フランスの車屋さんで前期型300SEクーペの良さ気な車両を見付けました~。
いい青だなぁ、、、と思いますが、この塗装は100%新車からのオリジナルらしいです。
約90ミクロンと塗膜の厚さまで書いてありました(笑)。
350Hという事はミディアムブルーという色らしいです。
惜しいなぁと思うのは補助灯の位置が規定より高すぎることですねぇ。
これで後付けだとバレてしまいます(笑)。
リアバンパーにひょっとするとエクボ程度のペコリがあるかもですが、
斜め後ろからの姿もgoodですねぇ。
こうしてみると、トランク長いなぁ(笑)。
上の2枚の画像を見て、ひょっとして、、、と思いましたが、やっぱり、、、
当時のフィッシュテイル型のマフラーカッターを装備しています。
って事で、1本出しマフラーなので160馬力の前期型の可能性が高いのですよね。
ただ、前期型でも2本出しマフラーにされている車両もあるので、
当然と言えば当然ですが、どっちでも付くのでこれが160馬力版の証拠にはならんのですけどね。
こまごま見ていくとポチポチはあるみたいですね。
ボンネットの先端が軽く錆びたようにザクザクになっていますし、
その周辺も塗装がプチプチ浮いているように見受けられます。
まぁ、オリジナルペイントという事でこれくらいなら目を瞑りましょうってレベルですね(笑)。
説明文によるとジュネーブで1983年からずっと休眠していた車らしいので
逆に言うと、よくその程度の腐食だけで済んだものだと思うくらいですよね。
トランクもまずまず綺麗。
これがオリジナルコンディションなのだとすれば、
やっぱりトランク内ってつや消しじゃなくて半つや消しなんですね。
前席。
運転席側が見えませんが、オリジナル革のシートのコンディションも良さそうですね。
説明にはカーペットは少し傷んでいるような事が書かれていましたが、
オリジナルはウールなので縮むし、虫に食われるし、
40年も動いていなかったとなればある程度は仕方がないでしょうね。
私もウールで張り替えたくて、ドイツでセットで作ってもらって送らせたまでは良かったのですが、
当初見積もってもらった色とは違う物が来て、
その見積もってもらった色の方は結局ウールじゃないのが判明して、
色の為にウールにするのを断念したのですよね。
その時のウール生地のカーペットセットは、某280SEクーペに付いていますが、
その後縮んだりしていないかしら?
また脱線しました(笑)。
私、このグローブボックスの蓋にタイプ名を貼るのって、
300SLの真似ッコみたいで実はあまり好きじゃないんですよね。
こういうオプションがあったのかどうかは知りませんが、
私的にこれは一寸減点対象ですね。
ダッシュボードのクローズアップ。
ウッド周りは一度も修復されていないと書かれていますが、
それが本当だとすれば、クリアの艶感が素晴らしいですね。
艶アリとつや消しの間の程好い艶感という感じ。
キーシリンダー廻りの艶が無くなっているように見えますが、
これは磨けば復活しそうに思うのですよね。
ワタクシ、クリアが厚いのが嫌いなんですが、
スピードメーターの収まっているハウジングの縁廻りのエッジが綺麗で
やっぱりこれが本当なんだろうなァって感じです。
内装レストアでもこういう絶妙な仕上げが出来ると良いのですけどねぇ。
真空管ベッカーは1962年までと訊いていましたが、63年にも付いているのですね。
300SEにはこのようにグランプリがふさわしいと思います(笑)。
シガライターが違うのになっているのと、
ヒーターブロアのパイロットランプのレンズ?が紛失しているのが残念ですね~。
ドア内張も綺麗ですね~。
距離は106500キロほど走っているらしいのですが、色も白に近いので、
それくらい走ればドアポケットを靴でこすりまくっていそうな所を
多少黄ばみが見えるような気もしますが、本当に清潔に保たれていると思います。
エンジンルーム。
やっぱり160馬力の189985エンジンの方でしたね。
170馬力の189987エンジンの方はインマニがカクカクした硬い印象があるし、
189985エンジンの方は我が220君とインジェクションシステムなどで似通った部分があるので、
後者の方が好みなのですよね。
ファイヤーウォールパッドは一寸ボロけていますが、多分この車のオリジナルで
後のモデル用よりも遥かに薄いタイプなんですよね。
私だったらエンジンルーム内の塗装部もちっと磨いて写真に撮るけどなァ(笑)。
やれば綺麗になりそうなのでその点が一寸残念に思われる所です。
因みにこの車、40年近く寝てはいたようなのですが、説明文によると、
『機関に関しては、保存状態を損なわず、信頼性の高い車に戻すための作業が行われており、
エンジンは非常に静かでエアサスペンションは非常によく機能し、
しばらく放置しておいても車高を保つことができます。』
との事でありました。
さて、気になるお値段の方ですが、85000ユーロでありました。
今のレートで約1200万円ですね。
エアサスが敬遠される所で、パワーも280SE程度なので、今一つ人気が延びませんが、
格で言えば280SE3.5クーペと同格又はそれ以上ですし、
更に希少性で行けば確実にそれより上ですし、私的には妥当な所だと思うのですけどね。
この車は1963年の6月の車(但し、車体番号が判らないので前後する可能性はあると思う)なので
微妙に該当しませんけれども、189985エンジン搭載の300SEクーペは
当時300SLロードスターの次に高価だった車なわけですから、
もう少し高い評価を与えてあげても良いと思うのですけどねぇ。