潤滑性が向上して摩擦力を下げられるそうです.消耗品であるLSDのディスク/プレートでこれをやるのはアマチュアにはハードルが高い気もしますが,「ディスク/プレート間の摩擦力の影響はそれほど大きい」という意味で頭の片隅に置いておきたいと思います.


以上,LSDクラッチプレートのお勉強でした.

スプリングの本数と合わせて,これでLSDのセッティング要素は大体掴めましたが,それぞれの要素をどう変えると,どんな違いが生まれるのか?はノウハウの部分なので,やってみないと分かりませんね.知見のある方に話を伺いつつセットアップの方向性を考えていこうと思います.
Posted at 2024/07/31 17:19:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2024年07月24日 イイね!

LSDで曲がるメカニズム

LSDで曲がるメカニズムLSDで次何をすれば良いのかが何となーく描けたので,モチベーションアップのために再びLSDのお勉強をしてみます.

「LSD(Limited Slip Differential)」は,その名の通り「デファレンシャルギヤ(Differential gear)の滑り(Slip)を制限(Limited)するもの」です.「デファレンシャルギヤ」はコーナリング中に内輪と外輪で動力に差をつけるためのものなので,「LSD」はこれの逆,すなわち「コーナリング中に内輪と外輪で動力に差がつかないようにするためのもの」という事になります.

簡単に言ってしまえば「タイヤを左右で直結(ロック率:100%)にする」という事ですが,1wayのLSDの場合,減速時はロック率がほぼ0%なので,実質的に加速時に駆動トルク(≒アクセル開度)に比例してロック率をコントロール出来るもの,という事になります.



では,コーナーの立ち上がりでアクセルをガバッ!と開けてLSDを作動させ,ロック率を100%(=直結)にした場合に,左右のタイヤはどんな状態になるのか?というと,



LSDはコーナリング中に作動するものなので,横Gが掛かって車体がロールし,内輪側に掛かっていた荷重の一部が抜けて,外輪側へと移動する事になります.例えば,静止状態では5:5だった左右の荷重の比率が,9:1といった形で外輪側に偏るようなイメージです.



この状況だと,当然外輪側の「9」の方が内輪側の「1」よりも大きな力を発揮出来ますので,外輪が内輪を押し切るような感じで,クルマが曲がろうとしている方向(図の右側)に向かって力が働きます.これが「LSDで曲がる(LSDのおかげで曲がる)」のメカニズムですね.


ではここで,ロールを抑制するためにバネレートを上げたらどうなるか?



厳密にはバネレートを上げても左右の荷重移動の量は変わらないのですが,リバウンドストロークが少ないサスペンションで9:1みたいな極端な荷重移動を起こすと,内輪側のタイヤが持ち上げられて(インリフトして)荷重が抜ける事になるので,ここでは,

  バネレートを上げた ⇒ ロール角が減った ⇒ 内輪側が持ち上がらなくなった ⇒ 荷重が抜けなくなった

・・・という仮定で考えます.


この内輪側の荷重が抜けなくなった状態で,先程と同じような横Gを出してコーナリングしようとした結果,左右の荷重の比率は5:5 → 6:4 までしか移動しなかったとしましょう.



そうすると,先程の9:1の場合は圧倒的に外輪の方が力が強かったので,即座にクルマが曲がる方向に力を出せていましたが,今度の6:4の場合は差が僅かとなってしまったため,外輪が内輪を押し切るまでに時間が掛かってしまい,その間は先程と逆方向(=クルマを外側へ押し出す方向)に力が働く事になってしまいます.これが「LSDのせいで曲がらない」のメカニズムでしょうね.

つまり,バネレートを上げて左右の荷重移動を生じにくくすると,今までLSDのおかげで「曲げられる領域(ニュートラルステア⇒オーバーステア方向)」だったものが,一転して今度は「曲げさせない領域(ニュートラルステア⇒アンダーステア方向)」へと変わる訳ですね・・・.


こんな厄介な状況は当然回避したい訳なのですが,そのために重要となってくるのが「ロック率」です.



タイヤの外輪⇔内輪が直結している場合(ロック率:100%の場合),外輪⇔内輪で力の差が生まれないので,外輪が内輪を押し切るような状況には持ち込めません.従って,ロック率が100%に達するまでの時間をなるべく稼いで,少しでも押し切れる状況を増やす事が重要となり,故に「イニシャルトルクを下げる」という話が出てきます.


そして,更に話をややこしくしているのが,1wayのLSDは駆動トルクを掛けないと(=アクセルを踏まないと)力が出ない,という点です.



つまり,コーナーの立ち上がり初期(上の図のエイペックス付近~Exitに入るまでの領域)という限られた領域の中でこの時間を稼ぐ必要があり,それ故にカム角ではなく,イニシャルトルクでこれを実現すべきなんだろうなぁ~と思いました.


以上,LSDで曲がるメカニズムでした.

ここまでの話からLSDを使いこなすには,左右の荷重移動の量がポイントになってくる事が分かると思いますが,実はバネレートの他にこれをコントロールする要素がもう1つあります.


(VD講座:第4回 荷重移動その3より)

それが「加速度(横G)」です.「タイヤの限界を超えない事」という条件はありますが,横Gを大きくすればするほど左右の荷重移動の量は増えるので,それを使って「LSDで曲がる」状況を作り出す事も出来ます.

故にボトムスピードを上げる事(↓)は大事だし,プロはそれを狙ったドライビングをされているのだと思います.



また,B16Aのような回転数でトルクを絞り出すタイプのエンジンは,ボトムスピードを上げて,旋回中のエンジン回転数を出来るだけ高く保った方が立ち上がりのトルクも稼げますし,クルマの性能を全部引き出すという意味では,そういったドライビングに変えていかないと現状の壁は超えられないんだろうなぁ・・・と思いました.
Posted at 2024/07/25 01:00:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2024年07月23日 イイね!

LSDをどう変えるか?

LSDをどう変えるか?先日,LSDの現状確認としてイニシャルトルクを確認した訳なのですが,20ヵ月前と同じ「4.5キロ」でした.今のLSDを組んだ初期が「5.5~6.0キロ」,それから1年半経って「4.5キロ」に落ち,そこから更にほぼ同じ期間(1年半+2ヵ月)を経てまだ「4.5キロ」なのですから,これが今のLSDの設定値と考えて良いでしょう.

となると,このイニシャル値をどこまで落とすか?という話になる訳なのですが,先代のLSDは「3.0キロ」だった事を踏まえると,まずは1.5キロダウンでしょうか?



Type-RSのイニシャルトルクは,スプリングの本数だけでなくプレートの厚さも関係してくるので一概には言えないのですが,ここでは仮に以下だとして(↓),

  初代 (EG6用 F)  ・・・ 1.0キロ
  2代目(EG6用 FG) ・・・ 3.0キロ
  3代目(DC2用 FG) ・・・ 4.5キロ

スプリングの本数も以下だったと仮定すれば,

  初代 (EG6用 F)  ・・・  8本
  2代目(EG6用 FG) ・・・ 16本
  3代目(DC2用 FG) ・・・ 24本

大体スプリング4本≒1キロくらいの換算になるでしょうか? そうすると1.5キロダウンは6本減.実際に今のLSDに24本入っているかどうかは開けて確認しないと分かりませんが,「FG」のカムのフェース的には4面あるので(↓),



恐らく,2×4=8本抜きになるのかなぁ~?と思っています.


そもそも1wayにおけるイニシャルトルクは,アクセルを踏んでいない時(=駆動トルクがゼロの時)の最低ロック率ですから(↓),



それが下がる事によって,アクセルの踏み始め(駆動トルクが出始め)の領域でロック率のコントロール幅が増える事になります.イニシャルトルク1.5キロの差で一体どれくらい増えるのか? そもそも私がそれを認識出来るのか?といった懸念はありますが,こればっかり は正直やってみないと分かりません.ただ,過去のブログを読み返してみると色々辻褄が合う部分もあるので,やればやったで有意な差が出るんじゃないのかなぁ~?と思っています.


・・・という事で残る最大の問題点は,ヘタった訳でもないのに,ミッション降ろしてLSDをわざわざ開けるのか?という私の貧乏性な部分ですかね(苦笑).
Posted at 2024/07/23 22:05:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2024年07月21日 イイね!

ReSpec 性能レポートの熟読

ReSpec 性能レポートの熟読接点の半田浮きで一昨年の冬はエンスト&再始動不能に苦しんだのですが,その際の対策の1つとして「クローズドループラムダの有効化」が行われました.

これのおかげで,気温・気圧がどんなに変わろうが街乗り領域ではストイキ(λ=1)で走れるようになったのですが,アイドリング時に,このλフィードバックと回転数フィードバックがケンカして,ハンチング(目標値で安定せず,行ったり来たりする症状)が起きてました.

各フィードバック制御の領域を整理しつつ,アレやコレやと1年間セッティングして,ハンチングの大きさや発生頻度は大分抑えられてきたのですが,信号待ち等でタコメータの回転変動をジーッと見ていると,まるで1気筒だけ噴射量が足りないかのように,時々カクッ!と回転が落ち込む瞬間がある事に気づきました.

「コレ,1気筒だけ燃料をちゃんと吹けてない(噴射量が少ない)んじゃないのかなぁ~?」 (´-ω-`) ウーン

・・・と思い,インジェクタのバラつきが気になってきたのですが,新品のインジェクタなんて当然出ないですし,社外のインジェクタにするほどでもないですし,ハンチングも我慢出来なくもないレベルにまで煮詰められてきたので,静観してました.


そんなある日,いつものようにショップに行ったら知り合いのEK9乗りがいらっしゃって,



「IRSのインジェクタ洗浄(ReSpec)をやってみる」との事.「それは是非とも後で感想を教えて下さい~」とお願いしたら,後日レポートをコピーして渡してくれました(↓).



おお~,これはありがたや~! (*´∀人)

という事で早速熟読させてもらいました.


まず,レポートの項目としては以下の6つ.

  ①通電時間:100%,燃圧:2.5bar(2.54kg/cm2)時の噴射量
  ②通電時間:100%,燃圧:3.0bar(3.05kg/cm2)時の噴射量
  ③通電時間: 50%,燃圧:2.5bar(2.54kg/cm2)時の噴射量
  ④スプレーパターン
  ⑤3.5bar時のリークテスト
  ⑥25℃環境下の抵抗値

これを洗浄の前と後で示してありました(③と⑥は洗浄後のみ).


④(スプレーパターン)は,「◎」「○」「△」「×」の4段階評価で,



恐らく「◎」が上の絵の左側,「○」が右側みたいな感じでしょうね.
(「△」は「○」の量が少ない版,「×」は論外って感じでしょうか)

⑤のリークテストはインジェクタが機械的に壊れてないか? ⑥の抵抗値は電気的に壊れていないか?をチェックするための項目だと思われるので,性能としての意味合いではやはり①~③に注目してみます.


この中で①と②は燃圧の違いなので,どちらを見るべきかな?と調べてみると,



純正の燃料ポンプは「2.55kg/cm2」のようなので,「2.5bar」の方を参照してみます.洗浄前後で値を見てみると,

   #1 ・・・ 247.4 → 257.9 [cc/min]
   #2 ・・・ 245.3 → 256.0 [cc/min]
   #3 ・・・ 248.5 → 259.2 [cc/min]
   #4 ・・・ 237.6 → 252.8 [cc/min]
 -----------------------
  Ave. ・・・ 244.7 → 256.4 [cc/min]

以前調べた時に「B型のインジェクタは240ccではないか?」と読んでいたのですが,これを見るとB16Bの場合はもう少し多く,「245~250cc」くらいのようですね.
(IRSの計測条件は恐らく14Vなので,実車搭載時だと255ccには届かないのでは?と思っています)

洗浄の結果,噴射量が増えているのは間違いないですが,フルコンを使っていると絶対値はあまり関係ない(セッティングで合わせ込んじゃう)ので,バラつきの方に注目してみると,

   #1 ・・・ +2.7 → +1.5 [cc/min]
   #2 ・・・ +0.6 → -0.4 [cc/min]
   #3 ・・・ +3.8 → +2.8 [cc/min]
   #4 ・・・ -7.1 → -3.6 [cc/min]

洗浄前のバラつきが最大 10.9cc/min あったのに対し,洗浄後は 6.4cc/minまで減っています.インジェクタのフル吐出状態で考えると,バラつきの大きさが4.4%→2.5%まで減っているので約2ポイントの改善となると結構差は大きそうです.

ついでに噴射量が少ない③(50%)の方にも目を向けてみると,こちらは洗浄後のものしかありませんが,

   #1 ・・・ 123.7 [cc/min] ⇒ +0.7 [cc/min]
   #2 ・・・ 122.3 [cc/min] ⇒ -0.7 [cc/min]
   #3 ・・・ 124.4 [cc/min] ⇒ +1.4 [cc/min]
   #4 ・・・ 121.8 [cc/min] ⇒ -1.2 [cc/min]
 ---------------------------
  Ave. ・・・ 123.0 [cc/min]

バラつきの大きさは2.1%で,通電時間50%はほぼアイドリング状態に相当しますから,全域で満遍なくバラつきが低減されている様子が窺えます.実際,洗浄後のインジェクタを付けたEK9乗りは,その回転の滑らかさに感動したそうですし,この「ReSpec」は結構魅力的だなぁ~と思いました.


以上,ReSpec 性能レポートの熟読でした.

私のEF8にはEK9(B16B用)のインジェクタが付いているので大変興味深いレポートでした.金額も新品のインジェクタを買うよりは安いですし,期間も1週間そこそこくらいで返ってくるらしいので,機会があれば一度やってみようかな,と思います.

レポートを提供してくれたSさん,有難う御座いました! <(_ _)>
2024年07月20日 イイね!

くるまコレクションで調べ物

くるまコレクションで調べ物EF8が入庫中で今週はどこにも行けそうにないので,暇な週末になりそうだなぁ~と思っていたら,某SNSで「第三土曜日はBICライブラリのオープンデーです」という情報が流れてきて,「えっ!? 土曜日にやってる日があるの?」と思い,行ってみる事にしました.

3月にも同じようにEF8が入庫して移動の足を失った際,西国分寺の「東京マガジンバンク」へ調べ物で行ったのですが,この際,本当は調べ物のネタ的に「BICライブラリ」の方が適していたのでそちらに行きたかったのですが,ココは平日しか開いていないので諦めていました.

さすがに平日にわざわざ有給取って行く程でもないので,出張のついでか何かで行く機会がないかなぁ~?とチャンスを窺っていたのですが,そんな機会は来ず,「土曜にやってるなら行ってみるか!」という事で,駅からの移動だけで汗びっしょりになりつつ港区へと向かいました.



こちらの「BIC(Business Information Commons)ライブラリ」は,機械振興会館内にある図書館で,本来は名前の通りビジネス支援のための窓口として設けられたものです.しかし,日本自動車工業会が運営していた「自動車図書館」がコロナ禍の影響で2020年に休館し,その蔵書が「BICライブラリ」へ移設され,「くるまコレクション」コーナーとして新設されました.運営元の性質上,ココの蔵書は業界向けの機関誌が多く,かなりマニアックな情報を手に入れられるため,一度行ってみたい場所でした.

「BICライブラリ」自体は誰でも利用でき,入館手続きも受付で記入票を書くだけなので簡単です.記入を終えて早速調べてみようと思ったら,受付の方に「よろしければ持って行って下さい」と言われ,こんなのを頂きました(↓).


(どうやら,こちらで定期購入している雑誌の付録のようですね・・・)


それでは早速調べ物を開始.まずは昔の東京モーターショーに関する情報が載っている資料を探します.

80年代に,CR-Xが鈴鹿サーキットでマーシャルカーとして使われていた事は有名な話だそうなのですが,この際のイメージとして挙がるのはバラードスポーツCR-X(AS)が多いんですよね.


(2024年になっても,ミニカー↑が新発売されるくらいです)

一方,サイバースポーツCR-X(EF)のマーシャルカーの方はあんまり情報を見かけず,当時のホンダF1ドライバーであったアイルトン・セナが鈴鹿・西コースでこのクルマを走らせた話(↓)くらいしか目にしません.



ところが,先日見つけた記事で,1987年の第27回 東京モーターショーにこのクルマが展示されていたらしく(↓),


(NosWeb:第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編【1】より)

このクルマに関して取材された記事がないか?と調べに来た訳なのですが,残念ながら「11月に行われる鈴鹿F1のアピールのために展示されていた」とか,「こちらはあくまでコンセプトカーで市販されているのはホイールのみ」とか,それくらいの情報しか得られませんでした・・・.orz

この記事の画像をよーく見ると(↓),


(NosWeb:第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編【1】より)

ボンピンが付いていたり,マフラーがサイド出しになっていたりと,どうも先述のマーシャルカーより過激な仕様に思えるんですよねぇ・・・.同型のシビックの仕様から鑑みると,コレ,ZCを搭載したグループA仕様なんじゃないか?と思ったりもしたのですが,結局,詳細は分からず終いでした.ちなみにこのマーシャルカー,1992年に筑波サーキットに居た写真があるようなのですが,コレは果たして本物なのか? レプリカなのか??


さて,古(笑)の文献探しも終わったので,折角来たついでだし,他にどんな本があるのかなぁ~?と棚を眺めていたところ,「自動車タイヤ諸元表」なんて本を見つけました(↓).



さすがは専門図書館.こんな専門家向けの本も揃っているんですね.この本は読んで字の如く,タイヤの諸元(タイヤの外径,標準/許容リム・サイズ,溝深さ,空気圧等)に関してメーカー毎に全銘柄掲載されているものなのですが,パラパラ数ページ捲った後に,

( ゚д゚) ピン!!

・・・と閃いて,スマホでA052のサイト(↓)を開きつつ調べてみました.



EF8で履いているタイヤサイズを中心に調べてみたところ,標準リム幅・適用リム幅なんかは同じなのですが,「自動車タイヤ諸元表」に書かれている以下の数値(↓)を確認したところ,

  タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:585mm  195/55R15:587mm
  タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:217mm  195/55R15:203mm

アレレ? サイト(=メーカーカタログ)に載ってる数値と微妙に違うぞ??
ん~,コレは「A052は表記以上に太い」という例の話か?と思い,A050も調べてみると,



  タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:587mm  195/55R15:594mm
  タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:217mm  195/55R15:203mm

おおっと,コッチも数字が微妙に違うじゃん(ちなみに,M⇔G/S⇔G2/Sでは数値は一緒でした).この本に掲載されているタイヤは全メーカー・全銘柄なので,さすがに1企業が全部自社で計測して出している数字とは思えず,メーカーからの提供資料に基づいていると思うのですが,カタログの掲載値と微妙に違うのは何なんですかね?
(計測条件が違うのか?と思い,最初から読み返してみましたが記載を見つけられませんでした)

もしやマイチェンか?と思い,'20~'21年版で調べ直してみましたが値は最新版と同じ.ならば,YHではなくBSはどうだ?と思い,RE-71RSの205/50R15を調べてみたところ,



  タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:587mm
  タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:214mm

こっちはカタログ表記と一致するじゃん! ムムム・・・やはりYHは何か一捻りしているという事なのか?(笑)


そんな事を思いつつ,再びA052の記載を読み返していたところ,カタログには載っていないこんな数値が本には出ていました.

  設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:340kPa  195/55R15:340kPa
  設計最大荷重   ・・・ 205/50R15:580kg   195/55R15:580kg
  
確かA052のビードシーティング圧って「275kPa」だったはずですが(↓),



設計上はそれよりも耐えられるようにちゃんと作られているんだなぁ~と思いつつ,構造的にA052よりも頑丈そうなA050も確認してみると,

  設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:250kPa  195/55R15:250kPa
  設計最大荷重   ・・・ 205/50R15:530kg   195/55R15:515kg

アレッ? A052よりも低いのか.じゃあ,剛性が高いと言われるRE-71RSは?

  設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:250kPa
  設計最大荷重   ・・・ 205/50R15:530kg

えっ? Sタイヤと同じ数値?? これはこの数字に何か意味がありそうだな・・・と思い調べてみたところ,250kPa/530kgはJATMAの規格値でした(↓).



という事は,A052はJATMA以外の規格で作られたタイヤという事のようですね.JATMA以外のタイヤ規格というと,欧州の「ETRTO」や北米の「TRA」がありますが,そちらに合わせたものという事なんですかねぇ~?
(ちなみに,近年のYHの製品であるAD09やV601も設計最大空気圧は340kPaでした)


以上,くるまコレクションで調べ物でした.

今回行った「BICライブラリ」は地下1Fにあるのですが,調べ物を終えて1Fの出口に向かったら,なんと正面玄関が閉まっていました(汗).「えっ? まだ14時だよね??」と思いつつ,シャッターが完全に下りているので脱出は不可能.困ったなぁ~と右往左往していると,清掃の方が「地下から出られるよ」と教えてくれたので,どう見ても職員玄関に見える出入口から警備員にジロジロ見られつつ足早に脱出しました(笑).

この「BICライブラリ」が入っている「機械振興会館」という建物は,東京タワーの真ん前にあるので(↓),



そのまま東京タワーの下にあるフットタウンへ行き,2Fの「汁無し担々麺 金蠍」にて少々遅い昼食.



その店の名物が何か分かってて敢えてそれを避けるという,いつもの天邪鬼が発動して「粗挽肉ワンタン麺」を食べて帰りました.
(ずっとクーラーが効いた部屋にいて身体が冷えたのか? なぜかスープが滅茶苦茶熱く感じた・・・笑)
Posted at 2024/07/21 00:58:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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