コチラはちょっと前にHKエンジニアリングに入荷した300Sクーペで御座います。
薄っすらと青み掛かったような綺麗なグレイ外装ですね~。
DB141というレアカラーだそうですが、HKはグレイとしか書いていません。
調べてみたところ、DB140ライトグレイという色はあるのですけれども、
車が古過ぎるせいなのか、当時の特別色だったからなのか判りませんが、
DB141という色の名前には辿り着くことが出来ませんでした。
ここで注目したいのはドアの直前、エンジンルームサイドパネル上にある、
縦長の長方形の開きそうな窓のようなものですね。
これ、左右の同じ位置についているみたいなのですが、
ワタクシ、今まで300S系でこのような物が付いた車両を見たことがありません。
HKがこの事に関して何故か完全スルーしているので、
これが出荷時からこの状態なのか、あるいは後から改造されているのか、
全然判らないんですけど、
ひょっとして暑い時期に室内へ空気を取り入れる為のフラップだったりするんでしょうかね?
因みにポルトガルのリスボンに出荷された車だったらしいです。
ヨーロッパの中では夏場暑そうな地域だから、その可能性はあるかもですね。
やっぱりお目目はユーロ眼がイイですよねぇ。
フロントグリル。
いつも折れ角ばかり気にしていましたが、
こうしてみると網部を縁取っていて、前方に飛び出している部分が
滅茶苦茶ゴッツイですよね。
何処を取っても威風堂々として恰好良すぎです。
密かにHKのバッチ?が付けられていますね(笑)。
この位控えめなら良いのですが、
最近?キンレがなにやらボディサイドに貼り付けるようになったみたいで、
あれは私的には貼る場所的にも大きさ的にも一寸嫌だなって思っています。
因みにこれはドイツの車屋さんに今在庫されている300SカブリオレAですが、
説明文には言及されていませんけれども、恐らくこれはキンレレストアモノで
Fフェンダー下部のドア直前に貼り付けられているのがそれだと思います。
リア廻り。
そういや、300SLクーペと同じようにリアマフラーの太鼓は横置きだったんですね~。
※因みに300SLロードスターは縦置き。
この角度だと割と太鼓が目立ちますね(汗)。
トランクオープン。
左右にスペアタイヤをマウントすることを前提とすると
一寸使い辛いスペースかな?とも思いますが、
こうして片方だけにすれば2人分の荷物には十分以上のスペースがありそうですよね。
この時代はトランク照明があってそれがまたイイ感じですよね(笑)。
タイヤ&ホイールキャップ。
300Sでは珍しい全面ホイールキャップが付いていますね~。
あくまでも私の持っているイメージ的な話で、しっかりした根拠がないのですが、
セダンの300ではこのホイールキャップはbの時代以降、
すなわち1954年以降辺りからの物だったように思うのですよね。
う~ん、この時代からこのタイプって使われていたのでしょうかねぇ?
タイヤは車格を考えて、ミシュランを奢ってほしかったですねぇ。
エンジンルーム。
やはりトリプルキャブを覆ったエアクリが目を引きますねぇ。
特別に仕上げた感なく、でも十分綺麗な状態を保っていて好感が持てますよね。
こちらもまた照明が好いなァ(笑)。
内装はブルー革にかなり退色が見られてお疲れのご様子ですが、
オリジナル内装ですね。
でも、破けが見られないのが素晴らしいですね~。
私ならこれで十分満足なので、私が買えるなら(って逆立ちしても無理だけど)、
このまま手入れをしながら乗ると思います(笑)。
いつも言う事ですが、張り替えではこの雰囲気は出ませんからね~。
とはいえ、このクラスの車の内装の張替えでは
かなり上級の革が使われているように見受けられるので、
それはそれでまた好い感じではあると思うのですけどね。
って、お前に革の何が判るんだという感じですが(爆)。
あと、ドアポケットに鍵らしきものが見えるのですが、
こんな物が付いているのも初めて見た気がします。
ダッシュボード。
ウッドパネルは最低でもクリアはやり直しているでしょうね。
ベッカーは付いていますが、時期的におっきなニュルブルクであるべき所を
やはり、セダンでいうbの時代辺りからの恐らくメキシコじゃないかと思われる
タイプのモノになっていますね。
故にここのパネルは恐らく元々はこの車の部品ではなかったろう、、、というのが
私の予想だったりします。
ヨーロッパ仕様なのでメーターはキロ表示で200キロスケールですね♪
これがUS仕様だと数字がまばらだし、数も小さいので
メーターの印象も少々寂しい感じがするのですよね。
+2のリアシート。
ほぼ使っていないと見えて、フロントシートのようなお疲れ具合は見受けられませんね(笑)。
しかし、シートベルトを後付けして乗る気満々な感じがイイですね。
このシートサイドのボックス(タイヤハウス隠しなんでしょうね)上の
下方でほんのりと灯るランプが好い雰囲気ですよね。
で、これまでの室内画像でさんざん見切れてきたこれって、
一体、何だと思います?
Philipsの『type Auto-Mignon GA 101』というレコードプレーヤー(!)なのだそうで、
今でもちゃんと動くのだそうです(汗)。
これ、まさか走行中には使えないですよね?
CDでさえ音飛びする事があったのに、レコードで飛ばないことはあり得ないだろうし、
1度使ったらレコードが針で激しく引っかかれまくって、台無しになりそうな気がします(汗)。
しか~し、
ネットで中身が見える画像を拾ってきたのですが、
このサイズで見えるかどうかわかりませんけれども、
これ、レコードを載せる回転盤の下の土台は底板からスプリングで支持されているんですよね。
停止中の車で聞くための物ならばスプリングは要らないと思うので
やっぱり走りながら聴くように出来ているモノなのかもですね(汗)。
こっちなんか、600プルマンに搭載されちゃってるし。
※おねいさんが弄っている8トラと思しきモノの上です。
やっぱりドライブしながらレコードを楽しみたいという需要がそれなりにあったのでしょうね。
走行中にどれだけまともに聴けるか実力のほどを試してみたいものですね(笑)。
最後にこの車のお値段の方ですが、
389000ユーロ、今のレートで5500万円チョイという感じで
15~20年前なら300ScのカブリオレAやロードスターが買えた金額ですが、
現在としては大体相場通りの所なのかなァと思います。
3.5カブリオレの程度の超極上車でこの位か、これ以上する事を考えると、
お買い得な気がしてしまいますね(笑)。
尤も3.5カブリオレは金額さえ考えなければ普段に使えるでしょうから、
買える立場にいる多くの人たちはやはりそちらを選んでしまうのでしょうねぇ。