前回のつづき
12月31日(木) 10日目
夜中に数回目が覚めてトイレに行きました。
あの後はパンツを濡らすことも無く、また万が一のことが起こっても良いように、残り少ないティッシュを割いて自作した「夜でも安心」を股間に忍ばせているので、多少の量なら防げるようにしています。
トイレの鍵かけもずいぶん慣れました。本日の宿泊者の中で間違いなく私が一番上手いと思います。
どうでもいいですね、そんなこと。
空は雲に覆われていて、雨が少しパラついています。天気予報通りです。
本当は今日は一日テントで小説でも読んだり、料理を楽しみながらまったりして、明日の早朝にフィッツロイの朝焼けを拝みつつ下山し、昼の便に間に合うように一気に空港に向かう予定でした。
テントで悪天の中、停滞、一度やってみたかったのです。
しかし、そんな夢はこの現実を前にはかなく消え去りました。
と言うか、明日の早朝ダッシュ下山なんて想像も出来ないので、今日中になんとしても自力下山して、まともな病院とか薬局がありそうなエルカラファテまで戻りたいところです。
ティッシュも残り少ないですし。
今日は大晦日、観光拠点のエルカラファテで宿が取れなかったら悲惨だなぁ。。。
先日泊まったトイレ付きの部屋がいいなぁ・・・
トイレ付き、なんと素敵な響きなのでしょう。
心行くまで、洋式のトイレに篭りたい、すべてのモノを腸から流し去りたい。
今の私の夢はまさにそれです。
夢はともかく、食べ物どころか水分すら取れているかどうか怪しいこの状況で自力下山できるんでしょううか?
そんなことを考えながら、寝たり起きたりトイレに行ったりを繰り返しつつ、朝の7時頃、トイレに行く頻度が下がった気がしたので、ついに下山の決心をしました。
まずは自分の燃料補給です。
下手に水分ばかり取ると下山中に催すので、そちらは抑えめにして、なんとかカロリーの元になるものを取りたいところです。
食料袋を漁り、カロリーメートを取り出すと、出来るだけ口の中で粉状になるようによく噛んでから、少しずつ飲み込みます。
さらにアミノバイタルとマルチビタミン錠を水で流し込みます。
昨日だったら即お呼出しがかかったのですが、今日はそんな気配もありません。
順調に回復方向に向かっているようです。
多少心に余裕が出来たせいか、旅にこういうトラブルはつきものだと思えるようになりましたが、昨日熱にうなされているときは本当に焦りました。
さて、片付けますか。
自分に気合を入れて、パッキングを開始します。
雨が降っているのでカッパまで着込んでからテントの外に出ます。

昨日よりテントは減っているようですが、まだそれなりに残っています。
しかし、テントの外に出ている人は私一人しか居ません。誰か居れば食料やガスカートリッジを受け取ってもらえないか(私にとっては重量減になりますので)交渉しようと思っていたのですが・・・

フィッツロイは山頂部はおろか、麓の方まですっぽりガスに覆われています。
昨日、体調不良に陥る前に拝めて本当に良かったです。
テントをザックに詰め込むと、ボットン便所で腸の内容物の有無を最終確認してからザックを背負い、下山を開始しました。
テントが濡れた分とこの2日間で消費した食料(ほとんど無し)を差し引きすると、へたしたら登りより重くなってます。停滞時間を楽しもうと思って持ち込んだいろいろな食料は今となっては単なる重しでしかありません。
幸い下山コースを把握しているのと、98%ぐらいが下りか平らな道なのでその点は不安は無いのですが、はてさて体力が持つかどうか。
まぁ、気合だけは十分ありますし、経験上下山の時はシャリバテにはなりにくいはずなので、きっと大丈夫でしょう。
さて、行きますか。(8:00)
体を試すようにゆっくり歩き始めます。
問題なく足が前に出ます。
どうやら、これなら荷物を背負っている状態でも歩きつづけられそうです。

こんな雲が広がっていますが、大雨にならないことを祈ります。

遠回りコースとノーマルコースの分岐にさしかかります。
迷わずノーマルコースを選択です。

本人はピンボケで写していることすら気がついてませんが、体調が悪いなりに着々と下山して行きます。
そう言えば、今日はこんな天気だからかトレッキングルートでほとんど誰とも会いません。
無理に笑顔を作って挨拶するのも何だったので、助かりました。

潅木地帯と樹林地帯と開けた場所をいくつか通過し、

行きに迷った分岐にさしかかりましたが、見晴台に行くような天気じゃなかったのと、キャンプ場のトイレにも寄って行きたかったので、再びカプリ湖コースを選択。

カプリ湖キャンプ場に到着したところで、まずはトイレを探します。

ありました。
昨日何回もお世話になったポインセノットキャンプ場のトイレとまったく同じものでした。
しかも、こちらは鍵の調子がよく、非常に開け閉めがしやすかったです。
どうでもいいですね、そんなこと。
ペースは遅いものの、自分としては全力で下ってきたので、ひとまずここで休憩してから、再び下山します。

再びレンタルキャンプ場地帯を通過し、

馬コースと人間コースの分岐ではちゃんと人間コースを選択し、

ラス・ブエルタス川が見えたところで、もう少しで到着することがわかり、かなり安心しました。

このまま歩いていけば、なんとか無事に下山出来そうです。

向こうから歩いてきた単独で軽装の東洋人のおじさんに突然日本語で
「フィッツロイはこちらであってますか?」
と、訪ねられたので
「はい、あってますよ。でも、なんで私が日本人だってわかったんですか?」
と返事をすると
「なんとなく、見た目で」
と言われました。
まぁ、
モンベルのカッパを着てますからねって、おじさんは格好からして登山はやらないみたいなのでわからないか。

最後の階段を下っていきます。

約2時間で無事に下山完了! (10:05)

いやぁ、よかったよかった。
荷物を車に放り込むと、まずは昨日ガススタンドを探していた時に見つけておいたスーパーマーケットに向かいます。
実際に店内に入ってみると、スーパーと言うよりはおみやげの方がたくさん売ってる感じです。

アメリカ人の心の味、ゲータレードを3本まとめ買いします。(1本7ペソ、3本で21ペソ(500円))
ちなみに味はオレンジ、レモンライム、マスカット。
ついでに、トイレを貸してくれと頼むと、「トイレはどこかレストランで借りてくれ」との返事。
しかたなくスーパーを出て、まずはオレンジ味を一気飲みします。
さて、トイレですが、食欲も無いのにトイレを借りるためだけにレストランに入るわけにもいかないので、昨日ガススタンドの場所を教えてもらったインフォメーションセンターに行きます。
すると、ここでもトイレを貸してもらえず、さらに町の入口にあるビジターセンターに行けと言われます。

便所のたらい回しでやってきたのがここ。
Centro de visitantes del Parque Nacional Los Glaciares
って書いてあるので、ロスグラシアレス国立公園ビジターセンター(まんま直訳)って感じです。
そっか、ここもペリトモレノ氷河も含まれているロスグラシアレス国立公園の一部なんですね。
中に入ると、国立公園内の自然やフィッツロイ登山の歴史やコース(って言うか、よくあんな山登りますね)が紹介されている展示物があって、訪問者が係員の話に耳を傾けていたりするのですが、私はそれに興味があるふりをしつつ、さり気なくトイレに入ります。
やったぁ~、洋式トイレ、ティッシュペーパー付き!!
最高!!
さて、無事に下山出来たのと、飲んだら即下痢ってわけでも無い状況、そしてまだ午前中ということもあるので、もう少しエルチャルテンに留まることにします。
実はトレッキングを開始するときから気になっていた、トレッキングルートの脇から奥へとつづいていた車道を少し探検してみたかったのです。(州道23号線のエルチャルテンを抜けた先)
インフォメーションセンターでもらったガイドブックによると、この道を40kmほど進んだところにデシエルト湖というチリとの国境にある湖があるらしいのですが、それが気になって気になって仕方がなかったのです。
まぁ、さすがに片道40kmは遠いですが、途中まで少しぐらい覗いてもバチはあたらないでしょう。

と、言うわけで、早速少し走ってみることにします。
催すとやばいので、ゲータレードはしばしお預けです。

先程、トレッキングルートから見下ろしていたラス・ブエルタス川に沿って走って行きます。

晴れていたらけっこう綺麗でしょうね~。

走っているうちに、ここで引き返すのももったいないなぁと感じ始めます。
もしかしたら、もう少し進んだらすごい綺麗な滝とかあったりするかもしれませんし、なかなかUターンできません。
きっかけをつかめないまま、どんどん奥へと進んで行きます。

こんな岩場を削ったような箇所もあります。

日本でも見かける落石注意の看板ですね。

なるほど、こんなところにキャンプ場もあるわけですか。

他にも途中途中にホテルやレストランがポツンとあったりします。
これなら、途中で催しても駆け込めそうです。

こんな橋を超えて行きます。
なんかもう、ここまで来たんなら最後まで行っても同じかと思い始めました。

しかし、やはり片道40kmは伊達じゃないですね。
すでに1時間半以上走っているのですが、なかなか到着しません。

こんな大きな木の生える樹林帯の中を抜けて行きます。
左側にはホテルらしき建物が一軒。

遅い車につかまってしまうと、抜くこともできないのでさらにペースが落ちます。
一台なら譲ってもらえる可能性もあるのですが、

こうなると、諦めるしかありません。
ノロノロ行進に着いて行きます。(右側にちょっとした滝が写っています)

こんなところに教会ですかね?
ちなみにバックミラーにドアップで写っているのは、イラついて私を煽ってきている四駆です。

お、どうやら到着したみたいです。

ここから湖の北に渡り、さらに行くとチリに入れるそうです。
(帰国してから調べたら、欧米では有名なルートで車、船、馬、トラクター、船、車と乗り継いで国境を超えたり、ここら辺から四方八方に続くトレイルルートを堪能する場所のようです。日本人でここを紹介している旅ブログはひとつぐらいしか発見できませんでした)

湖の水はこんなに透き通っています。晴れていたらさぞかし綺麗だったでしょうね。
いつか時間のある時に、こんなところでゆっくりしてみたいものです。

さて、とりあえず終点まで走って納得したので戻りますか。

まずはデシエル湖から始まるラス・ブエルタス川沿いに南下を開始します。

エルチャルテンまで残り37km。
いやはや、けっこうな距離です。

あっちゃ~、もう遅いバンに捕まってしまいました。

と、思っていたら、直線道路で抜かさせてくれました。
よかったよかった。

お~、行きには気がつきませんでしたが、なかなかかっちょいい山がありますね。
さすがにトイレに行きたくなってきたので、少し急ぎます。

再び橋を渡り、

落石注意地帯を越えて、

エルチャルテンまで戻ってきました。
すぐにゲータレードを購入したスーパーの横にあったレストランに飛び込み、先にトイレをお借りします。
メニューにリゾットが掲載されていたので、それを頼もうと思ったのですが、なぜか寸前に気が変わり、普通のサンドイッチとコーラを頼んでしまいました。

自分で頼んだくせに、運ばれてきたサンドイッチを見て後悔します。
(スミマセン、コックさん)
しかも、舌がおかしくなっているのか、トマトの酸味とマスタードやチリソースが舌にヒリヒリと染みます。
食欲は無いのですが、無理に押し込みました。
(もちろん、全部は食べきれませんでした)
コーラを飲んだので出発前にビジターセンターに立ち寄り、トイレで最終確認をしてからエルカラファテに向けて出発です。

振り返ることも無く、まっすぐ走って行きます。
(と言うか、振り返っても何も見えないだけなのですが)

アエロクラブと書いてあるので、空港でもあるのでしょうか?
何か道の真ん中に落ちているなぁと思っていたら、突然動き始めました。
「アルマジロ!」
タイヤで踏みつけないようにぎりぎりで避け、バックミラーで確認するとブッシュの中に逃げ込むところでした。
時速100kmからブレーキを踏んで車を止め、バックしてその地点あたりを探したのですが、姿は見えません。残念。

再び原野の中を走っていきます。
その後も気になって、道端にアルマジロが居ないか探しながら走りますが、残念ながら見つかりませんでした。

ルータ40まで戻ってきました。

一路エルカラファテを目指します。

お、こりゃまた年季物のキャンピングカーですね。

なんか、怪しい雲行きだなぁと思っていたら、

あ~、降ってきましたね~。

と、思っていたら、止むのを通り越して少し晴れてきました。
明日は体調と天候、両方が回復してくれるといいなぁ。

再び人の気配を感じない大地を走っていきます。

こうやってパタゴニアの大地を延々と走るのもこれが最後でしょうか。

そう考えると、エルカラファテに戻っている安心感よりも、寂しさの方が強くなってきました。

ビックリマークが出ました。

ルータ40ともいよいよお別れです。

さよ~なら~、ルータ・クアレンタ。

州道11号線に入りました。
自転車で南米大陸旅行、ご苦労様です。

この辺りは数回走ったので、すっかり見慣れた景色です。

いつもは簡単に通してくれる検問ですが、今回は質問されました。
最初何を聞かれているのかわからなかったのですが、「パイネ? チャルテン?」と聞き取れたので、「チャルテン」と答えたら通してもらえました。

まずはこのホステルに行き、昨日と同じ部屋が空いてないかどうか聞いてみます。
すると、空いてるよとの返事。

やった~! トイレ付きの部屋だ~!!
(一昨日は新館で本日は本館だったので、前回のほうが多少設備が良かったのですが、これなら文句無しです)
大晦日の夜に下痢のまま町を彷徨うはめにならなくてよかったです。
部屋に入ると早速ゲータレードをがぶ飲みして給水&腸内洗浄です。
ラブ、マイルーム・トイレ!!

それからロビーに行って携帯を無線LANで繋いで症状を元に調べてみたところ、どうやらサルモネラ菌、もしくはカンピロバクターにやられた可能性が高そうです。
サルモネラだとすれば抗生物質も効かないらしいので、医者に行ってもしょうがないですね。(しかも菌の同定に数日かかるらしいですし)
いずれにしろ、症状は回復傾向なので、安静にして治すことにします。
で、何が原因か考えてみたのですが、サルモネラ菌だとすると潜伏期間が12時間~24時間。
逆算すると、昨日のパイネグランデのチーズサラダサンドイッチかセロカスティージョの肉のサンドイッチ。
特にパイネグランデの方は菌の媒体となるネズミがうろうろしている場所にあったので、あそこで生野菜を食べたのは迂闊だった気がします。

町に行き、スポーツドリンクのゲータレードとコカコーラが出しているパワーレイ・ナランジャ味(オレンジ味)を購入し(10ペソ235円)、さらに薬局で消毒用に95%アルコール(4ペソ95円)を購入します。
夕飯でも食べようかと思ったのですがまったく食欲が沸かないのでそのまま宿に戻ることにします。
そういえば今頃気がついたのですが、いつも決まってパトカーが停まっている場所があるのですが、そこにはUターン禁止のマークが出ていました。
日本の警察みたいに切符切るために見張っているのでしょうか?
宿に戻ると95%アルコールを70%ぐらいまで水で薄め、キャンプ中に手で触れたものすべてを消毒します。
着ていた服やズボンも洗濯し、一度リセットをかけます。
その後、トイレに行くたびにこのアルコールで消毒していたら、かなり手が荒れましたが、まぁ仕方がありません。
パッキングをしていたら夜中の11時過ぎになったので
「あけましておめでとうブログ」をアップします。(時差で日本から12時間遅れているので、すでに日本は年を越しているだろうと判断して)
部屋に戻ってパッキングやデジイチで撮影したデータのバックアップ作業を進めていると、外から「ドーン、ドーン」と音が聞こえてきます。
時計を見ると、0時を回ったところでした。
1月1日(金) 11日目
食中毒3日目

外に出ると、あちらこちらから花火が上がっています。
皆さんも外に出てきてその光景を楽しんでいるようです。

どうやら、個人所有の花火を打ち上げているらしく、日本ではまずお目にかかれない打ち上げ花火としては小型、個人所有としては立派な花火があちらこちらから上がっています。
私のすぐそばにも打ち上げているグループが2つぐらいあって、3分に一回ぐらいのペースで打ち上げているのですが、そんなグループが町中に居るので、あちらこちらからどんどん打ちあがってきます。
食中毒でエルカラファテに退散してきましたが、賑やかな年越しでよかったです。
さて、2010年はどんな一年になるんでしょう。
明日はいよいよパタゴニアを離れてブエノスアイレスへ移動です。
では、そろそろ寝ますか。
おやすみなさい!
(4時間後)
いつもどおり5時に目覚ましで目を覚まします。

体の調子もかなり本調子になってきたので、朝日を見るために外に出ます。
どちらに行こうか一瞬悩んだのですが、今日はペリトモレノ氷河方面に車を走らせることにします。

町外れまで車を走らせ、初日の出を待つことにします。

だんだん空の色が変わってきました。

2010年、最初の朝焼けです。

今日は満月だったんですね!
レンズ雲のモルゲンロート、パタゴニアン・アンデスのアルペングリューエン、そして満月。
奇跡的な組み合わせに新年早々大感激です。

空が明るくなってきました。
たぶん、地平線からすでに太陽は昇っているのだと思います。
そして、待つこと数分、

初日の出です。
いやぁ、すばらしい朝日!
2010年もきっとすばらしい一年になることでしょう。
(下痢も収まったし)
さて、一度ホステルに戻りますか。

元旦早朝のエルカラファテの町を闊歩しているのは野犬の群れと、一晩中飲み明かして正体不明になった若者達。
ホステルに戻ってくると、明らかな体調の変化を感じました。
のどが渇き、お腹が空いてきたのです。
ようやく「体が水分と栄養を吸収できますよ」というサインを出してきました。
人間の体って良くできてますね~。

昨日ホステルのフロントで買っておいた水とナランジャ(オレンジ)ジュースを飲んでから、喫茶コーナーに行きます。
600円で朝食食べ放題らしいので、それをお願いします。

たしかイグアスのホステルと同じ系列なだけあって、メニューも一緒でした。
さて、飛行機は昼に出発なので、まだまだ時間があります。
まずはホステルをチェックアウトし、車で10分のところにあるニメス湖に向かいます。

すぐに到着しました。
車を停めて湖畔の散策を開始すると、小さな女の子が子猫を胸に抱えて歩いて来ました。
パタゴニアで道迷いの寸前に出会った双子の女の子の件があるので、念のため周囲を確認すると、遠くに家族連れらしき集団が居たので、そこから歩いてきたのだと納得します。
女の子が猫をこちらに見せるように近づいてきたので、猫の頭をなでてから、再び湖のほうへ歩いて行きます。

居ました、居ました、チリフラミンゴです。

ニメス湖は野鳥の楽園と言われており、チリフラミンゴ以外にもいろいろな鳥が集まってきています。

遠くから別の集団が飛んできたのですが、それにつられて、ニメス湖に居た集団も大半の個体が飛び立ってしまいました。
そのまま目で追いかけていくと、遠くにある別の休息地に降り立ったようです。

最初はニメス湖を一周しようと思っていたのですが、チリフラミンゴが居ないんじゃしょうがありません。
場所を移すことにします。
チリフラミンゴが降り立ったあたりに車を移動させますが見当たりません。
すると、近くに居た格好が若々しいお婆さんが声をかけてきました。
どうも道に迷ったらしく、ホテルの場所を聞かれたのですが、「私は地元の人間じゃないので」と答えると、「あらそう? グッドラ~ック!」と言いながら、元気に歩いていってしまいました。

グッドラックは私の台詞のような気がするのですが・・・
しっかし、顔は間違いなくお年を召されている感じなのですが、歩き方も格好も若いですね~。
さて、もう少し時間があるのですが、そう遠くへは行けません。
ならば、エルカラファテの横に広がるアルヘンティノ湖を見てみようと思い、地図を見ながら畔に出られる道を探して走りはじめました。
すると、早朝に日の出を見に走ったときには何も無かった場所で銃を持った兵士が検問をやってます。
もしかしてこれがアルゼンチン名物の検問と称して賄賂を請求するやつかと身構えながら進んでいくと、案の定「止まれ」の指示が出ます。
緊張しながら窓を開けると、
「君、ライトがついてないよ」
と、笑顔で注意を受けます。
あ、すみません、点け忘れてました。。。

良い検問でした。(小さく写ってます)

GPSを確認して未舗装の脇道に入ります。

程なくアルヘンティノ湖が見えてきました。

空から見たときもそうでしたが、こうやって畔から見てもきれいな湖です。
そのまま椅子を倒し、軽く昼寝します。
1時間ほど寝たでしょうか。
贅沢な時間の使い方です。
(やっとできました)
畔を少し散歩してみます。

こちらも琵琶湖の2倍と巨大な湖で、波が打ち寄せています。
さて、そろそろ空港に向かう時間が近づいてきました。

エルカラファテに戻り、ガソリンを満タンにします。
お土産屋さんに立ち寄り、ルータ40のマークが印刷された買い物かばん(自分用)と知人用のお土産を購入します。
このカバンは今もスポーツジムに行く時の着替え入れとして使っています。

前回おいしいミートパイを食べさせてくれた店に再び行き、昼ごはんを買っておくことにします。
ところが先日居た英語の通じる若い女性店員さんが居らず、代わりに居たおばさん店員には英語が通じません。
前回、たくさんある種類のうち、どのミートパイが美味しかったかすっかり忘れてしまったので、おばさんに英語とジェスチャーでたずねてみたのですがぜんぜん通じなかったので、指を刺しながら適当に注文します。
前に食べたときは思いのほか小さくてすぐに食べ終わってしまったので、今回は2つ注文しておきます。

店内のテレビでは元旦生まれの赤ちゃんを映していました。(たぶんそういう内容だと思います)
アルゼンチンも2010年は平和なスタートを切ったようです。
ミートパイは2個で6ペソ。(141円)
向かいのキオスコで水(3ペソ70円)を買って出発準備完了。
では、いよいよ空港に向かいますか。

検問では「アエロポルテ」と答えて通過させてもらいます。
ここの通過もこれで最後ですね。

ここを左に曲がると空港なのですが、看板の指示のとおり、一度右に入ってから直進で向かうようにします。
(対向車が時速110kmで丘を越えて走ってくるので危険なのでしょうね)

エルカラファテの空港に到着しました。

今回の全走行距離 1258km。青森往復よりも少ない距離だったりします。
エイビスのカウンターにセレドンさんが居たので返却手続きを行い、フューエルカバーの件を伝えると修理代が80ペソ(1880円)とのこと。やはり免責金額範囲内でございました。
最後にセレドンさんと握手をしてお別れします。
チェックインカウンターで座席の希望を聞かれたので、もしかしたら急にトイレに行きたくなるかもと思い、通路側の座席を頼みます。

最後の国内線ですが、ちゃんと定刻どおりに飛び立つようです。
手荷物検査のところに行くと、私の提出物が足りていないらしく、なにやら指示を出されます。よくよく聞いてみると、空港税を払っていないから払わなければならないそうな。
横にある空港税支払いカウンターで38ペソ(890円)を支払い、領収チケットを入手してからそれを提出し、出発ロビーに向かいます。
体調が回復してからガンガンのどが渇くようになってきたので、再び水(炭酸水)を購入。値段は10ペソ(235円)、町の3倍以上の値段です。
搭乗開始のアナウンスが出たので飛行機に乗り込もうとしたら、チケットを通すところで女性スタッフに呼び止められます。
なんだろうと思っていると、背負っているザックを秤に乗せなさいとの指示。
しまった、雨蓋を外さないで来ちゃった。
私の新しいザックは雨蓋(ザックの上部の蓋とカッパ入れを兼ねた部分)が取り外せるようになっているので、それを外すとぎりぎり機内持ち込みサイズになるのです。
案の定、サイズオーバーで引っかかってしまい、ザックは没収、トランクルーム行きとなりました。
ザックは軽量化のために薄い素材でできているものを購入したので、できれば預けないで手元に置いておきたかったのです。
飛行機が加速を開始しました。
いよいよパタゴニアともお別れです。
すばらしい景色と楽しい思い出をありがと~。
つづく
0 1 2 出発・移動
3イグアス
4 5 6パイネまで移動
7 8 9 10パイネトレッキング
11 12 13パイネからエルカラファテ
14 15ブエノスアイレスへ
16 帰国