第12回自美研ミーティング（Y31グロリア1）

次はY31グロリアセダンです。

1990年式UY31スーパーカスタムです。
後部屋根が開く特装車のブライダルセダンで、2010年代まで和歌山のタクシー会社で現役でした。

行灯は2001年まで横浜に存在した旧アンタタクシーのもので、都市部の事業者ながら末期までY30やY31前期型が現役でした。倒産後、第一交通に事業譲渡され、神奈川県初進出を果たしました。

ブライダルセダンはタクシー・ハイヤー用のため、通常は営業車に架装されますが、当車は自家用ディーゼル車がベースとなっています。

調べてみたらスーパーカスタムのディーゼル車にはハイヤーパックが設定されており、営業用途のハイグレードディーゼル需要に応えていたようです。

ホイールキャップは現役時代からブロアム用が装着されています。
中期型まではブロアム専用でしたが、後期型からクラシックSVにも採用されています。

当車は20年以上現役でY31前期型タクシーでは異例の長寿車となりましたが、特殊仕様で結婚式場等の予約が無いと稼働せず、LPG車でない為タンク検査や充填施設の心配が不要なこと、ディーゼル車規制対象外地域だったことが影響していると思われます。

グレードエンブレム隣には現役時代の交通安全ステッカーが残っています。

コーナーポールはグロリア専用デザインです。


左側フェンダーミラーは死角を減らすための非対称デザインのアンシンメトリーミラーが装着されています。

中期型で廃止されましたが、標準仕様のミラーが大型化され視認性が向上しています。

トランスミッションはフロア5速MTで、フロントセパレートシートの5人乗りです。
小型主体の地域では中型は6人乗りが多かったですが、自家用にコラムMTの設定は無く、AT車がタクシーでは一般的でない時代だったため、このような仕様となりました。

タクシーっぽくない雰囲気ですが、運転席付近にバキューム式自動ドアレバーが装備されていました。

営業車であれば全席パワーウインドウ装着車を除きドア開放表示がトリム一体ですが、自家用ベースなのでステッカーでの対応です。

後席は自家用の場合、左右3点式シートベルトですが、当車は営業車と同じ2点式が装備されています。

エンジンルームです。
搭載エンジンは直列6気筒2800ccディーゼルのRD28です。

営業車ではオリジナルのみでしたが、自家用では当初スーパーカスタムからブロアムまで幅広くラインナップされていました。

コーションプレートです。
車種記号末尾のVHがハイヤーパックを意味する記号で、営業用として販売された車両となります。

冨士大沼さんの1999年式QJY31スーパーカスタムです。
元東個協の個人タクシーでセパレートシート・コラムMT車です。

数年ぶりにお見かけしましたが、サイドターンランプがクリアレンズ化され、マッドガードが追加されています。

詳細はLPセダンミーティングで撮影していますのでそちらをご覧下さい。