過去に
こんなブログを上げて居るのですけれども
先日、ここの内容に誤りがあった事が判ったので訂正致しますです(汗)。
そのブログでは450SLC5.0と500SLCに関して以下のように書いておりましたが、
>5.0の1470台に対して500SLCは1299台
これって、とある本に書かれていた話がベースになっていたのですが、
その著者はどうやらそれぞれの具体的な台数が判っていないのを
適当に誤魔化していたようだと、今になって気付いたのですよね。
その本の450SLC5.0の項目には
500SLCまで含めた1977年から1981年までの年毎の出荷台数と総生産台数が書かれており、
その一方で500SLCの項目には1980年と1981年のみの出荷台数と
総生産台数が書かれていたので、
その総生産台数がそのまま500SLCの生産台数の物なのかと思わされてしまい、
前者の総生産台数からそれを引いた値が
450SLC5.0の生産台数だと思ってしまったというわけなのでした。
それに続いて、、、
>とは言っても両者とも107026で、車体番号末尾が001627と001628で切り替わる
と書いてある方に関しては間違いではなく、ちゃんと根拠もある話でして、
EPC上でトランクリッドの5.0エンブレムのフットノートには『001627まで』とあり、
500SLCエンブレムのそれには『001628から』とあるので、
EPCの記載に間違いがない限りはココが分岐点である筈なんですよね。
本当はそこから判断すればよかったのですけれども、
その時は何らかの事情で450SLC5.0の車体番号に多量の欠番があるんだろうと
思い込んでしまったのですよね。
適当に書くにしても普通はあんな一方的な書き方はしませんからね。
因みに5.0が1636台と書いてある資料も手元にあるのですけど、
境目の車体番号の数を超えてしまっているのでこれもまた間違い(苦笑)。
それが書いてあったのは、結構高額な書物だったのですけど、
その台数は何らかの理由から出てきているのでしょうから、
その根拠がどこにあったのかを知りたい所ですね。
また、ドイツのwikiを見ても両者の合算の生産台数しか書かれていないので、
恐らくハッキリした事は判っていないという事なんでしょうね。
しかし、この位の世代の通例では欠番はほぼ無さそうに思うので、
5.0の生産台数は1627台であるか、それをわずかに下回る数、、、
逆に500SLCは1142台であるか、それを僅かに上回る数、、、
という感じになっているんだろうなと思いました。
でね~、これを何らかの方法で立証出来ないかと色々と調べて居ったのですが、
大体の所は見えてきました。
実は5.0の車体番号を何気にEPCに突っ込んでみたのですが、
なんと、データカードがでてくるではありませんか。
今まで1979年以前の車のデータカードは出てこないと思い込んでいたので、
まさかまさかでした。
で、最後の車体番号が判れば欠番がいくつあるか判るので、
その近辺の番号を適当に突っ込んでみる事にしたのですよね。
5.0と500SLCの合計が2769台なので、先ずは10702612002769を入力してみると
上手い事データカードがヒットしてくれました。
続いて下6桁を002770に変えて入力すると、これがまたヒット。
という事から欠番が一つ存在する事が確実となりました。
更に002771に変えて入力すると、、、これはヒットしませんでした。
という事で欠番は1つと結論付けたい所だったのですが、
後述しますけれども、実はこの前に他の調査をして居りまして、
その中で車体番号を入れてデータカードが出て来なかったケースがあり、
またそれが実在が確認出来ている車両の車体番号でもそのような事があったので、
何らかの事情でデータカードがEPCに収録されていない事があるらしいと判っていたのですよね。
それ故、002771まで調べただけでは002770が最後の番号だと決めつけられないな、、、
と思いました。
なので、一応002772以降から002800番まで続けて調べてみましたが、
ひとつもデータカードがヒットして来なかったので、
無論、それでも確実にそうだとは断言し切れませんけれども、
002770がほぼ最後の一台の車体番号だと考えて良さそうだという結論が得られました。
こう結論付けてしまっても5.0と500SLCのどちらに欠番の1つが含まれるのかが判らないので
最終的に特定はしきれないのですけれども、
多分、5.0の生産台数は1627台か1626台、500SLCの生産台数は1142台か1143台
と考えて良いだろうと思われます。
、、、と、言う感じの結論となりましたので、
先のブログのその部分に付いては謹んで訂正させて頂きます。
んで、今度はエンジンのお話。
知恵袋でMBに詳しい人に教えてくださいと言う形で、
450SLC5.0と500SLCの違いを聞いている方がいらして
回答者が日本のwikiを引用しているんですよね。
そのwikiには、あたかも450SLC5.0には最後まで5025ccエンジンが搭載されていた風な
書き方をしているんですけど、
実際には1979年の5月頃(これはドイツのwikiの情報)には既に4973ccになっているんですよねぇ。
しかも、日本のwikiでは5025ccのエンジンは
4973ccのエンジンの方とは違って鋳鉄ブロックだったっていうんですけど、
私の手元の複数の資料には
5025㏄のエンジンの方もアルミブロックだって書いてあるんですよねぇ。
第一、107026に搭載されるエンジンの型式は5025㏄の方も4973ccの方も
117960エンジンなんですけど、
普通に考えてエンジン型式が一緒でブロックの材質が違うって
あり得ないと思うのですよねぇ。
4973㏄のアルミブロックと別物って何を根拠に言っているんでしょうかね?
因みに上でリンクした間違いブログ(苦笑)の中で
エンジンナンバー末尾000886から4973㏄と書いておりますが、
これに付いて私は、EPCでピストンを調べて、
このエンジン用の97mm径のピストンが000885まで、96.5mm径のピストンが000886から
と書かれているのを根拠にそう言っているのですよね。
で、上述した私の説では450SLC5.0の台数は1626台か1627台という事になっているわけですから、
(そのwikiでは上述した私の資料のひとつにある、1636台説を唱えていますね…笑)
5025㏄の方のエンジン番号が000885までという事は
車両に搭載されたそのエンジンの数はそれと同数、或いはそれ以下という事になるわけで、
となれば途中で4973㏄に切り替わっていなきゃおかしい話になるわけですよねぇ(苦笑)。
なかなか皆さん、適当な事を書かれていますね(笑)。
尤も、上述の通り、私も間違えたんだから人の事は言えませんけどね(苦笑)。
因みに他にもあるのかもしれませんが、450SLC5.0と500SLCの主な違いは
ATが3速(722006)か4速(722305)か、という事のようです。
で、これに付いてもEPC上で(一寸難解な書き方をしていますが)
722006が車体番号001627まで、722305が001628から、
という、トランクリッドのエンブレムと同じ変更タイミングで書かれているのですよね。
で、後述すると言っていた調査というのが
その5025ccと4973ccが車体番号的にいつが分岐点なのか?というもので、
EPCにランダムに車体番号を打って行って
エンジン番号が000885にある程度近づいたところから
連続して1台1台調べていくというやり方をしていきました。
んで、その過程でデータカードの記録自体が無い例がいくつかあったんですよね。
で、最初に辿り着いた車体番号が000830でエンジン番号が000868だったのですが、
調べる順番は滅茶苦茶でしたけど000830から000890までを調べて
とりあえず境目のエンジン番号のエンジンが載っている車両の
車体番号を見付けることが出来ました。
この61台分の調査がまた結構私的には興味深いものだったのですけど、
先ずは境目の車体番号をお知らせ致しましょう。
5025㏄
車体番号000867がエンジン番号000884
車体番号000854がエンジン番号000885
4973㏄
車体番号000877がエンジン番号000886
車体番号000885がエンジン番号000887
隣り合った4つのエンジン番号をこうして並べてみて
それらのエンジンが載った車両の車体番号どうしに結構開きがあったのも
一寸意外だったのですけれども、
5025ccの方は車体番号とエンジン番号の順番がひっくり返ってしまっているんですよね。
この調査の範囲では5025㏄ラストの番号のエンジンが載った000854の前の車体番号の車両には
4973㏄のエンジンが載っていない
(但し調べた範囲の中で4例搭載エンジンのデータが無いので確実にそうだとは言い切れません)
のですけれども、
後の車体番号の車両には5025㏄のエンジンが、10機載っているんですよね。
逆に4973㏄の最初の番号のエンジンが載った000877の後の車体番号の車両にも
5025ccのエンジンが載っていない
(但し調べた範囲の中で2例搭載エンジンのデータが無いので確実にそうだとは言い切れません)
のですけれども、
前の車体番号の車両には4973ccのエンジンが12機載っているんですよね。
こんな番号を無視した載せ方がされていたんですね(汗)。
まぁ、別部門から組み立てラインに纏めて何機か送られてきたエンジンを
わざわざ番号順に並べて載せるなんて事をしていられるか~!
と言われれば納得は出来ますよね(笑)
キッチリ車体番号で区分けする事が出来ないのは一寸残念ですけれども、
車体番号000854から000877が5025ccと4973ccエンジンの境目という事にして
その間の24台では両方のエンジンがランダムに並んでいると考えれば好いのですよね。
で、今回調べた範囲で漏れが無かったとして注目すべき事は
車体番号的に一番最後に5025ccが載っていたのが000872だった事で、
先ずこの時点で最初から車両に搭載されていた5025ccのエンジンが
872機以下だったことが判るし、
少なくともその前に8台の4973cc搭載車があるので
864機またはそれ以下だったという事が判ったのですよね。
(因みにここに『以下』という表現を使う理由は上述の通り、今回調べた範疇で000872以前に4台のデータ不明車両があるからです)
こうなるとオリジナルの5025ccのエンジンってメッチャ希少なんですね~。
と言っても、OH時に0.5mmオーバーサイズピストンに交換したら
違いがなくなっちゃいますけどね(苦笑)。
で、ここからはオマケなんですけど、
調査の過程で某オークションサイトでこんな車を発見しました。
初期のUS仕様ルックの450SLC5.0です。
450SLC5.0は排ガス規制絡みの要因からなのか、
日本と同様にアメリカにも正規輸入されていなかったので、
その時点でこの顔つきはあり得ないのですが、
更に450SLC5.0の生産時期はガッツリと5マイルバンパー規制に引っ掛かっていたから、
仮に正規輸入されていたとしてもこの顔つきである事はあり得ないのですよね(笑)。
トランクリッドには
ちゃんと5.0のエンブレムが付いています。
実はこの時、450SLC5.0の500SLCに切り替わり直前の車を探していたのですが、
この車は、、、
001598という事でかなり最後の方の5.0で都合がイイナァと思ったのですよね。
で、境目の車両を捜していた理由は、これが見たかったのですよね。
これ、ATのオイルパンなんですけれども、
この時代の3速ATのオイルパンはこのように底面が正四角形に近い、
4本のボルトで固定するタイプなんですけど、
その後の722.3は縦長の6本ボルト固定のタイプとなるんですよね。
5.0が3速ATで500SLCから4速ATだというのを実際に確認してみたくて探していて、
結構最後の方の5.0でこれを見付けたので、一瞬(苦笑)、おぉ~、と思った訳であります。
ところがですねぇ、これのカラー&オプションコードのプレートとデータカードを見比べていて
ひとつ気付いちゃったんですな。
プレートの方のカラーコードは172(アンスラサイトグレイメタリック)になっているのに
データカードの方は473(シャンパーニュメタリック)になっているので、
なんじゃこりゃ!って事になったわけであります。
で、オプションコード番号の方も見比べたら全然内容が違うのですよね。
でね、実は前掲の車体番号の打刻になんとなく違和感を覚えていたんですけど、
そういやこの時代の車体番号になると
番号の前後にお星さまマークが入っていたんじゃなかったっけ?
と思ったのでした。
で、他の車両を当たってみたのですが、やっぱり、、、
そうなっていたのでした。
私は最初の時点で書体にはそんなに違和感を感じなかったのですけど、
打刻の文字同士の詰め詰め感がなんとなく変だなと思っていたのですが、
なるほど、6・2・6の中間もこれだけ空いているのが正解だったんですね。
で、車体番号プレートを改めて見てみたわけですが、、、
これは違和感が無いし、車体番号も打刻と同一。
これってどゆこと?って考えたのですが、
恐らくこれ、書類のある他の車から車体番号プレートだけ持って来て、
書類の無い車にそれと同じ車体番号を打刻して運行されている車なんでしょうね(汗)。
カラー&オプションコードのプレートも107026にはなっているから
車自体は恐らく本物の450SLC5.0なんでしょうけれども、
それがデータカードの内容と違っている時点でオカシイですからね。
カラー&オプションコードのプレートも一緒に車体番号のドナーから持って来てしまえば
もう一寸判り辛かったのでしょうけれども、こりゃ、あまりにもやる事が中途半端でしたな。
一瞬、都合の良い車両が見付かったとぬか喜びしてしまったのですけれども、
資料としては役に立たないとんでもない車を見付けたという事で終わってしまいました(苦笑)。