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ぽおる・ぶらっくのブログ一覧

2024年10月05日 イイね!

220SEbカブリオレの生産開始時期の考察

こないだのブログで
『デビューの時期は置いておいて、220SEbカブリオレと300SEカブリオレって
実は殆ど同時期に生産が始まったなんて事はないのかしら?』
という風に考え、
『この説を何らかの形で証明する方法がないか、一寸考えてみようと思っています。』
なんて言っておりましたが、
それ以降、チョボチョボとではありますが、お得意のパーツリストを使用しての調査をしており、
結果、辻褄が合わなくてスッキリしない部分があるので、証明とまでは言い切れませんが、
ボンヤリとではあるものの、その説がある程度正しい事を更に匂わす結果にはなったと思うので、
それに付いて一寸書いてみようと思います。

そのやり方としては各項目のフットノートとひたすらにらめっこをし、
2万6千番台近辺の車体番号で行われた変更をチェックして
判断材料となるものはないかと探して見る感じでありました。

エンジン絡みの部品はほぼエンジンナンバー管理なので調査対象外とし、
グループ22のエンジンサスペンションの項目から、
グループ92のシートアクセサリーズまでで調べてみました。

私もパーツリストの見方を100%理解出来ているわけではないですし、
時としてパーツリスト自身にミスもあったりするので、
書いてある内容について理解が及ばず、飛ばした部分もあるのですが、
判った部分だけ判断材料とする事にしました。

では早速(前置きが長くて早速でもないか…笑)行ってみましょう(笑)。

先ずはグループ33のフロントアクスルから。

部品はステアリングナックルです。
画像は出来るだけ判りやすくするために切った貼ったしていますが、
とりあえず右用だけ纏めた物を載せます。



品名の右側の説明にはディスクブレーキ付きフロントアクスル用とありますが、
ホントはこの上にドラムブレーキ付きフロントアクスル用の項目があったのを
2枚扉にはフロントのドラムブレーキの設定自体が無いので
画像加工でそれを端折って、ディスクブレーキ用の項目を上に移動させてあります。

この通り、ディスクブレーキ用のステアリングナックルには左右おのおので3種類あったようです。

一番上の品番の列のフットノートよりも右の方を見ていくと、
サイズを落としすぎて最早拡大しても書いてある言葉が判りませんけれども(笑)、
Quantity per Modelという項目があって、そこの021の項目内に『1』とありますが、
要はこの部品がフットノート12の時期のクーペに1個使用されているという意味なんですよね。

この部品はディスクブレーキ用のステアリングナックルの1stバージョンなのですが、
何故、これが021にしか該当していないのかと言いますと、
セダンである014へのディスクブレーキの採用は021よりずっと後、
具体的には1962年の4月からなので、
この1stバージョンの時期に該当する014用のステアリングナックルは
私が端折った項目の方に書かれていたんですよね。

そして2番目の品番になってようやく014にも1が表記され、
更に021と並んでカブリオレである023にも1が表記されるようになるのですよね。

で、この場合のフットノートの見方はと言うと、
014に適用されるフットノートが17番と18番、
021と023に適用されるフットノートが13番と18番という意味なのですよね。

で、フットノートの表も載せますが、



これで行くと、ディスクブレーキ用のステアリングナックルの1stバージョンは
フットノート12ですから、『026650まで』という事になるわけですね。

で、2ndバージョンの方はと言うと021/023共に13番のフットノートが付いていますから、
『026651から』、、、という事になります。

因みに今回の目的からすると意味が無いのでフットノート18番は切り取っちゃいましたが、
こちらは『040634まで』という事になっていて
更にその026651~040634の中でこの部品が適用除外となっている車体番号と、
この040635以降で適用となる車体番号(何故か全て4万6千番台)が結構な数、記載されています。

それはともかくとして、話を元に戻すと、
1stバージョンの方はカブリオレには使用されておらず、2ndバージョンの方は『026651から』、、、
という事になるので、
これからすると、カブリオレは026650以前には存在しませんよ、、、
という話になると思われるわけであります。

あらら、こないだのカブリオレの車体番号の026883を考えれば、
これで大体話が終わっちゃったよ、、、ってこの時点では思ったのですけど、
それは一寸ばかり甘かったみたいです(苦笑)。

因みに014のフットノート17番は『026841から』とありますので、
セダンがディスクブレーキ化したのはそこからという事になり、
上述の通り、それが1962年の4月という事になっていますから、
その026650はそれよりも一寸前の時期と判断しても良いということになる筈で、
私の識別法での年式判断も概ね正しい事が判ります。

お次はグループ42のブレーキで部品はリアのドラムブレーキ用のアンカープレートです。



これにも左右それぞれ3種類あって、023に使用されているのは3rdバージョンのみと判ります。

フットノートの方はこんな感じ。



これの場合は1の位置が021と023でズレていて、フットノートは021の所に付けられているので
023についてはフットノートはないって事になるのだと思われます。

つまりカブリオレには問答無用にこれしかないという意味ですね。

フットノートの18番はリアアクスル番号に対して与えられているので省きましたが、
23番の方は『026884から、但し026711にも搭載されている』とありますね。

なので021の方についてはそういうタイミングで使用され始めた部品という事になり、
このフットノートを023と何故同列にしなかったんだろう?と思った訳ですが、
そうする理由を色々考えてみて、
023にはこのタイプのアンカープレートしかないけれども、
026884より前にもそのタイプが存在するよ、、、という事ではないかなぁと思ったのですよね。

で、思い出して頂きたいのは、例の私が見てきた中での最古のカブリオレの車体番号です。

上にも書いた通り、あれって026883でしたよね。
何と、丁度026884のひとつ前のタイミング(汗)。

こんなことってある?って思うくらいですが、
偶然これが上の説を上手い事上書きしてくれた形になりました。

一方、2ndバージョンの最後がフットノートの22番で026883と、
正にこのカブリオレになってしまっているわけですが、
この見立てで間違いないとして、こうした2車種以上混合の車体番号の車輛の場合、
そのフットノートで表記される車体番号で
キッチリその車種で存在し得るのはfrom chassisの方の番号の方で
up to chassisの方の番号はそちらに合わせてひとつ前の番号にしただけ、、、
ということになるのでしょうね。

さて、ここまでは矛盾がないのですが、問題は次です(苦笑)。

同じグループ42のブレーキで部品はサイドブレーキのレバーのプルロッドです。

W111のサイドブレーキはパーツリスト上で
ピストルグリップハンドブレーキと呼ばれているもので、
ダッシュ下に付いているグリップを引くタイプです。

構造からすると、それに繋がるワイヤーは一旦前方向に向かわなくてはならないわけですが、
それを引っ張って駐車ブレーキが効くようにする為には
ワイヤーの動きをどこかで反転させなくてはならない事になるわけで、
その役割をするレバーがエンジンルーム内の前方に付いているのですが、
(左ハンドルの場合)左側のフレームから右に向かって生えているその軸が
グリップが引かれる時には後ろ方向の力を受けるので、
それが撓らないように軸の右端を前から支える物が必要で、
この今言うプルロッドという部品はその目的の為の物なのですよね。

んで、パーツリストによると、、、



プルロッドは220SEb用としては全部で5種類で、2枚扉に使用されたのは3rdバージョンから、
023に使用されたのは4thバージョンからという事になるわけですが、
フットノートを見ていくと、、、



3rdバージョンは021の020632まで(36番)、
4thバージョンは021では020633から026272まで(48番)、023では026272まで(50番)、
5thバージョンは021/023共に026273から(52番)、、、
ってことになってしまうのですよね。

上のステアリングナックルでの話で『カブリオレは026650以前には存在しない』という
結論に達した筈だったのですが、
見事に矛盾してしまう結果となってしまったのですよね(苦笑)。

ただ、確かにナックルの方の話は一寸不自然かなと思う事もあるのですよね。

以前のブログに先日挙げた、私が見付けた中での最古のカブリオレよりも
ボディナンバーがひとつ後の車輛も取り上げたことがあるのですが、
両車の車体番号は88番差だったのですよね。

この間隔が一定である保証は全くないのですけれども、
026651から026883の間にカブリオレが8台存在していたと考えようとすると、
明らかに各車の番号は詰まり過ぎになってしまう感じがするのですよね。

それで、仮に023が88台ずつの間隔をもって00001から00008までが造られたとした場合に、
00001の車体番号がいくつになるかを計算してみると、026267となり、
4thバージョンに該当する車両は1台のみという事にはなるものの、
見事に矛盾はしなくなるのですよね。

この026267は1962年の2月の終わり頃に相当するのですが、
今まで300SEクーペ/カブリオレの『デビュー』を1962年3月としてきたものの、
文献に出荷開始時期として書かれているのは1962年の2月なので、
300SEカブリオレと同じ時期の出荷開始説と合わせて考えれば
コチラが正解臭いかなぁという気がするのですけどね。

キリがないのでブログ上でこれ以上細かく追っていく事はしませんが、
他にもパワーステアリングギヤボックスの
1stバージョン(一応2ndバージョンに品番変更されている)が023には該当となっていなくて、
それが024928までだったり等々の事もあるので
少なくともショウデビューの時期と実際の出荷には何か月かの開きがあるというのは
間違いないんじゃないかと思うのですけどね。

しかし、これがホントなら凄いなぁ。

世界中の古MBマニアはみんな、220SEbカブリオレって言えば、
1961年の9月からデリバリーが開始されていると思っている筈ですからねぇ。

しかしねぇ、私がよく判らないのは生産型プロトタイプの扱いなんですよね。

1961年9月のフランクフルトショウには、
デビューのショウなのですから、当然220SEbカブリオレが展示されていた筈で、
多分、MB公式フォトにあったカブリオレがそれだったんじゃないかと思うのですが、
以前、ちょろっと書いた通り、これがシートセンター5分割タイプなんですよねぇ。



これって、生産台数にカウントされているならば、当然、5分割タイプの存在が、
EPC上で反映されていてもいいんじゃないかって思うのですよね。

って事はプロトタイプはカウントに入っていないって事なのかしらん?

その一方で220SEbクーペは1961年2月デビューなんですけど、
年毎の生産台数の表を見た時に、1960年に2台カウントされているのですよね。

この2台って通常生産分?それともプロトタイプ?

ある文献にはfrom September 1960/February 1961とあるので、
なんとなくプロトタイプがカウントされているんだろうな、、、とは思っていたのですが、
って事は1961年の9月にショウ用に?造られたカブリオレもプロトタイプって事で、
単にプロトタイプはパーツリストの適用外になっているって事なのかもしれませんね。
Posted at 2024/10/05 06:38:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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