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OX3832のブログ一覧

2025年11月28日 イイね!

RE-71RSの内圧考察

RE-71RSの内圧考察感触がかなり悪かったにも関わらず,ロガーデータから分析してみると意外とA052と差がないRE-71RSでしたが,先日のTC1000では,内圧のテストもしたのでそちらの結果も纏めておきます.

今回は以下の3段階でテストしました(↓).

  ①A052と同じ内圧設定
  ②上記①から10kPa下げ
  ③上記②から更に10kPa下げ(トータル20kPa下げ)

まず基準となる①ですが,新品のデータだと②・③と比較するのは不正確なので,新品効果の終わった1本目終盤のタイムをサンプルにしようと思うのですが,ついでなのでRE-71RSの新品効果がどこで出るのか?をチェック.



赤が新品時,青がそれから10周(アタックラップとしては2周)した後のデータ.総じてアクセルを開けてこれから加速させようとしたタイミングで,クルマが前に進んでいないですね.斜めのグリップが更に落ちたような感じ.公式でのタイム差としては,

  新品(赤)    ・・・ 41.645
  ユーズド(青) ・・・ 42.013 (+0.368)

となっていましたが,ロガーデータ上ではコーナー1個当たり0.13秒遅くなっているので,それが4箇所でトータル0.42秒落ち.公式との0.05秒差はドライバーがタイヤの特性に慣れた事で,進入のブレーキングで削り取った分といった感じですかね.


基準データが出来たところで,まずは10kPa下げ(②)と比較.



公式でのタイム差は,

  基準(赤)     ・・・ 42.013
  10kPa下げ(青) ・・・ 41.981 (-0.032)

0.03秒差なんで違いはないかなぁ~と思いましたが,ロガーデータを見ると各コーナーのボトムが若干引き上げられているので,これのチリツモが0.03秒差を生んだようですね.


続けて,20kPa下げ(③).



こちらも同じく公式のタイム差としては,

  10kPa下げ(赤) ・・・ 41.981
  20kPa下げ(青) ・・・ 41.990 (+0.009)

0.01秒以下の差なので,もはや計測誤差レベルですね.ただ,こちらはドライビングを少し変えていて(↓),



RE-71RSの斜めのグリップの低さを補うために,進入を抑え気味にして立ち上がりでタイムを稼ぐ走らせ方をしてみたのですが,タイム的には進入のロス分と立ち上がりのゲイン分が相殺されて±ゼロといった感じ.このタイヤでタイムを引き出す方法がやっぱり見つからないですね・・・.ただ,内圧を20kPa下げてもタイヤにヨレる感じはなく,データを見てもしっかりと加速出来ているので,この辺りはA052とは違うな~と感じます(やっぱり剛性は高い).


ここまでの結果を纏めると,

  ・A052よりは内圧が低めの方が好み(=剛性が落ちてA052に近い感触が得られる)
  ・10kPa下げると違いは出るが,10kPa⇔20kPa間はあまり変化なし
  ・但し,20kPa下げてもタイヤはヨレていないので,もっと下げると違いが出るかも?

といった感じでしょうか.ちなみにこれらのデータを見ている過程で1つ気づいたのですが,20kPa下げた時のデータ(青)とA052の新品時(赤)のデータを比較してみると(↓),



例の大舵で曲がらないポイントがほぼ同じ波形になっているんですよね・・・.RE-71RSの新品時はA052を4km/hも上回っていたボトムが同等レベルにまで落ちているので,内圧を20kPa下げると剛性がそこまで落ちるという事なのか・・・?と思ってしまいました.

しかし,上のデータを改めてよく見てみると,どうやらボトムが高かったのは新品時のみで,1本目の終盤時点で既にボトムは落ちていた様子.となると,この高いボトムはタイヤの摩耗状況と関係がありそうだなぁ~と思い,タイヤのカス取りをしながら摩耗状況をチェックしてみると(↓),



左側のOUTサイドはキレイに摩耗しており(↓),問題なし.



センター部分は(↓),左側の端が削られてかなり状態が悪いです.



摩耗して擦り減ったというよりは「強引にむしり取られた」といった感じで,ブロック飛びに近い事が起きていそうです.
残るIN側の部分は,グレイニングが出ています(↓).



「グレイニング」とは,タイヤの表面がささくれたように凸凹している状態の事で,これが起きるとタイヤの接地面積が減ってグリップしなくなります.この「グレイニング」はタイヤの表面温度が充分に上がっていない状態で酷使すると起きる現象なので,つまるところ,左フロントのIN側は温度が上がり切っていなかったという事を示しています.

TC1000は右周りのコースですから,クルマがロールするとタイヤの負荷はこんな感じになり(↓),



左フロントのOUT部分はロールして接地するので温度が上がり易く,反対にIN側はロールすると浮いてしまうため,冷やされて温度がなかなか上がらなくなります.これが今回のタイヤ表面に顕著に表れているという事でしょう.

ここまでの観察結果を模式化すると,こんな感じ(↓).



この図から,新品でタイムが出るヒントは左側から2番目のブロック(「酷使」している部分)にありそうですね・・・.タイヤを斜めに使おうとすると,このセンター部分が摩耗するのはよく知られている事ですが,同じセンターでもその隣のブロックは逆に温度が上がっていない(=使えていない)事から,本来はセンター2本で支えるところを1本で支えているから,酷使されて千切れ飛んでいる可能性は有り得そうです.

こうなった原因はキャンバー角のセッティングが合っていない事に起因しているのだと思いますが,RE-71RS特有のラウンド形状(↓)がそれを助長しているせいでもあるので,やっぱり厄介だなぁ~と思いました(IN側がラウンドしているため,浮き易い).




今回,内圧の20kPa下げをテストした目的は,接地していない部分(タイヤの温度が上がらない部分)を無理やり接地さえるためだったのですが,タイヤ表面の状態を見る限り,あまり効果を発揮していなさそうですね.イメージ的には下図の「真ん中で接地」を「全体で接地」にする事を狙ったのですが(↓),



走行後のタイヤカスが「酷使」のブロックに集中している事から(↓),



内圧が低過ぎて上図の「両端で接地」になっているのかもしれません.真ん中が浮いているためカスがそこに集まり,窪んでいるため路面と接する事もなく,剥がれない~とか? ただ,そうなると右側のタイヤにも,センター部分にカスが集まっている気もするのですが,こちらは付いておらず(↓).



左側では酷使されたOUT寄りのセンター部分は,若干削り取られ気味ではありますが,左側に比べればまだマシな感じでした.


ついでなのでその左右部分も見てみると,IN側は接地する部分なので普通な感じ(↓).



一方,OUT側は接地しない(温度が上がらない)方向なので,グレイニングが出ていました(↓).




左右で状態が違う事から,内圧が低くて凹形状になったのではなく,バックリング(↓)が起きて,コーナリング中にセンター部分が接地していなかったのか?とも思いました.



RE-71RSはバックリングに強いタイヤだと思いますが,それはあくまで規定の内圧で走った場合でしょうから,やはり20kPa下げはやり過ぎだったのかもしれません.


以上,RE-71RSの内圧考察でした.

タイヤ表面の観察結果を踏まえて結論を微調整すると,内圧は「A052比で10kPa下げが適正」といった感じですかね.この状態で走った後,左フロントのカスの付き具合を見て,付くようだったら上げ,付いてないようだったら下げといった感じで再テストしてみようと思います.

ただ,仮に内圧を適正値に合わせられたとしても,RE-71RSの斜めのグリップ不足は歴然とした事実なので,そこはどうしようかなー?という感じです.3本目でドライビングを変更した際のデータを見ると(↓),



1コーナーのターンインでA052(赤)と同じようなラインで進入したとしても(右側の緑丸),2コーナーの出口ではRE-71RS(青)の方が膨らんでしまっているので(左側の緑丸),このアンダーステアはドライビングで何とか出来る余地はあまりないかなぁ~という気もします.



拳1個分ステアリングを多めに切れば,A052と同等の旋回速度を出せた結果を踏まえると,もうちょっとトー角を閉じれば誤魔化せるかなぁ~?とも思いますが,RE-71RZを前にそこまでやる必要があるのか?という気もしますね.RE-71RZのトレッド画像が出れば,今回のテスト結果を踏まえてアレコレ妄想も出来るので,明日から12月ですし,少し静観といったところでしょうか.

Posted at 2025/11/30 22:20:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年11月27日 イイね!

A052 vs RE-71RS

A052 vs RE-71RS先日のTC1000でコーナー1個でダメだと思ったRE-71RSですが,人間の感覚なんて怪しいモノなので,いつもの通りロガーデータで検証してみようと思います.

過去のA052のデータを引っぱり出して比較するのですが,残念ながらここのところの自己ベスト更新に繋がっているアップデートを行った後のデータがないため,その点を考慮して見る必要がありますが,まぁ,そんなの関係ないくらい明確に差が出るんじゃないかと思います(それくらい体感で違ったので).

まずはサンプルデータ.

【A052(41.747)】


【RE-71RS(41.645)】


今回はどちらも新品時の計測1のデータとなります(A052は今年5月のデータ).A052の方が0.1秒遅い形となっていますが,これはコンディションの差でしょう(↓).

  A052    ・・・ 気圧:1002.3hPa  気温:18.1℃  湿度:90%  路面温度:22.6℃
  RE-71RS ・・・ 気圧:1013.7hPa  気温:17.7℃  湿度:69%  路面温度:23.1℃

RE-71RSの方が気圧が10hPa高く,10hPa差というと大体0.16秒くらいの差に相当するので(↓),



この点を考慮するとほぼ同タイムかな~と思います(アレ?).


続けてロガーデータ(青:A052 赤:RE-71RS).



ア,アレッ? ほとんど同じですね・・・.もうちょっと明確に差が出るかと思ったのですが,かなり近い波形です.違う点をピックアップしてみると(↓),



ホームストレートエンド(左の緑丸)ではRE-71RS(赤)の方が1.7km/h車速が高いのですが,そこまでの車速推移を見た感じ大きな違いはないので,これは気圧差の影響でしょう.続く1コーナーのブレーキング(真ん中の緑丸)はRE-71RS(赤)の方が早めにブレーキを緩めていますが,コレは進入を若干抑えたので,早めにリリースしてボトムを上げようという意識が働いたからかと.そこから先,体感で最も差を感じた2コーナーの旋回速度は,ア,アレッ? 完全に互角ですね・・・.

えっ!? コレってどういう事? 全然体感と違うじゃん!と思い,ライン取りをチェックしてみると(↓),



RE-71RS(赤)の方がほんの少しなんですが外側に膨らんでいます.やはり2コーナーでアンダーステアであった事は事実のようなのですが,気になるのがその手前の1コーナーのターンイン.よく見ると若干RE-71RS(赤)の方が切込みが早いんですよねぇ(早くIN側に寄っている).このライン取りのせいで2コーナーでは外側に膨らんでしまった風にも見る事が出来ます.


ならば,なぜ1コーナーの切込みが早かったのか?と考えてみると,1つは先述の「ブレーキング」.あまり奥まで突っ込まなかったのでタイヤのグリップに余裕があり,早めに切込めた可能性が考えられます.ただ,ブレーキング開始直後のデータを見てみると(↓),



A052(青)と完全に同等レベルの減速量となっているんですよねぇ.つまり,(車速の絶対値は違いますが)同じようにブレーキングして,同じような制動力を発揮して,尚且つ RE-71RS(赤)の方が早く切り込めている・・・コレってRE-71RS(赤)の方がA052(青)よりもグリップが高いってコトにならないか?

いやいや,この切込みの速さはピロボールブッシュ(↓)の効果だよ,



・・・と思いたいのですが.真相は如何に? ちなみに2コーナーでの舵角をチェックしてみると(↓),

【A052】


【RE-71RS】


拳1個分くらいRE-71RSの方が切り込んでいるので,アンダーステアな事は間違いない.ただ,仮にアンダーステアが出ているのだとしても,タイヤのグリップを使って強引に曲げれば同等の旋回速度が出せるのであれば,それはそれでアリなのでは? ふ~む・・・.


ロガーデータに話を戻して他の部分も見てみると(↓),



ヘアピン(左側の緑丸)はA052(青)の方がブレーキングに失敗しているので評価対象外.インフィールド(真ん中の緑丸)はRE-71RS(赤)の方が明確にボトムが落ちていますね.ここは斜めのグリップが一番必要なコーナーなので,やはりRE-71RS(赤)はここで明確に落ちるようです.ただ,その後の立ち上がりを見ると両者に大きな差は出ていないので,弱点である事は事実なんでしょうが,落ちるのは大分狭い領域のようですね.


そして,RE-71RS(赤)を投入した最大の理由である最終複合(↓).



おっと! ここではRE-71RS(赤)が明確に上回っています.約4km/hほどボトムスピードが高いですね.ライン取りを見ても(↓),



RE-71RS(赤)の方がIN側に来ており,よく曲がっているのが分かります.残念ながらボトムスピードが高かった分だけ最終コーナーから先でアンダーステアを出して,ゴールラインまでの車速が伸びていませんが,RE-71RS投入の目的である「大舵で曲げる」の対策としては成功だったようです.乗っている時は曲がっている感覚はなかったのですが,やはりここではA052の潰れが影響していた可能性が高いですね.RE-71RSのようにしっかりとタイヤが支えてくれれば,ちゃんとクルマは曲がるという事なんでしょう.



そう考えると,洗濯板を下りた後に起きていたバウンシングは,今まで左フロントのA052が潰れる事で姿勢が安定させていたのに対し,RE-71RSは潰れずに跳ね返すため,ユッサユッサとクルマが左右に振られたんですかね? この日の後半で内圧を下げた状態だと,このユッサユッサした動きは出なかったので,その辺りの影響もありそうです.


最後に,フリクションサークルでの比較です(青:A052 赤:RE-71RS).



ほぼほぼ同じですね.横のグリップ(左右)の限界は同等.加速(下)も凸凹はしていますがほぼ同等と見なして良いでしょう.減速(上)はA052(青)の方が若干突き抜けていますが,これは1コーナーのブレーキングでRE-71RS(赤)の方が手探りだったため.最も両者の差が出ているのは右上のインフィールド.やはりA052(青)の方が斜めのグリップは完全に上のようです.


以上,A052 vs RE-71RSの比較結果でした.纏めると,

  ・総合的なグリップ(≒斜めのグリップ)はやはりA052の方が上
  ・但し,タイヤを酷使すれば,RE-71RSでもA052と同等のタイムは出せる(@TC1000)

  ・そういう意味では,A052とは違った意味で無理の効くタイヤ
  ・A052は「限界超えてるので潰れますね.ほら,分かりますよね? そろそろ諦めて下さいね~」という感じ
  ・一方,RE-71RSは「限界超えてるけど耐えてやる.耐えてる間に早く諦めろ!」という感じ
  ・どちらも無理して耐えてくれる事に変わりはないけど,シグナルの発し方(言い方)が違う
  ・タイヤと会話しながら走らせると,多分RE-71RSの方が遅くなる(ドライバーが引くので)
  ・タイヤの言う事を無視して走れば,多分同じタイムを出せる(その分だけタイヤは摩耗するが)

  ・なお,縦のグリップ,横のグリップ単体の絶対値は両者で変わらない
  ・違いがあるのは,A052だとタイヤが潰れてしまう領域(=高荷重)
  ・RE-71RSだと潰れずに耐えてくれるので,その分だけ次の操作に対する反応が早い
  ・A052だと潰れた分を元に戻している間は待たないといけないので,反応を鈍く感じる
  ・但し,反応が鈍い=グリップしてない,ではないので話がややこしい(A052の方が斜めのグリップが高いので)

  ・ドライバーの操作に対して反応が良い分だけRE-71RSは楽(=素直)
  ・「基本の操作に忠実なのはRE-71RS」という評価も納得出来る
  ・それと比べるとA052は癖が強い
  ・恐らくA052は,反応の鈍さを見越してもっと先読みして走らせれば更に上がある気がするのだが・・・
  ・そんな先読みは私には無理なので(笑),A052の反応=剛性を上げる方法を考えたい
  ・多分,同じホイールのリム幅だとA052とRE-71RSは互角
  ・という事は,A052をもっとリム幅の大きいホイールに履かせて剛性を上げてやれば・・・


やはり人間の感覚なんてアテになりませんね.あれだけ曲がらないと思っていたのに,旋回速度が互角なんてショックです(笑).その一方で感覚通りの部分もあったりするので,やっぱり検証は大事ですね.

噂通り,どうやらA052とRE-71RSは互角っぽいですが,それはあくまで100%限界で走った時の話.RE-71RSは相当無理をしないとタイムが出ないので精神的にはかなり辛いです(クルマ・タイヤが悲鳴を上げているのを無視しないといけないので).個人的な好みとしては,そこまでの負担感のないA052の方が,やっぱりいいなぁ~と思いました.
Posted at 2025/11/28 20:50:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年11月26日 イイね!

"ナナイチ"最終章だそうですが

"ナナイチ"最終章だそうですが11/25にBSが「"ナナイチ"最終章」と銘打ったティザームービーを公開しました.

"最終章"というくらいなので"終わり"を意味しているんだと思いますが,これはRE-71RSの"終売"を意味するのか? RE-71Rシリーズの"最終形(Z)"を意味するのか?とっても気になるムービーですね(笑).最後に「Dec. 2025」と出たので,あと1週間 or 1ヵ月後に何らかの発表がありそうなので,期待して待ちたいところです.

ムービーの構成からも"ストリート"を訴えている事は明らかなので,次期RE-71RZも所謂ところのPN規定を満足したタイヤで出て来そうで,そちらの面では安心材料が1つ増えました.


さて,そんな"終わり"の匂わせが始まったRE-71RSですが,こちらは今から"始まり"です(笑).
フロントタイヤをA052→RE-71RSへとスイッチしてTC1000へ行って来ました.



プロから指摘頂いた「大舵で曲がらない」の原因を考察した結果,原因はタイヤにあるのでは?という仮説に辿り着いたので,それを検証するためにA052→RE-71RSへスイッチしてみました.



サイズは従来通り「205/50R15」.事前の予想では,フィーリングとしては改善方向に行くが,タイムとしては悪化する・・・と読んだのですが,さてどうなりますか?



今回はA052と比較するために,同じリム幅:7.5インチのホイールに組んだのですが,ショルダー部分がほぼ垂直に立っており剛性は高そう.逆に言うと,A052よりも引っ張られているという事なので,そういう意味ではRE-71RSの方が実際の接地面積は狭いのかもしれません.剛性の向上分が接地面積の減少分を補えるか?がポイントとなってきそうです.


さて,当日のファミ走は午後枠だったので,9時半まで家で仕事をした後に出発.平日なので当然首都高は混雑している訳なのですが,江北JCTが経験した事ない程の混みっぷりで参りました.ここで渋滞にハマると橋の上なせいか路面が揺れるので気持ち悪いんですよね・・・.そんな気持ち悪さに耐えつつ何とか12時前に筑波サーキットに辿り着くと,午前中は走行会なのでパドックはいっぱい.奥まで進んでクルマを止めると,見慣れないスイフトが止まっていました.



クルマから人間をやめたようなオーラがヒシヒシと伝わってきたので,おっかなびっくり遠くから「RE-71RSの内圧ってどうすると良いですか・・・?」と小声で聞いてみたところ,「上げた方が良いよ」「エアボリュームが大事だよ」と丁寧なアドバイスが返ってきました.どうやらドライバーの方は人間をやめていなかったようで安心しました.


そんなやりとりの後,早速1本目(P2枠:13:20~).



平日の午後だというのに結構な台数です.あんまり見た事ないクルマが多いのでイヤ~な予感がしつつも前後のスペースを探ります.路面温度は23℃を超えていたのでリアタイヤのウォームアップは必要なさそうですが,新品タイヤなので1周皮むきに使った後に計測1へ.



結局この計測1が当日のベストラップ(41.645)となった訳なのですが,すみません,コーナー1個で思っちゃいました.

「このタイヤ,喰わねぇ!」

初めて使うタイヤの,初めてのコーナーなので,当然ほんの少しだけマージンをとってアタックしている訳なのですが,マージンがあるにも関わらず,明らかにクルマが曲がってない.特に酷いのが2コーナーで(↓),



クリップにつけないどころか,あまりにも曲がらなさ過ぎてステアリングが戻せませんでした・・・.
これを感じた瞬間,「あ,ダメだ.このタイヤ」ともうここで思っちゃいましたが,勿論以降もアタックは継続.



ヘアピンは予想よりもフロントの反応が早かったので,「おっ!? 荷重を掛けるとイイ感じになるのかな??」と思いましたが,続くインフィールドでステアリングとブレーキをオーバーラップさせると,



「止まらないし,曲がらないー!」 捩じられる操作に強いんじゃなかったのかよ~と思いましたが,曲がらないもんは曲がらない.



一番困ったのは洗濯板を下りた後で,クルマがユッサユッサと左右に振られて姿勢が安定しない.「足回りは一切変更していないのに,なんだこの揺れは?」と思いながら立ち上がり,結果は41.6秒.タイムボードを見た瞬間,

「そりゃ,そうだろうね」

と納得のタイムでした(泣).確かに気温は17℃と先週のTC2000に比べれば汗ばむくらい暑いので,まぁ,良くて41.3秒くらいだろうとは思っていましたが,その予想を下回る納得の遅さでした.


勿論,タイヤの特性を全く掴めていない状態でのタイムなので,以降もこのタイヤの良い部分を引き出そうと色々探ってみたのですが,



1コーナーの縁石にリアタイヤを乗せたらスピン挙動が出るし(こんなの初めて),何だか前後のロールバランスがおかしい.さっきのユサユサもこれが原因じゃないか?と思いながら計測2,計測3とアタックしてみますが,いずれも42秒フラット止まり.どうやら新品の一撃で41.6秒.平均のタイムとしては42.0秒といったところのようです.A052の新品効果は0.2秒くらいなので,それと比べればRE-71RSは0.4秒と差が大きいですが,絶対値が低いのであまり嬉しさはないですね.ただ,その一方で20分枠の終盤になっても42秒フラットを叩き出せる辺り,タレないタイヤ(連続周回に強い)とは言えそうです.


続く2本目(P5枠:14:20~).新品効果も終わり,タイヤが落ち着いたところで,この状態で冷やして確認したいなぁ~と早々にアタックに入ろうとしたのですが,



最終のアタックラインから全開で立ち上がると,ピットからクルマが出てくる・・・というパターンを2回連続でやられて萎えてしまいまいた.その後もアタックになかなか入れず,結局計測1は5周目.結果も 42.210 とさっきより遅い.「う~ん・・・全然喰わないなぁ~」「このタイヤ,なんだかA052がオーバーヒートした時のような感触なんだよなぁ~」と思い・・・,

Σ( ゚д゚) ハッ!!

「もしかして,内圧が高過ぎ!?」と思い,急ぎパドックへ.



パドックの一番奥なので遠かったですが,エアゲージを掴み取って内圧を10kPa下げた後,再びコースイン.
これでどうだー!?とアタックしてみると,



2コーナーのアンダーステアがちょっと和らぎました.タイムも 41.981 と42秒を切れたので,どうやらこっちの方向のようです.「あとは何だろうなー?」と考えて,BSは斜めに使うのはダメだから,縦と横を分けてみるか!と1コーナーのアプローチを変更.



通常だと白いラインのように1コーナーのエイペックスに向けて徐々に寄せていくのですが,そうではなく,真っ直ぐ止めて,一気にガバッとステアリングを右に切る赤いラインを試してみました.



感触としては悪くありませんでしたが,やっぱり2コーナーのアンダーステアが消えず,タイムも 42.001 と微妙に落ちました.


本日最後の3本目(P8枠:15:20~).

ここまで良いトコなしなので,何か策がないか?と頭を捻っていたところ,先程のスイフトの方が「RE-71RSは潰した方が良いよ~」とアドバイスをくれたので,それをトライ.



先程は,縦と横を分けるために早めにブレーキングを終えて,その後ステアリングを切る操作をしていた(ブレーキとステアリングの操作を分離した)のですが,今度は逆に1コーナーのエイペックスまでブレーキを残し,その状態でステアリングを切り続ける方法をトライしてみました.感触的には「こっちの方が曲が・・・る!?」といった感じで悪くはなかったのですが,タイムは 42.038 とイマイチ伸びず.

「ダメだな,こりゃ.何をやっても変わらん」とドライビングで修正する手立てを失ったので,残る手段は~とピットへ飛び込み,



フロントの内圧を更に10kPa下げ.せめてこれでどっちの方向か見極める材料を得てから帰ろうと試してみた結果,



41.990 でセッションベスト.やっぱり下げた方が良いのかなぁ~?と思いながら走行を終えてタイヤを外してみると,



うっわ,酷いグレイニング・・・.全然熱が入ってないじゃん.



FFのフロントタイヤなのに,センターライン付近に1周カスがこびり付いてるし,この部分が全く路面に接してないってコトだよなぁ~.そりゃ,喰わないよなぁ・・・と意気消沈しながら後片付けをしました.


この日はお昼ご飯抜きで走っていたので,近くで早々に晩御飯を取ろうと前々から気になっていた石下の「餃子の王様」へ("王将"ではなく"王様").



「エビ玉子炒飯」と「肉餃子」を頂きつつ,RE-71RSの感触を振り返ってみると,

  ・グリップはA052より明らかに劣る
  ・RE-71RSを"ラジアル"とするなら,A052が"Sタイヤ"と見なされるのも納得するくらいの差
  ・(要確認だが)恐らくSタイヤハンデを背負ってでもA052の方が速いと思えるくらいの差だった

  ・両者の一番の違いは荷重が低い時のグリップ(TC1000だと2コーナー).ここが明確にRE-71RSは劣る
  ・低荷重がダメなら,高荷重はRE-71RSの方が良いのか?というと微妙な差
  ・確かに,A052と比べるとRE-71RSの方が素直な動き
  ・A052のようなたわむ動きはなく,RE-71RSはしっかりと支えてくれている感触がある
  ・ただ,支えてくれている分だけクルマが前に進むか?(曲がるか?)というと微妙
  ・過大な荷重に対しては結局RE-71RSも曲がらないので,旋回速度に違いはないのでは?(後日確認)

  ・ちなみに,「RE-71RSは攻め込むと途中で裏切る」と聞いたが,そんな印象は受けなかった
  ・「ここら辺が限界ですよ~」と教えてくれるし,限界を超えてもそれなりに持ちこたえてくれる
  ・強いて言えば,限界を超えても曲がるのがA052,限界を超えたら真っ直ぐ行くのがRE-71RSといった感じ

  ・横のYH,縦のBSというのが個人的なイメージだが,RE-71RSは特別縦が強い印象はなかった
  ・ブレーキング時の制動距離も,A052と変わらないのでは?(後日確認)
  ・加速も両者に違いがあるようには感じなかった

現時点では,上記は全て私の感覚論なので,事実と異なる部分が多々あるかもしれません.
後程ロガーデータを分析して裏取りしてみたいと思います.


以上,"ナナイチ最終章"と言われて期待が膨らむかと思いきや,こちらはまだまだ"ナナイチ序章"な感じのテスト結果でした.

ちなみに,筑波からの帰り道,「RE-71RSの感触って何かに似ている気がするんだよなー」と考えながら走っていたのですが,守谷SAの辺りまで来てようやく思い当たりました.



そうだ,CR-Sだ! RE-71RSはCR-Sのv2と同じ感触だったんだ.A052とほぼ同等なんだけど,ちょっとだけ足りない感じがCR-Sにそっくり.一部の界隈ではCR-Sの事を「ジェネリック052」とか呼んでましたが,これからは「ジェネリックRS」と呼ぶべきですね(笑).
2025年11月21日 イイね!

何が自己ベストに繋がったのか?

何が自己ベストに繋がったのか?9年間プロの高い壁を乗り越えられず苦しんできましたが,先日のTC2000でようやく上回る事が出来ました.

さすがに9年前ともなるとクルマの仕様が違い過ぎるので,当時のプロの走りと比較するのではなく,これまでの自己ベストであった2024年2月と比較する形でタイム短縮に繋がった要因を分析してみたいと思います.

いつもの通り,まずはサンプルデータから.

【前回(1'07.454)】


 Sec1:27.606  Sec2:27.719  Sec3:12.129  最高速:154.928km/h

【今回(1'07.164)】


 Sec1:27.642  Sec2:27.724  Sec3:11.798  最高速:153.409km/h

おっと! これだけ見ると今回の削り取った0.29秒は全てSec3だったようですね.その一方で,最高速は今回の方が下回っているため,コンディション的にはあまり差がなかったのかな?と確認してみると,

  前回 ・・・ 気圧:1025.2hPa  気温:12.4℃  路面温度:21.9℃
  今回 ・・・ 気圧:1023.5hPa  気温: 6.7℃  路面温度:10.4℃

気圧はほぼ同等ですが,気温が6℃低く,路面温度に至っては10℃以上も低いですね.気温差からパワー的には今回の方が有利ですし,路面温度の差からタイヤのタレの面でも有利と言えるでしょう.加えて今回の方は路面改修分のゲインもありますからSec1・Sec2でも違いが出そうな気もしますが,セクタータイムには表れていませんね.路面のメリットをタイヤのデメリット(摩耗)が打消した形となったのでしょうか・・・?


では,いつもの通りロガーデータで細かく見ていきます(青:前回 赤:今回).

ホームストレートエンド



今回(赤)の方が1.6km/h低くなっています.アレッ? またアタック前の助走をミスったか??と思い,車載を見返してみると(↓),



あ~,前のGR86がスローダウンしたので,動きを確認するためにアクセルを開けるのを一瞬躊躇したんでした・・・.ほんのちょっとの躊躇なんですが,タイムアタックだとこういう部分が致命傷になりますね.これで1コーナーのブレーキングまでに0.1秒,今回(赤)の方が後れています.
(ちなみに,GR86の方は何も悪くないです.私がこういうシーンでビビリなだけ)


第1コーナー



ブレーキングを開始した時点で今回(赤)の方が車速が低いので,その差がボトムの地点まで続き,トータルで0.25秒の遅れとなりました.ブレーキングポイント,ライン取り,立ち上がりの加速は前回(青)と大差ないので,進入速度の差がそっくりそのまま出た感じとなっています.


第1ヘアピン



第1コーナーを立ち上がってS字までの区間は全く差が変わらず,完全に同等の走り.違いが出るのは第1ヘアピンの進入速度(左側の緑丸)となるのですが,この波形の形はロガーの計測エラーな気がしますね.この時の車載を見てみると(↓),



3速全開でもMAX:140km/hまでしかいかないところ,144km/hを記録していますし,フリクションサークルを見るとボールは下(=加速)方向に行ってますが,シフトインジケータが点灯していないので既にアクセルを戻してパーシャル領域に入っているはず.多分コレ,GPSロガー本体が揺さ振られて誤検知したんでしょうね.

第1ヘアピン手前のS字は,私は3速キープで進入するようにしているのですが,アクセル全開だと流石に届かない(レブに当たる)ので,アクセルを少し戻してレブに当てないようコントロールしています.このアクセルコントロールからブレーキへペダルを踏み替えるタイミングはS字の2個目(右)の縁石の上と決めているのですが,今回ここでブレーキングを開始すると車体が結構揺さぶられました.恐らく若干リアがロック気味だったのだと思われますが,この車体の揺れがGPSロガーを誤検知させたんじゃないでしょうか? 今回(赤)のピョコンとした伸び分は無視して良い気がします.


ブレーキングを開始した後,今回(赤)の方は60km/h地点で完全にブレーキをリリースし,旋回を始めていますが,これは新路面(↓)の効果かな?と思います.



今回,この新路面の攻略に割と悩まされたのですが,グリップが非常に高いので,今までと同じつもりで飛び込むと減速し過ぎる上に,立ち上がりの加速も鈍くなっている気がしました(クルマが内側に入ろうとするし,アクセル踏んでも外側に膨らまない).

そこでこの自己ベストを更新したラップ(赤)では,敢えてブレーキングで速度を殺し切らず,バンクにクルマを放り込むようなイメージでボトムを上げる事を意識して走りました.グリップが高かったので「それでも曲がれる」という確信があったのですが,このデータを見る限りどうやら正解だったようですね.



ボトム重視にしたせいで,今回(赤)の方が立ち上がりで膨らんでいますが,その後スムースに加速しているので,0.08秒後れまで差を縮める結果となっています.


ダンロップコーナー



今回(赤)の方が第1ヘアピンを良い形で抜けられたので,そのままグングン差を縮めたかったところなのですが,2→3速へのシフトアップするところで痛恨のシフトミス(泣).車体が右にロールした状態から左へ切返すため,ギヤが入りにくいポイントでもあるのですが,過去に何度もミスをしているので気をつけていたにも関わらず,ベストラップではキッチリレブまで引っ張る事に意識を割いてしまったため,シフト操作が雑になってしまいました.このミスで0.06秒失っているのでホント痛いミスです・・・.


80Rコーナー



今回(赤)の方がダンロップの進入でミスったせいで遅いかと思いきや,新路面のおかげでボトムを上げられたため,前回(青)との差をグングン縮めていき,第2ヘアピン進入までに逆転.0.02秒リードという形となりました.



ちなみに,80Rのちょうど3→4速へシフトアップする辺りにあったギャップは,再舗装後も健在のようで,軽くクルマが上下に跳ねる動きは変わらず出ていました.「再舗装で消えてくれると嬉しいなぁ~」と思っていたのですがダメでしたね(もしかしたら舗装ではなく,私のEF8の足回りのせいかもしれませんが).


第2ヘアピン



進入の速度はほぼ互角ですが,ボトムスピードは今回(赤)の方が低いです.この原因はライン取りの違いで(↓),



色々試した結果,第2ヘアピンの進入は外に振らず,80Rの出口から真っ直ぐ進入して,ダウンシフトを1個飛ばし(4→2速)で行い,クルッ!と向き変えるのが一番速い事が分かったので今回(赤)もそういう走らせ方をしました.


バックストレート



バックストレートの2速区間では前回(青)と同等の加速を示していたので,第2ヘアピンの攻略は間違っていないと思うのですが,そこから先の3速区間で今回(赤)の方が車速が伸びず,4速区間に入ると明確に遅れるようになりました・・・.今回(赤)の方がパワーが出るコンディションのはずなのに,昨年から苦しんでいるストレートスピード不足がまだ直っていないようですね(泣).これで再び0.15秒後れる結果となります.


最終コーナー



結局,自己ベスト更新に繋がった要因はやはりSec3=最終コーナーでした.このアタックの前に何回かトライした結果,ブレーキングのタイミングを遅らせようと必死になればなるほど,4→3速へのダウンシフトの操作が苦しくなって,ブレーキペダルを強く踏んでしまいました.なんとか緩いブレーキングが出来ないか?と足掻いてみたのですが,どうしても無理だったので,

「ならば,押してダメなら引いてみな,だ!」

・・・と,今度は逆に早めにブレーキングを開始して,さっさとヒール&トゥのダウンシフトを済ませてしまい,早いタイミングからアクセルを踏み始めてしまおう~という作戦に切替えたのですが,これがどうやら正解だったようです.



ステアリングを右に切り始める前に既にアクセルペダルに足が乗っている状態となり,そこからステアリング越しに伝わってくるフロントタイヤの感触に合わせてアクセル開度を微調整,出来るだけボトムを上げつつ,それでいてアクセルを踏み過ぎてアンダーステアを出して失速しないよう注意を払いつつ,ゴールラインまでコントロールし続けた結果,0.29秒速くなっていました.

つまるところ,プロを超えるために最後に足りなかったのは「Sec3を頑張る事」で,皮肉な事に,それは今まで拘ってきた「飛び込みのブレーキングを頑張る」ではなく,「立ち上がりのアクセル操作を頑張る」という全く逆の攻略方法でした.結果が出た後から見れば「な~んだ,そんな事だったんだ」と思えますが,この9年間色々トライし続けて,それこそ自己ベストを出す直前の周まで試して,それでもダメだったからこそ辿り着けた"正解"だったんじゃないかと思います.


以上,何が自己ベストに繋がったのか?の分析結果でした.

年に2回,周回にして年間80周程度しか走らないTC2000という事もあって,コース攻略に実に9年も掛かってしまいましたが,今回で自分なりの"答え"をようやく見出す事が出来ました.この状態で再びプロに乗って頂いたら,一体何秒を出されるのか? 9年前プロに言われた「6秒8までいける!」は本当なのか? 2026年は新たな目標設定をまたプロにして頂いて,更に上を目指していこうと思います.
2025年11月20日 イイね!

EF8 vs EF8 2025 最終戦 筑波

EF8 vs EF8 2025 最終戦 筑波 2025年も残すところ1ヵ月ちょっと.今シーズン最後のEF8の先輩への挑戦です.

前戦のTC1000では1.4秒という大差をつけられての敗戦となりましたが,その後,こちらも今年2回目のアップデートを行い,ナリモでは自己ベストを連発して非常に良い感触を得ました.この勢いに乗ってTC2000でも結果を残したいところです.


さて,当日はいきなり気温がグッと下がって1桁台.気圧も高く,前日も4輪のグリップ走行という事で路面も良さそうで,タイムアタックには絶好のコンディション.おまけに8時台の走行という事なので・・・,



到着した時点では真っ暗(苦笑).こうなるだろうと思って,諦めて家でタイヤを交換してきたので準備の時間に余裕はありますが,やっぱり6時集合はツラいッス(眠い).


(ライトで照らされて,ようやく先輩がいる事を認識した・・・笑)

その後,夜が明けて周囲が見え始めると,



AT使いのBB6と,あおいさんのFL5を発見.



EF8の先輩は,久方振りにおヒゲ(フロントカナード)を装着した状態.早速ハンデをいくつに設定するか交渉しに行ったら,

「TC2000は3年振りだからノーハンデ」

と言われてしまいました・・・.アレッ? そんなに前か?と思ってブログを見返してみたところ,EF8の先輩が前回走ったのは2022年の11月.ああ,確かにアメリカに行く前だ.ムムム,じゃあしゃあないかぁ~と思いつつ更に話を聞いたら,「3年振りだから1つ下のクラス(私より後の枠)で走る」との事.意図的に後手に回り,完全に手の内を見せないつもりのようです・・・.


そこからドラミの時間となりミーティングルームへ移動.今回のゲストドライバーは山田 英二(ラーマン山田)さんでした(↓).



いつものパターンだと,初心者向けの注意点や簡単なコース攻略の話となるのですが,今回の山田さんは先日観戦に行ったSUPER耐久(↓)の話や,



VIDEO OPTIONでやっている「ラーマン山田 ガチンコ対決」の話(↓),



等々,コース攻略というよりは考え方や心構えみたいな話が中心で非常に面白い(ためになる)お話でした.有難う御座います!(言葉の節々にGTのトップドライバーと戦わされる苦労が滲み出ていました・・・)


対決の良いお話が聞けたので,私も先輩との対決に勝つべく戦略を練って1本目(8:00~).

路面温度:8.9℃という状況なので,当然リアタイヤは冷え切ってます.一方,山田さんの先導走行は毎回ペースが速く,FFの冷えたリアタイヤでついていくのはそこそこ苦労するのですが,今回はなぜか前が詰まり気味.アレ?と思って前方を見ると勝手にウィービングを始めているクルマがチラホラ・・・.



そのせいで先導車から大幅に遅れているようです.いや,まぁ,一番上のクラスなんで別にいいですけど,コレ,"先導(プロドライバーが運転する先導車と同じラインを通る)"走行なんですけどねぇ・・・.やっぱりシーズンに入るといつもと違う動きをするドライバーが出てくるな~という事で,そういう人達とは距離を置きます.


リアタイヤを温めつつ前後の間隔を調整していると,そういえばTC2000は今年コース改修がされていたのでした.
1ヘア~2ヘアの手前までの区間が再舗装されたとの事で(↓),





この区間が滅茶苦茶グリップする! タイヤのスキール音が違うので多分目の粗さからして違いそうですね.路面がグリップし過ぎてクルマのロール角がおかしいし,フロントタイヤの負担も大きい(ゴリゴリ感がある).



このグリップを上手く使えばタイムが伸ばせそうですが,手応えからするとグリップが高過ぎてパワーを喰われているような・・・.案外タイムは伸びないかもしれないなぁ~と思ってリザルトを見たら,1'08.991 でした.


続く,先輩も様子見走行で 1'08.237.



  先輩 ・・・ 1'08.237
  私   ・・・ 1'08.991 (+0.754)

1本目終了時点で0.7秒ついてますが(先輩,3年振りとか関係ないじゃん!),お互いまだ余力は残しているので,勝負は2本目(本日ラスト)です.


という事で,2本目の先攻は私(9:00~).



1本目でリアタイヤに熱は入っていますが,40分間のインターバルで表面温度が15℃まで下がっていたので,念のため1周かけてウォームアップ.前後の間隔も十分だったので気合を入れてアタックしてみると,



1'07.743.私にしては珍しく早々に7秒台に突入しましたが,全開でアタックしてみると80Rで3→4速へシフトアップする際の車速の伸びが悪い(シフトインジケータが点かない).やはりパワーを喰われているのか?と思い,計測2で引っ張り気味にしてみるも 1'07.755 とタイムは伸びず.

「さて,どうするか・・・?」と考えていたら,前方を走っていた黒のFD2が2ヘアでスピン.コース内へ戻る動きをしていたので注意を払いつつ後方を確認すると,3秒台のFK8がアタック中の様子.「うわっ! タイミングが悪い.FD2を避けつつFK8に譲るとなると・・・」とウインカーでFK8に合図を送りつつ,スペースを探します.



でびっとさんなら,この周のアタックは諦めるかなぁ~?と思ってミラーに視線を送りつつ,FD2を躱すため2ヘアの立ち上がりからアクセルを全開にしたところ(FD2の前に早く出て避けようと思った),向こうも全開加速して抜いていったので,ならば!とFK8の後ろについてみましたが,やっぱりK20C速ぇー.倍近いパワー差なので当たりではあるのですが,やっぱパワーだよ!パワー!と思いたくなりました(苦笑).


そんなやりとりをした後,「タイヤもそろそろ終わるだろうし,どうするかなー?」と考えていたところ,後方から6秒台のEK9が接近.「よしっ,引っ張ってもらうかー」と後ろについてみた結果,



思っていたほどEK9から引き離されず,タイムも 1'07.648 と0.1秒削った程度でした.
(あとで聞いたら,EK9側もタイヤが終わっていた,との事)


ふ~む,これ以上削れるビジョンが浮かばない.若干1コーナーのブレーキングに詰め代が残っている気もしますが,ダンロップでの感触からするとフロントタイヤにそれほど余力は残っていない.イチかバチかでトライしてみても良いですが,ブレーキング時のジャダーがそれなりにあるのでちょっと信用出来ない.ならば,コースの攻め方は変えず,全開区間できっちりレブまで引っ張る事にするか!と腹を決めて,アタックした結果・・・,



1'07.164 と0.5秒削り取って,まさかまさかの自己ベスト更新!

9年前にプロに出されたタイムを,ようやく超える事が出来ました(長かった・・・).



タイヤもショルダーが完摩耗している状態なのに,これでよく自己ベストが出たな・・・と感慨もひとしお.今回でA052は最後となるのですが,本当に素晴らしいタイヤでした.今まで頑張ってくれて有難う.最後に良い思い出を残せました.( T ^ T )


そんな達成感に浸っていたところで,後攻の先輩がコースイン.
さすがにこのタイムなら先輩も届かないでしょ~とスタンドから高みの見物.

あおいさんのFL5(↓),



AT使いのBB6(↓)と来て,



おっ! 来た,来た,先輩のEF8(↓).



やっぱり一番やかましい(笑).ただ,開始から10分が経過した時点で,手元のストップウォッチでタイムを測ってみても,7秒台後半といった感じ(実際は 1'07.774 との事).これならば・・・,

「勝ったな」 (≖ᴗ≖ ) ニヤリッ

とスタンドから降り,コースに背を向けてせっせと後片付けを始めた・・・のですが,やはり最後の最後まで目を逸らしてはいけなかった.この直後,先輩は最後のアタックに試み,



バックストレートでFL5のトゥ(スリップストリーム)を使えるように,うま~く間隔を調整して 1'06.755 というタイムを叩き出してきました(先輩側も自己ベスト更新!).先輩のこの枠のセカンドベストは 1'07.238 だったので,このタイムまでだったら私は勝っていたはず.なのに,目を離した隙にここぞの一撃を決めて6秒台に入れてくるとは・・・.

||||||| _| ̄|○ ガーン ||||||||


という事で,最終戦の結果です.

  先輩 ・・・ 1'06.755
  私   ・・・ 1'07.164 (+0.409)

自己ベストを自己ベストで返され,最終戦も敗戦となりました・・・.これで2025年は3戦全敗.アップデートのおかげでスランプから脱せたかと思いましたが,まだまだドライバーの努力が足りていませんでした.精進します!


以上,EF8 vs EF8 2025 最終戦の模様でした.当日お会いした皆様,お疲れ様でした!
Posted at 2025/11/21 17:40:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | EF8 vs EF8 | 日記

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何シテル?   12/01 22:51
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