まだまだ油断は出来ませんが、ようやく微熱が抜けつつあるぽおるさんであります(笑)。
画像は疾うに用意してあったのですが、
この風邪でアップ出来ていなかった表題の車のご紹介をしようと思います。
ドイツの車屋さんで売りに出ています。
本物は現存しておらず、MB自身が複製を制作してミュージアムに展示しているのですが、
これを見て一瞬、えっ?MBがあれを売りに出しちゃったの???と思ったものの、
画像を見ていてミュージアムにあった車両となんか顔つきが違うような気がして、
ドイツで撮影してきた画像と見比べてみて別の車だと確信したわけでありました。
因みに偽物の本物(笑)はこんな感じで御座いました。
ね、顔つきが違うでしょ?
本物の方が構成部品が分散していてバランスが良いのに対して、
偽物は一寸コミカルな感じがするのですよね。
ライトなんかは同じものを使用しているのかな?という感じがしますけれども、
グリルについて本物の方はひょっとすると300SL用か?と思わせる感じの物が付いていますが、
偽物の方はその縦横比が違うものが付いているのですよね。
そうした違いが見分けられる以上はMBが制作した車で無い事は間違いないと思われるのですが、
これだけの物をよくワンオフで制作したものだなぁと感心するほかありません。
真横から。
キャビンが前車軸前に完全にオーバーハングしている凄い設計ですよね。
どんな乗り味なんだろうって思ってしまいます。
そのキャビンのクローズアップ。
オーバーハングもすごいですが、
アミ6も真っ青という感じのルーフの反りかえりもすごいですよね(笑)。
こうしたワンオフモノを見ていつも思う事は、
金属物は板金でどうにでもなるけれど、ガラスの類は自動車用は特殊だろうと思うので、
どうやって調達するんだろう?って事なんですよね。
ひょっとしてポリカーボネート製なのかしら?
ホイールキャップはアデナウアー用でしょうかね?
オリジナルはセンターキャップだけだった筈なのでこれはオーバーデコレーションですね(笑)。
リア廻りの造形にも少々違和感があるのですよね。
真ん中の画像なんかしもぶくれで、ドラクエのスライムみたいです(笑)。
因みに偽物の本物はこんな感じ。
コチラの方がやはり自然ですっきりしていますよね。
ちゃんと300SLクーペ用のテールランプを使っているのに
偽物はどうしてこんなに締りがない感じになっちゃったんですかね?
センターにお星さまが付かないのもその一因だとは思いますが、
ボディラインの不自然さに関しては
MBは外部に図面を出さないでしょうし、ミュージアムでの採寸も許さないでしょうから、
画像から起こすしかない中での再現の限界があるって事なんでしょうね。
スペアタイヤ付近。
ラダーフレームなのでしょうから、特別に問題はないのでしょうが、
中央を大きく縊った思い切ったデザインですよね。
このスペアに関しては何故かオリジナル通りのセンターキャップのみになっていますね。
荷台。
真ん中の4本のレールを降ろしてスロープにして
外側のレールの上に車両を載せるようになっています。
このトランスポーターの1/43の模型を持っているのですが、
今気づいてみるとこの内側のスロープ用のレールが2本しかありませんでした(笑)。
試しに300SLRの模型を転がして乗せてみようとすると、
底付きして見事に載りませんでした(大笑)。
レール留め。
これは使用している革が偽物の本物よりも雰囲気が良くてこちらの方が好きですね。
空気入れ?
本物の方では確認出来ていなかったのですが、こんなもの↑がありました。
単に利便性から備えたものかもしれないので、それだけでは決め付けられませんけれども、
ひょっとしてこの車、エアサスだったりするのかなぁ?と思ったりしました。
室内の様子。
300SL用の布生地を使用した内張りが好いですね~。
しか~し、偽物の本物はベンチシートではなかったんですよね。
しかもバケットシートっぽいし(笑)。
ただ、本物の方のフロアトンネルの処理が少々不自然な感じに見えるので、
どっちが本当の姿かはともかくとして
この部分に関しては私的に偽物のベンチシートの方が本物っぽく感じてしまうのでした(笑)。
しかし、室内が細部に渡って破綻なく作り込まれている所は素晴らしいなぁと思います。
タコメーターは300SL用っぽいですね。
ぱっと見レッドゾーンが6000回転からに見えるので
ひょっとして220SEb用の転用か?って思ってしまいましたけれども、
220用は6000回転を示すラインごと赤ですし、
全体の数字の配置バランスも違うんですよね。
ミッションは5速らしいです。
オリジナルが何速だったかも私には判らないのですが、
この時期にはMBの市販乗用車用に5速ミッションはなかったろうと思うので、
何処から持ってきたのかなぁという感じですね。
商用車用に存在したのかについても少々疑問のあるところなのですが、
そちらからの転用なんでしょうかね?
エンジンルーム。
ちゃんと300SLのエンジンが載っていますね。
って事は、ひょっとして一台300SLを潰して作ったものなんでしょうかね?
但し、記載されている諸元によると192馬力にディチューンされているらしいです。
成り立ちがそうであったにしても違うにしても、
恐ろしい位のコストをかけて作られたことだけは間違いのない事でしょうね。
価格は応談で、想像するのも難しい所なのですが、
ボディラインにオリジナルとは違う所があるとはいえ、
これだけの作り込みがされた車両ですから、きっと億の世界の話になるのでしょうね。
しかし、この車両にはMB以外の車両を載せるのは論外だと思う反面、
MBでも300SL以上の格がある車しか載せるのにふさわしくないと思われるので
冷静に考えると実用するにはなんとも使いにくいキャリアカーだなぁと思います(笑)。