感じの好い車が多いので、最近お気に入りのドイツのお店に表題の車が入荷しました。
こんな車です。
ワタクシ、好みから行くと、前期型が好きなので、
取り上げるのはそれが多いのですけれども、この車は中期型。
走行距離が少なめで、とても感じの好い車だったのでアップしようと思ったのですよね。
ひょっとしてうちの220君の屋根の色と同じカラーじゃないかしらん?と思ったのですが、
説明文に460ブラウンと書かれていたので、正解だったようです。
正確には表題に書いた通り、ダークレッドブラウンですけどね。
220君の屋根の色は、よく人から黒だと言われるんですけど、
こうしてボディ全体に塗られているのを見れば、
間違いなく濃いあずき色である事が判ると思います。
外観でオリジナルではない所は14インチホイールとアウトサイドミラーの位置でしょうかね。
このアウトサイドミラーは前期型の位置で
この車の時期ではドアミラーだった筈なんですよね。
新車でデリバリーされた先はベルギーだったようですが、
この時代ではミラーを取り付けない状態で出荷される事が多く、
私の220君もどうやら取り付けていない左ミラーと共に輸入されて、
ウエスタンでその左ミラーと別にウエスタンが在庫していたと思われる右ミラーを
取り付けて販売されたようなのですけれども、
ひょっとするとこの車の場合は、ドアミラーだと見辛い事が予め判っていて、
デリバリー後にこの位置に取り付けたという可能性もあるかもしれません。
ドアミラーだと、例えば右のミラーを見る時など、本当に真横を見る感じになりますから、
私はこの車のミラー位置の方が好きですね。
ホイールはホントに14インチ化する例が多いですよね~。
13インチのまま乗っている身としては別に何の不満も無いのですが、
何故に14インチにしたいんだろうかなぁ?と思うのですよね。
どこかのメーカーで造っていた正規サイズの7.50-13が廃番になっちゃっていて、
220君のと同じ7.25-13を履くしかなかったりするのですが、
そうしたタイヤの選択肢の無さが嫌なのかなぁ、、、とか、
14インチにすると安定感が全然違ったりするのかなぁとか思ったりするのですが、
昔は私もハイトのある13インチに違和感がありましたけど、
今は逆に13インチの方がバランスがイイんじゃないかと思ったりしているので、
220全期と300前期中期の特徴である13インチを簡単に捨ててしまうのが
私には一寸考えられないんですよねぇ。
しかしまぁ、そんなオリジナルでない面は些細な話で、
レストアを受けずにいかにも大切にされてきた感のある綺麗さが
細部をみていくと感じられてくるのですよねぇ。
ペイントはやり直していない訳ではなく、
一部オリジナルが残っている状態だという事でした。
トランクリッドにAUTOMATICのプレートが付くのは1964年からなのですが、
アメリカ仕様ではないそれに該当する時期のこの車にそれが付いていないという事は、
この車、300SEではオプションのマニュアル車なんですよね。
因みに説明文には『希少で人気の高いマニュアル・センターシフト』と書かれていましたけれども、
W111/112のクーペ/カブリオレではマニュアル車のコラムシフトは設定が無かったんですよね。
運転席背後からの室内。
オリジナル且つ滅茶苦茶綺麗な状態を保っていますねぇ。
オリジナル革のシートも状態が良さそうですし、
フロアトンネル上のカーペットもそのピッタリ感からして、
この距離で見てもこれはオリジナルだなって思わせるものがあります。
運転席と助手席の足元には近い色のマットが敷かれているようですが、
その下に眠っているであろう、オリジナルカーペットの状態を見てみたいものであります。
オリジナルはウールなんで、案外縮んじゃっていたりするんですけどね。
走行距離は68838キロ。
イイですねぇ、ここからが美味しい所という感じですよね(笑)。
現在のオーナーが入手したのが1987年だそうで、
そこから40年で15000キロしか走っていないのだそうです。
私なんか28年弱で14万キロ走っているのにねぇ(笑)。
なんとも勿体ない話で。
因みに003482までが210キロスケールのメーターだと思われるので、
これが220キロスケールになっている事を見ても中期以降の車両だという事が判ります。
一寸引きでメーター廻り。
と言っても、話はステアリングホイールなのですが、
これがリムに溝があるので、これはオリジナルではないのでは?
と思ったのですよね。
調べてみると
黒(EPC上ではダークグラファイトグレイとなっている)ステアリングホイールは008271から、
アイボリーステアリングホイールは008364から物が変わっているのですよね。
え?これってひょっとしたら溝のあるなしなんちゃうの?と思って
220SEbのデータの方を見てみると、確かに同じ変更が行われているようで、
ダークグラファイトグレイでは4枚扉が078952から、2枚扉が077823から、
アイボリーでは4枚扉が078953から、2枚扉が079043から物が変わっているらしいんですね。
300SE2枚扉の変更時期が65年5月、
220SEb2枚扉の変更時期が同年4~5月という感じだと推定されるので
殆ど同時に行われた変更だと見て良さそうですね。
一方で250SE2枚扉では新しい方の品番しか出て来ないことからすると、
やはり溝ナシ溝アリの境目はココだったと考えて良さそうです。
なんで今まで気付かなかったんだろうか?
で、話はこの車のこのステアリングホイールに戻るわけですが、
300SEクーペのアイボリーの溝付きタイプは008364からである筈の所を、
この車の車体番号は008131なので、
やっぱりオリジナルではないという結論に達してしまいました(苦笑)。
一瞬おかしいなと思ってしまったのはこちら。
アシストグリップのクローム製のネジ隠しなんですけど、
輪っかになっている部分の上が切れていて、
これって250時代用なんじゃないかと一瞬疑ってしまったのですよね。
ただ、冷静になってみると、250時代のグリップは内外で色が違っていて、
今も何台か調べてみましたけれども単色構成の物が見当たらなかったので、
恐らくこれはオリジナルで何らかの事情で切ってしまったか割れてしまったか、、、
なんじゃないかと結論付けました。
この辺の判断はなかなかムズイですねぇ。
ダッシュボード画像2点。
イイ感じに艶味が抜け掛かった半艶っぽい所がいかにもオリジナルって感じでイイですね。
これ、やりなおしていてわざとこういう風合いが出せていたとするならば、
本当に素晴らしい技だと思いますが、多分そうではなかろうと思います。
そんな一見無駄な仕上げを望む人もそうそう居ないでしょうしね。
この車もラジオの所はデリートプレートが入っていますね。
右のミラーの近くにアンテナが無かったので、
多分これも最初からこの状態だったのだろうと思います。
助手席シート周り。
ステップのゴム?はヒビが入り始めている様子ですが、オリジナルのようですね。
私のは買った時から酷いヒビの入りようだったので
このブログの何処かにも書いてありますが、社外品で張り替えました。
ところがその社外品が薄いし、溝の数が多いし、材質が弱いし、汚れやすいしと、
良いところなしだったので他の会社がよりオリジナルに近い商品を
出してくれないかなぁと切に願っているんですよねぇ。
純正では暫く黒が残っていたようですが、多分あれももうないんでしょうねぇ。
それに沿ったカーペットもオリジナルですね。
ウールベロアなんですけど、普通のベロアからすると目の間隔が詰まっていないので、
その方向がハッキリ見えるから、すぐそれだと判るんですよね。
私のは張り替える際に色を選んだらウールに出来なかったと以前言いましたが、
目の方向が見えるという点では
幾らかオリジナル寄りな感じ(ただハッキリ違うと判断出来る)なんですけれども、
足元に敷いた、いーべーで買ったベロアカーペットとは全く別物な感じになっています。
シート表皮の状態はかなり良さそうですね~。
この色は恐らくコニャックだと思いますが、バンブーとかこの色とかで染められたものは
感覚的な物なので何処まで当てになるか判りませんが(笑)、
耐久力が強そうな気がします。
赤はねぇ、陽に焼けるんですよね。
私の220君の張り替えたラストレッドは赤と言っても一寸オレンジ寄りの赤だったのですが、
見掛け上、損傷しているようには見受けられないものの、
日に焼けて張り替え当時の色からするとかなり濃い色になったと思います。
張り替え前のラストレッドも同様だったので、赤の宿命なんでしょうねぇ。
あっ、何気に気付いてしまいましたが、外側のシートレールの前端のカバーを
どうやら紛失してしまっているようですね。
リクライナー。
クロームがオリジナルのままだったら素晴らしいですね。
リクライナーのハンドホイール上にKAIPER PATENTの文字と
中央に人型のようなマークが付いているので、
これを見れば220時代のシートだという事が判ります。
250時代になるとここが無地になっちゃいますからね。
しかし、EPC上では品番変更があった事自体は記載がありますが、
物が違うという事に対して何も触れられていないのですよね。
ドア内張も綺麗ですねぇ。
クーペだとどうしてもドアを全開に出来ない局面があるので、
ドアポケットの前側の方とかを靴で擦りやすくて、
うちの220君なんか、私の元に来た時には、
そこに見苦しく幅広の黒いビニールテープのような物を貼り付けてあった位なんですけど、
この車のそれはそうした擦り跡らしき物も皆無で本当に綺麗だと思います。
そうそう、250時代の300SEではパワーウインドウが標準装備だった筈なので、
そのスイッチが内張りに無いという事は中期以前の車両であるということになるんですよね。
エンジンルーム。
デュアルサーキットブレーキなのでAteのT51ブレーキブースターがよく見える場所に付く事と、
300系から譲られたM189ユニットの幅が広い事から、
エンジンルームがすし詰め状態ですよね(苦笑)。
仕上げたエンジンのようにピカピカではありませんけれども、
走行距離が少なくて放置されていたという感じではない自然な綺麗さがあって
好感が持てますよね。
さて、気になるお値段の方なのですが、89500ユーロ、今のレートで1660万円弱という感じですね。
近年のエアサスの整備歴が説明文に一切書かれていないのが一寸ばかり怖いのですが、
個人的にはそれを含めて考えても妥当なラインなのかなと思います。
ATだとM189搭載車はあまり走らないって言う人が居ますが、
MTだったらそれがどう変わるものなのか、興味のある所であります。