一寸前にドイツのお店に入荷した、ラリー仕様に仕上げられたW112の300SEであります。
なんと、このように仕上げたのはキンレだそうな。
ラリー仕様なので、アッパーバンパーが外され、
グリルとヘッドランプの間の補助灯に加え、グリル中央にも補助灯が設置されて、
ヘッドランプにはアミアミが取り付けられています。
このアミアミ、そういえば先日いーべーを見ていたら売っていましたっけ。
一寸面白いなって思いましたけど、うちの子にはきっと似合いませんよね(笑)。
サイド廻り。
フロントフェンダーにはダミーなのか何なのか判りませんが、
エアアウトレットのような物が設置されていますね。
タイヤホイールはラリー向けには通常15インチが使用される筈なので、
これもそうかと思ったものの、この画像では判らず。
で、ここには載せませんけど、他の画像でタイヤが大きめに写っているものを拡大してみると、
どうやらこれ、14インチっぽいのですよね。
(と、苦労して調べてみれば、説明文にちゃんと14インチって書いてありました…苦笑)
ハイ、減点イチ~(笑)。
まぁ、でもこの当時の15インチって入手が難しいと思うので
仕方ないとは思うんですけどね。
リア廻り。
リアも当然、アッパーバンパーが取り外された仕様になっています。
1963年式なので枠付き300SEは正解ですが、エンドパイプが2本出しになっていますなァ。
で、右リアフェンダーには給油口が付いていますが、
これは単なる演出的な物ではなくて、
タンク自体の容量も100ℓ化されているのだそうです。
220SEbの場合だと、62ℓタンクであっても満タンと空に近い状態だと
後車軸の後ろ側に作用する荷重なので結構大きな姿勢変化があるのですけど、
300SEの場合はエアサスですから、82ℓから100ℓになっても
その心配がない所が好いですよね。
トランクルーム。
取り付け方法がよく判りませんが、
左右のショックの頭の間にタワーバーが取り付けられているようです。
このタワーバー、一寸イイですねぇ。
本来の目的はともかくとして、
この奥にある、クロスメンバー上の空間を有効利用するのには好いと思います。
というのは、私がクロスメンバー上にスペアパーツ等々の荷物を入れた箱を置いて、
ショックの左右のタワーにアルミの角棒を渡してその箱の崩れ留めにしているからなのでした(笑)。
この車でもそこに、工具セットらしき平らな箱を挟み込んでいるような感じになっていますよね。
ダッシュボード。
ステアリングコラム上にはタコメーターが後付けされていますね。
どこかに滑り込ませる形にしていないので異物感は否めませんけれども、
文字盤などは当時の意匠を取り入れた感じの物になっているようで、
そうした所は流石だなと思うものがありました。
ラジオ廻り。
ベッカーはオイロパのトランジスタモデルが付いていますね。
あれ?これ、左側の丸ノブの奥に黒いトーンコントロールレバーが付いてるなァ。
これ、小さい丸ノブが付いてるけど、
ひょっとすると大きい方の丸ノブ時代のオイロパなのかも。
小さい丸ノブの時代のオイロパにはトーンコントロール自体が無かった気がするし、
トーンコントロールレバーの取り付け方法も違ったと思うので、
多分、そうじゃないかと思うんだけどなァ。
クロームの空調レバーは300SEの時代には装備されなかった筈なので、
これは私のと同様に(笑)、後付けですね。
この方がやっぱり見栄えがイイもんなぁ。
殆ど柄のないウッドパネルは仕上げると微妙な感じになる事が多いのを
しっくり仕上げてあるのはやっぱりキンレだなぁと思わせるものがありますね。
でね、この中で、知らない人でも違和感を感じる人には感じるだろうと思われるのは
シガライターのノブでして。
ラジオの丸ノブとブロアの丸ノブが同じ小径タイプなのに、
シガライターだけ大径でバランスを崩しちゃってますよね。
これは入れ替えるだけなので、是非小径タイプに交換したい所です。
内装。
縫製は素晴らしいと思うけど、この赤チェックはどうも…(汗)。
私的には目がチカチカして落ち着きませんな。
どうせやるんだったら、もっと落ち着いた300SL用のを使って欲しかったですね。
適当に拾ってきた画像ですが、それはこんな感じのものです。
まぁ、これの真ん中の赤を使っても、まだ幾らか微妙な気もするのですけど、
白が入らないだけ落ち着いて見えるかと思います。
青基調の物も赤が入っているから周りはそのままでそれを使うのも好いと思うし、
理想はカーペットも青系、布じゃない所を濃い目の青ないし黒にして
布張りの所に青基調純正仕様のチェック生地を使えば
落ち着いて好い雰囲気になったんじゃないかなぁと思うのですけどね。
この組み合わせはお客さんの趣味でこうしちゃったんでしょうかね~。
フロアシフトマニュアルになっていますが、
EPCで見る限り、112014ではATでもMTでもフロアシフトの設定はなかったようですので、
これはMBのファクトリーラリーカーに準じた仕様に仕上げられているという事のようですね。
エンジンルーム。
189986エンジンの方ですね。
こないだの調査で前期インマニにデュアルサーキットブレーキはあるけど、
逆に後期インマニにシングルサーキットがないのは判っているので、
これは換装していますね。
と言っても、この場合、ネガな話をしようってんじゃありませんで、
ラリー仕様と言う事で180馬力出るようにしてあるらしいので、
出力の出しやすい、6プランジャーポンプのエンジンを利用したって事なのだろうと思います。
189986は170馬力なので、ライトチューンで10馬力位ならあげられそうですからね。
112014ではブレーキがシングルサーキットからデュアルサーキットになるタイミングで
マフラーのエンドパイプが1本出しから2本出しになる、、、
というのがこないだの調査で判っているわけですが、
この車はシングルサーキットだブレーキの車両だけれども
上述した通り、リア廻り画像を見ると2本出しになっていますよね。
189986エンジンの時代は例外なく2本出しなので、
換装したエンジンに合わせての変更なのでしょうね。
説明文の装備品の欄にはスポーツエグゾーストって書いてありますが、
触媒があるわけでもない排気管の方はそれほど抜けが悪いとも思わないので、
ひょっとすると排気管のほうではなくて、タコ足でも付いているって事なのでしょうかね?
そうそう、このエンジンルーム画像を拡大すると、
インナーフェンダーの後ろの方で左右とも四角い穴が空けられているようなので、
どうやらフェンダーにあったエアアウトレットはダミーではないみたいですね。
さて、気になるお値段の方ですが、158500ユーロ、
今のレートで大体2600万円チョイだそう。
キンレで数年前に仕上げられた車両との事ですが、
流石の仕上がりの代償(笑)はやはり結構な物になりますね。
エアサスモデルですし、ちゃんとした所がちゃんと仕上げたものである事を考えれば、
妥当な線だろうなぁと思う所であります。
完璧に近い状態であろう、エアサスモデルのしかもスポーツに振った車両、
一寸乗ってみたいものであります(笑)。