フーテンのとらのブログ一覧

ヤマト運輸の元経営者（故人）で、父のあとを継いだ２代目社長です。　１９７１年に社長に就任した当時の大和運輸は、日通をはじめとする大手に水をあけられた中堅運輸会社でした。　社長になって、このままではジリ貧で会社の将来は無いと思い、社運を賭けて宅急便を始めたのは有名な話です。　当初、運輸関係者からは「手間ばかりかかって、そんな事業が採算とれるわけがない」と言われ、当時の運輸省からも許認可権を盾に嫌がらせを受けながらも、ひるまず新聞等で意見広告を出しながら世論を味方につけ、全国に宅急便を広めて行った経緯も有名です。　また、経営者退任後は私財を投じて「ヤマト福祉財団」を立ち上げ、理事長として障害者が自立して働く場所作りに取り組みました。

元システムエンジニアの私としては、手間のかかる小口荷物をいかに効率よく捌くか？、その答えが大規模なコンピューターシステムの開発だったという事で、時代を読むセンスに感心し、退任後の生き方を含めてとても尊敬した人でした。　

と、ここまでは事業推進では苦労をしても、功成り名遂げた、幸せな人生だったんだろうなあと思っていました。　ところが、この本を読んでその考えは、マスコミ等から受ける表向きの印象だけで、実はまったく違う人生を歩まれた事が分かり、とても驚きました。　詳しくは書けませんが、表の印象とは全く違う家庭内の実情に、ただただ驚き、どこの家庭でも人には言えない事実があるのだと思い知らされました。

一見、順風満帆で、何一つ不自由な事が無いように見えても、人は皆、他人には言えない苦悩を背負って生きているんだと、深く考えさせられた本でした。

人生とは何か？、悩み迷っている方にはお勧めできる本だと思います。