以前、なかなか見掛けないW187のクーペの売り物を紹介しましたが、
その後、もう一台売り物が出たものの、それはすぐ売れてしまって、紹介出来ず(苦笑)。
で、今回の3台目は前回の失敗を教訓にすぐに画像を取り込みましたので、
無事?ご紹介する事が出来る事になりました(笑)。
ってなわけで総生産台数85台の220君のご先祖様(2世代前ですな)で御座います。
うちの220君はデザインはともかくとして(笑)、
ボディの構成は現在の物とさして変わらないのですが、
間にポントンクーペを挟んでいるとは言っても2世代前で本当に隔世の感がありますよねぇ。
正真正銘のクラシックカー、、、って感じですよね。
同じW187の220カブリオレAと比べて数が極端に少なくて、
ネット上でもなかなか見る事が出来ないので、
こうして画像を見ると、本当に新鮮な印象があります。
私的にカブリオレAよりクーペの方がイイかなァと思ったりする感じですね。
W187のカブリオレAとの比較では
私的にそれほど近似性を感じないW188の300S系なんですけれども、
これがこのW187クーペとなると、300Sクーペに近い雰囲気を感じてしまうのは
一体何故なのかな?と思う所であります。
この車は元々アメリカ仕様だったらしいので、これがオリジナルなんですけれども、
ライトがシールドビームになる事によって人相が一寸悪くなっているのが
私には残念に思えるところだったりします。
因みに記憶違いでなければ、これのヨーロッパ仕様のヘッドライトは
300SLクーペやポントンのそれと共通だったんじゃなかったかなと思います。
エンジンも220君のM127の直系のご先祖であるM180です。
220クーペはポントンセダンの220aの時代の車ですから、
初代から5馬力上がった85馬力のタイプのエンジンである筈です。
エンジンフード裏側には照明が付いているのですね~。
うちの220君のエンジンルームには照明の設備はありませんが、
当時の市販の車載用の作業灯を繋ぐ為の電源ソケットの装備があります(笑)。
ここでもまたしつこくグリルバッチ(笑)。
ポントンでも今見掛ける綺麗なモノはそうなっているのですが、
銀色の部分がW111系用と違ってピカピカ処理なんですよね。
元々こうだったのかなァ。
お星さまの周りのブツブツ粒子はより細かいように見えるので
この部分は古ければ古い程細かく出来ているのかもですね。
内装は赤内装。
グレイのボディに赤内装って、私の好みの組み合わせのひとつなので
これはイイナァと思います。
革生地の質感も好い感じですし、
ウッドパネルもお得意のウォールナットとかでなく、
地味目の木目を持つウッドで仕上げてある所に好感が持てますよね。
レストア前の様子。
これがこうなったのだと思うと、よくぞここまで、、、の感がありますよね。
トランク。
容量が大きくなったのはポントン時代に入ってからで、
この時代のトランクは本当に狭くて、
効率よく使うにはやはりこのようなスーツケースセットが必須だったろうと思います。
そのスーツケースの上に広げられているものは、
私も持っているオリジナル出荷証明書で御座いまして、
その中にこのようなオプションリストなども入っております。
220君のそれにはオプション番号が入っていた筈なんですが、
この世代のモノだとそれが無いんだなァと思いました。
Becker Le Mansと書かれていて、上の画像の中に写っているので正解だったかしら?
と思いましたが、
調べてみた所、確かにルマンはあの形のベッカーのいちモデルだったので、
オリジナルを仕上げてあるのかもしれませんね。
またLe Mansの後に書かれているadapter Reimsは恐らく短波用のアダプターの事で
ラジオ本体の下のボタンが並んでいるのがそれだと思われるので
これもオリジナル通りっぽいですよね。
1kg of lacquerというオプションコードは確か、220君にもありました。
これ、勿論装備のある車とない車があるのですが、
一体何の為に塗料なんか載せておくのでしょうね。
舗装が整備しきられていない土地向けに
飛び石の補修用の意味だったりするのでしょうかね(笑)。
さてさて、この車、売主は1955年式と言っていて、
当初は私もそれを信用していたのですが、
これに書いてある車体番号の上から7桁目と8桁目が45なので
1954年式が正解のようですね。
お値段は275000ドル。
今日のレートで2940万円弱で御座います。
前回は希少車なのにカブリオレAと同じくらいの値段なのは、、、
と言っていたような記憶がありますが、今回は納得のお値段ですね。
通常オープンの方に高い評価が付くのは当然ではあるのですが、
1278台のカブリオレAに対して85台しかないクーペですから、
流石にその位の評価はあっても然るべきだと私は思うのですよね。
そもそも論としてこの220クーペ、
当時はカブリオレAよりも2000DM近く高価だったらしく、
これには付いていませんが、
サンルーフ付きなら更に1000DM以上プラスだったらしいので
元々はこちらの方が格上だったわけなんですよね。
しかし、考えてみると300Scクーペが98台で、それはチラホラ見掛けるのに
それと比べて台数的にそんなに変わりのない、
220クーペの売り物をこれだけ見掛けないというのは一体何故なんだろうなァという感じであります。