相も変わらずチョコチョコと海外物件を色々漁ってはみているものの、
なかなかこれと言って取り上げたい車両も無く悶々としていた中、
ネットをやりだしてから恐らく初めて、表題の車種の現存する車両を見付けました。
しかも売り物です。
車はコチラ。
何故かフェンダー上の左側のウインカーレンズがないのは少々残念ですが、
綺麗そうな車両であります。
W187の2ドアはカブリオレA、Bはそれなりに見掛けるものの、クーペは激レア。
どっちが正しいかはハッキリ判りませんけれども、手元の資料では85台、
売主の主張では84台しか生産されていない車なんですよね。
300ScのカブリオレAの49台や同ロードスターの53台には及びませんけれども、
それらがチラホラ見掛けられる中、この220クーペは本当に見掛けない車です。
W187の2ドア自体は1951年スタートの車種なのですが、
この220クーペはポントンの220aセダンがデビューした1954年から
そのセダンが220Sに変わる前の1955年までの2年間しか造られなかった車だったんですよね。
因みにこのポントンの220a時代のW187からはフロントガラスが
それまでの平板からカーブガラスになっています。
ダッシュボード
一番上の画像でヘッドライトがシールドビームではありませんでしたし、
スピードメーターがキロ表示なのでヨーロッパ仕様のようですね。
というか、台数が少ないだけにこのクーペにUS仕様があるのか自体が判りませんが。
内装もキッチリ仕上げられているようです。
一寸驚いたのはドアがサッシュレスではなかった↑ことですね。
まぁ、考えてみれば同時代の300Sクーペでも
カブリオレがサッシュレスでクーペはサッシュ付きのドアでしたので、
そういう流れでみればそりゃそうだよな、、、とは思うんですけど、、
後継モデルのポントンクーペがサッシュレスだったので
これもそうかなと思い込んでいたというわけでした。
でも、ベースとなっているカブリオレAがサッシュレスなのに
たった85台のクーペをサッシュ付きにするのって贅沢な事ですよね。
300S/Scの場合は全体の41%強がクーペだったのに対し、
220カブリオレA+クーペで考えると、クーペはその6%強ですから、
どれだけ無駄(=贅沢)な事をしているかっていうのが判るというものです。
恐らくクーペの登場時には既に
その2年後のポントンクーペ/カブリオレのデビューが決まっていたでしょうから
尚更そのように思ってしまいます。
サッシュがなければクーペボディが成立しませんよというのならあれですが、
事実、ポントンではカブリオレもクーペもサッシュレスですから、
やろうと思えば十分220クーペもサッシュレスに出来た筈ですしね。
んで、そのようにわざわざ採用したサッシュの内側にウッドが施される事で、
車内がより豪華に見えたりして、一寸好い感じだなぁと思いました。
実はこのウッドを施したいがために採用したサッシュだったのかもなぁと思ったりもしています(笑)。
300S系では3種のボディとも金額は同じで、
まぁ、通例はクーペよりオープンの方が高価だったりするんですけれども、
このW187に関してはカブリオレBが15160DM、カブリオレAが18860DMだったのに対し、
このクーペは20850DM、そのサンルーフ付きだと22000DMという感じで
クーペの方が高価だったんですよね。
だから85台しか売れなかったのかもしれませんが、
私的にこの220に関してはサンルーフ付きだったらクーペもイイかもなぁと思いますね。
残念ながらこの物件にはサンルーフは付いていませんが(爆)。
最後にラゲッジルーム。
お世辞にも広いとは言い難いので、ラゲッジセットは必須かもですね。
尤もフロントシート背後には横向きのスペアシートを備えられる位のスペースはあったかと思うので、
置こうと思えばそこに置けるだろうとは思いますけどね。
肝心のお値段ですが、私、これだけの稀少車種なので
これだけの程度であれば3000万の大台かなぁ、、、と思っていたところが、
まさかの169000ユーロ(今のレートで2040万弱)。
大体、カブリオレAと同等な評価と言って良いかと思われる所で、
幾ら希少でも屋根開き車のパワーには勝てないのね、、、と思いました。