海外でも希少で国内では超希少な300SEラングですが、
私の存じ上げない方ですが、ご自分で仕上げられている方がいらっしゃるようで
(最近はアップされていないようだけれど)その様子をブログに上げておられたりするのですが、
以前、その方が大地の社長さん(だったかな?)に訊いた話では
社長さんの知る限りでディーラー物のラングはたった3台だったという事のようです。
その方の車もディーラー車で
残りの2台は吉田茂さんの車と、静岡の車との事でした。
実はその静岡の車というのが、もう亡くなられてしまった方なのですが、
うちのクラブに所属されていた方の車だったのですよね。
とりあえずこれが吉田茂さんの車で、
これが静岡の元会員さんの車でした。
こないだネットで吉田茂さんの車のウエスタンのプレートが
某所にアップされていたのを見つけたので資料として拾わせてもらいました。
余談になりますが、
私としては資料になるので修正なしの画像はとても嬉しかったのですけれども、
こういうのをオーナー以外の方がアップされる際には少なくとも車両固有の番号については
上記のように消してアップしてほしいものだと思います。
で、実はその静岡の車両の方も、オーナーさんが年式が判らないとの事で
判別の為にエンジンルームを覗かせてもらった際に、
ウエスタンのプレートを撮影させてもらっていて画像を持っているのですよね(笑)。
以前にもチラッと書きましたが、前者はタイプ名が『300SE-lO』になっているのに対し、
後者は『300SEL』になっているのが面白い所であります。
注目すべき点はエンジン番号でして、
前者は189984エンジン、後者は189986エンジンである事が判ります。
189984エンジンは2プランジャーインジェクションポンプの160馬力版で
189986エンジンは6プランジャーインジェクションポンプの170馬力版なんですよね。
因みにもう一台のそのブログの方の車は
2プランジャーインジェクションポンプ付きでしたので、
仮に300SEラングのディーラー車がその3台しか存在しないとすると、
2台が前期型で1台が後期型という事になります。
国内で300SEラングの台数が伸びなかったのは素の状態で220SEbクーペより高い値段と、
直ぐ後に登場したW100の600の存在が大きかったのだろうなぁと個人的には思っています。
とは言っても600との値段差にはかなり開きがあるので、
それなりにラングの需要もあってもよかったろう、、、とは思うのですが、
通常の300SEとの外観上の違いがリアドア部が延びているのと、
Cピラー表面のエアアウトレットの有無だけですから、
そこに追加コストを支払うのに価値が見いだされなかったのかもですね。
或いはヤナセの通常ラインナップには加えられず、特注扱いだったという事もあるかもですね。
で、そのブログの方の車両のプレートもアップされていたのですが、
車体番号末尾は当然の事ながら非公開でしたので、そこから年式の判別は出来ませんでしたが、
それのタイプ名は『300SEL』表記の方でしたから、
恐らく吉田茂さんの車がその中で一番古かったのだろうなぁと思われる所です。
で、元会員さんの車の年式をその時に1964年式だと思うとお答えしたのですが、
その時よりも学習を積んでいる今(笑)、改めて年式を判別した所、
やはり1964年式という事で間違いなさそうでありました。
これらのプレートを見て興味深く思ったのは、
COMM.NO.、つまりMBでいうオーダーナンバーの
オーダー年の西暦末尾を示す、一番前の数字は吉田茂さんの車もこの車も『3』で、
1963年にオーダーされた物だったという事でした。
ただ、同じ年のオーダーだとは言っても、
下4桁の数字に関しては元会員さんの車の番号の方がずっと後でしたけどね。
その上で吉田さんの車が一番古いという推理が正しいのだとすれば、
その3台が3台とも1963年中に日本からオーダーされているという事になりますね~。
しかし、元会員さんがお亡くなりになった後、あの車、どこに行ってしまったのでしょうね。
今も元気に走り続けていてくれる事を願うばかりであります。