先日、ドイツで表題の車輛の個人の売り物を見付けました~。
OMCのOさんがこの車が欲しいと仰っているのを聞いて以来、
海外物件を見る際に結構気にしてみている積りなのですが、これが本当に少ない。
元々2369台しか生産されていない中で、現オーナーの説明文によると
(但し、現オーナーは300SEbの数と取り違えていて2737台だと言っている)
現存は世界で550~950台程度で非常に良好な状態の物はかなり少ないだろうと
専門家に言われたとの事でしたが、
(その専門家とやらにそのように想定出来る根拠を教えて欲しいですね)
私的にはネットで物件を漁ってきている経験上からすると、
非常に良好な状態の物に限られた話ではないだろうと思うくらい、
かなり希少になっているんじゃないかと思うのですよね。
フロント廻り。
初期のW108/109にはこのように
うちの220君と同じ初期の縦目ヘッドランプが付き、
グリルの網目も同様に目の細かいタイプなんですよねぇ。
それに加えて、
W108/109ではグリル枠の形状はW111/112とは違うものの、
ボンネット前端がそれと交わる部分が
W111/112セダンのように真っすぐではなく、W111/112の2枚扉と同様に下にラウンドしているので
バンパーより上の顔つきが250SE/300SEまでの前期2枚扉と非常に近い印象があるのですよね。
一方、お尻廻りは後期のM130搭載の300SELと全く変わらず。
因みにその後期の300SELもこれまた2519台と結構少ないのですよね。
でも後期は国内で実物も見た事があったと思いますし、
海外物件でもそんなに機会は多くないけれど見掛ける事はそれなりにあるのですよね。
サンルーフ付き。
あったらイイナァと思いますが、
旧車だと色んな意味で一寸怖い装備ですよね(汗)。
コックピット。
ウッドパネル中央からやや上をクロームのモールが通る
前期のW109の中でも初期型内装の車輛ですね。
しかし、この初期型内装にもまた2パターンがあり、
ダッシュボードの両端にあるデフレクターノズルがW111系のように小さい総クロームのタイプと
この車のようにプラ製の大型のものがあるんですよね。
つまりこの車は初期型内装の中でも最初期の物ではなくて、
具体的に車体番号で行くと、000247~002130に属する車両である筈なのですよね。
因みにこの車の車体番号は説明文に書いてありませんが、年式が1966年の9月とあるので
そこから行くとざっくりですが、恐らく001000番の±60番位ではないかと想像しています。
もっともそれが登録日なのか出荷日なのか判らないので、
もう少し範囲は広がってしまうと思いますけどね。
話は戻って私的にはやっぱりノズルの小さい最初期型がイイナァと思うのですけれども、
上に書いた2ndバージョンの車体番号から判るように、
小さいノズルを装備した109015の300SELは
MAXでも246台しか造られていないという事になるのですよね(汗)。
しかもこの小さいノズルを装備した車両自体がメッチャ希少な筈で、
この部品、一見、W111用と同じ物なのかな?と思ってしまう所を何と品番が違っていて108品番。
コレが付いている車種は恐らく最初期型の250S、250SE、300SEb、300SELの4車種のみの筈で、
対象車種はMAXでもたったの25757台ですからね。
総計するとそこまで少ない数ではない気がしますけれども、
この4車種全ての合計が134964台、
W108/109の総計が私が計算ミスをしていなければ(笑)383072台である事を考えると、
どれだけ少ないかがよく判ると思います。
もうひとつ余談をしますと、今までハッキリとした認識をもっていませんでしたが、
今回調べた範囲では大きいノズルにも2種類あるようで、
古い方は勿論この車のタイプ、
002131からの新しい方はノズルの廻りにクロームの枠が取り付けられている物で、
その変更と同じタイミングでヒーターユニットへと接続する為のホースの品番も変わっているので
どうやらクローム枠以外の何らかの違いもありそうな感じです。
で、その変更のタイミングはクロームのモールが
ダッシュボードの上下と同じ色のセーフティパッド?に置き換えられるのと同じらしいです。
メッチャ脱線しましたが(笑)、シンプルなダッシュボードですよね~。
マカッサルエボニーかどうかがよく判りませんが、
落ち着いた縞杢のウッドパネルも品が好くてとても好い感じだと思います。
表皮が擦り減ってしまっている様子なのが残念ですが、
ベロアのシートもイイですね。
Oさんが欲して居られるのが109015のベロア内装の車両なので、
これをご覧になったら好いなぁと思われる事と思います(笑)。
オリジナルをよく保っているなぁ、、、と思うだけに1つ残念なのは
ベッカーの年代が合っていない事ですね。
これはクローム枠がラウンドタイプですが、
うちの220君の奴みたいなカクカクタイプが正解である筈で、
ノブも小さいタイプの方でなくてはイケマセン。
ブロアスイッチとシガライターのノブが小さい方ですからね~。
因みに1DINタイプのベッカーなのは車がW108/109なので正解だと思います。
リアドアからの室内。
フロントシートバックのラゲッジネットがびろ~んとなってしまっているのが残念ですが、
それ以外はこちらも好い雰囲気だと思います。
さて、肝心なお値段の方で御座いますが、
32500ユーロ、今のレートで530万弱という感じのようです。
元々の画像も10枚と少ない中、エンジンルーム画像がないのが不安要素ではあるのですけれども、
売り主曰く、技術的に完璧との事で、エアサスも完璧に機能するとの事でした。
、、、完璧と言いながら、後の方で右フロントのウインドウレギュレータが
動いてはいるらしいものの、調子の悪い時がありそうな事を書いたりはしていますけれども、
仮にそれだけの問題なのだとすればどうって事は無い話でしょうね。
後はこの手の稀少に価値を感じるか感じないかという話になるのですが、
その部分は置いておいても、近年、本当に108/109もお高いですし、
エアサスが本当に完璧というならば、悪くないお値段だろうなと思う所であります。
実は一瞬売っているページが消えてしまったのですけれども、
その時のお値段は確か33500ユーロ位だったと思うのですよね。
現オーナーさんは早めに処分したい感じなんでしょうね(笑)。