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OX3832のブログ一覧

2024年07月16日 イイね!

「F」と「FG」の違い

「F」と「FG」の違いプロにLSDの問題点を指摘頂いて以降,LSDに関して調べ直しているのですが,その中で,そもそも私が今使っているCUSCO Type-RSのジムカーナ仕様(FG)は,スタンダード仕様(F)と一体何が違うのか?と気になりました.

ショップでLSDのオーバーホールをしようとした際,「最近のCUSCOはイニシャルトルクが低いから~」と「F」→「FG」への変更を薦められたのが事の発端だった訳なのですが,当時は「イニシャルトルクが高い」以上の情報は得られませんでした.



CUSCOのサイトで調べてみても「FG」に関する説明はなく,きっとプロユース(分かる人には分かる)なんだろうなぁ~と思ってはいたのですが,LSDのセッティングに手を出すなら,そんな漠然とした情報ではマズいので,真面目に調べてみたところ,以下の情報に行きつきました(↓).


(CUSCO:マスターカタログ LSD諸元表より)

私が使っているLSDは,ファイナルの都合上,DC2用(LSDコード:328)を使っているのですが,これを見るとどうやらType-RSだけで計5種類あるようです.それぞれが何を示しているのか?を調べてみたところ,どうやら以下のようでした(↓).

  F   ・・・ 1wayスタンダード仕様  (カム角を35°/45°で切替えられるタイプ)
  C   ・・・ 1.5wayスタンダード仕様 (1way/1.5wayでカムを切替えられるタイプの1way設定)
  C15 ・・・ 1.5wayスタンダード仕様 (1way/1.5wayでカムを切替えられるタイプの1.5way設定)
  FG  ・・・ 1wayジムカーナ仕様
  R   ・・・ 1wayプロ・アジャストLSD(10°刻みでカム角を変更可能な専用チップを採用したタイプ)

この中で,肝心の「F」と「FG」の違いに関してフォーカスしてみると(↓),



スプリングの本数が違う事が分かります.ここで言っている「スプリング」とは,Type-RSの「RSスプリング」の事ですから(↓),



「FG」は「F」よりもセット出来るスプリングの本数が多く,その分だけイニシャルトルクを上げられるようになっているようですね.これで「FG」はスプリングの本数が単純に多い事は分かりましたが,ならば,どういう構造になっているのか?と調べてみたところ,こんな感じでした(↓).


(CUSCO:マスターカタログ LSDパーツより)

左が「F」で使用されているカム,右が「FG」で使用されているカムです.両者共に1way用のカムですが,「F」の方は35°/45°の2種類のカム角を切替えられるように,スプリングの設置スペースの横にカム角の穴があるのに対し,「FG」はその穴がなく,全てスプリングの設置スペースとなっている事が分かります.つまり,「FG」はカム角の切替え機能を捨てて,その分だけスプリングの本数を増やせるようにしたようです.
(だから,「FG」はカム角45°しか選べなかった訳なのですね・・・)


ここに辿り着く前までに,Type-RSのセッティングをする際,スプリングの本数を変更する事は知っていたのですが,このスプリング配置のレイアウトが均等ではないと聞いており(↓),



上の図でいうとスプリングが2本並列となっている箇所と,1本のみとなっている箇所があるのですが,例えばスプリングを12本→6本に減らすのに,2本並列の箇所を1本に減らすのと,1本のみとなっている箇所を全部抜くのとでイニシャルトルクが変わるそうで,そういった部分のノウハウが気になっていたのですが,「FG」のようなレイアウトであれば,恐らくカム穴に対して均等(24 ÷ 4 =6本かな?)に本数が配置されていると思われるため,そういった事は考えなくて良さそうですね.


以上,「F」と「FG」の違いでした.

これで少し理解が進んだので,このスプリング本数の話とプレートの話(↓),



これらをどう組み合わせるか? ミッションを開けるとなると工賃は安くはないのでよく考えたいと思います.
Posted at 2024/07/17 17:47:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2024年07月13日 イイね!

ヘルメットバッグ探し

ヘルメットバッグ探しサーキットで身につける一式(ヘルメット・グローブ・シューズ・ツナギ)をsparcoのヘルメットバッグ「Hans 2(タイトル画像)」に入れて運んでいます.

この「Hans 2」は上下2分割となっていて,上部にヘルメット・下部にHansを入れるスペースがぞれぞれあるのですが,私はこのHans入れに無理やりシューズとツナギを押し込んで使っていたのですが,さすがに10年も使うと収納部分が割けて変形し,ファスナーの開け閉めに労力が要るようになってきたのでバッグを新調する事にしました.

ネットで調べて通販で購入でも良かったのですが,先週対処したエアコン(↓)の効き具合をチェックしておいた方が良いよなぁ~と思い,



その慣らしも兼ねてショップに行って現品チェックする事にしました.またRACに行こうかとも思ったのですが,今回は前々から気になっていた埼玉県桶川市にあるsparco専門店「アウティスタ」へ.



早速店内に入ると,スタッフの方に声を掛けられたので「ヘルメットバッグを探しているのですが~」と答えると,「ヘルメットはどこのをお使いですか?」と聞かれたので「AraiのGP-5WPです」と答えると,Araiのヘルメットバッグ(↓)と,



sparcoのヘルメットバッグ(↓),



それに「DRY-TECH(↓)」を紹介頂きました.



「乾燥機能付きは便利ですけど,さすがにそこまでは要らないですね」と答えつつ,やっぱりコンパクトに纏めるならこの辺りかなぁ~?としばし思考.


今使っている「Hans 2」は一式を全部一纏めに入れておけるので便利なのですが,縦型なのでトランクスペースに入らず,私は助手席に置いてました(↓).



どうせ助手席に人を乗せる事は皆無ですし,これで特に困る事もなかったのですが,さすがに1年中乗っけたままにしておくとバッグの表面が日で焼けますし,ショップで作業する時に邪魔になったりもするので,今度は横型にしてトランクスペースに置こうと思っていました.トランクに放り込むならそれぞれバラバラのバッグでも良いかと思い,ヘルメット単体のバッグも候補に入れていたのですが,視線を横にズラすと大き目のバッグが視界に入ったので,スタッフの方に「コレ(STAGE↓)はヘルメット入りますか?」と質問.



回答は「押し込めば入りますけど,出っ張っちゃいますね.防護性も低いです」との事.「やっぱそうですよねぇ・・・」と頷いていると,「コレ(TRIP↓)ならキッチリ入りますよ」と大き目のバッグを棚から下ろしてくれて,



「なんせヘルメットを梱包している箱ごと入りますからね」と中も見せて頂きました.「うわぁ,これは凄い!」と驚きつつ,コイツはさすがに大き過ぎだな~と内心思っていると,「あとはトロリータイプ(TRAVEL↓)とかになっちゃいますね」と指差してくれました.



「さすがにそこまでは要らないですね・・・」と答え,「有難う御座います.ちょっと考えます」と一旦会話を切ると,スタッフの方が「コレもキッチリ入るんじゃなかったかなぁ~?」と「DAKAR-L DUFFLE BAG(↓)」を上の棚から下ろしてくれて,



わざわざヘルメットを取りに行って,入り具合を試してくれました.横型だし,全部入りそうだし,サイズもそこそこだし,デザインも悪くないし,これでいっかーと思い始めていたところ,スタッフの方が「ちょっと待って下さい.確かコイツの一回り小さいサイズがあったはずです」と裏へ駆けて行き,「DAKAR-S DUFFLE BAG(↓)」を持って来てくれました.



おおっ! これで一回り小さいなら言う事なしだ!と思ってしまったので,値段も見ずに(笑)「コチラを下さい」と伝えたら,カタログを開いて「色がブルー・レッド・ブラックの3種類ありますけど,どちらにしますか?」と聞いてくれたので,どれもカッコ良さそうでしたが,無難に「ブラック」にしておきました.


その後会計を済ませて,店から出る時にCR-Xを見て「このクルマだと,部品出ないでしょう?」としばし談笑した後,帰路につきました.家に帰って袋を開けてみると,ペッタンコでしたが(↓),



中に,ヘルメット・グローブ・シューズ・ツナギを入れるとそれらしい形になりました(↓).



取っ手が付いているので,この形のまま手で持つ事も出来ますが,肩掛けを付けてショルダーバッグにも出来ますし,2本のベルトを通して背負う事も出来ます(所謂ところの3wayですね).ただ,トランクへの出し入れが大半なのでベルトは全部外して使う事になるんじゃないかなぁ~と思います(「Hans 2」の時も何気にベルトが邪魔だった・・・).


以上,ヘルメットバッグ探しでした.
Posted at 2024/07/14 00:21:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ツール) | 日記
2024年07月09日 イイね!

ボトム付近の走らせ方をプロから学ぶ

ボトム付近の走らせ方をプロから学ぶ当日の模様クルマの状態チェックと振り返りも終わったので,お次は毎度お馴染みドライビング面でプロ(蘇武喜和さん)との比較を行いたいと思います.

蘇武さんには,過去3回(TC1000:2回,日光:1回)私のEF8に乗って頂いているので,ドライビング面での違い(狙っている事の違い)は何となく想像出来るようになってきた(?)気もするので,今回は「ボトムスピード」に焦点を当てて比較をしてみたいと思います.

1コーナー
いきなりですが,ここは進入のアプローチの仕方(考え方)が全く異なります.



蘇武さん(左)は,ブレーキングを開始しつつ,ほんの少しだけ右にステアリングを切り,1コーナーにアプローチする手前からヨーを立ち上げている感じ.(↓).



対する私(右)の方は,120km/h台後半からのハードブレーキングなので,ステアリングを真っ直ぐ保持しています.蘇武さん(左)のようにクルマを斜めにするような感じで1コーナーに飛び込んだ場合,ホイールベースの短いEF8は当然インリフトしてリアが流れ出す訳なのですが,蘇武さん(左)はそれをカウンターを当ててコントロールし(↓),



狙いの姿勢となったところでステアリングを再度切込み,1コーナーへ進入していきます(↓).



ご覧の通り最終的な舵角は両者ほぼ一緒なので,ここから先のコーナリングは大差ない訳なのですが,この1コーナーのエイペックス手前でクルマの向きを変える操作(意図的にオーバーステア状態に持ち込む操作)が,6km/h以上高いボトムスピードを生み出している事が分かります.

この時の両者のフリクションサークルを見るとこんな感じで(↓),



私(青)の方が真っ直ぐ上(減速方向)に進んでいるのに対し,蘇武さん(赤)の方はは正真正銘クルマを斜めに進めている様子が読み取れます.タイヤのグリップは縦と横の総和と言うので,Gの縦と横の合成値を求めてみると,

  蘇武さん ・・・ 縦G:0.5 横G:0.7 ⇒ 0.86G
  私      ・・・ 縦G:1.1 横G:0.2 ⇒ 1.11G

となり,私の方が約0.25Gも大きい(=タイヤの限界を使い切ってグリップが下がる)ので,ボトムスピードが低いのは当然の結果ですかね.こうして見ると,1コーナーに限れば,私はBSのような縦と横をはっきりと分けて使うタイヤの方が向いているのかもしれないなぁ~と思いつつ,今使っているYHは,縦にも横にも(所謂ところの斜めに)使っても応えてくれるタイヤなので,蘇武さんの走らせ方の方が正しいんだろうなぁ~とは思いました.

ただ,根本的に私はオーバーステアなクルマが好みではない(オーバーステアをコントロールするのが下手くそな)のと,蘇武さんのようにクルマの姿勢を斜めにしてコーナーに進入しようとすると,私の技量ではフロントの荷重が抜けて,クルマを前に進められない事が多いんですよね・・・(それでタイムを失うので,オーバーステアを出さない走らせた方の方が結果的に速い).

この辺り,蘇武さんにご指摘頂いたLSDの問題が悪さしている可能性もあるので,対策が完了したらもう1回チャレンジしてみようかなぁ~?と思いました.


(1コーナーを抜けた先で,蘇武さんが首を傾げている点が何なのか? 気になりますけど・・・)


ヘアピン
ここは今回,結構ショッキングな差がつきました.



車載を見た時は,蘇武さんはヘアピンの立ち上がりでタイヤをコース外に若干落っことしたような様子で,その後「ああ,なるほど~」とコメントしていた事から,私のEF8が蘇武さんのドライビングに応えていないんだろうなぁ~と思ったのですが,ここのロガーデータを比較してみたところ(赤:蘇武さん 青:私),



なんと! 蘇武さん(赤)に6km/hも差をつけられていました!!

1コーナーのような高速コーナーであれば,クルマの姿勢の作り方で6km/hの差をつけられるのは理解出来るのですが,50km/hを切ろうかという低速コーナーで,しかも立ち上がりとかでなくコーナー全域で,6km/hも差をつけられるのはかなりショックです・・・.orz


これは一体どういうこっちゃ?と思い,車載をコマ送りで見てみると,ヘアピン進入で,蘇武さん(左)の方は速度を落とし切らず,私(右)よりもかなり高めの速度でアプローチし(↓),



また,この際の舵角は,蘇武さん(左)の方が若干多いように見えます.ここからヘアピンのIN側の縁石に向かってアプローチしていく訳なのですが(↓),



この辺りでは切り込み量は同じ・・・.しかし,ここから先が違いました(↓).



蘇武さん(左)の方は,ほぼ先程の舵角をキープしたまま(約180°)ですが,私(右)の方はそれでは曲がらないと判断しているので,更に切り足しています(約225°).私(右)の方は切り足したおかげで小さく立ち上がり,ラインが膨らむ事もないのでステアリングを早めに戻せていますが(↓),



蘇武さん(左)の方はクルマが応えてくれないので,なかなかステアリングを戻せず,若干コース外にタイヤを落としているようです.この応えていない部分が先述の「ああ,なるほど(そういう動きをするのか・・・)」なのだと思いますが,だとすると,クルマが応えていればもっと速かったという事!?

蘇武さん(左)の方がタイヤを外に落とし掛けるくらいコース幅を目一杯使っているのに対し,私(右)の方が使い切れていないという事なのかもしれませんが,それでもボトムを6km/h上げてヘアピンを曲がれるイメージが,私の頭の中では全く描けないので,かなーりショックを受けてます・・・.

( ゚д゚) … (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) !?


最終複合
ここはそれほど大きな違いはないのですが,前回のブログで述べた通り,現状一番問題を抱えているセクションだと思うので蘇武さんの操作を見習わせて頂きます.



この中で最も注目したいのが,アウトクリップから最終コーナーにアプローチする部分(↓).



ここで蘇武さん(赤)は,最後にボトムを一瞬だけ下げて,それを使って向きを変えてスムースに立ち上がっているように見えるのですよ(私[青]の方は最終コーナーの加速がワンテンポ遅れ,その分だけゴールラインまでの到達速度が劣っています).

ここの操作を確認すべく再びコマ送りで車載を見てみたところ,アウトクリップ手前では若干私(右)の方が舵角が多いようなのですが(↓),



そこから私(右)はほぼ舵角が一定であるのに対し,蘇武さん(左)の方は曲げる直前でもう一切り(↓).



この操舵抵抗で,クルマを減速させて(=フロント荷重を作って)向きを変えているように見えます.なるほど! 我慢の状態から抜け出すためには,この一切りが大事だったのか・・・.



立ち上がりではご覧の通り,蘇武さん(左)の方が早くステアリングを戻し始めているのに対し,私(右)の方は同じ舵角をまだ維持しています.ちょうど先程のヘアピンと真逆の構図で,ボトムスピードが同等であるならば,そりゃ,蘇武さん(左)の方が速いわなぁ~といった感じです.

一連の私の操作は定常円旋回と言えば聞こえは良いですが,その実は「ボトムが高過ぎて何も出来ない我慢のコーナリング」になっているだけなので,意図的にその定常円旋回を崩して,メリハリを生み出す操作が必要だったという事なんでしょう.この辺り,引き出しが少なかったなぁ~と痛感しました.


以上,ボトム付近の走らせ方をプロから学ぶでした.

やっぱりプロに乗って頂くと,自分では思ってみなかった事・想像すらしなかった事を現実に見せてくれるので,世界が広がって楽しいですね♪ 仮に知ったとて,私の技量では真似出来る・真似出来ないといった問題が当然出てくる訳なのですが,それはそれで暑い時期でも走る意味(チャレンジのしがい)が生まれる事になるので,また走りたくなってきました.

蘇武さん,またまた貴重なお手本を見せて頂き,本当に有難う御座いました!<(_ _)>
Posted at 2024/07/10 23:23:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | プロの感想 | 日記
2024年07月08日 イイね!

アップデート 2024

アップデート 2024厳しいコンディションで結果の出なかった先日のTC1000ですが,久方振りにTC1000での新品タイヤ投入となったので,1年前に同じく新品タイヤを投入した時の結果と比較してみようと思います.

これは言い替えると過去1年分のアップデートを全部丸ごと一括で比較する形にもなるので,まずはこの1年でどんな変更をしたのか?を振り返ってみたいと思います.


  ①ブレーキマスター変更           :修理(EF8用→NA1用:重量増)
  ②リアアンダーパネル追加          :空気抵抗削減(重量増)
  ③ピロラジアスロッド変更           :修理(NAGISA AUTO製→TRY・BOX製)
  ④トレーリングアームブッシュピロ化    :ジオメトリー変化の抑制(重量増)
  ⑤フロントアッパーアームブッシュピロ化 :キャンバー変化の抑制(重量増)
  ⑥ダンパーフォークブッシュピロ化     :ブッシュ抵抗の削減(重量増)
  ⑦スタビライザーリンクショート化      :スタビライザーの捻じれ抵抗の削減
  ⑧フロントスプリングレートアップ      :前傾時の限界引き上げ(12キロ:中反発→14キロ:中反発)
  ⑨リアスプリングレートアップ        :後傾時のバランス取り (12キロ:高反発→14キロ:高反発)

こうして見ると,何だかんだで色々やりましたね.①~⑦は重量増の方向で,勿論空力やらハンドリングやらの効果はあるのですが,ミニサーキットだと重量増のデメリットの方が大きいかな? 微妙な重量増でタイムがじんわり落ちる中,⑧・⑨の前後レートアップがそれを補っているか?が焦点になる気がしますね.


次に,サンプルデータの確認.

【前回(41.954)】


【今回(42.068)】


これだけ色々やって,0.1秒遅くなった・・・とは思いたくないので(笑),続けてコンディションも確認しましょうか.前回は筑波公式のデータがないので気象庁のデータから拝借するとこんな感じ(↓).

  前回 ・・・ 気圧:1010.6hPa  気温:25.5℃  湿度:65%  日照時間: 5分
  今回 ・・・ 気圧:1003.8hPa  気温:30.3℃  湿度:71%  日照時間:10分

あらら,今回の方が何から何まで全て条件が悪いですね.気温・気圧で1.7%程度のパワーダウン.加えて日照時間が倍なので路面温度も今回の方がかなり高そうです.


それでは,材料が揃ったところでロガーデータの比較に入ります(緑:前回 青:今回).



上が車速,下がタイム差(上に行くほど前回の方が速い)です.全体をざっくりで見ると,インフィールド進入までの前半区間は前回(緑)の方が速く,そこから最終コーナーまでの後半区間は今回(青)の方が速かったようです.この前半と後半で両者が相殺されてタイム差的にはほぼゼロになりますが,最後の最終コーナー立ち上がりで前回(緑)の方が速かったため,0.1秒負けた結果となったようです.


では細かく見ていきましょう.

1コーナー



前回(緑)が120km/hを超えた領域(左側の赤丸)でもう一伸びしているのに対し,今回(青)の方は伸びていませんね.これがパワーダウンの影響でしょう.気になるのはそこからのブレーキング(右側の赤丸).今回(青)の方が減速量を緩められず失速しているような感じです.



減速Gの波形を見てみると,今回(青)の方が急激に回復しているので,これは多分アレだなぁ~と思って車載を確認してみたところ(↓),





やっぱりリアが滑ってカウンターを当ててましたね.荷重をリアに戻すために一気にブレーキを戻したため,ああいう波形になったのだと思われます.こういう状況になるとフロントの荷重が抜けるので,タイヤが滑って失速するのも当然ですね.



そこから先,スライドが止まった後はもう一度ステアリングを切り込んではいますが,一度荷重が抜けているので前回(緑)ほどの高い速度を維持が出来ず,どんどん引き離される結果に・・・.プロが仰るLSDセッティングが実現出来れば,この状態でも前回(緑)を上回る高速コーナリングが出来るのかもしれませんが,このカウンターによるロスはリアのレートアップによる弊害だと思うので,一先ずはリアの接地性を上げる方向でセットアップをし直さないと!ですね.


2コーナー
2コーナーではラインが全く同じなので(↓),



同じように車速の伸びていくんだろうと思っていたのですが,ほんの僅かだけ今回(青)の方が失速しているようです(↓).



今回(青)はパワーダウンしているので,操舵抵抗に打ち負けたのかなぁ~?と思いましたが,横Gのグラフを見てみると(↓),



今回(青)の方がGが小さくなっているので,タイヤのグリップが落ちているみたいですね.計測1でまだコーナー1個しかフルアタックしていないのですが,路面温度が46℃近くまで上がってますし,既にタイヤがタレ始めているのかもしれません.


ヘアピン



ここもほんのちょっとなのですが,エイペックスから先でタイヤが横に滑ってクルマが前に進んでいないですね.やはりタイヤがタレているのかも?という気もしますが,プロが仰ったフロントスプリングの反発力の強さ(=フロントのレートアップの弊害)もありそうですね.


インフィールド



インフィールド進入(左側の赤丸)で今回(青)の方が車速が伸びないのは仕方ないと思いますが,そんなハードコンディションでインフィールドのボトム(右側の赤丸)が前回(緑)を上回っているのはGood!ですね.しかもコレ,



前回(赤)よりも今回(青)の方が大分小回りしているので,それでいて立ち上がりでラインが膨らむ事もなく,同等以上の速度で旋回しているとなると,やはりインフィールドは速くなっていそうです.


左高速コーナー~洗濯板



ここは前回(緑)がシフトミスしているのでその分だけ車速が伸びず,今回(青)の方が終端速度は伸びています.このミスで大体0.05秒くらい失っているので,本来であればもっとタイム差はあったという事なんでしょう・・・.


最終複合



1年前と全く走らせ方が変わっているのが,この最終複合ですね.前回(緑)は洗濯板を通過した後,ほんの僅かにアクセルを開けてエンブレの量(失速量)をコントロールしながらアウトクリップまで引っ張っていき,そこからアクセルOFFして前傾姿勢を作り出し,フロントのグリップを確保した後,IN側の縁石に乗せながらアクセルを徐々に開けて立ち上がっていくのですが,今回(青)の方はエンブレの量をコントロールをする事もなく,アクセルOFFだけでユルユルと曲げていき,アクセルON→OFFで前傾姿勢を作る事が出来なかったため,最終コーナーでフロントのグリップ不足に陥り,アクセルを開けるタイミングが遅れてしまっているようです.

乗っていた時は,まさに"我慢"といった感じのコーナリングで,前回(赤)よりも小回りなのかなぁ~?と思っていたのですが,



ライン取りを見ると前回(赤)と今回(青)でぴったり同じところを通過しているようなので,そういう訳でもなさそうですね.一体コレなんなんだろうなぁ~?


(フロントのグリップが足りないから,最終コーナーのIN側の縁石にも乗れていないし・・・)

乗っている時に「アクセルを入れようと思わない」という事は,「高い速度で最終複合に進入してしまった!」と私は感じているのだと思うので(実際問題,ライン取りが一緒なら,そこでアクセル開けたらアンダーステアでラインが膨らむのは目に見えていますし),この減速感のなさはレートアップによる姿勢変化の少なさに起因しているんですかねぇ・・・? 結局,前回(緑)よりもタイムが遅かった1番の理由がココにある訳で,このカラクリを紐解いて対策しないと今後も苦戦しそうですね.


以上,1年分のアップデート比較でした.纏めると,

  ・高車速からのブレーキングでインリフトし易くなった
  ・インリフトした結果,フロントタイヤを上手く使い切れなくなった
  ・低速域の立ち上がりでアンダーステア傾向が強くなった
  ・ヨーを使って曲げるコーナーは,フロントの手応えがあって速くなった
  ・アクセルOFF時の姿勢変化が少ないため,車速の維持はし易くなった
  ・その反面,アクセルON→OFFによるノーズダイブが使いづらくなった

といった感じでしょうか.トータルで見るとTC1000においては0.1~0.2秒くらい遅くなったかなぁ~? インフィールドの速さだけでは他の全てのロスを補い切れない気がするので,タイヤの内圧とダンパーの減衰を合わせ込んで欠点が目立たないように出来たとしても,タイム的には良くてイーブンといった感じでしょうかね.「詰め切ったセットに手を入れても,バランスが崩れて遅くなるだけ・・・」というのを地で行った感じで悲しいです(泣).

ま,今回は大分過酷なコンディションでしたし,次はもう少し良い条件でデータを取って,「実際はこんな悲観的な状況ではない」と思いたいところですね.
Posted at 2024/07/09 23:57:54 | コメント(1) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記
2024年07月07日 イイね!

色んな理由で頭が痛い1日

色んな理由で頭が痛い1日プロの感想が先となりましたが,TC1000の走行会(いっしょに走ろっ♪ No.3)に参加してきました.

目的は勿論プロにEF8に乗って頂く事なので,自分の走行の方はオマケです(笑).とはいえ,新品タイヤを投入するので1本目の計測1だけはガチで走り,それなりのタイムを出しておきたかったところだったのですが,流石に9時の時点で気温が30℃を超えるようなコンディションでは,エンジンが全く吹けずツライ1日となりました・・・.

こちらの走行会への参加は今回で3回目.1回目・2回目共に6月だったのですが,今年は1ヵ月ズレて7月となりました.この走行会を紹介頂いたこもりん.さんは残念ながら今回はリタイヤで見学となりましたが,おだてのまつさん,かずやん!さん,坊愚さん,しょこさんの旦那さん(そして午後からしょこさんご本人),TC2000を走るつもりで結局1日見学だったどりとすさんと,顔馴染みの方が何人もいらっしゃり,退屈しない1日でした.

もっとも退屈どころか,当日はただその場にいるだけでも過酷な暑さで(↓),



1日中汗が流れっぱなし.大した運動もしていないのに,これだけ汗が流れ続けた記憶はちょっとないですね.
途中軽い頭痛がし始めた頃は「あ,ヤバいかな?」と思いましたが,何とか1日持ちこたえました.
(日が暮れる頃には「焼けたねぇ~」とか言われる有り様でしたが・・・苦笑)


まず1本目(9:13~).

新品の1撃を決めたかったので,先頭に並ぶか? 最後尾につくか?で悩んだのですが,申告タイム上,私より速い方が当日欠席となったそうなので「だったら,先頭だ!」と向かったら,



前にCR-Zが・・・.「アレッ? この方は上のクラスじゃなかったか??」と思いましたが,まぁ前にいるんだから同じクラスなんでしょう.先頭確保は失敗してしまいましたが,まぁ,速い方だし,距離開ければ大丈夫だろう~とスペースを作ってアタック!



結果は 42.068.新品タイヤを使っても41秒台に入れるのは難しいくらいの厳しいコンディションでした・・・.
計測2で42.2秒,計測3で42.4秒と,アッという間に新品効果が終了したので,さっさと走行を切り上げ,タイヤを温存.


ここから,前日こもりん.さんに依頼して持参頂いた車載カメラを(↓),



足元カメラ(↓)として取り付け.




この状態で2本目(11:00~)に,プロに乗って頂きました.



なお,この午前中の枠で,呑むラー油さんが走行中のEF8を撮影して下さって,画像も提供頂きました(↓).
有難う御座います!<(_ _)>




その後,プロから頂いたコメントに頭を悩ませつつ昼食の時間となったので,皆さんとキッチンカーで昼食.



今回は,焼豚丼とビーフカレーの合い盛りランチを頂きました(美味しかった~♪).


そうこうしているうちに,午後のクラス分けが発表され・・・,



42秒も切れないのに,なぜだか一番上のクラスに昇格(泣).しかも私より0.3秒速いくせに,また虚偽申告して下のクラスで走ろうとする青いGK5がいたので,「申告タイムは正しく!」と抗議しに行くと,



「午後はZⅢだからタイム出ないんですよ~」とか言い訳するので,「そんな事あるか! ZⅢ履いてEF8と同じくらいのタイム出せるだろ!」と3本目(12:38~)のタイムで勝負する事になったのですが,





すみません・・・ZⅢでもEF8より速かったです(泣).(ノД`)・゜・。
こんだけ暑くてパワー出ないのに,なんでそんなタイムが出せるんだ? 「脳筋」恐るべし!




暑いわ,タイム出ないわ,暑いわ,宿題難しいわ,暑いわ,勝負に負けるわ,暑いわ・・・で頭痛くなってきたところで,



しょこさんから塩分補給で羊羹を頂き,冷静さを取り戻せたので「よしっ! 今日は終わり.撤収ー!!」という事で4本目はキャンセルしました(笑).


以上,色んな理由で頭が痛い1日でした.

その後16時頃から雨がポツポツと降り出し,みんなでファミレスに移動して夕食を取っていたら,ゲリラ雷雨となって店内で停電.「これで注文履歴が消えたりしないかなぁ~」なんて冗談を言いつつ(勿論そんな事はなく),しょこさんが昔走ったという「群馬にあるけど,群サイじゃない峠チックなサーキットはどこか?」とか,「RE-01Rは今のタイヤで言うとどれくらいのグリップか?」とか,「2006年で44秒台はどれくらい速いのか?」とか,昔話が尽きず盛り上がりましたが19時頃に店内が混雑してきたので解散しました.

カメラとタープを準備してくれたこもりん.さん,有難う御座いました.
当日お会いした皆様,暑い中お疲れ様でした!

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