電子水準器を内蔵した一眼デジカメが増えています。
しかし、2008年発売の5DmkⅡには内蔵されていません。
そのためベルボンの電子水準器アクションレベルサウンドを使っていました。
【画像1】
ベルボンの電子水準器では電池切れを2度やらかしました。
電池切れがキッカケで、ベルボンの電子水準器から心が離れ始めると
・小さすぎてハンドリングが悪い。
・小さなパーツを行方不明にしやすい自分には向かない。
なので、大きめのチャック付ビニル袋に入れている。
・予備のボタン電池を忘れず持参するのが面倒。
・ボタン電池の種類がマイナーなのが残念。
・小さく黒いパーツは草地や夜間だと紛失しやすい。
・手袋が軍手だと電源スイッチを操作しづらい。
・デジタルゆえに設定状態を変えられる反面、
ひょっとしたら水平が狂っているかもと常に疑心暗鬼になる。
と短所をあげつらい、心離れを正当化する自分が居ました。
念のため言っておきますが、短所に目を潰ることが出来るなら
ベルボンの電子水準器は良い製品です。良い製品である証拠に
気に入らないものなら直ぐに捨てる私が、まだ捨てずにいますから。
ホットシューに取り付ける気泡式の水準器を探すと、小さなものしかなく、
強度近視と老眼とお友達な私には、気乗りがしません。
視力が悪いなら、
音と光で知らせるベルボンの電子水準器が最適なものの
心が離れてしまったので、後戻り不可能でした。
なので、水準器を自作すべく構想を練りました。
1.横構図・縦構図の両方で使えること。
2.脱着が容易であること。
3.自宅や車荷物室で紛失しにくい大きさであること。
4.ウェストポーチにレンズフードと水準器などを収納したとき、
支障のない大きさと形状であること。
5.野外で落としても見つけやすい色彩や光沢であること。
6.水平出しの精度が高いこと。
7.LED照明を併設できること。 ←初号機では没
約3ヶ月の熟慮と試行の結果、
L型ブラケットの空いた側の溝を利用することにしました。
Kirk製クイックリリースクランプにアルミアングルを取り付け
そこに気泡管式の水平器を載せたものになりました。
【画像2】 自作した水準器(初号機)
【画像3】横構図のとき 後ろから
【画像4】横構図のとき 前から
【画像5】縦構図のとき 後ろから

縦構図のときは、クイックリリースクランプのノブが自分の側に来ますが
実用上は問題無し。
【画像6】縦構図のとき 前から
【画像7】レリーズのコネクタ付近の状態

カメラボディにレリーズを装着するなら、
水準器を装着する前が正しいタイミングになります。そのため、
レリーズ脱着の作業性は、L型ブラケットの構造で決まります。
結論
いかにも高精度っぽく出来たことは間違いありません。
尚、現時点で水平の精度は未確認です。
また、おいおい。
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【主要パーツ】
・Kirk製クイックリリースクランプ1インチ(QRC-1)
・3ミリ厚のアルミアングル
・アカツキ製作所のアクリル製の水平器PTh-50(35x50x15mm)
・Kirk製六角穴付きボタンキャップインチネジ UNC1/4首下12ミリ
・6角穴付きのM3ネジ、首下長さ20のうち約1.5ミリを切除
【水平出しの分解能】
水平方向に微妙に動かしたときの分解能は
ベルボンの電子水準器より、気泡管25ミリの方がわずかに高いです。
ベルボンのデジタル水準器は、最も分解能が高い設定にしても
ヒステリシスが与えられているらしく、不感域が有ります。
【クイックリリースクランプ】
アルミアングルに当たる面が平ら(肉抜きが無いもの)で、
安価なものを選ぶと
kirk製クイックリリースクランプで最小のものになりました。
【水平出しが必要な方向】
私の撮影対象では左右の水平さえ分かれば充分なので、
左右に1個の気泡管が有れば良いことになります。
が、使い勝手を調べるため、
初号機では気泡管2個が直行した水平器を選びました。
本音を言うと、気泡管1個の偏平なタイプを買いたかったのですが
ネジ穴加工済みのもので丁度良いものが見あたりませんでした。
クイックリリースクランプとアルミアングルを1/4Wネジで締め付けるとき
ごくわずか必ず回転してしまい、前後方向の水平が狂います。
なので、構造を変えるか、組立方法を変えるか工夫しない限り
前後方向の気泡管の精度は微妙になります。
【気泡管の大きさ】
いかにも高精度に見えるよう、長い気泡管(25ミリ)に拘りました。
クイックリリースクランプの大きさとバランスを取るため、
水平器の形状は偏平で正方形に近いものを選びました。
実際に使ってみると、気泡管の感度が高いため(泡が動きやすいので)
自由雲台やパン棒式3D雲台では
微妙な位置合わせが難しいことが分かりました。
泡がセンター位置に有るかで悩まないためには、
市販の小さな気泡管のカメラ用水準器の方が、万人向けです。
【気泡管の泡は低温に弱い】
2/5(日)の午前9時過ぎの野辺山の気温はマイナス9度でした。
野辺山の電波望遠鏡の撮影に初号機を用いたところ、
脱落防止機構を設けてないので地面に落としてしまい
気泡管の泡が分離してしまいました。
冷えた状態で振っても、1個の泡に戻らないので
手で握って温めてからユックリ動かしたら、泡が1個に戻りました。
念のため常温で振ったり叩いてみると、泡は分離しにくく、
分離しても直ぐに1個の泡に戻ります。
【水平器の取付方法】
水平器に傷が付く前提で、ネジで脱着可能な水平器を選びました。
泡の位置を確認するとき、視線にM3ネジ頭が煩わしそうでしたが、
実際に使ってみると気になりませんでした。
【アルミアングルの黒染めの適否】
野外で地面に落としたときに紛失しにくいよう
アルミ表面の黒染めを行わないことにしました。
気泡管の泡の見やすさを検討したところ、
黒色より銀色の面に接した方が見やすいことが分かりました。
参考ながら、泡の向こうに筋があると泡位置の視認性を損ないます。
【1/4Wネジ】
クイックリリースクランプ1インチ(QRC-1)の中央には
1/4Wの雌ネジが切られています。
クイックリリースクランプとアルミアングルを結合するとき
頭が六角形のネジを使うと見た目と触感が悪かったので
頭が偏平な鍋型のものに付け替えました。
【参考URL】
スタジオjin 米国Kirk アカツキ製作所