
EF8が入庫中で今週はどこにも行けそうにないので,暇な週末になりそうだなぁ~と思っていたら,某SNSで「第三土曜日はBICライブラリのオープンデーです」という情報が流れてきて,「えっ!? 土曜日にやってる日があるの?」と思い,行ってみる事にしました.
3月にも同じようにEF8が入庫して移動の足を失った際,西国分寺の
「東京マガジンバンク」へ調べ物で行ったのですが,この際,本当は調べ物のネタ的に「BICライブラリ」の方が適していたのでそちらに行きたかったのですが,ココは平日しか開いていないので諦めていました.
さすがに平日にわざわざ有給取って行く程でもないので,出張のついでか何かで行く機会がないかなぁ~?とチャンスを窺っていたのですが,そんな機会は来ず,「土曜にやってるなら行ってみるか!」という事で,駅からの移動だけで汗びっしょりになりつつ港区へと向かいました.
こちらの「BIC(Business Information Commons)ライブラリ」は,機械振興会館内にある図書館で,本来は名前の通りビジネス支援のための窓口として設けられたものです.しかし,日本自動車工業会が運営していた「自動車図書館」がコロナ禍の影響で2020年に休館し,その蔵書が「BICライブラリ」へ移設され,「くるまコレクション」コーナーとして新設されました.運営元の性質上,ココの蔵書は業界向けの機関誌が多く,かなりマニアックな情報を手に入れられるため,一度行ってみたい場所でした.
「BICライブラリ」自体は誰でも利用でき,入館手続きも受付で記入票を書くだけなので簡単です.記入を終えて早速調べてみようと思ったら,受付の方に「よろしければ持って行って下さい」と言われ,こんなのを頂きました(↓).

(どうやら,こちらで定期購入している雑誌の付録のようですね・・・)
それでは早速調べ物を開始.まずは昔の東京モーターショーに関する情報が載っている資料を探します.
80年代に,CR-Xが鈴鹿サーキットでマーシャルカーとして使われていた事は有名な話だそうなのですが,この際のイメージとして挙がるのはバラードスポーツCR-X(AS)が多いんですよね.

(2024年になっても,ミニカー↑が新発売されるくらいです)
一方,サイバースポーツCR-X(EF)のマーシャルカーの方はあんまり情報を見かけず,当時のホンダF1ドライバーであったアイルトン・セナが鈴鹿・西コースでこのクルマを走らせた話(↓)くらいしか目にしません.
ところが,先日見つけた
記事で,1987年の第27回 東京モーターショーにこのクルマが展示されていたらしく(↓),

(NosWeb:
第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編【1】より)
このクルマに関して取材された記事がないか?と調べに来た訳なのですが,残念ながら「11月に行われる鈴鹿F1のアピールのために展示されていた」とか,「こちらはあくまでコンセプトカーで市販されているのはホイールのみ」とか,それくらいの情報しか得られませんでした・・・.orz
この記事の画像をよーく見ると(↓),

(NosWeb:
第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編【1】より)
ボンピンが付いていたり,マフラーがサイド出しになっていたりと,どうも先述のマーシャルカーより過激な仕様に思えるんですよねぇ・・・.
同型のシビックの仕様から鑑みると,コレ,ZCを搭載したグループA仕様なんじゃないか?と思ったりもしたのですが,結局,詳細は分からず終いでした.ちなみにこのマーシャルカー,
1992年に筑波サーキットに居た写真があるようなのですが,コレは果たして本物なのか? レプリカなのか??
さて,古(笑)の文献探しも終わったので,折角来たついでだし,他にどんな本があるのかなぁ~?と棚を眺めていたところ,「自動車タイヤ諸元表」なんて本を見つけました(↓).
さすがは専門図書館.こんな専門家向けの本も揃っているんですね.この本は読んで字の如く,タイヤの諸元(タイヤの外径,標準/許容リム・サイズ,溝深さ,空気圧等)に関してメーカー毎に全銘柄掲載されているものなのですが,パラパラ数ページ捲った後に,
( ゚д゚) ピン!!
・・・と閃いて,スマホでA052のサイト(↓)を開きつつ調べてみました.
EF8で履いているタイヤサイズを中心に調べてみたところ,標準リム幅・適用リム幅なんかは同じなのですが,「自動車タイヤ諸元表」に書かれている以下の数値(↓)を確認したところ,
タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:585mm 195/55R15:587mm
タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:217mm 195/55R15:203mm
アレレ? サイト(=メーカーカタログ)に載ってる数値と微妙に違うぞ??
ん~,コレは「A052は表記以上に太い」という例の話か?と思い,A050も調べてみると,
タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:587mm 195/55R15:594mm
タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:217mm 195/55R15:203mm
おおっと,コッチも数字が微妙に違うじゃん(ちなみに,M⇔G/S⇔G2/Sでは数値は一緒でした).この本に掲載されているタイヤは全メーカー・全銘柄なので,さすがに1企業が全部自社で計測して出している数字とは思えず,メーカーからの提供資料に基づいていると思うのですが,カタログの掲載値と微妙に違うのは何なんですかね?
(計測条件が違うのか?と思い,最初から読み返してみましたが記載を見つけられませんでした)
もしや
マイチェンか?と思い,'20~'21年版で調べ直してみましたが値は最新版と同じ.ならば,YHではなくBSはどうだ?と思い,RE-71RSの205/50R15を調べてみたところ,
タイヤ外径 ・・・ 205/50R15:587mm
タイヤ総幅 ・・・ 205/50R15:214mm
こっちはカタログ表記と一致するじゃん! ムムム・・・やはりYHは何か一捻りしているという事なのか?(笑)
そんな事を思いつつ,再びA052の記載を読み返していたところ,カタログには載っていないこんな数値が本には出ていました.
設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:340kPa 195/55R15:340kPa
設計最大荷重 ・・・ 205/50R15:580kg 195/55R15:580kg
確かA052のビードシーティング圧って「275kPa」だったはずですが(↓),
設計上はそれよりも耐えられるようにちゃんと作られているんだなぁ~と思いつつ,構造的にA052よりも頑丈そうなA050も確認してみると,
設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:250kPa 195/55R15:250kPa
設計最大荷重 ・・・ 205/50R15:530kg 195/55R15:515kg
アレッ? A052よりも低いのか.じゃあ,剛性が高いと言われるRE-71RSは?
設計最大空気圧 ・・・ 205/50R15:250kPa
設計最大荷重 ・・・ 205/50R15:530kg
えっ? Sタイヤと同じ数値?? これはこの数字に何か意味がありそうだな・・・と思い調べてみたところ,250kPa/530kgはJATMAの規格値でした(↓).
という事は,A052はJATMA以外の規格で作られたタイヤという事のようですね.JATMA以外のタイヤ規格というと,欧州の「ETRTO」や北米の「TRA」がありますが,そちらに合わせたものという事なんですかねぇ~?
(ちなみに,近年のYHの製品であるAD09やV601も設計最大空気圧は340kPaでした)
以上,くるまコレクションで調べ物でした.
今回行った「BICライブラリ」は地下1Fにあるのですが,調べ物を終えて1Fの出口に向かったら,なんと正面玄関が閉まっていました(汗).「えっ? まだ14時だよね??」と思いつつ,シャッターが完全に下りているので脱出は不可能.困ったなぁ~と右往左往していると,清掃の方が「地下から出られるよ」と教えてくれたので,どう見ても職員玄関に見える出入口から警備員にジロジロ見られつつ足早に脱出しました(笑).
この「BICライブラリ」が入っている「機械振興会館」という建物は,東京タワーの真ん前にあるので(↓),
そのまま東京タワーの下にあるフットタウンへ行き,2Fの「汁無し担々麺 金蠍」にて少々遅い昼食.
その店の名物が何か分かってて敢えてそれを避けるという,いつもの天邪鬼が発動して「粗挽肉ワンタン麺」を食べて帰りました.
(ずっとクーラーが効いた部屋にいて身体が冷えたのか? なぜかスープが滅茶苦茶熱く感じた・・・笑)