こないだ、怪しいハースのご紹介をしましたが、
今日は怪しいウニヴェルザールのご紹介を致しましょう(笑)。
一見、230Sのウニヴェルザールのようですが、、、
それなら何故にフロントフェンダー後部上方にウインカーが付いてるんでしょうかね???
エンジンルームを覗くと、、、
あれれ、これってひょっとしてエンジンは280S用のM130?と思ったら、
これに関しては、2,800 (Factory: 2,306)㏄と記載されています。
因みにミッションは5速MTが載っているらしいです。
それで私、この画像を見て、ふとコアサポートに目が行っちゃったんですけど、
そこにボディナンバーが打ってあるのに気付いちゃったんですよね。
年式は1965年と言ってるのに対し、ここへのボディナンバーの打刻は
1963年一杯までですから、そこで、なーんか怪しいなって話になったのですよね。
で、そのボディナンバーを拡大してみますと、、、
あらら111012ってあるじゃないですか。
111012って事は220Sbで、230Sならこれが111010である筈なんですよねぇ。
私が思うに、この車、恐らく1965年式というのは正解だけれども、
元々は230Sではなくて恐らく190cだと思うんですよね。
何故190cだと思うかと言うと、
先程のフェンダー後部上方のウインカーからそう思うのであります。
1965年からウニヴェルザールは生産が開始されるのですが、
この位置にウインカーが付いているのは190cの時代までで
それがその年の秋頃までしか生産されていないみたいなのですよね。
230S化するに当たって、何故このウインカーを残したのかが謎ですけれども、
他のモデルにあえてこの位置にこれを付けようって事もないだろうと思うので、
そのように想像しました。
で、どこかから1963年以前の220Sbをドナーとして引っ張ってきて、
そのコアサポートだけなのか、スカットル前丸ごとなのかは判りませんが、
移植しちゃったんだろうなァと思う訳であります。
後日記す:考えてみるとW110とW111ではホイールベースが50㎜違い、それはスカットルからタイヤ中心までの長さの違いなので、
寸詰まり的な違和感なくまとまっている事から考えると、恐らくスカットル前丸ごと交換していますね。
内装はごちゃ混ぜ仕様。
恐らくリアシートと、、、
荷台は、、、
オリジナルだろうと思うのですが、
フロントは、、、
座席のセンター部の布生地が220S系に使っている物になっていて
前後でこの部分が違うみたいなおかしなことをMBはやらない筈なので
これは元々の状態とは違うと思うんですよね。
あと、これは恐らくとしか言いようが無いんですけど、
トレイの中からシフトレバーが生えているのも違うんじゃないかなァって気がするんですけどねぇ。
ドアの内張りなんかは
多分、コアサポートのドナー車からの移植物の張替えでしょうね。
この手の上部を閉じる事の出来る物入れが付くのは220S系のモノで、
230Sのそれは開放型ですからね。
ただ、ウッドパネルがこんな所に付くW111系のモデルはないので、
これはどの時点かのオーナー様が勝手にやった事だろうと思います。
(本来は物入れ上の布生地とその下のビニール地の境目にウッドパネルが付きます)
売主は説明に、
KEIN KRANKEN- oder LEICHENWAGEN !(病人搬送車でも霊柩車でもない)
って書いてあって、確かにそれはそうみたいですけど、
でも、230Sでもないでしょ???と突っ込みを入れたくなってしまう所であります(笑)。
お値段は74000ユーロ。
190cのウニヴェルザールの相場が判りませんけれども、
230Sのウニヴェルザールの偽物にさせられてしまった車に
支払う金額としては一寸キツイかなって気がしないでもないです。
いや、買い手が元々の車両が190cであった事を
十分納得した上で買うなら全く問題ありませんけど、
230Sだと思い込まされて買うのはどう考えても嫌ですよね。
ウニヴェルザールは全体でも2000台ソコソコしか生産されていないようなので、
元々の190cのままでも十分価値はあるだろうし、
これは一寸勿体ないかなァって思ってしまいました。
Posted at 2020/10/23 23:51:13 | |
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