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2023年01月08日 イイね!

うる星やつら

うる星やつら今うる星やつらのアニメがリメイク版が放映されています。







何故今うる星やつらなのかはよく解りませんが、三話まで観た感じではきっと賛否両論でしょう。








僕が中学生の頃に高橋留美子さんの漫画がアニメ化されましたが、原作ファンから「声優さんのイメージが違う!」とテレビ局にカミソリ入りの手紙が来たり「原作と違う‼︎」と苦情の電話が沢山来たそうです。

漫画原作のアニメ化の宿命です。

声優さんのイメージが様々な読者のイメージと合う筈がありませんし、絵が違うのは原作の漫画家さんが描いている訳ではないので仕方の無い事です。

しかし原作のファンは黙っていません。

実は僕は漫画原作ファンではなくアニメから「うる星やつら」に入っていたので声も絵柄も全く違和感ありませんでした。

最初は原作通りに作っていたアニメシリーズは途中からどんどん暴走し始め、何だかよく解らない不穏な話とかアニメーターが暴走して今で言う作画崩壊が始まります。

シリーズディレクターの押井守さんと作画スタッフの個性が溢れ出したからです。

キャラクターなんざ似せようとしてない暴走作画は魅力的でアニメーションのダイナミズムに満ちていましたし、訳の解らない不穏な話はどうやらゴダール監督やフェリーニ監督の影響であると知りました。

思春期の僕には当時の「うる星やつら」は予断を許さないアニメーションで魅力的な「映画」の記憶に満ちた作品でしたし、押井守監督はゴダール監督やフェリーニ監督を僕に教えてくれました。







そして劇場版第二作「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」に出会います。

1984年は宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」と河森正治監督の「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」と押井守監督の「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の三作品が劇場公開されました。







一つは今のジブリ作品の流れ、一つはメカと美少女とアイドル作品の流れ、一つは無限ループ作品の流れを作った金字塔的なアニメ作品達です。







ナウシカもマクロスも大好きですが、ビューティフル・ドリーマーの衝撃は大きなものでした。

友達と観に行ったのですが、エンドロールが流れ映画が終わり劇場のライトが点き他の観客の人達が帰っていってるのに立てず映画の感想も言えず「僕達は一体何を観たんだ?」と腰が抜けたような状態に陥っていたのです。

朦朧とする頭の中で一つだけ確信したのが「これが映画なんだ!」という事だけでした。

それからの押井守監督作品は全部観ていますし、押井監督から教えて貰ったゴダール作品やフェリーニ作品やタルコフスキー作品も難解ではありましたが、翻弄され悩まされ続けながらも観ていました。

フェリーニ監督やタルコフスキー監督は亡くなっていましたが、先日ゴダール監督もお亡くなりになりました。

そこで「ぴあ」のアプリ内で連載されている押井守監督の「あの映画のアレ、何だっけ?」という質問コーナーに

「ジャン=リュック・ゴダール監督が亡くなりました。僕は押井監督からゴダールを学び、ゴダールに翻弄され、ゴダールに悩まされました。ゴダールは映画になにを残したのでしょうか? また、押井さんのおススメのゴダール映画はなんですか? ちなみに僕は『アルファヴィル』が好きです」

と質問してみました。

すると

── 今回は、先日、亡くなったゴダールに関する質問が多数寄せられています。その中で押井さんが興味をもったのは、上記の方の質問です。
押井 この質問者、なかなかのものですよ。「ゴダールを観て、翻弄され悩まされた」って、ちゃんと真面目に受け止め考えていて、正しいゴダールとの接し方をしている。素晴らしいんじゃないの?
うちの(助監督の)金子(功)なんて、悩むなんてありえないから。昔、『尼僧ヨアンナ』(61)のLDを貸したことがあるんだよ。
── カヴァレロビッチのポーランド映画ですね。なぜまた?
押井 『アヴァロン』(01)をポーランドで撮るのに、金子が1本もポーランド映画を観たことがないというから貸してあげたの。次の日、なんて言ったと思う?「押井さん、オレを殺す気ですか? 退屈で死にそうでした」って。
── あれはエクソシスト映画だから、退屈はしないと思うんですが。
押井 だから、ネコに小判、ブタに真珠なんだよ。ポーランド映画にこれっぽっちも興味がないやつが、向こうに行って映画を撮ってるんだからさ。
そんな金子に比べれば、この質問者はちゃんとゴダールを受け止めようとしている。真面目だし、間違いなく映画に興味がある。
ゴダールを観て翻弄されるというのは、ちゃんと観ているだけじゃなく、質問者に中身があるということ。つまり、筋のいい映画ファンということですよ。それに「悩む」というのは、ある種の魅力を感じていることで、その正体が分からず悶えているわけでしょ?
やはりこの質問者は映画に興味がある。それもキャラクターや役者、ストーリーじゃなく、映画の本質に興味があるという証拠。ゴダールの映画に出会うことの値打ちというのは、翻弄されることなんですから。
── この質問者は、ゴダールと正しい出会い方をしたわけですね?
押井 そうです。極めて正しい出会い方をした。悩んだということは、そこで止めることなく、ちゃんと向き合ったということだから。いまだに引っかかっているということは、映画の本質に触れそうになっているということです。

── すみません、押井さん。“映画の本質”ってなんですか?
押井 ゴダールの映画に存在しているものです。なぜなら、彼は映画の本質をぬけぬけと自作の中に出しちゃったから。それを観た瞬間から、もう元には戻れないんです。私がそれに気づいたのは監督になってから。一介の映画ファンのときは気づかなった。だからこの質問者も、本気で映画の本質を知りたければ、監督になればいいんだけどさ。
要するに、ゴダールに関しては“体験する”という表現がふさわしいんだよ。この質問者はちゃんと体験している。だから翻弄されているんです。
── は、はあ。
押井 気づいたにもかかわらず、平然と知らなかった頃と同じような映画を撮っていられる監督は、見て見ぬふりをしているだけ。あるいは、本当に気づいていないのかもしれないけど。
私に言わせれば、ゴダール以前とゴダール以降しかないから。映画を変えた男で、面白い映画を作ったやつではない。
── 私も数本は観ていますが、面白かった記憶はほぼないですね。わりと「なんだこれ?」って感じで。
押井 そうです。ゴダールの映画を観て怒るというのは正しい反応です。90%は「バカにするな!」って思うから。私はゴダールの作品、それこそ『イタリアにおける闘争』(70)まで観ていて、ほぼ網羅しているけど、誰かにおススメするとなると限りなく絞られるから。
── この質問者は『アルファヴィル』(65)を挙げていますが、私はこれ、観てないので。
押井 麻紀さん、観てないの? SFだよ。私も1本挙げろとなると『アルファヴィル』になるかなあ。というのも、これだけは他の作品と比べると楽しいしエンタメしているので希少価値がある。
ものすごくちゃちなコンピュータが出てきて喋るんだけど、このコンピュータがただの換気扇。ゴダールは、タバコの吸い過ぎで喉のつぶれたおっさんを連れてきて声を当てさせているの。SF的な部分にお金を使う気はまるでない。
SFだけど、舞台は当時のパリまんまだから、『アヴァロン』の撮影のとき、めちゃくちゃ役に立ったんだよ。現実を撮影してSFにしなきゃダメなんだ。ハリウッドのように豪華なセットを組んで撮るんじゃダメなんだって。この映画で私は、古い時代を撮って未来にするという『アルファヴィル』の方法論を使ったんです。

── それは『未来世紀ブラジル』(85)のときにも話題になったレトロフューチャーというデザインですか?
押井 そうなんだけど、『未来世紀ブラジル』の場合は映画用にちゃんとセットを組んでいるでしょ? わざわざ作るんじゃなく、既成のものを使うんだよ。私は『ケルベロスー地獄の番犬』(91)のとき、拾ったモノを使っていたから。コタツも布団も全部拾ったモノ。
── お、押井さん、それはガウディと同じなのでは?
押井 そうそう。そういう点ではガウディと同じなんです。そういうモノには時間が蓄積されているので、新しいモノとはまるで違う。そういったものを組み合わせることで、まったく異なるコンセプトが生まれるんです。そこが拾ったモノの面白いところ。私はガウディも大好きだし、そういう価値観は似ていると思っている。
── そうですね。
押井 換気扇を出してコンピュータにしてしまうようなぬけぬけしたところ。これもゴダールから学んだ。「(映画で)なにをやってもいい」というのはゴダールの教えですよ。
私だけじゃなく、三池(崇史)さんもよくやってるでしょ? どう見てもロサンゼルスの郊外の映像なのに、平気で「埼玉」と言い張る。そういうぬけぬけとやっちゃうところ、大好きですよ。おそらく、三池さんもゴダール好きなんじゃないかと思ってるんだけどさ。
── 『アルファヴィル』の他にもおススメってあります?
押井 『ウイークエンド』(67)かな。これもわりと笑えるから。とはいえ、ゴダールのユーモアって日本じゃなかなかウケないんだけどさ。まあ、日本のみならず世界中でウケないとも言えるけど(笑)。
ただ『ウイークエンド』はミレーユ・ダルク観たさに観ていたところはある。

── 押井さん、今気づいたんですが、ゴダールもおかっぱ好きなんじゃないですか? アンナ・カリーナもそうだしダルクもそう。その後の『中国女』(67)のおねえさんもおかっぱだったのでは?
押井 アンヌ・ヴィアゼムスキー。(フランソワ・)モーリアックの孫ですよ。おかっぱというには髪は長すぎるけど、カリーナもダルクも確かにおかっぱだよ。ゴダールはカリーナとヴィアゼムスキーと結婚して捨てられた。確か、ヴィアゼムスキーは毛沢東主義者と駆け落ちしたんじゃない? その後は確か、カナダ人のドキュメンタリー監督と結婚したんだよ。ゴダールは女運もあまりよくなかったと思う。
── ゴダールの代表作と言われている『勝手にしやがれ』(60)や『気狂いピエロ』(65)はどうなんですか?
押井 ゴダールの追悼をやっていたので『勝手にしやがれ』を観たけど、やっぱり時代の匂いが強すぎた。同じことは『気狂いピエロ』にも言える。それぞれ60年代の匂いがプンプンして、時代の産物感が強いよね。そういうことも考えると、やはりこの質問者と同じ『アルファヴィル』がおススメになるんですよ。

と丁寧に答えて頂きました。

尊敬してる監督に褒められると嬉しいものです。

ちなみに前に質問した時は結構な勢いで怒られました。


https://lp.p.pia.jp/article/essay/48171/256439/index.html

Posted at 2023/01/08 21:13:06 | コメント(26) | トラックバック(0) | 日記

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「@FLAT4 さん、こんばんは〜。結婚記念日、おめでとうございます〜!」
何シテル?   04/25 20:32
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