ドイツのお気に入りのお店で表題の車を見付けました。
つい先日、オークションに出品される同型車を紹介したばかりですが、
全部で53台しか無くても、売りに出る時には出るものなんですねぇ(笑)。
先日、300Scは色替えが多いようだと書きましたが、この車も例外ではないようで、
元色がDB390という青系の色だったらしいですが、黒に塗り替えられているようです。
ネット上に300Scと時代が重なるポントンのカラーリストがあるんですが、
その中にはスペシャルペイントも含まれているのにも関わらず、そのDB390が出ていないので、
恐らくそれは今でいう、デジーノカラーのような超特注色だったのでしょうね。
スペシャルバージョンコード一覧を見ると、
1978年以降のコードとして、390 BERMUDA BLUEという名称があるので、
全く同じ色かどうかは判りませんけれども、名称はそれと同じかもなァと思っています。
ヘッドライトは可愛らしくて好ましい、ヨーロッパ仕様になっていますが、
説明文によると新車時にアメリカに出荷された車なのだそうです。
幌姿。
案外見掛ける事の多くない、ロードスターの幌姿ですが、
MBの中ではカブリオレAと比較して簡易的なものとしての位置づけながら、
こうしてみるとこれでも十分な耐候性をもっていそうな様子が伺えますよね。
幌姿後ろから。
スクリーンは透明度が若干落ちてしまっている様子が伺えますが、
汚らしく皴目が立っている事もない、姿の綺麗な幌ですよね。
以前ネット上で見た、ある300Scロードスターの幌姿で
このスクリーンの上の両端が角張っていたのに違和感を覚えた事があるのですが、
それに対してこれは幌の外形とのバランスが好いので
これが新車当時からの物かどうかは判らないものの、
恐らくこのような緩い蒲鉾型なのが元々の姿なのでしょうね。
300Sエンブレムのアンダーバーの件、これもやっぱり短い方になっていますねぇ(笑)。
こんな風になっている車両は初めて見ましたが、
テールランプは右側が白内障に掛かってしまっていますね(汗)。
昔乗っていた914もフロントのウインカーのアンバーの塗料が剥がれて来て
隣り合ったポジションランプのように透明になりかけていましたが、
これも同様な流れでこうなってしまったのでしょうかね?
流石に部品もないでしょうから、これは再塗装で直すものなのでしょうね。
高い所にあるリアのウインカー?が赤が多い中、これはアンバーになっていますね。
フロントのウインカーがクリアでこちらがアンバーとは、、、って感じですが、
フロントのそれも右テールランプ同様色抜けしてしまったという事なんでしょうかね?
横から。
幌カバーが付いていないオープン状態という、これもあまり見かけない姿の画像ですが、
カバーで抑え込まなくても幌がコンパクトに収まり、
比較的キッチリボディラインに沿うようになっている事が、これを見るとよく判りますよね。
戦前からのフェンダーの独立したデザインの終焉を示す、過渡期的なデザインではありますが、
その終わりに相応しい洗練を以て、破綻なく美しく仕上がっていますよねぇ(溜息)。
濃い塗色の場合は各所のクロームが強調されて本当に素敵だなぁと思います。
斜め後ろから。
いやぁ、本当に、イイとしか言いようがないほど、こりゃ溜まりませんな(笑)。
車は基本的に斜め後ろが美しいと思っているのですけど、
ワタクシのくだらん持論では
車って、道端を歩いている人が、素敵な車が現れたのに( ゚д゚)ハッ!と気付いてから、
前廻りを見ている時間よりも、後ろ姿を見送る時間の方が長いから、
実は自動車メーカーが意識的にそこのデザインに
力を入れているんじゃなかろうかと思うんですよね。
またその時代その時代で性能が高い車の場合にも、
他車を追い抜いて後ろ姿を見せつける形になる事を想定しているんだろうなぁ、、、
と思う訳なのですよね。
うちの車の斜め後ろ姿もイイとは思うのですけれども、
この車にはどう転んでも勝てませんな(笑)。
ドアをオープンにして臨む室内。
説明文の書き方が若干微妙なのですが、このベージュ革はオリジナルらしいです。
それがもし違ったとしても出荷時にはベージュのインテリアだったことが
データカードに記載されているらしいです。
ペイントがその昔もバミューダブルーという名称だったとすると
かなり明るいブルーであった事が想像されるのですが、
無論、この黒とも合っているとは思うものの、
その色とこの内装色を組み合わせた状態を見てみたかったなァと思う所であります。
後ろからの室内。
実際にそうなっているのか、単にそう見えるだけなのかは判りませんけれども、
ダッシュボード上部のなで肩に合わせて、
左右のシートがそれぞれ外側下がりになっているように見えますね。
お店が『レザーインテリアは破断しているため、専門店でのリファインをお勧めします』
と説明文に書いていますが、
この画像で運転席のシートバック板が右の方で剥がれてしまっているので、
それの事を言っているんでしょうかね?
見える範囲では限度を超えて汚れている訳でも、ヒビだらけな訳でもなさそうなので、
この部分が上手く修復できると好いなぁと思います。
あっ、この画像でアウトサイドミラーを初めて意識しましたが、
ミラーヘッドが丸なので、多分、これがオリジナルなんでしょうな。
メーター廻りのアップ。
上にヘッドライトがヨーロッパ仕様だけどアメリカ仕様だと書きましたが、
何と、メーターの類いも全てヨーロッパ仕様に変更されています。
新車当時高価だっただけにUS仕様率の高い中、
後から中途半端にヨーロッパ仕様化した車両が多いのですが、
これはキッチリやってあって◎ですね(笑)。
お店の方でも書いていますが、ダッシュボードの左端の方の
ステアリングとホーンリングの間に見えている辺りのウッドに
クリアの損傷が見受けられますね。
一寸だけ場所がズレてはいましたが、
先だっての緑ロードスターも左のメーター脇の辺りでクラックになっていましたから、
この辺りのひねり形状がクリアにはきつかったりするのでしょうかね?
ステアリングもヒビや汚れで結構お疲れが見えますが、
汚いのに関しては私の手に掛かれば(笑)、もう少し綺麗になりそうな気がしますし、
先日も書きましたけど、まぁ、多少お疲れなのも旧車の味ですから、
これはこれで良いのでは?と思う所であります。
以前、Tさんも、自然なヒビや傷や凹みなどの味のある損傷は
お金を掛けて得ようと思って得られるものじゃないから、、、と仰っていましたしね。
だからと言って、SLSやフラスパを全く洗車せずに下駄のように乗るのは
止めてあげて~って感じでしたが(大笑)。
それより一寸引きのダッシュボード画像。
残念ながらこのパネルが何の木材なのかが私には判らないのですが、
レストアで好んで使用される玉杢?のウォールナットよりも、
こうした薄い縞杢(これもひょっとしてウォールナットなのかもですが)の方が
いかにもこの時代のMBっぽい感じがするのですよね。
無論、そういう感じがするっていうだけで玉杢も嫌いではないんですけどね。
一寸見切れていますが、グローブボックスの蓋へのエンブレムの貼り付けは×だなァ。
なんで、こういうイイ車にこういう事をしちゃうんだか…。
このベッカーにも短波のアダプターが付いているようですね~。
どの国にそれが必要だったのかが判れば、ある程度仕向け地を考えるヒントにもなりそうですよね。
リアシート。
考えてみると先日の緑ロードスターも補助席じゃなかったですよね。
ロードスターにも補助席バージョンはあるようなのですが、
クーペとカブリオレAの場合は逆に
今まで補助席バージョン以外、見ていないような気がするのですよね。
この据え付けタイプのリアシート、結構好きなんですけど、
ひょっとしてこれの設定のあるのはロードスターだけなのかしら?
一寸余談ですが、この、中が物入れになっていると思われるような蓋が付いている、
サイドのアームレストですが、220SEb2枚扉のリアバケットシート付きの車両に
当初、これとそっくりな物を採用する積りだったようで、
確かカタログフォトではそのようになっているプロトタイプの画像が使われていたのですが、
実際には通常よりも大型のアームレストを据え付ける事で胡麻化されてしまったのですよね。
トランクルーム。
定番のカールバイシュのスーツケースセット付き。
以前、これとまったく同じものをある方に見せて頂きましたが、
イイナァとは思うものの、私のような貧乏人には車から出したら
置く場所に困るだろうと思われるほど大きなものでした(笑)。
これ、多分、時代的に反対側にもスペアを積めるようにスペースが空いているのだと思いますが、
そちらにもスペアを積んだ方が、左右の重量バランスが好いだろうなぁと思う反面、
後車軸より後ろの荷重なので、1本でもズシリと重みが掛かっている中に、
それがもう一本増えたら、逆の意味でそこそこ操縦性に影響が出そうな気がしなくもないですな。
エンジンルーム。
こないだの緑ロードスターより綺麗そうですね。
説明文によると、『車の機能性も十分で、ブレーキのみ交換が必要です』との事でした。
って事はこの車もそこそここの状態で寝てましたな(笑)。
気になるお値段の方は69万ユーロ、今のレートで1億150万円チョイという感じでした。
これからすると緑ロードスターの方は大台を超えるかどうかは微妙なラインって感じですかねぇ。
お店によると、『本車両の価格は、上記のような措置?により設定されており、
完全に修復された例よりも25万〜30万ユーロほど低くなっています。』
との事で御座いました。
フルレストア状態で1億5千万円前後が相場ってことですな。
新車当時の価値を今の価値に置き換えると、
多分そんなものでは済まなかったろうとは思いますが、
20年前からすると金額的には確実に倍になってきていますなァ。
昔、一斉にガクッと高額クラシックカーの値段が暴落した時期がありましたけど、
もうこのまま青天井なのでしょうかねぇ。
まぁ、確実に貧富の差が広がってきているとは思いますので、
余程景気が悪くならない限りはきっと落ちる事はないんだろうな、とは思う所ですが。
こうしたお店の売り物の私的に詰まらん所は、
まぁ、お店にも依るのですけど、車体番号の記述がない事ですね。
それがあれば、あぁ、あの車があそこに行った、ここに来たってな感じで
追っかける楽しみがあったりもするのですけどねぇ。
私の持っているレベルのクラシックでは数も多いので、
追っかけ切らないからそうした遊びも出来ないのですが、
300Scのように全数200台レベルならば、ある程度追いかけきれそうな気がして
面白そうなのですけどね。
今度暇な時にでも、何台位の300Scの車体番号がゲット出来るかやってみようかな、、、
と思います(笑)。
その車の持ち主になれる事が一番楽しい事なのでしょうが、
それが無理な話であるならば、そんな楽しみ方をさせてもらうしかありませんわよね(笑)。
って、そんなんで楽しいと思うのは私だけかもですがねぇ(爆)。