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2025年05月02日 イイね!

Heritage Collection ~GT-R SUPER GT仕様編~

Heritage Collection ~GT-R SUPER GT仕様編~「日産ヘリテージコレクション」見学のラスト.GT500仕様のスカイラインGT-RフェアレディZと来て,再びGT-Rに戻ります.

こちらも同様に詳しく観たいところなのですが,タイトル画像の車両達は一番近い位置に置かれた2008年仕様以外は仮置き(展示準備中?)といった感じで,車両の概要を示すプレートもなく,詳細が分かりませんでした.また,2010年代の車両は形状が複雑過ぎて素人には識別も難しいため,今回はサクサク進めようと思います.

まずは,2008年の「XANAVI NISMO GT-R」.



GT-R復帰初年度のモデルですが,正面から観るとボンネットが本当に低く,ヘッドライトの外側も少し盛り上がった形状をしているのが分かります(↓).



ミラーも空力を意識しつつ比較的前後方向に大きな形状(↓).



リアフェンダー周りも比較的シンプルな印象を受けました(↓).




お次は,別の場所に置かれていた2013年の「NISMO MOTUL AUTECH GT-R」.



先程の最初期のGT-Rから5年が経過しているのですが,正面から観るとそれほど違いはない・・・かと思ったのですが,実はボンネット中央部の膨らみがなくなっているとの事(↓).

【2008年仕様】


【2013年仕様】


2008年仕様で膨らんでいたのは,エンジンのエアボックスが巨大でエンジンルームの中に収め切られなかったためだそうで(↓).



翌2009年仕様で何とか収めて,ボンネット中央部の盛り上がりがなくなったそうです.
フロントのフェンダー周りは空力の進歩によって,さすがに複雑度が増しており(↓),



ミラーもより前後方向に大型化した印象(↓).



リアフェンダーも細かな工夫が見て取れます(↓).



リアウインドウ周辺は,ここまで観て来たGT-RやZと比べると大幅にシンプルですね(↓).



フロントはR35なので独特ですが,リア周りはここまで観て来た歴代のスカイラインGT-RとフェアレディZを混ぜたような感じ(↓).



リアタイヤ後方に大きな開口部があるのは歴代と変わりませんが,フェンスが貼ってあるのはこれが初なような?(↓)



また,トランク上部のこの黒い部分(↓)はスリットでした.



なお,レーシングカーで時折見るパイプ(?)もありました(↓).




再び場所を戻って,次は恐らく2015年仕様の「MOTUL AUTECH GT-R」.



DTMとのレギュレーション統合を推し進めた年代なので,共通部品の導入等でアチコチ微妙に異なっています.



フロントフェンダー周りを先述の2008年仕様と見比べると,これだけ違います(↓).



これは,空力の可能開発エリアというのが定められたためでしょうね(↓).


(HONDA:ダウンフォースにこだわった空力開発 SUPER GT 2014年〜2019年より)

ミラーも凄くシンプルですね(↓).



リアフェンダー周りにギザギザが付いており,近代のエアロだなぁ~という感じです(↓).






最後は,こちらも恐らくですが2018年仕様の「CALSONIC IMPUL GT-R」.



フロントウインドウの全面に黒いフィルムが貼られているので,もしかしたらショーカー(モックアップ)かもしれません.ちなみにその奥に置かれているのは,同じ2018年仕様の「MOTUL AUTECH GT-R」に見えますが,こちらはウインドウにフィルムが貼られていないので本物のようですね.


以上,Heritage CollectionのGT-R SUPER GT仕様編でした.

まだこれ以外にも多数のクルマを写真に収めたのですが,キリがないので今回のシリーズとしてはここで終わりにします.とにかく「日産ヘリテージコレクション」は展示の台数が多く,時間制限こそありますが見学の満足度としては非常に高いです.市販車/レーシングカーを問わず,日産車に興味のある方は,何とか予約を成功させて1度訪れてみては如何でしょうか.
Posted at 2025/05/01 18:57:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2025年05月01日 イイね!

Heritage Collection ~Z GT仕様編~

Heritage Collection ~Z GT仕様編~GT-Rの次はZという事で,JGTC/SUPER GTのGT500仕様のフェアレディZです.

観ていた時はGT-R多いなぁ~と思っていましたが,撮影した写真を見返してみると,Zも負けず劣らず結構な台数でした.日産のワークスと言えばGT-R or Zとなるので当たり前と言えば当たり前なのですが,こうなると相対的にシルビアが少なく感じ,非ワークスのプライベーターに愛されたクルマという事なのでしょうね.

最初は2004年仕様の「XANAVI NISMO Z」.当時のチャンピオンマシンですね.



販売が終了し,プロモーション意義を失ったGT-Rからバトンタッチされる形で作られたクルマですね.各種コンポーネントをGT-Rから引き継いでいるため,エンジンもV6のVQ30DETTとなっています.

ベースとなるZ33型は前後のオーバーハングを切り詰めたデザインとなっており,この点がGT-Rと比べると空力的に不利になるため,わざわざベース車にロングノーズバンパー(前方+180mm),ロングテールバンパー(後方+135mm),サイドフィニッシャー(サイド+25mm)を装着し,オーディオレスにした「TYPE E(↓)」という期間限定車を販売し,これをGT車両のベースとして申告したそうです.



ちなみに,「サイドフィニッシャー」とはリアフェンダー前のルーバー状の部品の事を指すそうなのですが,完全に横幅を稼ぐためだけに付けた後付けパーツなのだそうで,実物の中身はくり抜かれていないし,GT車両ではそもそもこのパーツが付いていないそうです(割り切ってますね・・・).また,リアの「ロングテールバンパー」は斜めに持ち上がった形をしていますが,これはGT車両で下にディフューザーを装着する事を想定して,ディフューザーの延長線上に切り上げたバンパーが繋がるようにして,実質的にディフューザーの長さを稼ぐ狙いがあったとの事です.今回の展示ではリア周りが全く見えず,この辺りを確認出来ないのが残念でした・・・.

なお,拡大させたオーバーハングに注目して観てみると,アンダーパネルの突き出し量が結構多いのが印象的でした(↓).




このお隣には,2006年仕様の「MOTUL AUTECH Z 」が展示されていたので(↓),



そことの対比で観てみると,レギュレーションの変更でオーバーハングの自由度が増したせいか,アンダーパネルの突き出し量はグッと減っているのは分かりましたが(↓),



それ以外の部分は目立った違いがなく(↓),



改良は外部ではなく,内部に対して重点的に行われたんだろうなぁ~と思いました.後で調べてみたところ,GT-Rと比べてダウンフォースは増えたが,実は全面投影面積がGT-Rより4%広いのだそうで,ルーフが高い分だけドラッグも大きく,これを補うためのエンジンパワーの向上に力を割いたそうです.


「GT-Rと比べるとZは変化代が少なくてツマらんなぁ~」なんて思いながら次に観たZは,2007年仕様の「XANAVI NISMO Z」.



こちらは先述のパワー不足を補うために,エンジンを4.5L V8のVK45DEに変更.ボディワークも観ただけで分かるくらい大きく変化していました.

アンダーパネルの突き出しも形状が異なりますし(↓),



カナードも割と高めの位置に変更(↓).



フロント・リア共にフェンダー後方が後ろへ伸びる近代のデザインに近い形となっています(↓).





後ろから観るとゴテゴテ感も凄く(↓),



素人には何がどうなっているのか分からん形状にまで進化しています(↓).



リアウインドウの上部には開口部があり(↓),



また何かの取り込み口か?と思ったのですが,これ透明な板で蓋をしているだけで実際は吸気口ではなく,排出口っぽいですね.

リアゲート部分にはお約束の取り込み口があり(↓),



後ろからみるとスリットが見えたので,ここから抜いているようです(↓).



ちなみに,ルーフにはベンチレーション用なのか? 薄いインレットがありました(↓).



GT500仕様としてはこの2007年モデルが最後で,翌年から再びGT-R(R35型)に戻って行きます.


最後にGT300仕様のZも.



こちらは2010年のチャンピオンカーである「HASEMI SPORT TOMICA Z」.最初観た時は「(3年後なので)GT500仕様をデチューンしてGT300用にしたのかな?」と思いましたが,こちらはGT500仕様をベースとしたものではなく,2002年のALMS(American Le Mans Series) GTクラス(GT3みたいなもの)向けに開発した車両をGT300クラス向けに転用したものなのだそうで,全く独自の進化を果たした別のZなのだそうです(ベースが北米向けなので左ハンドルとなっている).

そうしてみると,フロント周りはGT500仕様と比べて随分と大人しい感じもしますが(↓),





フロントフェンダーは年代相応に派手な形状だなぁ~と思ったら(↓),



こちらはクルマを受領後に,チーム(ハセミモータースポーツ)側で独自に改良したものなのだそうです.
リアフェンダーも同じような佇まいですが(↓),



先程のGT500仕様ほどの過激さはないですね.
ミラーに追加ステーを付けて補強しているのはカスタマーレーシングっぽいですし(↓),



GT500仕様だとフロントフェンダー直後から飛び出ているマフラーも,このGT300仕様では,ドアの後ろまで引っ張る形(↓).



GT500とは異なり,ボディワークではなくウインドウ側にインレットがありますし(↓),



設計思想が異なるのが見て取れて面白かったです.あと,面白いと言えばウイングの固定部位(↓).



リアゲートではなく,フレームに直接付けているのは理解するのですが,このスリットの跡からすると,当初は内側の2つを使った幅の狭いステーだったのでしょうね.それが後に幅の広いステーに変わって穴が増えた様子が窺えます.こういう想像が掻き立てれる痕跡って面白いですね.

ちなみに,これは後日調べている時に知ったのですが,このクルマには「インナーホイールカバー」というものが付いているのだそうで(↓),


(AUTOSPORT No.1283より)

ホイールハウス内の整流が目的だそうなのですが,ブレーキダクトとの位置関係等,実車でどんな構造・クリアランスだったのか確認したかったなぁ~と後悔しました・・・.orz


以上,Heritage CollectionのZ GT仕様編でした.
Posted at 2025/04/30 21:06:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記

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「RE-71RZに関する妄想 http://cvw.jp/b/1684331/48796459/
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