夜の山を走る者にとって鹿と出くわすことは珍しいことではないはず。
出くわさない夜もあるけど道脇の茂みの中に潜んでたかもしれない。
何頭も出くわす日もある、ちょっとした群れのときもある。
そもそも山は彼らの縄張りであってうちらは侵入者。
ある夜も出くわした。
狭い道での至近距離だったのでビックリした。相手もビックリしただろう。
「お前がどかないと俺は先に進めないんですけど」
至近距離で睨みあうこと数十秒。しかも座り込みやがった(珍しいな)。
その間にも下顎をしきりに左右に動かしてモゴモゴしてんの。
こんな瞬間ですら反芻してんのかよ。
カロリーメイト食わせたろか、いっぱい余ってるし。
しきりにモゴモゴしてるのがツボだったので動画を撮ろうとしたけど、カメラのモード切替をしてる間に走り去っていってしまった。
いったいなんだったんだ、アイツ。ただの鹿です。
そういえば鹿には胃が4つあるんだって。
夜の鹿との遭遇で絶対に避けたいのは接触。あれは本当に勘弁してほしい。
それまで立ち止まっていたくせに突如猛ダッシュしてクルマに特攻してくる。
中にはわざわざ向きを翻してまで特攻してくるのもいる。
あれは一体なぜなのか。なぜわざわざクルマの走行ライン上に突撃してくるのか。
どうやら鹿からすると本能的に暗い場所へ逃げ込みたいらしく、ヘッドライトは眩しいのでその向こう側が真っ暗に見えるらしい。それでヘッドライトの前を横切ろうとしてしまうのだそうな。
といっても鹿に直接インタビューしたわけじゃないから憶測でしかないが。
ところで、毎年秋になると親戚の家に鹿の肉が届くんだ。
毛皮はすでに剥いであるが形状と大きさからして後ろ脚のモモだと思う。骨付きもも肉。かなり重い。一つで何キロもする。トラックから降ろして家に運び込むだけでもたいへんだ。すぐに捌いて小分けする。それでも冷蔵庫に収まりきるはずがない。よって他の親戚や知人へ配る、俺も呼び出される。
毎年恒例なので気にしたことなかったのだけど、ふと疑問になったので訊いてみた。なんとうちの親戚に猟師がいると判明(笑) 猟師と聞くとマタギを思い出す。なんかそれって胸熱じゃん。
ずっと前。
スキー仲間たちと八ヶ岳の麓でジビエ料理レストランに入ったときの話。
店のオーナー自ら山奥に入りライフルでズドーン!仕留めてくる。店内にはたくさんの毛皮や角付きの頭骨などがオブジェとして飾られていて、狩猟時の生々しい記録アルバムなども置いてあった。鹿ハンティングでもっとも苦労することはいかに仕留めるかではなく、仕留めた鹿をいかにしてトラックまで運ぶかなのだと言っていた。その場で解体し、トラックまで運ぶ。毛皮も内蔵もすべて回収し、すべて有効活用するのだそうだ。
そこで食べた鹿肉料理はどれも絶品だった。いま思えばTPO補正がふんだんにかかっていたのだろうね(笑) 鹿肉デビューがそれだったので、「鹿肉=美味」という擦り込みができてしまっているのだけど、それ以降一度も美味い鹿肉を食べたことがない。うーん、ぶっちゃけ、そもそもさほどありがたみを感じさせるような味じゃないよな、鹿肉って。
大自然の恵みということでは感謝してるけど。
ではまた。
Posted at 2019/12/15 20:47:31 | |
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