ふと、新車当時のMB承認ATFの銘柄が気になり、
それが当時物の取説に出ているのは判っていたけど、
今まで真面目に見た事が無かったので一寸見てみる事にしました。
220SEbクーペ用の当時物の取説は以前買ったのですが、
220君のグローブボックスに突っ込んであるので手元には無く、
代わりに220SEbセダンと250SEセダンのそれを見てみる事にしました。
因みに220SEbセダンの方が1963年5月15日現在、
250SEセダンの方が1965年9月15日以降、、、という事になっていました。
※この微妙な言い回しの違いは何?(笑)
先ずは220SEbセダンの方。
1枚目にFuchs ATF TF 10(赤枠)というのがオートマチックDBトランスミッションの方と、
マニュアルトランスミッション&パワーステアリングの方、両方に入っています。
これって正しく、今現在も236.2で承認されているFuchs ATF 10の事なのでは???
後、残念ながらオートマチックDBトランスミッションの方には入っていませんが、
2枚目に続く、マニュアルトランスミッション&パワーステアリングに
元々の取説の持ち主がタバコで焦がした跡で少々見にくいですが、
Mobilfluid 200Y(緑枠)というのが入っています。
今、236.2で承認されているATFの製造メーカー自体が
FuchsとMobil以外、出てきていないんですよね(汗)。
お次は250SEセダンの方。
相変わらずFuchs(赤枠)が両方に入っていますが、
ここにきてMobil(緑枠)にAutomatic Fluid 200 DBという銘柄のモノが出てきていて
やはり両方に入るようになっています。
これが今のMobil ATF 200なんでしょうね。
※Mobilに括弧がされている事からすると、MobilとMobilfluidって厳密に言うと会社が違うという事なのかしら?
最後にDBと付いているのはダイムラーベンツの承認を取ったオイル、、、
という意味かと、私は理解しましたがどうでしょう(笑)。
承認オイル一覧の最初の所にValid for model 250SEと書かれていて、
220SEbと250SEはマニュアルトランスミッションの品番が違い、
恐らくそれは各ギヤのギヤ比の違いによるものだけだとは思うものの、
それだけだとは証明出来ませんから、220SEbに有効だとはハッキリ言えないんですが、
パワステに関しては品番は一緒なので
こちらは220SEbにも有効だと考えても良いのかなと思います(笑)。
あと、この時代になってようやくトタルのATFが入ってきていますが(黄枠)
銘柄は似ても似つかない感じですね。
まぁ、以上の事からすると、現行で販売されている承認のATFで
縦目MBのパワステやMTに使うのに一番無難なのは
Fuchs ATF 10で、その次がMobil ATF 200なんじゃないかなァというのが
私の中での結論ですね。
ただ、、、これらは縦目のフリュードカップリングATにも使っても良さそうではあるのですが、
私が純正の236.2のATFをパワステに使っていて、
冬場にパワステポンプのプレッシャーレギュレーターが引っ掛かるような感じで
ポンプの回転(つまりエンジンの回転)を一旦上げてやらないとパワステが働かない、、、
という現象(その状態が解消するとポンプからパスン☆という音がする)が生じるので
パワステに使用する分にはそれくらいの問題で済むから良いのですけど、
ATのバルブボディ等で同様の現象が起きる可能性があるとするならば、
色んな悪影響が出そうで一寸嫌な感じがするので、
自分の車がATだったら怖いもの見たさでそれに使ってみたい気がする反面、
人にはATへの使用を薦める気にはならない所だったりします(笑)。
多分、修理屋さんは皆さん、無難にDEXRON2か2D辺りを使うんでしょうねぇ。
調べてみた所、DEXRON規格は1967年からのようですので、
縦目280時代の取説上の承認ATFがどうなっているか一寸見てみたい所ですね(笑)。
因みにワタクシ、当初、TYPE-A SUFFIX-Aと並列に表記されているのを見て、
別々の2つの規格を表示しているのかと思っていたのですが、
どうやら最初にTYPE-Aという規格があって、
その後に登場したのがTYPE-A SUFFIX-A(TASA)規格という事のようであります。
具体的にTYPE-Aは1949年に出来た規格で、TASAは1957年に出来た規格なのだそうです。
因みに、236.2は後者のようであります。
日本車では1959年のトヨグライド2速がTASA規格のオイルを指定していたようですね。
私的にはこうしてツマンナイ事を突っつき回すのが楽しいのですけれども、
読まれる方には本当にツマンナイ話だろうと思うので、本当にゴメンなさい(笑)。