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ぽおる・ぶらっくのブログ一覧

2022年06月14日 イイね!

1937 540K Special Roadster by Sindelfingen

8月20日にモントレーで行われるRMサザビーズのオークションに
表題の車両が出品されるそうです。

実は一寸前からこれが出品される事は知っていたのですが、
まだ詳細が出ていなかったのでそれを待っていて、
あまり詳しい内容じゃないけれど、それが出てきたら、
今度は他に書きたいことがあったのでちょっと遅れてしまいました(笑)。

詳細を待っていたのはこれが本当のシュペツィアール・ロードスターかを知りたかったのですが、
まぁ、オークション会社が『Special Roadster by Sindelfingen』と書いてあるからには
本物ですわよね。

ひょっとすると何十年か前にリボディしたものの可能性も考えていたのですが、
その場合には『by Sindelfingen』を付けないでしょうからね。

って事はこれもきっと10億前後の値段が付くのでしょうねぇ。

特にこの車、1950年代に再塗装されてはいるらしいのですが、
『一度も本格的なレストアは行われておらず、驚くほどオリジナルな状態を保っている。』
とRMサザビーズでは言っているので、
そういう意味で恐らく高評価が出るだろうと思うのですよね。

特にシュペツィアール・ロードスターの中でも一番人気な1936~37年の型ですからねぇ。
アフガニスタン国王の為に造られた一台なのだそうです。

前置きが長くなりましたが、それでは画像を見ていきましょう(笑)。



元々こうだったのかは判りませんが、マルーン系2トーンがとてもオシャレで好い感じですよね。

ただ、これもハブキャップが塗ってない…(溜息)。
前出の220のキャップより全体に占める割合が少ないので違和感はあまりないですが、
これは是非色を入れて欲しい所ですねぇ…。

裾を引き摺るようなロングテール。



座席の後ろに一つ蓋がありますが、ここにはランブルシートが内蔵されています。

比較的最近知った(と言っても10年位経つ?)のですが、
ランブルシートって元々は使用人用の座席だったようですね。
結構楽しそうな感じがするのですけど(笑)。

ただ、雨が降り出したらここには幌がないので当然濡れネズミですから、
セダンカ・デ・ヴィル状態という事なのでそう考えるとやっぱり使用人用の座席なんですよね。

いやぁ、本当に惚れ惚れしてしまうデザインですなぁ。









画像を絞ろうと努力したのですが、どれもこれも載せたくなってしまうほど好いので
全然絞れませんでした(苦笑)。

この一枚もイイですねぇ。



スーパーチャージャー付モデルの証であるエンジンフードサイドパネルから顔を出している、
フレキシブルエグゾーストパイプ、
スポットライトの裏に配置されたアウトサイドミラー
大きく前方に張り出したフェンダーとフロントグリルとの谷間に顔を出すヘッドライト、
そうした構成の中、クロームの使用のバランスが絶妙で
またそれが濃いめのボディ色に好く映えてため息が出るほど好いですよねぇ。

お尻のアップ。



リアのオーバーハングが無駄に長いですが、またそれが滅茶苦茶美しいですね。
こうした制約のない、のびやかなデザインの車は現代ではもう生まれようがないですよね。

昔、模型で見て、このとんがりはなんだろう?と思っていた
スペアホイールカバーの取っ手がデザイン的にもワンポイントになっていてイイですね。

一番手前に見える支柱はナンバープレート用の物で



その上にちょこんと付く、テールランプが可愛く、その中央にコソッと
スリーポインテッドスターが付くのがオシャレですよねぇ。

その左に見えるのは恐らくランブルシートに乗り込むためのステップだと思われるのですが、
ここから先どうやってランブルシートまで辿り着けというのだろう?って思ってしまいます(笑)。

以前ちょこっと運転させて頂いた、戦前の170Ⅴロードスターでは
確か、リアフェンダーの前側に収納出来る棒状のステップが装備されていたと思います。

キャビン部のアップ。



5mを超える全長を持つ車だと思いますが、
それに対するキャビンの前後長が異様に狭い気がしますね(笑)。

その狭そうな中、ステアリング径が大きいし、運転がしにくそうな気がしてしまいます。

しかし、この画像も本当にイイですねぇ。
前開きのドアを開いてここに乗り込んで、その主人公になれたなら、
どんなにイイかなぁと思わず想像してしまいます(笑)。

フロントグリル上のお星さま。



この時代になると220君のものとも意匠は殆ど同じようなものですが、
比べると恐らくコチラの方が全然大きいのだろうと思います。

で、台座の高さの高いこと…。
220君のはフェイクですが、これは本当にラジエターキャップになっていますから、
その必要上これだけの高さを持っているのかもですね。

色の入っていないハブキャップ。



同じオークションに出品される36年のカブリオレAの画像を拝借してきましたが、
正解の塗り分けはこんな感じになります。



どうですか?
一寸塗装がピカピカ過ぎるのが気にはなりますが、
その個体的な部分は置いておいて、こちらの方がずっと素敵ですよねぇ。

このショットも好いなぁ。



威風堂々って感じですねぇ。

ライト類のリフレクターがやや黒ずんでいる事、
グリルやグリル枠上のエンブレムがイイ感じに薄汚れている所が、
この車の歴史を感じさせてくれてまたイイナァと思います。

ドアの取っ手ってこんなこ洒落たデザインだったのですねぇ。



コックピットの様子。





右ハンドルですね。
メーターがマイル表示だから、イギリスに準じた仕様って事になるわけですね。

歴史には疎いのでアフガニスタンとイギリスの関係って全く知らなかったんですが、
チラッと調べてみると両国でガタガタやっていた時代はあったみたいではあるので、
その影響が残っていたこの時代にはアフガニスタンも左側通行だったって事なのでしょうかね?

しかし、室内も好い雰囲気ですねぇ。
現代のような快適装備は皆無ですが、
醸し出す上質感というのは現代車を寄せ付けないものがありますよね。

再塗装については書かれていましたが、
内装の方はどんなもんなんでしょ?

これ、シートなんかは一寸艶感が出過ぎているのでひょっとしたら塗っちゃってる?
って気がしないでもないですけれども、
それでももし、これらが当時からの革生地だったとするならば、
とんでもないコンディションですよね。

この当時からステアリングホイールとシフトノブは同色なのが決まり事の筈なので、
色がちぐはぐなこの状態は多分、どちらかが不正解なのだと思うのですよね。

で、ステアリングの方が一寸マットな感じがする事から
ひょっとして修繕して塗ったとかなのかなぁ?と思ったのですけど、
ふとシフトノブのクローズアップを見てみると、、、



これ、よ~く見ると縞のようなものが見えるのですが、
ひょっとして象牙だったりするのでしょうかね?

だとするとやっぱりこちらが正解のような気がするんですけどねぇ。
どうなんでしょうか。

メーターパネル。



これも薄汚れてはいるけど、良い雰囲気だなぁ、、、と思って見ていたのですが、
その中でどうも時計に違和感を感じてしまいました。

これ、時計自体にはVDOの文字が入っていて、デザイン的にも古そうではあるのですけれども、
他の4つのメーターの盤面は中央に銀色の円形な部分があるのに
時計にはそれが無いなんてのはちと変だし、
細かい値を示す刻みも他の3つでは内側にあるのに時計は外側、
オマケにタコ、スピード、水温の同色の針を持つ各メーターの
針の回転中心の円の大きさと針の太さが同じように見えるのに、
それが時計だけ違っているし、
こんな統一性のないことはしないでしょ~って思ったのですよね。

そこでまた同じオークションに出品される36年のカブリオレAの
メーター画像を確認してみた所、、、



同じ右ハンドルながら時計の位置自体は正反対ですが、
こちらには私の疑問に思った点が全くなかったのですよね。

時計自体も他のメーターと比べて綺麗でしたし、
何処かの時点で交換してしまったのでしょうね。

イグニッションキーとその他の鍵。



イグニッションキーにボッシュのマークらしきものが見えるのがイイですね(笑)。
残りの鍵は運転席のドア、幌収納部、ランブルシートの蓋、スペアタイヤカバーに
それぞれ使うものなのでしょうね。

ドアの内張り。





下手な小細工をしておらず、外観のような派手さはありませんが、
高級鞄のような上質で堅実な造りの感じがイイですよね。

スペアタイヤルーム(笑)。



ワタクシ、この中は初めて見たかも。

こうしてスペアタイヤの為のスペースや使用人用の補助席はあっても、
トランクの類いが無く、室内にも手荷物を置くスペースすらなさそうなんですけど、
あまり遠出とか考えていないのがシュペツィアールロードスターなんでしょうかね(笑)。

W18の290のシュペツィアール?ロードスターなんかはランブルシートの場所が
スーツケース用のスペースになっていたりするみたいですが。

円周上にあるクロームの筒状の物はバランスウエイトらしく、
私も良く仕組みは判らないんですが、この中にウエイトを入れるようになっているという事なのか、
通常はどのホイールにも全部で7つずつある筈なところを、
このスペアには何故か5つしかないのですよね。

エンジンルーム。

先ずは左側から。



プラグコードが8本ですから、ストレート8ですね。

何か訳がわからないものがゴチャゴチャ付いていますが、
下の方の前側は恐らくジェネレーターで、
その後ろ側は戦後のM186系エンジンのように
同軸でウォーターポンプを回しているのでしょうね。

因みに資料によると冷却水容量は26ℓだそうです(汗)。

続いて右側。



ターンフローなので吸気も排気もこちら側にあります。
右下のフィンが付いているのがスーパーチャージャーで、
キックダウンの要領でフルスロットルからもう一段アクセルを踏み込むと
それ用のクラッチが繋がって圧縮空気が吸気系に送られるようになっています。

排気のフレキシブルパイプは太くて格好いいけど、
それと比べるとエキマニは少々可愛い造りですよね(笑)。

フレキシブルパイプの向こうに見える斜めのクロームの棒は右ハンドル車なので
恐らくステアリングシャフトですね。

プレートその1。



シュトゥットガルト ウンタートゥルクハイム工場とあるので、
恐らくエンジン付きシャシーはそちらで造られていたという事なのでしょうね。

AUFTRAGS NUMMERというのは注文番号なのですが、
大きいプレートの方にその枠があるのにそこを空欄にしたまま、
小さいプレートにわざわざそれを打っているのは何故なんでしょうねぇ?

特注車両という事がなんらかの影響を及ぼして、
大きいプレートの製作段階でそれを打てない事情が発生したという事なのでしょうかね?

プレートその2。



これはエンジンプレートですね。
先程のプレートからしてマッチングナンバーですね(笑)。

プレートその3。



ボディーナンバープレートですね。
こちらにはWERK SINDELFINGENって書かれないのですね(笑)。

というのは、、、

プレートその4



ボディ左側ドア前方下部にSINDELFINGER KAROSSERIEと入った
プレートが別にあるからなのでしょうね。

このプレートのリプロが出回っているので
その内(取り付けるのではなく、コレクション用に)欲しいなぁと思っているのですが、
なかなかそちらまで手が回りません(笑)。

因みにこのプレートには別にMANNHEIMER KAROSSERIEバージョンもあります。
高級モデルはもちろんすべてジンデルフィンゲンの方ですが。

ライトのボッシュの文字。



こうした文字一つ取っても恰好イイですよねぇ。

牛さん好きとしては牛さん達と写っている画像を載せないわけにはいきません(爆)。



走行シーン。







本当にたまりませんなぁ(溜息)。

何の前触れもなくこんな車にこうして遭遇したら、
私だったらどうなってしまうか判りませんね(笑)。

追いかけられたら100点の対応だと思いますが、
あまりに想像を超えた出来事に、何が起こったんだかわからなくなり
思考停止するんじゃなかろうかって思います(笑)。

まぁ、日本国内には540KのカブリオレAすらない筈ですから、
(かつてカブリオレAは愛知の方にありましたけど、あれは海外に行っちゃったと思います)
シュペツィアールロードスターとの遭遇など起こりようのない事態ですけどね(笑)。

Offered Without Reserveとはありますけれども
ESTIMATEがないので一体幾らになるやら?という感じですね~。

車の健康の為にも是非資金力的にも体力的にもこの車に乗れる方に
落札してほしいものだなぁと思います。
Posted at 2022/06/14 21:49:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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