4月26日に行われるGooding & Companyのオークションで
また私の好きなHispano Suiza J12が売りに出るようです。
一寸前にも別の車がオークションに掛かるのをご紹介していますが、
今まであまり売りに出る事が無かったのが、
近年ぽつりぽつりと出るようになったなァという印象ですね。
気に入って長年所有してきた方々が、いよいよ年齢層が上がってきて
ここにきてそれに絡んだ色んな理由で、、、という感じなのでしょうかね?
肝心な車両の方はコチラで御座います。
コーチワークはイスパノスイザ御用達ともいえる、ヴァンヴォーレンによるものだそうです。
ホント、溜息が出るような美しさですなァ。
通常ではドア上のラインは底面と平行に推移するとか、
後ろに向かってなだらかなカーブを描いて垂れ下がっていく
とかいうデザインを採りそうな所を
これはドアの前端部から緩やかに上向きの円弧を描かせつつ、
ドア後半以降からリアクウォーターに掛けて垂れ下げていく所が面白いですね。
畳んだ幌の上部が描く円弧とその辺りのマッチングもまた好い感じですよね。
サイドモールの描くラインと言い、構成されている全ての要素が
美を際立たせるように緻密に計算されている感じがしてイイですねぇ。
これ、実物が私の目の前にあったら、丸一日飽かずに眺めて居られそうです(笑)。
マスコットのシゴーニュヴォラント(飛翔するこうのとり)
前から言っていますが、このマスコットだけでも欲しいです。
ホント、好いデザインだなァ。
グリル上のエンブレム。
細工が滅茶苦茶細かいですよね。
今更ながら、羽の上部の方が盛り上がっている事に気付きました。
ステップ廻り。
この5本のステップモールの配置一つ取っても手抜きがなく、
絶妙なバランス感が表現されていますね~。
普通だったら真ん中を中心にして山型に均等配置しちゃいそうなところですもの。
下の方にさりげなくヴァンヴォーレンの銘板が取り付けられているのもイイですねぇ。
その銘板のアップ。
複製だったら、もう一寸垢抜けちゃった感じになりそうなところなので、
恐らくオリジナルを綺麗にしたものなのでしょうね。
いい雰囲気です。
nから延びるアンダーライン上に文字が浮き彫りになっていますが、
元画像でも判読が難しかったけれど、どうやら、
CARROSSIER-COURBEVOIE-PARIS(コーチビルダー・クルブヴォワ・パリ)
と書かれているようですね。
COURBEVOIEって何ぞや?と思ったのですが、
どうやら、パリ北西部郊外の街の名前みたいです。
郊外って事はパリちゃうやん、、、と思ったのですけど、
VANVOORENはパリ8区のMarbeuf通り33番地にショールームを持っていて、
且つ、Courbevoieに生産施設を持っていたという事のようで、
要はその両方の街の名前を記載したという事みたいですね。
実はCourbevoieの工場から数百メートルの距離には
Bois-Colombesという街にあるHispano Suizaの工場があったのだそうで、
そんな立地的な事もあって、両者の関係が深くなったという面もあるのでしょうね。
ホイールキャップ。
どういう方法で刻まれたものか判りませんが、
ー・ー・ー・ー・という一点鎖線のような感じの線で構成された円が三重に描かれていて、
派手さはないものの、とても品があるものになっていますよね。
これって、恐らく手作業で付けられた模様だと思うのですが、
こんなに綺麗に円形に仕上げられるものなんですねぇ。
何故か内装廻りの画像はステアリングホイールの物しかないのですが、
まぁ、これだけの外観ならば、内装が悪いって事はないと思うんですよね。
Gooding & Companyは確か、オークション詳細を出すのがいつも遅かったような記憶で、
今回も現状全く出ておらず、本当に画像のみ、、、という感じなのですよね。
従って、ESTIMATEもまだ出ていません。
恐らくこれも3~4億円位の事を言うのでしょうねぇ。
ただ、最近、300SL辺りでも3億円位いう車がポチポチ出ている事を考えると、
私にはとてもとても買えないけれど、仮にその位の金額で落札されるならば、
なんかスゴくお買い得な感じがしてしまうのですよねぇ(笑)。
国内でも5~60年代のフェラーリとかだと10億もする車を平気で持っている人が居るらしいのに、
この手のクラシックが好きで所有されているような方の話は殆ど聞かないので、
(聞かないだけで少ないながらも居られるのかもですが)
個人的には非常に残念に思います。
まぁ、戦前車でも人気があるのはミッレミリアへの出場資格があるような
スポーツカーだもんなァ。